進化の光 フラスコの世界へ   作:混沌の魔法使い

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第9話 13年前の悪夢 その1

第9話 13年前の悪夢 その1

 

クジラの格納庫に敷かれた古い布団、それが一時的な道場となりその上で武蔵と弁慶が対峙しているのを、渓達はコンテナ等の上に座りながら見つめていた。

 

「こうやって、こう! 待ってるんじゃなくて、自分から突っ込んでこうだッ!」

 

「うおっ!?」

 

弁慶の巨体が振り回されながら浮かび上がり布団の上にうつ伏せに叩き付けられる。

 

「受身取れたかあ?」

 

「いちち……いえ、無理でした」

 

座り込んで肋骨を摩る弁慶に武蔵は申し訳なさそうな顔をした。

 

「大雪山おろしは受身が難しいからなぁ」

 

「だからこそ、必殺技なんでしょう? 大丈夫です続けてください」

 

ポイントQ-0に向かう間弁慶は武蔵に大雪山おろしの指導を受けていた。竜馬や隼人に口伝で聞いていたが、やはり本人の指導となると全くの別物だった。

 

「親父楽しそうだなあ」

 

「そりゃあ、武蔵さんに教えて貰えるんだ。嬉しかっただろ?」

 

「まぁね。でも、武蔵さん全然本気って感じじゃなかった」

 

ぷうっと頬を膨らませる渓に凱は苦笑するしかない、さっきまでバンバン叩きつけられて、脇が甘いとか体重移動とか、舐めてんのかっ! と怒鳴られた側としては丁寧に指導を受けていた渓の方がよっぽど羨ましいだろう。ただ渓としては子供として見られているような気がして面白くないと言うのが本音だろう。

 

「こうですか?」

 

「自分に引き寄せて、重心をずらしてこうッ!!」

 

「おおおッ!?」

 

凄い音を立てて再び弁慶が叩き付けられる。体格で言えば武蔵が弁慶の半分ほどだが、それでも卓越した柔道の技術、そして大雪山おろしを得意とする武蔵にはその体格の差はあってないものに等しい。

 

「大体感じは掴めたか?」

 

「……うっす、ありがとうございました」

 

自分達が大将と慕う人物が自分よりも年下の相手に敬語を使うと言うのは凱にとっては微妙な物だが、それが伝説のゲッターパイロットとなればそれも仕方ないのかと受け入れる事は出来ていた。

 

「んじゃあ、オイラとイングラムさん達にインベーダーの事を今度は教えてくれ」

 

「了解です、おう! お前ら、資料室に向かうぞ」

 

渓と凱に声を掛け弁慶は格納庫を後にする。その後をついて歩きながら武蔵が思い出したように手を叩いた。

 

「そうだそうだ、後で悪いんだけどさ、敷島博士に刀と銃を頼んでおいてくれないか?」

 

「そう言えばそうだな、今の武蔵は丸腰だしな」

 

クロガネに愛用の刀と銃を置いてきてしまった武蔵は一応護身用の武器としてサバイバルナイフとべレッタを所持している。だが、やはり使い慣れた武器の方が良いと思うのは当然だろう。

 

「判りました、定時連絡の時に伝えておきます」

 

「いやあ、すまないなあ。やっぱ武器が無いと落ち着かないんだ」

 

この時代の脅威を知っているからこそ、武器が欲しいと言った武蔵に弁慶は苦笑する、資料室へと足を向ける。

 

「まずインベーダーですが、全身の目を潰すか、ゲッター線を飽和状態にするのが一番です」

 

「……となると、ゲシュペンストでは装備に不安が残るか……」

 

「え? ないんですか? あの電撃パンチ」

 

「タイプSは胸部ビームになっているな」

 

インベーダーに対する対策を聞いているカーウァイは唸る。タイプSは確かに優秀な機体だが、突破力に重点を置いている為手持ち火器は無く、固定武装も決して多くは無い。インベーダーに有効と思われるジェットマグナムは搭載しておらず、短時間だけプラズマを手に集束させる能力しかない。そうなると、タイプSはインベーダーに対する決めてに欠いていた。

 

「私が倒した時はそのどちらでもなかったが……」

 

「多分胸部のビームとやらで細胞を焼き尽くしただろう、そう言う対処法もある」

 

だがあの時はペース配分を考えないで全力攻撃だったから可能だったとカーウァイは呟く、短期決戦では可能だが長期戦ではタイプSでは分が悪い。

 

「となるとカーウァイさんは支援とかの方が良いですかね?」

 

「今の段階だとそうなるな、敷島博士の改造で何とかなるかもしれないのでそれを期待する」

 

「多分あの人ぶっ飛んだ改造をするんで慣れるまで大変ですよ?」

 

「……そうか、まぁ何とかなるだろう」

 

敷島博士も相当頭の螺子が飛んでいる。その人の改造を信用するのは危険すぎると武蔵は苦笑し、カーウァイは気まずそうに笑う。

 

「他に注意するところはないのか?」

 

「生物でも無機物でも人間でもなんにでも寄生する。倒すのならば細胞ごと焼き尽くすのが一番だ。倒したと思っていたら別の場所で復活する、もしくは助けた人間がインベーダーに食われてインベーダーになるって場合もある」

 

「となるとゲッター1が一番ベストか……ゲッタービームがあるしな」

 

「そうなりますね。もしくはゲッター2のドリルで抉り殺した後ゲッタービームで焼き尽くすっていうのも1つの方法です」

 

インベーダーに対する対策の話を聞いているとクジラの内部に警報と古田の声が響いた。

 

『ポイントQ-0に複数のインベーダーの反応、及び救難要請を感知! 武蔵さん達は出撃準備を始めてください!』

 

向かっていたポイントに現れたインベーダーの反応と言う報告を聞いて武蔵達は格納庫へと走る、だがそこに待ち構えていたのはインベーダーだけではない。

 

【グルアアアア】

 

【シャアア……】

 

空を飛ぶクジラを見つめる4つの瞳は唸り声を上げると同時に雪原を駆け出す。13年前に生まれた悪夢もまたその場に向かっている事を武蔵達は知る良しも無いのだった……。

 

 

 

 

雪原に凄まじい爆音と炎が何度も上がる。それは防寒服に身を包んだ複数の男達と3機のBT-23が必死にインベーダーとの戦いを繰り広げていると言う証だった。

 

「撤退だぁ! 全員下がれえッ!!!」

 

その場の指揮官である男がショットガンを放ちながら仲間に撤退しろと声を上げ、背中にキャノン砲を背負ったBTー23の砲撃が火を噴いた。

 

「シャアアアアーーッ!!」

 

白いシュモクザメのようなインベーダーに直撃し体表を焦がすがそれ以上の効果は見出せず、その影から小型のインベーダーが撤退する研究班達を追いかける。

 

「くそったれがあッ! こっちだ! こっちにきやがれッ!!!」

 

スノーモービルを駆る青年が後部座席に備え付けられたミサイル砲で攻撃を繰り出しインベーダーの引き付ける。

 

「早く撤退しろッ! スノーモービル班! 続けえッ!!!」

 

「「「はいっ!!!」」」

 

スノーモービルで必死に雪原を駆け回りインベーダーの注意を引きつけ、味方に撤退しろと繰り返し叫ぶ青年。それは仲間を助けようとする必死の行動だったが、インベーダーから伸びた無数の触手が迫り1人、また1人とインベーダーに貫かれていく。

 

「くそがあッ!「キシャアアアアッ!」しまっ!?」

 

氷塊を砕きながら現れたインベーダーに気を取られ、ハンドル操作を誤り雪原に投げ出された青年にインベーダーの魔の手が迫る瞬間。地響きを立て氷塊が砕け散った。

 

「まだ出てきやがる……何?」

 

氷塊から伸びた巨大な手の平がインベーダーの頭を鷲づかみにして動きを止めている光景に青年は目を見開いた。南極の辺境の地に応援なんて来る訳が無い、救難要請を出したがそれこそ無駄だと思っていたからだ。

 

『大雪山おろしいいいいいいッ!!!!』

 

そして雪原に響き渡った声と突風に青年や生き残った男達は必死に吹き飛ばされまいと抵抗しながら驚愕に目を見開いた。

 

「だ、大雪山おろしだって!?」

 

「そ、そんな……まさかッ!?」

 

「……げ、ゲッター3ッ! ま、間違いないッ! 巴武蔵だッ!!」

 

ゲッター3と大雪山おろし……それは恐竜帝国との戦いで散った筈の悲運のゲッターパイロットである巴武蔵の代名詞……大雪山おろしの反動による風だと思っていたのだが、徐々に吹雪き始め、視界が悪くなる中でもゲッター3の独特なシルエットと力強い姿ははっきりと見えていた。

 

「な、なんで死んだ人間が、それこそインベーダーじゃねえのかッ!?」

 

「だ、だが助けてくれてるのも事実だッ!」

 

『おおいッ! 早く逃げろッ!! ここはオイラが食い止めてやるからッ! 早くしなぁッ!!』

 

氷塊を砕きながら現れたゲッター3から響く大声に天の助けだと叫び男達は必死に撤退準備を行う。だがそこに追撃を掛けるように飛行型に変異したインベーダーの空襲が襲い掛かる。だが幸いだったのは吹雪になり始めた事により、触手攻撃ではなく噛み付きや引っかき攻撃を仕掛けてきたことにより、スノーモービル班による歩き部隊の回収が間に合った事にあった。それでも徐々に正確になるインベーダーの攻撃だが、吹雪による視界が悪くなった事は調査隊の救いになった。

 

「ゲッタァアアッサイトォッ!!!!」

 

ゲッター線の光りが尾を引いたと思った瞬間。男の雄叫びが響き渡り飛行型のインベーダーが両断され墜落していく。

 

「ゲッタァアアアーーービィィムッ!!!」

 

雪原に墜落する前に真ゲッター1のゲッタービームがインベーダーを焼き払う。そしてそれと入れ代わりで雪煙を上げながらゲシュペンスト・タイプSがその手にビームライフルを構えながら南極調査隊の背後を陣取る。

 

「ここは私が通さない、早く行け!」

 

吹雪で外部スピーカーの声が聞き取りにくいが、逃げろという言葉に味方だと判り生き残った男達は雪上車に乗り込み撤退していく、その姿を見てインベーダーが追いすがるが、ゲッター3、真ゲッター1、そしてゲシュペンスト・タイプSの3機による殿を知性を持たないインベーダーが突破出来るわけが無く近づけば近づいた分だけゲッターロボ達に蹂躙され消滅していく。

 

「こいつでトドメだぁッ!! 大雪山おろぉぉしッ!!」

 

「キシャアアア!?」

 

白いインベーダーが空中に打ち上げられ、頭部横のミサイルがインベーダーの胴体を貫き過度のゲッター線の吸収によってボロボロに崩れていくインベーダーを見ながらゲッター3が上空で鎌を構えている真ゲッター1に親指を立てサムズアップをする。

 

「流石武蔵さんッ! 操縦が上手いね」

 

「オイラは柔道と頑丈なのとゲッターの操縦くらいしかとりえが無いからなあ」

 

「怪我人の保護の手伝いと状況を確認したら1度撤退しよう、留まり続けるのは危険だ」

 

「そうだな、南極はインベーダーの巣窟だからな……通信は……ギリギリか」

 

通信で話をしているが、外が猛吹雪になりつつある。それに伴い、ゲッター線が吹雪に混じり通信に難が出てきた。

 

「……渓。俺達が怪我人を回収するぞ」

 

「え、それは良いけど……親父達は?」

 

號の言葉に良いけどと言う渓は勝手に行動して良いの? と呟いた。

 

「いや、多分これ俺達に言ってるぜ。渓、見てみろよ」

 

ゲッター3がその伸縮自在のゲッターアームを真ゲッターに向け何かのハンドサインをしている。通信が出来ないにしてもその余りの手段に渓は目を見開いた

 

「……あれかな?」

 

「多分」

 

ゲッター3とゲシュペンストを指差し、周辺に手の平を向ける。そして真ゲッター1を指差して、怪我人を指差す。ハンドサインと言うか、適当な指示に見えるそれに凱と渓は困惑したが、號はその意味を理解したのか返事を返すと言った。

 

「返事を返す」

 

真ゲッターがOKサインを出すと、ゲッター3もOKサインを出した。

 

「號……なんで今ので伝わると思ったの?」

 

「……勘だ」

 

無口な號だが武蔵とは会話もしてないのに妙に仲がいい。タワーで隼人が言っていたゴリラとも意思疎通できるというのは言葉を交わさなくても意思疎通が出来るという意味だったと言う事を渓は初めて知った。

 

「急いで防寒着を来て動きましょう。親父達に迷惑を掛けるし」

 

「そうだな。急ごうぜ」

 

上空からやってきた飛行型のインベーダーの事もあり、調査隊の保護が終了次第一時。調査隊の拠点に撤退する事にし、武蔵とカーウァイが周辺警護を行い、その間に渓達が怪我をした調査隊をクジラへと一時保護する。

 

「どうだった、弁慶」

 

「いやあ、もう凄いとしか言い様がないですね」

 

「はは。お褒めに預かり光栄だ、それにやっぱり3人揃ってるゲッターだと調子が良いなあ」

 

イーグル号に弁慶が乗り込み、ベアー号で大雪山おろしを行う武蔵の神業的操縦を間近で見る事が出来た弁慶は非常に嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 

「……もう少し安全運転で頼む」

 

「すんません、でも我慢してください」

 

「……そうか」

 

1度動きが止まった事で我慢していたのが込み上げてきたのか青い顔をしているイングラムに我慢してくださいという武蔵。イングラムは目を伏せて小さな声でそうかと呟きぐったりとした様子でジャガー号の操縦席に背中を預けていた。

 

「ん?」

 

「どうかしましたか?」

 

「いやあ。誰かがどっかで見てる気がしてな……気のせいかな?」

 

きょときょと周囲を警戒するゲッター3にまだインベーダーがいるのかと渓達の動きは早くなり、想定よりも早くクジラに回収を終えて武蔵達はその場を後にするのだった……。

 

「……大雪山おろし……」

 

武蔵が感じた視線は気のせいではなかった。飛び去るクジラを見つめる人影……その視線はクジラの横を飛んでいるゲッター1に向けられていたが、興味を失ったように吹雪き始めた南極の大地に消えていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

南極の台地に作られた基地にクジラの姿と真ゲッター、そしてゲッター1の姿があった。保護した調査班の中で唯一無傷だった青年に案内され、南極の基地に案内された武蔵達は責任者の部屋にいた。

 

「助かりました、ありがとうございます。そして……また会えて嬉しいよ。武蔵」

 

「……どっかで会いました?」

 

黒人の男性の言葉に武蔵がそう尋ねるとその男性は部屋の隅の写真立てを手にする。

 

「ランバートと一緒に貴方に会いましたよ。武蔵」

 

「……特攻志願者だったあの女顔ッ!?」

 

「「「「え!?」」」」

 

このゴリラみたいな黒人昔女顔だったの!? と言う驚愕が広がり、その男性は楽しそうに笑った。

 

「昔の話ですよ、昔のね」

 

そう笑った男性は外の風車を見ましたかと話をすり替える。

 

「ああ、見た。あれは風力発電ではないだろう?」

 

「ええ、あれはゲッター線吸収装置です。ゆっくりとですが、周囲のゲッター線を吸収して周辺を無害にしているのです」

 

アメリカでの戦いの後に科学職に転職することを選んだ。私の研究成果ですと男は笑った。

 

「だがその機械に集まったゲッター線にインベーダーが反応したと言うことか……」

 

「ええ。ですが、貴方達のお陰で怪我人は少ないですから感謝していますよ」

 

真ゲッター、ゲッターロボのゲッター線による攻撃でインベーダーは完全消滅した。実弾なので飛び散ったインベーダーに寄生されていないだけでも儲け物ですと目を伏せる男。

 

「被害者は多いのか……」

 

「ええ、でも皆覚悟の上です」

 

ゲッター線吸収装置による大地の浄化……それはインベーダーを引き寄せる事に繋がる為人間が密集している所では実験できない。だからリーダー達はこの不毛の大地南極でゲッター線吸収装置の実験に踏み切ったのだ。

 

「ここには農業、土木、工業、様々な分野のエキスパートが揃っています、だからこそゲッター線吸収装置の開発にも成功したのです」

 

仲間を誇るように笑ったリーダーは吹雪いてきた窓の外を見た。

 

「この吹雪では外に出ることも移動することも難しいでしょう。どうかこの基地でゆっくりと休んでください」

 

優しい笑みを向けるリーダーだが、イングラムはその顔を見て眉を顰めた。

 

「南極で俺達全員を受け入れるという選択は普通は取れない。何か裏があるな?」

 

イングラムの疑惑の視線を見て渓達が眉を顰めたが、武蔵やカーウァイ、そして弁慶も同じ考えだった。

 

「南極の地で暮らすのは苦しい事です。全員が何時死ぬかもしれない、そんな恐怖を抱え、インベーダーに襲われるかもしれないという不安を胸に抱き、確かに生活は苦しい。貴方達を迎え入れるのも正直苦しいです」

 

リーダーは観念したように今のこの基地の状況を教えてくれた。

 

「謎の生き物?」

 

「はい、インベーダーではないのですが……巨大な何かが何度も何度も現れ、収集装置を破壊していくのです」

 

「インベーダーでは無いと何故確信できる?」

 

「……インベーダーの周波数を分析する機能が収集装置についているのですが、それに反応を示さないからです。正体を見極めてやると収集装置に泊り込んで監視を行った男が死ぬ前にこう言い残しました……ゴールと」

 

「ゴールって……目的地のゴールって事?」

 

「いや、それはないだろ? あ、でも幻覚を見たって言う可能性はあるか……」

 

ゴールの名前の意味を判らない渓と凱が見当違いの話をする中、武蔵が手にしていたマグカップが音を立てて砕け散った。

 

「武蔵さん!? 急にどうした……ッ!?」

 

凱と渓は武蔵に近づく事が出来なかった。その全身から吹き出る怒気と殺気の凄まじさに2人はその場に尻餅をついて動けなくなった。

 

「……貴方にも因縁深い名前でしょう、勿論その名前は私にも非常に因縁深い物です」

 

「……恐竜帝国の生き残りがいると?」

 

「判りません。ですが、収集装置に残った男も私と同じ部隊でした。ゴールの姿を知っている、そんな男が冗談でもその名前を口にすることはないでしょう」

 

早乙女の乱よりも前の大戦争を引き起こしたゴールの名前が何を意味するか、ランバートや武蔵はそれをよく知っている。

 

「調査をお願いしたいのですが、引き受けていただけますか」

 

「いや、俺達は「オイラが引き受ける。弁慶、最悪オイラをここに残して行け」

 

真ドラゴンの調査をしなければならない弁慶達は長時間この場に残ることが出来ない、だが武蔵にとっては真ドラゴンよりもゴールのほうが重要だった。

 

「隼人に連絡を取って見ます。その後でどうするか話し合いましょう」

 

「……すまん、だが最悪の場合は先に行ってくれ」

 

隼人が許可する可能性が低いと判っている武蔵は先に行って真ドラゴンの調査をするように言った。

 

「貴方達を分断するようなことになって申し訳無い。ですが、私達にとってゴールの名前は無視できる物ではないです」

 

「そういうこった。すまねえな」

 

渓と凱は武蔵がそれだけ怒りを露にする理由があると知り、何も言えずちらちらと弁慶を見るが弁慶も武蔵を止める事が出来ないと判っているので頸を左右に振る。

 

「いや、その心配は無いだろう。南極の吹雪は長く続く移動したくとも、長距離移動は不可能だ」

 

「クジラはまず使えないだろうな」

 

部屋の中にいても強くなる吹雪の音……それは弁慶達がこの基地の中に閉じ込められた事を意味していた。部屋の中にまで響く強烈な吹雪の音はまるで獣の唸り声のようにこの場にいる全員に感じさせるのだった……。

 

 

 

 

第10話 13年前の悪夢 その2へ続く

 

 




南極編は大きくアレンジしてゴールとブライを再登場させていこうと思います。南極編は世界最後の日始まってのハードモードでお送りしたいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。

視点が変わる時にそのキャラの視点と言う事を表記するべきか

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