七草家の忍術使い   作:ネヘモス

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イレギュラー(司波達也)との接触

遡ること5年前、世間で言う「沖縄戦役」が発生した。その時、日本に二人の戦略級魔法師が出現した。世間に名前を公表はされなかったが、その戦い方と規格外の魔法によって一人は摩醯首羅(マヘーシュヴァラ)、もう一人はその怒り狂う六本の腕から放たれる強大な力から阿修羅(アスラ)と呼ばれ、大亜連合に恐れられる存在になっていた。

 

そして現在、第一高校ではとある噂に持ち切りになっていた。

 

生徒会長・七草真由美の義弟が二科(ウィード)として入学した。だが、これにはある勘違いがあった。一つは、彼は入学試験を受けて合格した正規入学者ではないという事。もう一つは仮に受けたとしても、筆記で落とされる可能性があった事。そして、何より彼は魔法から隔絶した一般社会で生きてきた事があり、仕方なく二科生に入学したのだ。

ナルトは(自分なりに)それを伝えると、二人の生徒が彼に近づいた。

 

「なるほど。という事はお前は魔法力はある方なのか?」

 

「ああ。俺は筆記の類はどうも苦手でよ、魔法の力は姉弟の中では頭抜きんでて高いけど、勉強はちんぷんかんぷんだってばよ」

 

最初に話しかけてきたのは義姉から話を聞いていた筆記試験1位のバケモノの司波達也。黒髪で切れ長の目、自分でも女モテする顔だと思うくらい整った顔つきだなという印象だった。だが、

 

『(ナルト、コイツには気をつけろ。何かあるぞ、魔法の実技がダメだったってんのは嘘かもしれねぇ)』

 

九喇嘛は物凄い警戒していた。確かに他の奴と違う印象を受ける。なんと言うか、感情を表に出てないような…。

 

「でも、実際問題どこまで出来る?」

 

もう一人の男子生徒が声をかけてきた。

 

「えっと、西城レオンハルトだっけ?」

 

「レオでいいぞ。ところで、どうなんだ?」

 

「それは…」

 

ピンポンパンポーン

 

『1-E、七草ナルト君。生徒会室に来て下さい』

 

はあ、どうやらあの事(・・・)と関係ありそうだな。

 

「悪ぃ、続きは後でな」

 

「ああ、構わない」

 

俺は達也、レオに軽く会釈すると教室から出ていった。

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ナルトは生徒会室の前に来ていた。それにしても正気か、弘一さんは。教職員枠の風紀委員を俺に変えるなんて、反感買うのがオチだぞ。

 

『(説明の為とはいえ、想子圧殺を使ったお前が悪い)』

 

グウの音も出ないとはこの事だろう。

 

「ナルトー、そんな所で立ち尽くしてないで中に入ったら?」

 

どうやら見られてる…。相変わらず、いい趣味してるぜ。

 

「1-Eの七草ナルトです、失礼します」

 

生徒会室に入るとそこには女性しかいなかった。そのうちの一人、確か真由美姉の同級生の風紀委員長の渡辺摩利と言ってたか、その人が俺に話しかけてきた。

 

「ほう、お前が真由美が言ってた可愛い義弟君か。確かに、いじりがいがありそうだ」

 

そんな事言ってたのか…。件の義姉を少し睨みつける。物凄い冷や汗をかいていた。

 

「まあ、本題に入るか。この映像の魔法師は、ナルト君、キミで間違いないんだな?」

 

パソコンの画面に影分身と一緒に六個の螺旋丸をぶつけてテロリストを一掃する自分の姿があった。

 

「なんなら、証明しましょうか?」

 

「いや、その必要は…」

 

「会長、俺はその生徒を風紀委員にするのは反対です」

 

ふととんでもない話が飛んできた。真由美姉、生徒会に話すなら、差別意識が無い人間がいない時にしてくれってばよ…。

 

突然だが、この国立魔法大学附属第一高校には明確な力関係が存在する。魔法力、学力ともに優秀な一科生、その補欠と呼ばれる二科生が存在し、前者を花冠(ブルーム)、後者を雑草(ウィード)と陰で呼んでいる。そして、一科は二科より優れてると、差別意識が生まれていた。だが、この2095年度の新入生にはどうやらその常識が通用しないらしい。

良い例が筆記テスト1位なのに実技の成績が芳しくなくて二科生の司波達也。彼に関しては九喇嘛が実力を隠してると見抜いたので俺は少なくとも彼が二科生であること自体おかしいのではとすら思っている。

 

そして、その差別意識は上級生にも当然染み付いているものでここの生徒会副会長の、はんぞー君?という先輩が異議を唱える。

 

「何だ?服部刑部少丞範蔵副会長?」

 

「フルネームで呼ばないでください…。それよりも会長。教職員推薦枠を彼に、雑草の会長の義弟に変えたのは何故です?」

 

「二科生が風紀委員をやってはいけない、そんな規則はないのよ?はんぞー君」

 

ヤバい。声音は普通だけど、目が笑ってない。昨日俺が怒られた時と同じ感じがする。

 

「そんなに実力が知りたいなら服部、ナルト君と模擬戦するか?」

 

どうしてこうなった…、と心の中で呟いたナルトを九喇嘛は楽しそうに眺めていた。

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そして、第三演習場。渡辺風紀委員長から模擬戦の軽い説明があった。簡単に言うと、フライング禁止、相手に致命傷及び障碍が残る魔法の使用は不可、物理的な攻撃は不可というシンプルなルール。だが、服部先輩には同情した。何故なら、

 

「始め!」

 

その掛け声と同時に俺は親指を噛み切り、その血を媒介にあるものを呼び寄せる。

 

ーーー逆口寄せの術!

 

呼び出したのは自分と瓜二つの霊子情報体・影分身。そして、それを解除する。霊子を取り込んで、俺は反則チートの魔法を発動する。この間僅か5秒以内。そして、

 

ーーー多重影分身の術!!

 

三人に分身すると一人が服部先輩に突っ込んでいく。

 

「なっ!?」

 

服部先輩は動揺して魔法を発動し、その分身体を吹き飛ばす。当然、本体ではない為俺にダメージは無い。その後、影分身の煙の影から現れた本体を見つけた服部先輩は雷撃を放つ魔法を発動した。だが、

 

「悪いな、俺の流派では雷は風に弱いんだってばよ!」

 

ーーー風遁・螺旋丸!!

 

いつもと少し違う水色の螺旋丸を投げる。少し風切り音を放つ螺旋丸が雷を打ち消し、服部先輩に向かう。ところが、それはその直前で消えており、俺は服部先輩の至近距離から近づき、拳を腹部に当てるように見せかけ、その拳から霊子を衝撃波に変えた魔法を発動する。その結果、服部先輩が吹き飛ばされ、俺は渡辺先輩に

 

「渡辺先輩、俺の反則負けだってばよ」

 

あえて反則負け(・・・・)を認めることにした。




九喇嘛は純粋な魔法力には敏感に反応します。だから、達也が異常なことに真っ先に気が付きました。それと、今回の反則負けの原因はNARUTO本編のペイン戦と言えば伝わるでしょうか?

次回、二科生の風紀委員
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