ありふれたゴブスレフロムもの 作:偉大な英雄のソウル♂
この世界にはソウルの業なんてものはありません。だから死んだら終わりです。ソウル体にはなれません。不死人も火守女も篝火も無いのでエスト瓶もありません。底なしの木箱なんて便利アイテムもありません。勿論ソウルが無いのでステータスは初期化です。武器もアイテムも与えません。常識ですよね? 強くてニューゲームなんてありえません。
◆◆◆
なぜだかはわからないが、私は世界に嫌われている。世界を救った筈が、今度は火を継ぐことになったり、火を継いだら継いだで今度は未来に行くし、その世界でも火を継いだらまた未来に行くし、もう訳がわからない。頭おかしくなっちゃう…!
今までの世界では、ソウルの業があったからよかった。が、今回は違う。ソウルの業が無い! これは由々しき事態である。今までならば、ソウルに変換して体内に溶かしていた底なしの木箱を取り出すことで色々と準備などができた。だが、今回は違う。ソウルの業が無いから、底なしの木箱を取り出せない! 嘘だろ! おいバカやめろ! 草もエストも何もない。さらに言えば、死ねばそこでもう終わりだろう。なんたることだ。今身につけているこの
やはり、私は世界に嫌われている。
さて、文句を言うのもここまでだ。やることは今まで通りだ。取り敢えず厄介事に首を突っ込んでいけば、この悪夢のような現状も終わる筈だ。
『悪夢は巡り、そして終わらぬだろう…』
変態は黙っとけ。
取り敢えず、まともな人間が居るであろう場所へと向かおう。どこに居るか分からんがな!
素晴らしい。どうやらこの世界は、あれらのような頭のおかしい世界では無いらしい。まさか、人々の営みをもう一度この目で見ることができるとはな。もう、ウーラシールのような世界はこりごりなんだ。
私はこれでも一応騎士である。騎士といえば、戦の花形である。一騎打ち、決闘、いい響きでは無いか。まあ、決闘前に再生と反魔法領域を掛けさせてもらうがな。なんなら固い誓いもいいぞ。おまけで平和もつけてやろう。あとは怒りブッパで終わりだ。話が脱線した。ともかく、私は死にたくは無いが、私のこの能力を活かせるのは戦場だけである。今まで溜め込んできたソウルが、ソウルの業が無いことによって消え去り、身体能力が著しく落ちては居るが、まあ、やることはいつもと変わらん。一種の縛りプレイだと考えればどうってことない。なんとかなるさ。
ともかく、なんやかんやあって私は冒険者というやつになった。要は何でも屋である。ミグラントでも、ストーカーでもないのだがな、仕方あるまい。郷に入っては郷に従えというやつだ。秩序の保たれた世界では、人らしく行動しよう。
依頼を受けられるのは、今の私と同じ等級である白磁なのだが、生憎私は字が読めないし、話せない。言葉は何を言っているのか分かるが、まったく、いったいどこの文字だというのだこれは。また一から覚え直しとはな。人生は勉強だ。だが、教えてもらうにも金が必要だ。結局世の中金である。力こそ全ての頭がおかしい世界とは違うのだ。
受付にいる女性に対し、貰った冒険者としての証と掲示板とを指差し、どれなら受けられるのかをジェスチャーで聞く。
「そうですね……これなんてどうでしょう。ドブ掃除、木材の運搬、この2つです」
手元にあった紙を掴み、此方へと見せるように置く。察しが良くてとても助かる。どうやら優秀な人材のようだ。して、依頼は、なるほど。戦わなくていいものか。たしかに楽でいい。
二度首を縦に振り、受付嬢に肯定の意思を伝える。
騎士なのにドブさらいとはな。まるで逃亡騎士だ。なりふり構わなくなった、といったところか。
さて、そこそこ時間をかけて情報を集めてわかったことがある。
ここ、まったく知らん世界だ。今までの世界はソウルの業という共通点があり、神も同じだったりした。が、ここは神も違えば世界も違う。やったぜ。あのクソッタレじじいの呪縛から解き放たれたわけだ。これで不死ともおさらば! あとは好きな様に生きて、好きな様に死ぬだけだ! ざまあみやがれ! 私はこの世界で何が何でも幸せになってやるぞ!
とは言ったものの、身体は闘争を求める。長いこと戦い続けてきたのだ。死に続け、死線をくぐり抜け、相手のソウルを取り込むあの感覚。アレだけは、あの瞬間だけは、忘れられぬ。まったく、頭のおかしい世界にいれば、まともであってもおかしくなるのは当たり前のことだったな。
兎に角、私は強者との戦いを求めてはいるが、死にたいわけではない。もう死ねぬのだからな。だから、一番いいのは、そこそこ強い者と、そこそこに戦うことだ。だが、白磁の今ではゴブリンどもと戦うので精一杯である。まったく、私の身体能力が初期化されていなければ楽なのだがな。無い物ねだりは仕方ない。寧ろ、呪術の火が残っていることに感謝すべきだな。クラーナ師匠、私はあなたの弟子になれて幸せです。不出来な弟子でごめんなさい。でも、今日も今日とて私は発火します。
発火はいい。火力が高く、確実にゴブリンを屠れる。ゴブリンシャーマンという存在がおり、そいつはスペルを使う。毒の霧は吐かないようだ。やったぜ。だが術師は許さん。殺す。普通のゴブリン共も、武器に毒を塗っている。小賢しい。殺すしかあるまい。
ああ、こんな時竜ミルドがあれば楽なのだろう。適当に振り回すだけでこいつらは死ぬのだから。ロングソードを振り回しても問題はないのだが、刃に食い込んで離れぬことがある。ゴブリンごと振り回して即席の打撃武器としても扱えるのだが、ゴブリンの重さが追加された分疲れるのだ。あほくさ。
ゴブリンを辞めて、地下水道で鼠を狩ればいいと言うものもいるだろう。だが、地下水道は嫌だ。もう、呪いは嫌なんだ。もっと言えば、虫は嫌なんだ。ドーリスの蝕みを使うのは構わんが、虫に襲われるのは嫌いなんだ。そもそも、なぜあんなにも虫が大きいのだ。頭がおかしいだろう。やはりこの世界も頭がおかしかったのか。なんたる不幸。やはり世界は私を嫌っている。時々上の方から視線を感じるのだが、もしや、グウィネヴィア殿が見ていらっしゃるのだろうか。それとも、ソラール殿だろうか。
私は元気に頑張っておりますとも。色々と辛いことはありますが、あの頃よりはマシでございます。
ゴブリン退治はあまり金にはならぬのだが、それでもドブさらいなどよりはマシである。最近は剣を手入れするのが面倒になり、即席でクラブを作成し、それを振り回している。メンテするのにも金はいるのだ…諸行無常。いやこれは違うな。まあとにかく、即席で作れるクラブは有能ということだ。ロングソードはもっぱら筋肉ムキムキなゴブリンを殺すために使うことになっている。太陽の光の剣をエンチャントしてやれば、いとも容易く屠れる。
今困っていることは、やはり、スペルの使用回数が減ったことか。何故だかこの世界ではスペルを使うと疲れる。再生を使ったのに疲れるとはいったい……ウゴゴゴゴ。まあ、きっと無理をしているのだろう。お守りとしてのタリスマンで詠唱しているのだ。恐らくはそれが原因だろう。いやまて、ソラールはあんなふざけたタリスマンでまともに戦えていたぞ……? え、もしかして私、信仰心が足りない? これでも太陽のメダルを沢山集めたんだがなあ。ううむ。
最近は割と適当なことを考えながらゴブリン退治をしているが、うん、慢心である。一回毒を受けて痺れが回り、やばいと感じた事があったが、その時は神の怒りを唱えた事で窮地を脱した。麻痺毒を危ないと学習した私は、それ以降、激しい脂汗を使いながら探索する事で毒への耐性を上げることも視野に入れた。まあ、平和を掛けながら探索した方が安全なのだが、平和は効果範囲があまり広くなく、効果時間もあまり長くない上、4回も使えばもうヘロヘロで動くのが面倒になる。スペルごとに疲労度が違うらしく、『回復』はバンバン扱える気がするのだが、『緩やかな平和の歩み』を使うと、ちょっと疲れるのだ。
音送りや見えない体を扱えれば楽なのだろうが、あれらはソウルの業である。つまり、使えない。使おうとしたが、上手くいかなかった。世の中辛いものである。
今回のゴブリンの巣も女性が囚われていたが、運良く間に合ったらしい。間に合ったと言っても、死んでないだけでほぼ死んでるようなものだが、立ち直れるかどうかは当人次第だろう。そこまで私は面倒を見れない。私は自分のことで精一杯である。
一通りゴブリンを倒した後は敵意の感知を使用し、ゴブリンの赤子を殺す。赤子ってことはへその緒とか、人間性とか落とすんだろう? 私には特別な智慧があるから分かるんだ。ほら、人間性落とせよほら。ほら。チッ、今回もダメか。
よし、殲滅したし、後はこの女性を連れて帰れば終わりだ。
私が白磁等級の頃は、毎日こんな感じだった。
アニメと1巻、イヤーワン1.2を読み終えたばっかだから、続きを書くには時間がかかる。
デモンズ的には、ソウルは人の隠された力らしい。で、奇跡と魔術が同時に出てきたと。ソウルの業を扱うのはボーレタリアだけど、ボーレタリア以外の国でも普通に奇跡とか魔術は使ってたというか、使えるっぽいし、ソウルブーストなしの素の状態で使えるってことは、ソウルという概念が無い世界でも使えるんやろなあって。え? それなら魔術も使えるって?
ソウルを操る業なので、ソウル(つまりは隠された力、MP)を知覚できてないと使えないわけです。奇跡はたぶん、知覚できなくても勝手に引かれてく。
ゴブスレ世界の奇跡は神様とかへの嘆願。魔術は真なる力をもつ言葉がうんたら。ソウルを扱うこっちとは別体系。だから、魔術は学べば使えます。
そもそも奇跡ってゴブスレ世界みたいに神に頼み込んで発動するようなアレだし、ソウルとか関係ないやろ…(ボソッ
そういやボーレタリアって基本的に英雄が行くけど、キャラクリ段階ではみんな弱いよね。英雄が行くと仮定して、なんで装備が弱いかといったら、そりゃあね、王様としては「うちの英雄が死体として見つかり、装備を勝手に使われたり、死が発覚して他国に攻め込まれたら困る」みたいなノリなんじゃろなあって。なんでゴブスレでこんなこと話してるの?
ちょっとまだ設定ガバいから直すかも。
後書きで言うのもアレだけど、自分の妄想を垂れ流してるだけだから面白さについては保証できない。
スペルの使用回数は合計12回ぐらい。癒しは6割、回復は1回、惜別は5回分、みたいな感じで癒しブッパマンは出来ないよう調整はしてるから。