変幻自在な炎のヒーローアカデミア!   作:ナーシャ・アリティア

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私、転生するってよ

気が付いたら好きな漫画キャラの双子の姉になってた。

なんのこっちゃと思うかもしれないが、自分でも何を言っているのかは分からない。

ただ一つ、私にわかることは‥‥

 

(これから大変になるなこりゃ。)

 

目の前にいる個性とは反対に冷めた空色の瞳でこちらをにらみつけている父親を見上げながらそう思った。

 

遡ること少し前。

 

~~

 

夢からさめたような感覚から私は目を開ける。今日も仕事かあと思って体を起こしたら目の前に立派なひげを蓄えたお爺さんがいた。

 

『突然の死、辛かったじゃろうに。』

 

周囲確認をする隙も与えず私に投げかけられた言葉は現実からかけ離れすぎていて、私は「へ?」と間抜けな声を漏らす。目の前でぺこりとお辞儀をした彼は混乱する私を一人置いて長々と話し始めた。

もう理解するのは無駄だと感じた私は「ここどこだろうなー」とか呑気なことを考えながらお爺さんの話に耳を傾けた。

 

『・・・しようと。おんしの前世は善行も悪行も微妙じゃが、それ以上に苦労が多すぎる。そしてこの死に方はあまりにも難儀であろう。じゃから、儂はおんしにもう一回チャンスを与えようと思うておる。そっちの世界で言うならば・・・・なんじゃったかのう、確か・・・・らいとのべる?とやらによくある転生と似とるシステムじゃ。転生先である世界はすまんがこちらで決めさせてもらう。能力で欲しいもんがあれば言っておくれ。』

 

「・・・・なるほど。」

 

つまり私は何らかの形で死んで可哀そうだからとこのお爺さんに拾ってもらい、転生のチャンスを与えられたと。はいはいそうですか・・・って納得できるかい!

心の中でそんな乗りツッコミをしていたが、お爺さんはそれには反応しなかった。

死んだということは分かった。しかし私にはそれを受け入れることが出来なかった。私にはまだやりたいことがあった。・・・・私はまだ生きていたかった。

 

「しかも、何で、何でこんなタイミングで・・・」

 

私は恩返ししたい人がいた。私はまだ育ててくれた養母に孝行もできないまま死んだのか?「初任給は愚痴一つ言わずに育ててくれたあなたに仕送りするよ」と堂々と宣言しておいて、その時のあの人の花が咲いたように柔らかな笑顔を無駄にするのか?・・・とんだ親不孝者じゃないか。

こんなのって、こんなのって・・・・

 

『・・・おんしの考えていることは分からんでもないが、儂はおんしを元の世界に生き返らせることはできん。生き返らせられるのはあっちから接触されたときのみと決まっておるんじゃ。』

 

その言葉を聞いて私は拳を握りしめた。床へと叩きつけた。嗚咽を我慢し、唇を噛みしめて静かに泣いた。

 

 

 

 

・・・どれほど時間が経過したのだろうか、私にはもう分かりやしない。

涙で歪んだ視界に映ったお爺さんはこちらをじっと見つめている。

 

「…転生、でしたっけ。」

『するかせんかはおんしに任せる。』

「・・・・喜んで受けさせて頂きます。」

『‥‥そうか。』

 

お爺さんは何も聞いてこなかった。

もうどうせ会えないのならば泣いていたって仕方が無い。それならば先に進んでいくほうが有意義だろう。進むのを渋る感情を押しのけ、私はさてどうするかと考える。

 

「…転生特典は何でもいいです。」

『ほお、思い切ったのう。』

「そちらでそろえていただいたほうが高慢になって欲張りをせずに済みますし。」

 

ラノベとかでよく見る俺TUEEEするのはいいっちゃあいいと思うが、TRPGのダイスのように運に身を任せたほうが良いものもある。それを私は楽しんでいきたい。というのが建前。本当は選ぶのが面倒くさいから。それに、困ったときのなんとやらともいうし、ね。

 

『では特典についてはこちらで決めさせてもらおう。もう一度聞くがそれでいいんじゃな?』

「はい」

『よし。』

 

その後は未練がないかとか最近の世界にはどんなもんが流行っているのかを聞かれたりした。お茶目なお爺さんだ。

 

『あ、えー、こほん。今から転生するが、心の準備は良いか?』

「はい。」

『では、------。』

 

お爺さんが何かを唱える。どのような発音かは聞き取ることが出来ない。

すると、目の前に光の玉が出てきた。それは徐々に集まり・・・

 

「すっげ!」

 

まあ何という事でしょう。ラノベでよく見る様な異世界へのゲートになったではありませんか。

 

『ほっほっほ。おんしが言っていたのを少し参考にさせてもらったまでじゃ。』

 

この爺さん毒されるの早いぞ?もしかして同志が増えたか?はっはっは、良いことだ。

 

『じゃあの、■■■■■よ。』

「ええまた、お爺さん。」

 

お互いに言葉を交わしたのち、私はゲートをくぐった。

視界が、明滅する。そして、

 

意識は、闇へ、闇へと落ちていった。自我など忘れるまでに。

 

side out

 

彼女が門をくぐるのを見届け、彼のものはため息をついた。

 

『‥‥とは言えども、はてどうしたものか。』

 

彼は彼女に頼まれた転生特典を決めかねていた。普通の人間であればあの状況で欲を出し、そして持て余すほどの力を手に入れる。中にはもう苦しみたくないからと転生を断念する者もいる。だが、彼女はそれらのパターンに該当しない希少なケースだった。

 

故に、困るのだ。

例えるならば「今日の晩御飯を何にするかを聞いて何でもいいと返答されたとき」だ。

生憎彼は人間の感覚を持ち合わせてはいないため、何が彼女にとって妥当かは分からない。自分が対立している者の様に制御することのできない力を持たせて陶酔させ、破滅させるのもそれはそれで暇つぶしにはなるだろうが、それは思想に反してしまう。

 

椅子を取り出して座り込む。髭を弄りつつ、うんうんと唸りながら。

 

二時間後。

 

考えた末に出てきた案は、その風格からは考えられぬものだった。

 

 

『そうだ、くじで決めよう。』

 

ふとそう言った彼は何処からか箱を取り出し、彼は箱の中から一枚の紙を取り出しす。

彼女の思想の中にある「運任せ」というのを自分もしてみようと思ったらしい。興味本位でするのは彼らのような存在の性なのか、はたまた彼自身の性格なのかを人は理解することは出来ないだろう。

そして彼はまるで無垢な少年がショーケースに入れられた目新しい玩具を見つめる様な顔でその紙を開いた。

 

『・・・!?な、なんじゃと、これは・・・』

 

そう、それは皮肉にも彼らとは相対する者たちである存在の名だった

その名は‥‥

 

 

 

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