進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第45話 暴走ゲッターロボ! その3

第45話 暴走ゲッターロボ! その3

 

ゲッターロボの登場、それにより北京に降下していたフーレは全て撃墜され、主砲掃射の後展開される筈であったエアロゲイターの人型兵器であるゼカリアなどは出撃するまもなく全滅となった。その光景を見てR-GUNのコックピットでイングラムは薄く笑った、多少想定外の事はあったが、ゲッターロボが乱入してくることは折込積み、それならば計画を少し前倒ししてしまえばいい。ただそれだけの事だ

 

(ぐっ……頭が)

 

そうすればいい、そう判っているのだが、激しい頭痛によりどうしても最後の一線を踏み越える事が出来なかった。しかし成層圏から急降下してくるゲットマシンの反応を確認すると同時にその頭痛は完全に消えて、今こそが最善のタイミングだとイングラムは判断したのだ

 

「リュウセイ、ライ、アヤ。パターンOOCのプロテクトを解除する。SRXに合体しろ」

 

イングラムから告げられた命令にリュウセイ達の間に僅かな動揺の色が広がった

 

「え!?」

 

「ま、まさか……今!?」

 

「そうだ、SRXによって敵機を一気に殲滅する」

 

イングラムの言う事は決して間違いではない、だがゲッターロボが合流した今。無理にSRXになるべきではないのではとライは感じていた。

 

「テストをせず、行き成りOOCを行うなんて無謀ですッ!」

 

「それに、今は戦闘中ですッ!」

 

失敗するリスクを考え、ライとアヤが反論するが、イングラムの意思は変わらなかった。

 

「だからこそだ、Rシリーズの合体は、戦闘中に行う事を前提としている。それにゲッターロボの分析で得た技術も併用している、戦闘中の合体は不可能ではない」

 

「た、確かに……そうですが……」

 

「危険すぎます。失敗をすれば、他の機体まで巻き込む事にッ!」

 

ゲッターロボのようにあれほど自由自在に合体と分離をするように設計されていないSRX。ゲッターロボを引き合いに出したイングラムだが、それに対して無茶だとライが告げた。だが、イングラムの返答は挑発するかのような言葉だった……

 

「どうした……? 自信が無いのか? また武蔵だけに負担をかけるのか?」

 

その言葉にリュウセイ達は唇を噛み締めた。ハガネもヒリュウ改も連邦での評価は高い、だが、アイドネウス島での戦いも、ジュネーブでの戦いも武蔵とゲッターロボがいたからこそ勝利出来た。今のままでは仲間ではなく、ただの足手まといなのではと考えていたリュウセイにイングラムの言葉は重くその肩に圧し掛かった

 

「リュウセイ。自分が軍に入った目的を……戦う理由を思い出せ。今、ここでOOCを成功させなければ……」

 

「判ったぜ……教官」

 

イングラムの言葉を遮り、リュウセイが了承の返事を返す

 

「リュウセイ」

 

「ライ、やるしかねえ。この場を何とかするためにも、武蔵だけに負担をかけないためにも……今ここでOOCを成功させる」

 

リュウセイの強い決意の篭もった言葉にライもアヤも制止する立場でありながら、言葉を失った。それだけリュウセイの言葉には強い覚悟が込められていた

 

「……危険な賭けだぞ」

 

「覚悟の上だ。ライ、アヤ……頼む。お前達の力を俺に貸してくれ」

 

「……良いだろう」

 

「やりましょう、リュウ」

 

ここまで言われれば、ライもアヤもリュウセイを止めるのではなく、リュウセイの力を貸す事を決めた。

 

「教官、聞いての通りだぜッ!!!」

 

「では、パターンOOCのプロテクトを解除する。2回目はない、1回で決めろ」

 

イングラムの言葉にリュウセイ達は任せておけと返事を返す、――イングラムから各機に告げられた報告に出撃前のブリーフィングを思い出した面子に僅かな動揺の色が走る

 

「行くぜ! ライッ! アヤッ!!」

 

PT隊からSRXチームが離脱する。幸いにも敵の妨害は大雪山おろしで発生した竜巻で防がれている、これ以上のチャンスはないだろう

 

「念動フィールド、ON!! トロニウムエンジン、フルドライブ!! 各機、変形開始ッ!!」

 

アヤの合図でR-1、R-2パワード、R-3パワードが変形を開始する

 

「行くぜ! ヴァリアブル・フォーメーションッ!!」

 

変形を始めるR-1達、だがその変形が完全に完了する前にアヤの苦悶の声が広がり、R-1達は爆発し、SRXへの合体プロセスが強制終了される

 

「うおあ!?」

 

「駄目だ! 念動フィールドが解除された! 失速する!!」

 

SRXへの合体に必要な念動フィールドが解除され、収束したエネルギーが合体しようとしていたR-1達の中心で爆発する。

 

「うあああああーーーッ!!」

 

「きゃあああ!!

 

「うぐっ!?」

 

R-1、R-2パワード、R-3パワードはそれぞれ別方向へと弾き飛ばされる

 

「失敗……ッ!?」

 

「みんな、無事かッ!?」

 

キョウスケやマサキが声を掛けると、R-1……つまりリュウセイからの通信が繋がる

 

「う、うう……な、なんとか……無事だ。だけどよ……バラけちまった」

 

「マサキ……ッ!!」

 

辛うじて意識は保っているようだが、その苦しみから相当な重症を負っている。そう判断したキョウスケはマサキの名を叫ぶ

 

「ああ、判ってる! こっちで敵を引き付けるぜ!!」

 

キョウスケの意図を正確に感じ取ったマサキがR-1達に向かおうとしていたゼカリア達の進路を塞ぐ

 

「す、すまねえ、みんな!」

 

「このままでは他の機体の動きを乱す! 一時後退するぞ、リュウセイ!」

 

「あ、ああ! アヤ! 大丈夫か!?」

 

ライの指示に従いハガネへと撤退しようとし、アヤの名を叫ぶ。だがR-3パワードのアヤからは何の反応もない

 

「アヤッ!!」

 

「大尉……気絶しているのかっ!?」

 

リュウセイとライの呼びかけに反応を示さないアヤ。完全に意識を失っていると判断し、リュウセイとライが墜落しているR-3パワードに近づこうとした時、イングラムが突然笑い出す

 

「い、イングラム教官ッ!? 何を笑って!」

 

「どうやらここまでのようだな」

 

イングラムはそう言うとR-GUNを墜落したR-3に隣接させる

 

「う……うう……イングラム少佐……?」

 

「アヤ、せめてもの情けだ。苦しまぬように……殺してやる」

 

その言葉と共にR-GUNの放った銃撃がR-3を破壊し、R-3が爆発炎上する。

 

「ア、アヤアアアアアアーーーッ!!!」

 

「大尉ッ!!」

 

「イ、イングラム少佐……ッ!?」

 

「う、嘘でしょ!?」

 

「R-GUNがR-3を銃撃……誤認なのか……!?」

 

イングラムがアヤを撃った、それはハガネとヒリュウ改のクルーに動揺を与える。だがイングラムの放った銃弾は引いてはいけない引き金もまた同時に引いてしまった

 

「オ、オアアアアアアアアアアーーーーーーッ!!!」

 

武蔵の怒りの咆哮と共に上空に放たれた眩いまでのゲッター線の輝き……それはイングラムが触れてはいけない逆鱗に触れてしまった証であり……

 

「………」

 

ゲッターロボのコックピットの中で意識を失っているゼンガーとエルザムの全身をゲッター線の光が走り……ベアー号のコックピットの中で唸り声を上げる武蔵と言えばその全身にはゲッター線の幾何学的な模様がくっきりと浮かんでいた

 

「ガアアアアアアーーーーッ!!!」

 

武蔵の目はゲッター線の緑によって染め上げられた渦のような形状へと変化していた。それは武蔵がゲッターロボ……いやゲッターロボに取り込まれようとしている証拠であり、そしてゲッターロボが暴走状態に陥った事でこの世界のゲッター線がその動きを活性化させていた。

 

「スティンガー君! 感じたかな!」

 

「も、勿論だよコーウェン君! 今のを感じないほど、僕は耄碌していないともッ!!」

 

「まさか武蔵がこれほどまでの力を引き出すとは……だがこのおかげでゲッター線の導きが始まるね」

 

「う、うん、始まるね!! ゲッター線の導きがッ!!」

 

そう遠くない未来、滅びの僕を呼び寄せる篝火となってしまう証でもあったのだった……

 

 

 

 

元来武蔵と言う青年は争いに向かない性格だ、穏やかで自分ではない誰かの為に怒ることが出来る。それが武蔵と言う青年であり、その穏やかな気性が闘争本能の塊とも言える竜馬と隼人の間に入ることで、ゲッターチームは成立していた。だが武蔵とて人間だ、ストレスを感じないわけではない。人間同士の争い、腐敗した軍上層部や政治家……それらを見ていた武蔵には確実にストレスが溜まっていた。そしてそれはイングラムがアヤを撃った瞬間……押し留めていた最後の防壁が砕け、積もりに積もった怒りが開放されてしまった

 

「ウオオオオオオオオオーーーーッ!!!!」

 

「「「!?」」」

 

ゼカリアを握りつぶし、キャタピラで押し潰しながら執拗にR-GUNを追い回す武蔵。その姿に普段の武蔵の様子はなく、それ以外何も見えてないのか、ビルを押し潰し、ハガネやヒリュウ改のPTであるヒュッケバイン009やビルドラプターを危うく轢き潰すような勢いでR-GUNを追い回していた

 

「ガアアアアアアアアーーーーーッ!!!」

 

「ふふふふ……そうか、俺の放った銃弾はお前の怒りを解放させたか、ならば見せて見るがいいッ! 怒りのままに暴れ回るゲッターロボの力をッ!!!」

 

イングラムの言葉でダイテツは理解した、今の武蔵は完全に切れていて、アヤを撃ったR-GUNしか見えていないのだと

 

「イルムガルト中尉! シングウジ少尉! ゲッターロボを! 武蔵を止めろッ!!」

 

テツヤに指示をさせるのではない、自らがマイクを手に取りゲッターロボを止めるように命じる。このままではゲッターロボが撃墜……最悪の場合鹵獲されてしまう、特機であるグルンガスト、そしてジガンスクードでゲッターロボを止めるように命じる……が

 

「ぐっ!?」

 

「ウ、ウガアアアアアアアアアーッ!!!!」

 

グルンガストが横から体当たりし、1度ゲッター3の動きが止まる。だが武蔵の獣のような咆哮と共にゲッター3の両腕が伸び、グルンガストを締め付ける、その動きはどう見てもグルンガストに大雪山おろしを仕掛けようとしているのは明白だった。

 

「中尉! エクセレン!」

 

「りょーかいっと!!!」

 

キョウスケがその名を叫ぶよりも早く、エクセレンが動き出しヴァイスリッターの射撃がゲッター3に向かって放たれる

 

「!!!」

 

「嘘ッ!?」

 

正気を失っているが、身体はそうではないのか、ゲッター3の姿が爆ぜ、空中でゲッター1に合体する

 

「あーあらら……物凄い狙われる予感……」

 

「アアアアアアアーーーーーッ!!!」

 

真紅に輝くカメラアイがヴァイスリッターを狙い、ゲッター1がヴァイスリッターに向かおうとした瞬間。

 

「メタルジェノサイダー……デッドエンドシュートッ!!!」

 

「ガア!?」

 

背後から放たれた超出力の重金属粒子砲が背後からゲッター1を貫く、その衝撃にビルに頭から突っ込み、瓦礫の山の中に消えるゲッター1

 

「ふふふ、どうした武蔵? 俺が憎いんじゃないのか?」

 

「■■■ーッ!!!」

 

イングラムの挑発するような言葉に、ビルを粉砕しながらゲッター1が振り返る。だがその瞬間にゼカリヤやハバククの攻撃がゲッター1に叩き込まれ、ゲッターロボの意識はヴァイスリッターから完全にゼカリヤへと移っていた。

 

「……キョウスケ、今の動きって」

 

「言うな。今はゲッター1を押さえることだけを考えろ」

 

ヴァイスリッターではゲッター1の一撃にすら耐える事が出来ず、撃墜されていただろう。本当にイングラムが敵ならばヴァイスリッターが撃墜されてから攻撃しても十分に間に合ったはずだ、そう考えると今のイングラムの動きには僅かな不信感が残る

 

(なんだ、なんだこの違和感は)

 

上手く説明出来ないが何か違和感を感じ、足を止めるアルトアイゼン。

 

「キョウスケ少尉! 俺もやるぜ」

 

「……俺もだ」

 

ライとリュウセイがまだ戦えると通信を繋げて来るR-1とR-2……だがその手足からは火花が散っており、とてもゲッターロボとR-GUNの戦いに割り込んでいけるようには見えなかった

 

「イルム中尉。大丈夫ですか?」

 

「大丈夫……に見えるか?」

 

グルンガストの装甲にはゲッター3に掴まれた跡がしっかり残っている。乱戦になるこの状況には耐えられるようには見えない

 

「タスク、俺とエクセレンと一緒に前に出ろ。リュウセイとライはイルムガルト中尉をハガネまで護衛してから再び戻れ、良いな、これは命令だ」

 

ゲッターロボを止めるには純粋な馬力が必要だが、今のグルンガストでは無理だ。しかもこの囲まれている状況では、グルンガストをこの場に残す方のリスクが高い、それに極度の興奮状態のリュウセイやライをこのまま戦わせる事にキョウスケは不安を抱き、グルンガストの護衛と言う事で1度リュウセイとライをハガネに下げることにしたのだ。それに対して不服そうにしているリュウセイとライだがもう1度命令だと言われ、渋々だがグルンガストと共にハガネへと後退する。

 

「早く俺とリューネの方に合流してくれ!」

 

「ちいっ! 鬱陶しいね」

 

「くっ、数が多いっ!?」

 

マサキとリューネ、そしてレオナの焦った声が響く、R-GUNとゲッター1が戦い始めてから、今までは散開していたゼカリアとバハタクが行く手をさえぎるようにして陣形を組んだ。それは明らかにR-GUNとゲッターロボの戦いに割り込ませないとするエアロゲイター側の戦略だった。飛行出来るサイバスターやヴァルシオーネR、そしてガーリオンでゲッターロボとRーGUNの戦いに割り込もうにも、壁のように陣形を組まれ、弾幕で行く手を遮られては割り込むことすら難しい。

 

「キョウスケ、遅くなったが、避難は済んだらしい。ラッセル達がこっちに合流するぜッ!!」

 

カチーナからの通信にキョウスケは小声で漸くかと呟く、民間人の避難も優先するべき事態だ。だがそれで分散され確固撃破されては意味がない

 

「カチーナ中尉、ラッセル少尉達が合流したら指揮を頼みます」

 

「ったく、判ったぜ。だけどお前とエクセレンだけじゃ不安だ、タスクも連れて行け」

 

カチーナの言葉に感謝しますと呟き、キョウスケはゼカリア達の陣形に視線を向ける。柔軟性の高いゼカリアが前、そしてバハタクが後ろにつき砲撃形態をとる。その防壁はかなり強固に見えるのだが……やはりに少し妙な陣形となっている

 

(イングラム・プリスケン。お前は何を考えている……)

 

先ほどの不自然な攻撃も気になる、イングラムに何か思惑があるとしても、今はこの場を切り抜けてから考えるしかない……だがこの混乱きわまる戦況を更に乱す存在が現れようとしている事をキョウスケは知る由も無いのだった……

 

 

 

 

 

ハガネのブリッジでダイテツは唇を噛み締める、暴走状態にあるゲッターロボとR-GUNの戦い……いや、戦いではない、ゲッターロボを消耗させるだけの戦いを見て歯がゆい思いをしていた

 

「まだPT隊はエアロゲイターの陣形を突破出来ないのか!?」

 

「駄目です、倒せば倒した分だけ出現します!!」

 

エイタの言葉にダイテツは舌打ちを隠すことが出来なかった。R-GUNだけを追いかけるゲッターロボ、だがその間にゼカリア達が割り込み、それらと戦いR-GUNを追いかけるゲッターロボの消耗は凄まじいものだろう

 

(市街では主砲も撃てん)

 

市街ではハガネとヒリュウ改に出来るのは副砲とミサイルによる支援だ。トロニウムバスターキャノンも、艦主超重力砲も市街で撃てるような武器ではない、副砲とミサイルによるゼカリア達の撃破を狙うが、思った以上に装甲が硬く成果が出ない。

 

「ん? 大尉。ゲッターの姿がおかしくないか?」

 

「……はい、それは私も感じています」

 

映りの悪い写真を見ているかのように、ゲッターロボの姿がぶれている。それ所か、その姿までもが変わっているように感じた。だが機体が戦っている最中に変わる訳がない、焦りによる見間違いだとダイテツ達が思うとした時、エイタからの報告が入る。

 

「艦長! こちらへ急速接近してくる物体が!!」

 

「何者だ!? フラワーか!」

 

何度も出現しているフラワーかとテツヤが叫ぶ、識別照合を行っていたエイタが近づいてくる何かの該当データを発見する

 

「こ、これは……戦艦!? しかも、本艦と同型ですっ!!」

 

「同型艦だと!?」

 

スペースノア級の同型機は全部で3隻しか存在しないが、その内の1機は既に轟沈している。必然的に今この戦場に現れようとしているのは……1つしかありえなかった。

 

「まさか参番艦の……クロガネか!?」

 

DCの旗艦であった参番艦のクロガネしかありえなかった

 

「スペースノア級万能戦闘母艦です!」

 

そしてヒリュウ改でも北京に近寄る何かがスペースノア級の戦闘母艦である事がユンから報告されていた。

 

「スペースノア級……!? ハガネ以外の!?」

 

「壱番艦シロガネは南極で大破しておりますし……となれば、残る参番艦のクロガネですな……ただ、クロガネはDCの旗艦だったと聞いておりますが……」

 

このタイミングで現れるクロガネの存在にハガネもヒリュウ改にも混乱が広がる、そしてクロガネが上空から姿を現した

 

「あれはDCのドリル戦艦じゃねえか!?」

 

「DCって言うと親父の!?」

 

アードラーとの戦いでは姿を見せなかったクロガネの存在が突如北京に現れた。それはPT隊、加えて応援に向かっている連邦の部隊、そしてハガネとヒリュウ改にも等しく混乱を与えていた。だがオープンチャンネルで告げられた言葉に更なる混乱が広がる

 

【こちらスペースノア級参番艦クロガネ艦長、ビアン・ゾルダークだ。これより貴艦を援護する】

 

「お、親父!? 生きてたのか!?」

 

【リューネか、お前も相変わらずと言った所か。だが積もる話は後だ、ダイテツ・ミナセ、レフィーナ・エンフィールド。返答はいかに】

 

その声、その声に満ちるカリスマ。その全てがビアン・ゾルダークであるという証だった

 

「生きていたのか、ビアン・ゾルダーク」

 

【ああ。罪があるというのなら生きて償えと言われてな、こうして生き恥を晒している】

 

自嘲するようなビアンの言葉。だがアイドネウス島で恐竜帝国と共に戦ったダイテツにはビアンが敵であると言う感情はなかった

 

「協力感謝する、ビアン・ゾルダーク」

 

「か、艦長!? よろしいんですか!?」

 

確かにビアンはマイヤーと共に戦争を起こした、それ自体は間違いであっても地球を守りたいという願いはダイテツ達と変わりはない

 

「こちらの手の内を知り尽くしたイングラム少佐が裏切ったのだ……! 今の我々には彼を倒す手段を選んでいる余裕はない!」

 

ダイテツの一喝もまたオープンチャンネルで戦場に広がる、確かにクロガネ、ビアンは敵であった。だが味方であったイングラムが裏切り、こちらの戦術、戦力の全てが敵に知り尽くされている今。味方が増える事を拒む余裕はないのだから

 

 

 

 

「宜しいんですか、ビアン総帥」

 

「言ったはずだ。今の私達に手段を選んでいる余裕などない、それよりもエルザム、ゼンガーとの通信は回復したか!」

 

クロガネ……いや、ビアンがこの戦場に乱入する事を決断したのには理由がある。クロガネに搭載しているゲッター線測定装置が計測不能となり爆発し、通信の一切が途絶えた。その理由を知る為、加えてハガネとヒリュウ改への助っ人をする為に戦場に出る事を決断したのだ。まだクロガネも、自分自身も再び表舞台に立つには早すぎる、だがエアロゲイターの攻撃が本格化した今隠れ続ける事などビアンには出来なかったのだ

 

「駄目です。お2人とも意識を失っていると思われます!」

 

「リリー中佐、ユーリア少佐はゼンガーとエルザムへの声掛けを続けるのだ!」

 

武蔵への連絡が繋がらず、そしてゲッター線が危険域を指し示している。通信で連絡が取れないのならば、多少強引でもイーグル、ジャガーから強制オープンゲットをするしか今の暴走しているゲッターを止める術はない。

 

(この事態は十分に考えられていた)

 

人間同士の戦いに武蔵は心を痛めていた、そしてそれは多感な時期の武蔵には相当なストレスになっていただろう。それがイングラム・プリスケンの裏切りを切っ掛けに爆発したのだ

 

「整備班! 新ゲッターロボの動力の積み替えはどうなっている!?」

 

【後30……いや10分で完了します! 総帥】

 

ゲッター炉心を取り除いた新ゲッターロボに、リオン、そしてゲシュペンストMK-Ⅱの動力部であるプラズマジェネレーターを組み込む作業がクロガネの格納庫で急ピッチで行われていた。最悪の場合、ゲッターロボを取り押さえることが出来るのは新ゲッターロボしかありえない、動力がゲッター線ではないとしても、後ろから組み付けばゲッターロボを取り押さえることは十分に可能だ

 

「ここまでのようだな、武蔵」

 

「グウウウウウウーーーーッ!!!」

 

ゲッターロボの暴走によって、エネルギーが枯渇したのか、ついにゲッターロボはエアロゲイターによって取り押さえられていた

 

「くっ! 主砲発射準備ッ!!」

 

ここでゲッターロボを……武蔵を失うわけにはいかない、ハガネやヒリュウ改では主砲を撃つ事は出来ないが、ビアンが市街地で主砲を撃ったという汚名を背負えばいい、そう判断し主砲の発射命令を下した時。――ゲッター1が凄まじい光を放った……

 

「何だ……何が起こっている……ッ!?」

 

「エアロゲイターの人型兵器が溶けていく……ッ!?」

 

イングラムだけではない、今この場にいる全員がその異常な光景に絶句していた。ゲッター1を取り押さえていたゼカリアやバハタクがゲッターに触れている部分から溶けて……いや、ゲッターロボに取り込まれるようにして姿を消していく、そしてゼカリア達が姿を消す事にゲッターロボを包み込むゲッター線の光はその輝きを増していき、ゲッターロボの姿が完全にゲッター線の光へと包まれその姿を消した

 

「あれは……ゲッターロボなのか……」

 

「どうなっているんだ……」

 

北京の市街の中央には、ゲッター線の光である緑の光が形になったかのような異形のゲッターロボの姿があった。蝙蝠を連想させる1対の羽、そしてゲッターロボよりも更に人型に近くなり、巨大化し、ゲッター線の輝きで作られたその姿にこの場にいた全員が恐怖した……

 

「………」

 

ゲッター線に満たされたベアー号のコックピットの中で俯いていた武蔵が顔を上げる……その目は完全にゲッター線の色に染まり、肌の露出している部分にはゲッター線の幾何学模様が色濃く浮かび上がり、それは胴体、首、そして顔の順番で覆っていく……そしてその模様が顔を埋め尽くした瞬間……武蔵の全身が激しく揺れた

 

「■■■■ーーーーーーーーッ!!!!!」

 

武蔵の咆哮と共にゲッターロボはその翼を使い上空へと舞い上がり、ゲッター線で出来たゲッタートマホークを手にし、R-GUNへと向かっていくのだった……

 

誰もこのゲッターロボの名前を知らない、だがこのゲッターロボは確かに存在したゲッターロボであった。もっともゲッター線の力を引き出せる早乙女博士が心血を注いで作り上げた最高傑作……「真ゲッターロボ」がゲッター線の力を借りて、この世界に現れた瞬間であった……

 

 

第46話 暴走ゲッターロボ! その4

 

 




ゲッター炉心の暴走でゲッター線が真ゲッターロボの姿を模して出現。OG1では絶対に勝てない、恐怖のゲッターロボの出現です。
なおこの話の熟練度は真ゲッターロボの出現で変更

真ゲッターロボ(ゲッター線)の出現から3ターン以内に真ゲッターロボ(ゲッター線のHPを95%以下にする)

真ゲッターロボ(ゲッター線)
HP????(HP18万)
EN450
装甲1400
運動性200

特殊能力

EN回復(全快)
ゲッター線バリア(全ての属性ダメージを20%ダウン)
※援護攻撃対象時のみ運動性0、装甲1000にダウン
※敵ユニット全てに援護攻撃の技能を与える
※時機に一番近い敵ユニットに向かって接近

ゲッタートマホーク 5500
ゲッタービーム(頭) 6500
ゲッタードリル 6700
大雪山おろし 7000
ゲッタービーム(腹) 9000


見たいな感じのイベントボスですね。HPを削らなくてもイベント終了するゲッターロボですが、熟練度の為に戦わないといけないという感じですね。どうやって真ゲッターロボの脅威を退けるのか、次回の更新も楽しみにしていてください

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

  • サイドまたは視点は必要
  • 今のままで良い
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