「ーーーふわぁ、……………?」
土の上で目が覚める。
なぜこんな場所で寝てたのだろうか…さっきまでなんかよくわかんないけど神さまと話しをしていた気がする。転生特典とか神の後継者だとかそんな話しをした気が…まぁ、そんな事有るわけないか。
ふと、時間が気になって。腕にあるだろう腕時計を見ようと手を見る。
「………あれ?」
……手が絵になってる?
意味がわからないだろうが、いわば手がアニメ調になってる。一つ一つの線がはっきりしていて、振ると時折作画崩壊を起こして形が歪になってしまう。そういえば他世界で最も再現度が高い世界って言ってた気がする様な…
……え?こういう再現度の話!?
心の中で叫びたくなる、てか叫んだ。
いくらなんでも自分がアニメ化するとは思ってなかった。てか、今の状況ってアニメオタクからしたら羨ましい状況じゃね?
ふと、どーでもいい事考えたがあることを考えたら一気に冷める。
逆に考えたらアニメ調だから何が起こっても大丈夫なんだ、今ここで俺が殺されたとしてもある程度の規制を守るために血を黒くしたり内臓系の物を一部省略されたりされるんだ。そう思うと悲しくなった。
「ふぅ…マイナスな考えはやめよう。なんだか悲しくなる一方だよ………あ、そうだ転生特典。」
神さまから貰った転生特典があった筈だ。どこかに落ちてたりとかはして無いかな?そう思い周りをみるが何も無い。そういえばポケットに違和感を感じていた。
ポケットに手を突っ込み違和感の正体を探る。
「……なんだ?……この布切れ……」
見つけたのは半月型の謎の布切れ…なんか、ドラ○もんの四次○ポケットみたいだな。
ドラえ○んみたいに中に何かしら入ってたり……
「…うん、入ってたよね。」
手紙と一緒に入っていたブレイバックルとスパークレンスを取り出す。何というか作画のせいでクオリティーが低くなってる…
なんか、落ち込んだ。
落ち込む心を胸にとりあえず手紙を読んだ。
『拝啓、剣立大吾様
この手紙を読んでいる頃、貴方はもう異世界に飛んでるんでしょう。貴方にはその世界の神になっていただきます。前回絶対自分が神だという事を察されてはいけないと言いましたが貴方の判断で言っていい事にします。良く良く考えたらバレるところがないと面白くないのでなるべくならエクスカリバー後くらいでお願いしまーす。なおこの手紙は読み終わって2秒で爆発します。
以上、神でした。』
「……………………」
ーーー原作知らない僕にどうしろと?
エクスカリバーとか聞いてないよ、むしろなんで知ってる前提で話進めてるんだよ。
しかも自爆って2秒って早スギィ!!
ドカッーーーーン
爆。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
???side
そこは地獄だった。森は焼け、人も焼け、敵も味方もなかった。
三つ巴の戦争の最中、ニ天龍が戦いを始めたのである。
辺りは炎に包まれ、仲間達は次々に燃え、朽ちていく。天使も堕天使も悪魔も多大なダメージを受けその中で魔王さまおも亡くなった。
『貴様ら如きが我らの神聖な戦いを邪魔するなど!!』
赤龍帝は怒り心頭でそう言う。
本当に不味い、このままでは戦争どころか全員揃って全滅だ。私は走る。
「キャッ!!??」
後ろの方から聞き覚えがある声が聞こえた。
まさか!
「セラフォルー!!」
叫んだ時にはもう遅い、白龍帝が業火を吐こうとしていた。
不味い、不味い、不味い、不味い、不味い!!
手を伸ばした、この手はきっと届かない。だけど、それでも手を伸ばす。
届け、届け、届け、届け、届け、届け!!
ゴッ!!!!
鈍い音が聞こえる。
その瞬間、白龍帝は地に落ちた
「痛ぁぁぁぁぁ!!!!頭打った、頭打った、絶対骨折したよ!!おまっ!!神様ぁぁぁ!!??何!あんな危険物持たせたんすかぁぁぁ!!??」
赤龍帝の背中には真っ黒な何かが叫んでいた。
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剣立side
「っ痛うーーーーーーーー」
俺は爆発地から数百メートル離れた地で頭を抱える。何かがクッションになってくれたお陰でいくらか痛みは引けていたが、いや、あの距離あの高さを頭から落ちて死なないってかなりやばいと思うんだけど俺の体。人間辞めたのかな?
「あのー、すみません。」
あれ?どうしよう、いきなり黒髪美少女が俺に話しかけてきてるという事態になってるんだけど!!生前は母親以外女の子と話しすらしたことないんだよ!!レヴェル高くない?無理だから。
すると彼女は俺の下を指した。そして言う。
「そ、そのドラゴンなんですが……」
おっと、ドラゴン?なんでドラゴン?
あ、このクッション、ドラゴン型だ。すげぇ…こんなリアルなの初めて見た。いや、冗談、よく見たら息してらぁ…まっずい、ペットだったのかな?あ〜やばい金無いよ。損害賠償を求められたら終わりだよ。異世界一日目にして逮捕とか良くやるわ…
「そ、その…助けて下さり本当にありがとうございました!!」
助ける?
あ〜あれか、しつけが出来てなくて、こいつ暴れ回ってたんだな?周りが燃えてるのはこのせいか。ドラゴン飼ってるんだもんな、そりゃ大変だな。
「ど、どど、どういたしまして!ではお、俺はこれで…」
キョドリながらそう言う。女性経験がない俺からしてみればこれも許容範囲内だ。俺は来た道を帰ろうとする。
「待ってください!!」
ビクッ!!
少女が驚かす。何さ!
「貴方が何者か存じ上げませんが。その腕を見込んでお願いがあります。」
「お願いですか?」
なんだろうか……よくあるイベントかな?
「あの竜、赤龍帝を倒すのを手伝って欲しいのです!」
なんだそんなことか…
「いいですよ。」
「そうですよね、ダメでs………って!ええ!!良いんですか!?」
「ちょっと、試したい事がありましたし…なんか俺の体も普通じゃないみたいですしね。なんなんだろ…この自信」
自暴自棄になってるのかもしれないな。
とりあえず俺は四次○ポケット擬きからスパークレンスを取り出す。
「では、さっさと殺ちゃってさっさと帰りますか」
すると、少女や周りの男達(あれ?なんだあの赤髪のイケメンかっこよすぎない?世の中理不尽だわ)がスパークレンスに注目する。まぁ、これが武器とは思えないだろうしな。
そんな目を向けながら俺はスパークレンスを上に上げて叫んだ。
「ーーーーティガ!!」
俺は光になった。
テンションがおかしい主人公。
ちなみにティガって言いながらの変身って2回だったかくらいしかなかったらしい。