第44話 暴走ゲッターロボ! その2
クロガネとゲッターロボの周辺に転移したフーレは、1機をゲッターロボとクロガネの足止めに残し、残りの3機は北京に向かっていたハガネとヒリュウ改の前に現れていた。ハガネとヒリュウ改はエアロゲイターが現れた北京に急行する事を余儀無くされるのだった
「良いか、市街地に降りた敵機を全て撃墜するぞ」
ハガネから出撃したイルムが市街地を攻撃しているバグズ……「メギロート」と「イルムヤ」を睨みつけながら指示を出す
「了解です」
イングラムがすぐに出撃出来ない事もあり、この場で一番地位の高いイルムがPT隊のリーダーとなり指示を出す。キョウスケは即座に了解と返事を返したが、ヒュッケバインMK-Ⅱを駆るブリットはやや困惑した様子で展開された部隊を見つめていた
「クスハが居ない……? 中尉、クスハはどうしたんですか?」
「弐式の調子が良くないらしい。SRXチームと一緒で出撃は遅れるそうだ」
「そうですか……」
クスハの出撃が遅れる。その言葉に若干気落ちした様子を見せるブリットにジガンスクードのタスクがからかうように言葉を投げかける
「良いトコを見せられなくて残念だったな。ブリット」
「な、何を言ってんだ。俺は別にそんなつもりじゃない」
からかわれたと思ったブリットがヒュッケバインMK-Ⅱをタスクのジガンスクードに向けるが、間に入ったヴァイスリッターが仲裁……
「まあまあ。嫌よ嫌よも好きのうち……ってね」
「……意味がわからんぞ、それよりも今は戦闘に集中しろ」
に入ったわけではなく、パートナーが意味の分からない事を言った事にキョウスケは溜め息交じりで、戦闘に集中しろと言ったが、北京の市街に降下しているバグスの少なさに違和感を覚えていた
(偵察……でも無さそうだな。しかし、なんだこの違和感は)
ハガネとヒリュウ改のPTを偵察に来たのかと考えたが、それに対しては余りに数が少ない。その数の少なさが伏兵が潜んでいるのでは? と言う疑いに繋がる
「イルムガルト中尉。ここは部隊を一部分散するべきだと判断します」
「……キョウスケもそう思うか、俺もだ。この配置には違和感しかない」
キョウスケが感じていた違和感をイルムも感じており、キョウスケの提案を受け入れる
「ジャーダ、ガーネット、それとラッセル少尉の3人、それとリョウトとリオの5人で避難が終了していない民間人の避難の支援に行ってくれ、マサキとリューネは先行してMAPで相手の出鼻をくじけ、被害を最小に押さえるぞッ!」
降下してきたバグスを囮、もしくは誘導と考え、そしてその上で相手の思惑に乗り自分達に視線を集めその隙に民間人が避難を進めると作戦を立てるイルム
「キョウスケは俺と一緒に突っ込むぞ」
「……了解」
サイバスターとヴァルシオーネが先行し、2色の光がエアロゲイターの兵器にのみ被害を与えるのを確認してから、グルンガストとアルトアイゼンを先頭にし、一掃作戦は幕を開けたのだった……だがキョウスケ達は知らない、ハガネとヒリュウ改の周りのバグスが少ない理由……ハガネとヒリュウ改のセンサーの範囲外で戦うクロガネとゲッターロボの存在があることを……
クロガネとゲッターロボのフーレとバグス達の戦闘は終始ゲッターロボとクロガネが有利に進んでいた
「ミサイルマシンガンッ!!!」
超高高度と言うこともあり、イーグル号を操縦しているゼンガーが奮闘している形になる。勿論ゼンガーもゲッターの操縦に慣れている訳ではない、だがそれでもバグスではゲッターロボを止めるには完全に役不足だったのだ。誘導式のミサイルにロックオンされたバグス、スパイダーのAIでは逃げ切れず次々をミサイルが被弾し、破壊されて行く……
「フーレの反応減少しますッ!」
「ならば今の内に畳み掛ける! 主砲2~6番、てぇッ!!!」
ビアンの指示で戦うクロガネもフーレの上を押さえ、有利に戦況をコントロールしていた。それなのにまだ北京へと降下出来ないのはある理由があった
「また重力震反応です! 5……4……1……来ますッ!!」
フーレが撃墜されると同時に再び別のフーレが姿を現し、クロガネとゲッターを再び包囲網で囲い込む
「ちいっ! 明らかに足止めが目的か! 北京はどうなっている!?」
「はい、ハガネとヒリュウ改が到着、戦闘を始めています。ですがエアロゲイター側の人型兵器が多数出撃しています!」
ユーリアの報告にビアンは舌打ちを打つ、クロガネに搭載しているガーリオンもこの高度ゆえに出撃する事は出来ない。しかも相手は完全にクロガネとゲッターをこの場に足止めする事を目的としている
(包囲網に穴さえあけばッ!)
敵は弱いが、こう数が多くては思うようには動けない。しかもフーレを残して無理に降下すれば挟撃を受ける……ハガネとヒリュウ改の戦力は連邦でも突出している。だが相手が市街地、しかも民間人を人質にする戦法を取れば、その戦力も大きく削がれることになる。
「バン大佐、市街地に強行降下したとして、クロガネが受ける被害はどれくらいだ」
「……下手をすれば轟沈になるでしょう。相手は一定感覚で増援を送り込んでいます、そのタイミングが狂えば突破口も見出せるでしょうが……」
今のままでは手立てが無い、そう告げるバンにビアンが唇を噛み締める。何とかしたいと思っているのに、それが出来ない。それは激しい怒りへと変わる……だがそれはビアンだけではなかった。
『邪魔をするなあッ!! 我はゼンガーッ! ゼンガー・ゾンボルトッ!!!』
右肩から射出されたゲッタートマホークを掴み、ゼンガーが名乗りを上げる。
『悪を断つ剣なりッ!!!』
振り下ろされたゲッタートマホーク。その動きに合わせてゲッターウィングが動く、だがフーレやバグスの群れを相手にするにはゲッタートマホークだけでは足りない。見ている全員がそう思った……だが次の瞬間クロガネのブリッジに警報が鳴り響く
「なんだ!? また増援か!」
「違います! ゲッターロボのゲッター線指数が上昇してます! 70……90……100……150……うわ!?」
ゲッターのゲッター線量を計る計測器が爆発し、オペレーターが悲鳴をあげる。ブリッジからも分かるゲッターロボの全身を包む翡翠の光がどんどん増している事に……
『眼前の敵は全て打ち砕くのみッ!!! チェストオオオオオオオッ!!!!』
裂帛の気合と共に振るわれたゲッタートマホーク……そしてその切っ先から飛び出したゲッター線の刃がクロガネとゲッターを囲んでいたフーレとバグスを一掃すると同時にゲットマシンへと分離し、急降下していく
「今だ! Eフィールド全力展開ッ! 北京へ向かって降下するッ!!!」
敵の包囲網が消滅した、この瞬間をビアン達も見逃さず。即座に北京へと降下していくのだった……
クロガネとゲッターロボが北京へと降下を少し前……北京市街に現れたバグスを全滅させたヒリュウ改とハガネの前にフーレがゆっくりと降下してきていた
「「上空に巨大な熱源反応! 大型飛行物体が降下してきますッ!」」
ヒリュウ改とハガネのブリッジにほぼ同時に、エイタとユンの報告が入る
「識別は!?」
「飛行物体の識別はどうなっていますか!?」
「「04、フラワーですッ!!」」
エイタとユンの報告にダイテツは顔を顰め、ショーンは顎の下に手を当てた
「南極の時と同じ奴……! 敵の戦艦かッ!」
「これは厄介ですねぇ……このタイミングで戦艦を送り込んできますか」
ビルの上空に現れたフラワー……そしてそのフラワーを守る様に展開された緑色の人型機動兵器の姿にハガネとヒリュウ改だけではない、出撃していたPT隊にも大きな衝撃が走る
「あれは……人型の機動兵器ッ!」
バグスを撃墜し、ディスカッターについたオイルを拭っていたマサキが驚愕の声を上げる。今まで虫や鳥という動物型の兵器だったエアロゲイターが人型兵器を繰り出してきた。それに驚愕するのは当然の事だ
「皆、気をつけろ。敵の新型のお目見えだ」
リボルビングステークのカートリッジを交換していたキョウスケが現れた新型を睨みながら、警戒を促す
「あいつら、あんな物まで持っていたっていうの!?」
ヴァルシオーネのリューネも驚愕の悲鳴をあげる、今まで見る事のなかった人型兵器の大量投入に驚くの無理は無い、だが人型兵器を観察していたリョウトはある事に気付いた
「サイズが……そうだ。サイズがPTやAMと同じだ……ッ!? もしかして……」
「ああ、本来、PTやAMはエアロゲイターの人型機動兵器に対抗する為に開発されたんだ」
リョウトの疑問にイルムが返事を返す、PTとAMが開発された経緯……突然始まったと言える人型機動兵器の開発……それに踏み切るにはやはり何か大きな切っ掛けがあったのだ。
「……彼らがあんな物を持っている……判っていたんですか?」
「親父の話じゃ、メテオ3にそれっぽい情報があったそうだ……もっとも、連中が本当にあんな物を持っているかどうかは賭けだったらしいが……」
だがこうして実物を目の当たりにして、PTやAMの開発は間違いじゃなかったと確信したとイルムは呟いた。あれだけの大群で出て来るのに、戦闘機や戦車では完全に力不足。PTやAMの開発がされてなければ、まともに抵抗出来ず連邦は相手に敗れていたかもしれない
「何にせよだ……今までのバグスやバード、スパイダーは前座……あの人型こそが本命。つまり、連中は本腰を入れてきたって事さ」
「……新しいカードか。それを俺達に切ってきた……その理由は何だ? 何故奴らは俺達を狙ってきた?」
あれだけの機動兵器があるならば、こんな市街地に出撃させる意味は無い。それこそ、転移で戦艦を基地に送り込み制圧した方がよっぽど意味がある……相手の目的が判らず、アルトアイゼンのコックピットでキョウスケは顔を歪める
「あ、判った! 私の実力と魅力に気付いて、誘拐しに来たとか!? ああ……私って罪な女」
「つまらん事をいってないで、戦闘に集中しろ」
エクセレンの軽口で戦場の空気が和らいだのはキョウスケも判っている。だが今はまだ気を緩めて良い状況ではない
「んもう! ホントだったらどうするのよぉ」
「油断はするな……奴らの目的が何であろうとな……」
人型機動兵器が次々と動き出す、ここからが本番とでも言いたげにその手にレーザーブレードやビームライフルを構えて、ゆっくりと進軍してくる。その姿を見て、エクセレンの纏う空気も変わる、それは今までの口調が意図的にしていた物であり、場を和まそうとしている言葉だったのは明白だった。
「皆、遅くなってすまねぇッ!!!」
だが敵の増援と同時に、ハガネからもプラスパーツを装備したSRXチームとグルンガスト弐式、そしてR-GUNの5体が出撃する。民間人の避難誘導、シェルターの警護などで戦力を分散している今。SRXチームの出撃は劣勢に追い込まれかねないこの状況を覆す、強力な手札となっていた。
「奴等は新しいカードを切ってきた。気をつけてくれ」
「ああ、遅れた分は何とか取り返して見せるぜ!」
リュウセイの駆るR-1はエアロゲイターの人型を見てやる気満々と言う仕草を見せる。だがその姿は気負いすぎにも見え、大丈夫か? と言う不安をキョウスケ達に与えていた。だがリュウセイ達の教官のイングラムがいるから大丈夫だろうと、その事を敢えて指摘することは無かった
「ライ、R-2パワードの調子はどうだ?」
「出力が若干不安定ですが、戦闘には支障ありません」
R-2の姿は大幅に変化しており、両腕には巨大な白いシールド、そして背中には5門ずつの巨大なキャノン砲を背負っていた……この姿こそが本来のR-2の姿と言うべき姿であり、やっと調整の終わったプラスパーツを装着した「R-2 パワード」の姿だった。
「アヤ、お前の方は?」
「念の逆流を感じますが、許容範囲です。やれます」
だが姿が変わっているのはR-2だけではない、元々PTとしては小型だったR-3もまたその姿を大きく変えていた。R-3全体を包み込むような巨大なフライトパーツ……その姿はPTと言うよりかは戦闘機、もしくは飛行機と言うべき姿をしていた。もっともこれこそがR-3の本来の姿であり、本来の武装であった。フライトユニットによる高機動による強襲、そしてフライトユニットに搭載された凄まじい量の武器による広域制圧を可能としたPT……それが「R-3 パワード」の姿なのだった
「俺とクスハは母艦の護衛に回る。他の者は敵機を迎撃しろ」
イングラムはライやアヤ達の様子を確認してから、自分とグルンガスト弐式はハガネとヒリュウ改の護衛に回ると告げた時。再びハガネとヒリュウ改に凄まじい警報が鳴り響く
「今度は何だ!?」
「ふ、フラワー2機が上空から主砲を北京に向けて降下してきます!! フラワーの推定射撃範囲到達地点まで280秒ッ!!!」
エイタの報告はフラワーが上空に転移と同時に、急降下してその主砲で北京を狙っていると言うものだった
「大尉! 艦首トロニウムバスターキャノンで迎撃する! 迎撃準備急げッ!!」
「了解ッ!」
フラワーをこのままにしては北京が消滅する、そう判断したダイテツは艦首トロニウムバスターキャノンでフラワーを迎撃する事を決めたが、ブリッジに更なる報告が飛び込む
「待ってください! フラワーを追う熱源3! 識別信号は……ゲットマシンですッ! イーグル号、ジャガー号、ベアー号がフラワーを追っていますッ!!」
その報告にハガネとヒリュウ改に僅かな安堵の色が混じる、だがその中に1人、やっと主役が来たかと言わんばかりに邪悪な笑みを浮かべている男がいることに誰も気付くことはないのだった……
成層圏から北京へと向かって急降下するゲットマシンのコックピットの中で武蔵は操縦桿を必死に握り締め、ペダルを踏み込んでベアー号を加速させる。だが空気抵抗の少ないジャガー号の最大速度に追いつけず、仕方なしで通信での説得を試みる
「エルザムさん! 無茶だ! このスピードで合体なんて無理に決まってるッ!!? それにもし失敗したらッ!」
ジャガー号が先行していると言うことはエルザムはゲッター2にチェンジしようとしている。だが、最大加速マッハ0.8に近い速度での合体はゲッターに乗り始めたばかりのエルザムとゼンガーでは無理だと武蔵は叫ぶ。だがしかしエルザムの意思は変わらない
『だがやるしかない!! フラワーの主砲は既に北京に向けられている! あの大出力が地表に向かって放たれたらどうなるか言うまでも無いだろう!』
エルザムの言うことは判っている、だが余りにもリスクがありすぎる。これがリョウや隼人なら武蔵だって迷う事無く合体に踏み切っただろう……だがゲッターに関しては素人に近い2人とこのスピードでの合体は余りにもリスクがありすぎた
(ぐっ! 不味いッ!!)
このスピードでの急降下……空気が壁となり、ゲットマシンのコントロールを奪う。それを必死に堪え、先行するジャガー号の後を追いかける。武蔵だって判っている、だが失敗すれば3人とも死ぬかもしれない。それが判っているからどうしても最後の一線を越えられない……そんな迷っている武蔵。気が付いたらベアー号のコックピットに影が差しており、イーグル号がベアー号を追い抜こうとしていた
『武蔵、エルザムの気持ちを汲んでやってほしい、そして俺達を信じてくれ、必ず合体は成功する』
その加速はゼンガーには辛いだろう、額に大粒の汗が浮かび、歯を強く噛み締めるその姿を見ればそれは明らかだった。だがゼンガーの言葉は武蔵に同意するのではなく、エルザムを信じて欲しいと言う友人を信じる男の言葉だった……
「ゼンガーさん……」
急降下の凄まじいGにに顔を歪めながらもゼンガーの目は死んでいなかった。エルザムならできると言う強い信頼の色が浮かんでいた……ゲットマシンの様々な計器が警報を鳴らし、減速するか、加速するかの最後の決断が迫られる。
「判った! 信じるぜッ!!!」
どうしても最後の一線を踏み切れなかった。だがゼンガーとエルザムの目を見れば、不思議と恐怖は無かった。出来る……言葉に出来ない、そんな不思議な確信が武蔵の中にあった。ペダルを強く踏み込み、ベアー号を追い抜いていったイーグル号を再び追い抜く
「ぐっ! ぐぐぐう……ッ!!」
『ぬっくっ! ……うううッ!!!』
『う、うおおおおおおおおおーーーーーーッ!!!』
ゲットマシンの最大加速で行われる急降下、それはゲッターに慣れている武蔵でも歯を食いしばらなければ耐えることの出来ない凄まじい衝撃。だがゼンガーもエルザムもそれに耐え、合体軸を合わせる為にゲットマシンを必死で操る。背後からイーグル号が追突……いや合体した衝撃を感じながら武蔵は更に強くペダルを踏み込む、空気抵抗の都合上一番スピードの出るジャガー号が先行している以上。ベアー号、イーグル号の単体出力ではジャガー号に追いつけないと判断し、1度イーグル号と合体する事を選択したのだ。
『チェンジッ!!!』
ベアー号とイーグル号が合体したことで推進力が上昇し、ゲッター2の胴体と脚部になった2機が先行していたジャガー号に追いつく
『ゲッタァアアーーーッ!! ツウゥゥーーーッ!!!』
エルザムの血を吐くような叫びと共にベアー号、イーグル号に凄まじい衝撃が走る。それは合体が成功した証でもあった……
『オオオオオーーーーッ!! ドリルアームッ!!!!!!』
急降下の勢いに加え、3機分のゲットマシンの莫大な推進力を得てゲッター2はドリルアームを翳し、フーレに向かって突撃する
『『「オオオオオオーーーッ!!!」』』
エルザム、武蔵、ゼンガーの雄叫びが重なり、急加速したゲッター2が背後からフーレを貫き、爆発させる。だが、フーレはまだもう1機残っている
『オープンゲットォッ!!!!』
フーレを貫くと同時にゲッター2の姿が爆ぜ、ゲットマシンへと分離する。
『ゲッターロボ!? それに今の声はエルザム兄さんか!?』
『やっぱり来てくれたのか! 武蔵!』
ライやリュウセイの声が聞える中、武蔵は軋む身体に顔を顰めながら、再びペダルを踏み込み、機首を強引に上げる。そこには旋回したジャガー号と、そのジャガー号に向かって垂直に加速するイーグル号の姿が見える。
「チェンジッ!! ゲッタァアアアーーーーッ!! スリィィィーーーーーッ!!!」
ペダルを全力で踏み込み強引に軸を合わせてゲッター3へと合体する。一瞬でも間違えば、3機ともお釈迦になるというギリギリのタイミングで武蔵達はゲッター3への合体に成功した
『ぐっ! 行け! 武蔵君ッ!!』
『これで決めろッ!!』
ゼンガーとエルザムの後押しも受けて、ゲッター3のカメラアイが凄まじい光を放つ
「おおおおおおーーーーーッ!! 大! 雪!! 山!!!」
伸びたゲッターアームがフーレに向かって伸ばされ、その巨体に巻きついて行く。ゲッターの推進力を使い、強引にフーレと自分の位置を交換した、着地と同時に自身の回転も加え、フーレの巨体を振り回し、伸びた腕と回転するゲッター3によって凄まじい竜巻が生まれ、フーレの巨体をまるで紙の様に切り裂いていく
「おろぉぉーーーしッ!!!!!」
上空に投げ飛ばされるフーレ、全身から放電しながらもまだフーレは自分に下された命令を実行する事を諦めない。だがそんなフーレのAIの目の前に迫ったのは、硬く握り締められたゲッター3の右拳は自身の動力部に向かって高速で伸びる光景だった……
「パーンチッ!!!!」
高速で伸ばされた右拳はフーレの傷だらけの動力部に飛び込み、動力部を完全に粉砕する。
「!?!?!?」
北京に向かって主砲を放つ為に臨界点まで高められていたフーレの動力部。それが破壊された事で蓄えられていたエネルギーが逆流し、本来北京を破壊する筈だったエネルギーが逆流し、艦内から爆発するフーレ……そして一際大きい爆発共にフーレの姿は爆炎の中へと消えていった……
「ふう……何とか、間に合った……」
フーレの北京への上空からの主砲発射と言う事態を避けることが出来、武蔵はやっと安堵の溜め息を吐いた……だが――その直後凄まじい爆発音が鳴り響いた……
「あ、アヤアアアアアアアッ!!!!」
間に合ったと呟き振り返った武蔵の耳に飛び込んで来たのはリュウセイの悲痛な叫び声。そして……頭部パーツと右腕を破壊され、墜落していくR-3の姿……リュウセイの叫び声であの機体に乗っているのがアヤだと判った。そしてR-3にビームライフルを向けていたR-GUN……そのパイロットからオープンチャンネルで言葉が投げかけられる
「フッ、お前もとんだお人よしだな――武蔵、今まで散々犯罪者として追われ、今度は人助け。全てが終わったら用済みなのに本当に貴様は人を疑う事を知らないようだ」
その声は紛れも無くイングラムの物で……イングラムがアヤを撃った……その事を理解するまで少しの時間を有したが……それを理解した時……武蔵の意識は闇の中に沈んでいた。
「ウ、オアアアアアアアアアアーーーーーッ!!!!」
無意識の武蔵の凄まじい雄叫びと共にゲッター3の姿はゲッター線に包まれ、避難が完了しているビルを薙ぎ払い、ゲッター3は一直線にRーGUNに向かって走り出すのだった……
【ゲッター線に飲まれたか、だがあの炉心を使えば、それも致し方あるまい。あの炉心の純度は全てのゲッターの中でも極めて高い、怒りを持って暴走するのもまた必然】
ビアンが持ち出し、新ゲッターロボからゲッターロボに乗せ変えたゲッター炉心。それが武蔵のゲッター線との適合率を爆発的に跳ね上げ、今回アヤを撃ったイングラムを切っ掛けにして、その力を解放させた。
【このまま飲み込まれるか、それとも竜馬のように抗うか……見定めさせて貰うぞ。お前が悪魔になるのか、それとも救世主になるのかをな……】
そして暴走したゲッター3を見つめる2人の白衣の老人の姿。ビル風に煽られ、白衣を風に靡かせ暴れ狂うゲッター3を見つめる老人は紛れも無く、早乙女博士なのだった……
第45話 暴走ゲッターロボ! その3へ続く
暴走状態になったゲッターロボ、やっぱり新のゲッターの炉心は危険って事がはっきり判ると思います。次回はリュウセイ達がSRXへの合体をイングラムに命じられた視点から入っていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか
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サイドまたは視点は必要
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今のままで良い