「それで、アタランテの依頼は受け入れるのか?」
「僕は信頼を得る為にも断る理由はないと思うがね」
「狩人殿の件を不問にしてもらった借りは大きい、承諾すべきだろう」
「あまり蒸し返さないでくれ騎士殿」
「何の話だね狩人?」
「い、いやそんなつもりはないのだ狩人殿元はと言えば私の不注意が生んだ出来事であってアヴィケブロン殿もあまり追求はしな「マスター殿が帰ってこられたぞ」…………」
雷帝に仇なす叛逆軍のアジト、その一室。
そこには騎士をはじめとしたカルデアに与する者達が一堂に会していた。
現在騎士達はアタランテからの依頼を受けて欲しいという要請を受けるか否かを話し合いで決めている、詳細はカルデアのマスターが代表として聞いてくるのでその間にお互いの意見をハッキリさせておく流れになった。
「してマスター殿、依頼の内容は?」
「うん、叛逆軍に協力するよう檄文を配りに行くんだって」
その言葉に騎士とアヴィケブロンは思い当たる節があるようで、
「兵集めか、確かにここのヤガ達は皆が皆戦闘員という風には見えんな」
「騎士の言う通りだ、叛逆軍というには子供や老人が多い」
マスター曰く、正確には兵集めを兼ねた物資の確保が言い渡された依頼であるとのこと、しかしこの依頼はカルデア側の実用性を試す意味合いも含んでいるので全員が参加するのでなければ依頼は受けられないようだ。
「ふむ、僕はマスターのサーヴァントだから従うのは道理だが、君達はサーヴァントでもなければマスターと契約をしている訳でもないのだろう?」
「私も共に行こう、元より人理の守り手の補佐として出向いたのだからな」
「元凶を狩れるのであれば、助力は惜しまん」
「元よりマスター殿の助太刀が俺の目的だ」
異口同音の答えがそこにはあった。
「全会一致だな、後はマスター次第という事になるが?」
「勿論やる、何か情報も手に入るかもしれないし」
これで騎士達の方針は決まった、ひとまずの目的を得た彼らはすぐにでもアタランテに承諾の意を伝えに行こうとする。
「お、おい……話は終わったのか?」
「パツシィ?」
その直前、話し合いを最初から最後まで部屋の隅っこで怯えながら騎士達の様子を見ていたヤガ、もといパツシィがビクつきながらマスターに話しかけてきた。
「お前、よくあんな連中と普通に話せるな……弱っちぃ癖に肝は据わってんだな…」
「誰の事?」
「とぼけるなよアイツらだよアイツら!!!」
そう言いながらパツシィは騎士達の方へ指を指す、より正確には何やら隻狼や狩人と一緒に話し込んでいる騎士の方を。
「素人の俺でも分かる、あの人間はヤバイ、絶対ヤバイ!」
「はぁ、まあサーヴァントじゃないけど確かに強いよね騎士さん」
「あ〜〜もうっ!!!そういうことじゃないんだよ!?もっとこう、表面的な強さの話じゃなくて………」
言い淀むパツシィだったが、恐らく本人にも騎士に対して感じるものが何なのか分かっていない。
そんな珍しく慌てふためくパツシィの様子を怪訝に思いながらもマスターは、
「……………よく分かんないや」
「本当にお前どういう神経してるんだ…?あんなの普通じゃないぜ…」
思考することを諦めたのか、肩を落としたパツシィは何処かへ去ろうとする。
「………ただ、これだけは言っておく。これは純粋な親切だぞ」
「まだ何かあるの…」
少し鬱陶しさを感じながら、マスターはパツシィの言葉に耳を傾ける。
「アイツらは……『アレ』は、人間の形をしているけど、本質は俺達と近いと思う」
「本質が近い?」
「あぁ、人間でもお前とアイツらじゃ全然違う、お前からは何にも感じねぇけど、アイツらからは『親近感』みたいなもんまで感じるんだよ」
「……………………」
「だから何だ、その………気を付けろよ」
黙り込んでしまったマスターに、しかし躊躇することなくパツシィは言ってのけた。
「アイツらはお前がいるから今は大人しくしているだけだ、手綱のない猛獣が何するかなんて分かりきってるだろ?」
野生の勘は、よく当たる。
なんかあっさりしててボリューム不足ですね、今度から意識していこう