七草家の忍術使い   作:ネヘモス

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俺は何を書いてるんだ(自問自答)


魔法嫌いの魔法師(忍び)

西暦2095年3月下旬。横浜某所にて。

 

「早く行こうよーナルトー」

 

「早くしないと置いていく」

 

「何でこんな事になってるんだってばよ…」

 

二人の少女と一人の少年という三人組が並んで歩いていた。その三人は色々な意味で周囲から目立つ存在だった。少女達の一人、光井ほのかは穏やかな印象を受ける茶髪で、その大きな胸は周囲の男の目を引いていた。もう一人の少女、北山雫は小柄で物静かな黒髪ショートで少年の裾を引っ張っていた。

そして、ほのかからナルトと呼ばれた少年は金髪碧眼のツンツンヘアー、頬に猫のヒゲのような印という奇抜な印象で周囲の人々は何でこんな男がこの2人の付き添いなのだろうと思うだろう。彼の名は、七草(さえぐさ)ナルト。言ってしまえばただの一般人、いや、一般人だった。あの事件が、起こるまでは。

 

ナルトは突然、精神世界の存在に呼び出される。

 

『どうした九喇嘛(くらま)?わざわざ呼び出すなんて』

 

九喇嘛と呼ばれたそれは巨大な九尾の狐の姿を取るナルト本人にもよく分からない存在だ。だが、わざわざ精神世界に呼び出すという事は余程重要な事なのだろう。

 

『ナルト。お前いつまで身分を偽るつもりだ?』

 

『何で、そんな事聞くんだってばよ?』

 

『惚けても無駄だ。兎に角、儂と拳を合わせろ』

 

よく分からないまま、俺は九喇嘛と自分の拳を合わせる。すると、

 

自分たちのいる場所の近くに、僅かながらの悪意(・・)を感じた。そして、そいつが何をしでかそうとしてるのかまでも分かってしまった。

 

『どうするナルト?このまま行くと、コイツに巻き込まれてお前のそばにいる女二人どころか、周りの人間に多大な被害が及ぶ。お前が動くのも勝手だろうが、今回ばかりは隠しきれない』

 

『どういう意味だ?』

 

『こっちが聞きたいくらいだ、ナルト。何故、お前は魔法師を嫌う?お前の連れも未熟なれど魔法師だろう?そして、』

 

ーーーお前自身、魔法師の筈だ。

 

この言葉が、俺の心に重くのしかかる。確かに俺は魔法師なのかもしれない。でも、その所為で俺は天涯孤独の身になった。俺の両親は10年くらい前に俺を七草家に預けて、そして原因不明の死を遂げた。だから決めた、俺は絶対に魔法師にはならないと。今のところ、七草家で俺が魔法を使える事を知ってる人間はいない。

 

『父ちゃんも母ちゃんも、魔法師だから死んだんだ…!それを嫌って何が悪い!』

 

『お前なぁ、ここに来た本来の目的は覚えてるか?』

 

それは、と俺は口を噤む。幼馴染のほのかと雫がそれぞれの志望する高校に進学する祝いと言って雫が言い出した。ほのかと雫は国立魔法大学附属第一高校、俺は一般の高校に入学が決まっていた。魔法師を嫌ってはいるが、この二人は別だった。ほのかも雫も、俺が魔法師を嫌っていると言っても付き合ってくれてるし、

 

5年前のあの日の、俺の姿を見てもなお、いつも通りに接してくれた。

 

『悪いな、儂の質問の仕方が間違ってた。お前は、あの二人を守ると言ってなかったか?』

 

そうだ。俺はあの日の恩返しをしたい。だから、今度は俺が期待に応える番だ。

 

『まっすぐ自分の言葉は曲げねェ、それが俺の忍道だ!』

 

『それだ、儂はその言葉を待っていた。ナルト、実はなお前の父、ミナトから頼まれてた事がある』

 

すると九喇嘛がその大きな掌を俺の頭に翳した。

 

『まずは、お前は勘違いをしている。お前の一族は代々、魔法師の家系ではない。古式魔法・忍術を扱う「忍び」だ。そして、お前は先祖返り、仙人の力をその身に宿した。ミナトはその強大な力を欲しがる輩が現れないように、お前の中に儂を封印して、忍術を使いにくくすることにした』

 

『は?どういうことだってばよ…』

 

『今に分かる。それより、現実世界に戻すから、続きは七草家に戻ってからな』

 

分かった、と軽く会釈すると、俺の意識は現実世界に引き戻される。

 

「……ト?しっ……!ナルト!?」

 

「…何だ、雫?お前が声を荒げるなんて珍しいな」

 

どうやらあの時にぶっ倒れたらしい。九喇嘛、せめて座ってる時とかに呼び出してくれ…。

で、何で俺ら柱に隠れてるんだ?

 

「どうもこうも無いよ。私達、今絶賛

 

 

 

テロリストに追われてるもん!!」

 

「な…!?」

 

何でそうなった!?と声が出そうになったのをどうにかこらえる。ほのかと雫の話を要約すると、突然倒れた俺をどこかに運ぼうとベイヒルズタワーに入った。すると、突然スプリンクラーが起動して異常に気がついた。そこには発火能力者(パイロキネシスト)の脱獄囚の男と銃火器で武装したならず者がいて、ほのかは咄嗟に閃光魔法で目眩しを行い、その隙に雫と俺を連れてベイヒルズタワーの奥に逃げた。と言う状況らしい。

なるほど、だいたい分かった。雫は今日はCADを持ってきていない、ほのかは閃光魔法しか使える魔法が今のところ無い。なら、

 

身体そのものがCADの俺が戦うしかない。

 

「ほのか、今こっちに何人来てるか分かるか?」

 

「銃火器持ってた人が全員…。六人だった気がする、まさか!?」

 

「良いの?折角普通の高校に進学できたのに」

 

「馬鹿野郎、どうせどこかで俺が魔法師なのはバレる運命だ。後で義姉ちゃんが怖いけど…」

 

そんなことはどうでもいい。今は、幼馴染の二人の女の子を助ける!

 

右手と左手で印を組む。それは、俺が最も得意とする忍術の印。俺の戦術の要になる術。

 

ーーー影分身の術!

 

己の中の霊子を活性化させ、一般人にも(・・・・・)視認できるようにさせる。そして、自分と瓜二つの二人の分身体を作り出す。そして俺と分身体が両手に想子を乱回転させるように放出、球状に圧縮して留める。そして、目にも止まらぬ早業で柱の影から飛び出し、銃火器集団の目の前に現れる。

 

「な、なんだコイツ!?」

 

「う、撃て!」

 

「「「おせーんだよ!螺旋丸!!」」」

 

急所を外し、気絶するくらいの威力に抑えた得意忍術・螺旋丸をテロリスト軍団に食らわせ、気絶に追い込んだ。影分身を解除すると同時に警察が来て身柄を拘束、事なきを得た。だが、俺はこの日、七草家に帰ったあとの仕打ちが怖くてそれどころではなかったというのは別の話である。

 




次回、魔法科高校の転校生(間違いではない)
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