サブタイトルで分かる人は多分分かる!はず!
古びたバーの中。怪しげな男たちが話していた。
「平和の象徴。…それが殺されたらどうなるだろうなぁ」
顔に手をつけた血色が悪い男がニヤニヤと呟く。カランと手に持ったグラスの氷が音を立てた。
「火火ッそれは面白そうだなぁ」
その呟きに答えたのは、鎧を着た男。白い鎧とは正反対に真っ黒い中身はとても人間のものとは思えない。所々にひび割れたような光の線が走っている。
「平和の象徴が俺の炎をどこまで燃やしてくれるか…楽しみだぜ」
頭の炎を揺らしながらその男は嗤う。それは余りにも凶暴な破壊の炎。周囲を焼き払ってしまいそうな禍々しくもどこか惹かれるものだった。
「…さぁ
今、巨大な悪意が牙をむく。
「今日は俺とオールマイトともう一人の三人体制で見ることになった」
ヒーロー基礎学の時間。教壇に立つ相澤先生が言う。
やることは
「今回の
相澤先生は合理主義者らしく簡潔に説明を終わらせた。
バスの中ではしゃいだ皆が相澤先生から注意を受けるということがあったが、無事に目的地であるUSJに到着する。
何でもU(ウソの)S(災害や)J(事故ルーム)の略らしく、かの有名な施設とは違うようだ。
既に来ていた宇宙服姿のヒーロー、13号先生から授業前の話が始まる。
「えー、始まる前に皆さんにお小言を一つ二つ…三つ…四つ…」
増える、とクラスの思いが一致する。
「皆さんご存知かと思いますが、僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます」
13号先生はやや曇った声で続ける。
「簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう個性がいるでしょう。超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく規制することで、一見成り立っているように見えます。しかし、一歩間違えば容易に人を殺せる“行き過ぎた個性”を個々が持っていることを忘れないでください。
この授業では…心機一転!人命のために個性をどう活用するかを学んでいきましょう。
君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、
以上!ご清聴ありがとうございました!」
ぺこりと丁寧にお辞儀をした先生に生徒の拍手や歓声が飛ぶ。…人を
ぼくの“力”は人の
13号先生の話も終わり、話に感動していた生徒の熱が収まる。
そしてこれから授業が始まるという時に
「一かたまりになって動くな!13号、生徒を守れ!」
相澤先生の切羽詰まった声。広間に現れた黒いもやのようなものから続々と異様な雰囲気を持った人が現れる。
「動くな!あれは
その言葉に一気に緊張感が走る。
「13号にイレイザー・ヘッドですか…先日頂いたカリキュラムではイレイザーヘッドではなくオールマイトがここにいるはずなのですが…」
「どこだよ…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…。
オールマイト…平和の象徴、いないなんて。
…子供を殺せば来るのかな?」
黒い靄が形をとったような男と人間の手を身体にいくつも着けた男。黒い靄の男がワープ系の個性を持っているのだろう。
あの二人がこの
「初めまして、我々は
僭越ながら、この度雄英高校に入らせて頂いたのは…平和の象徴オールマイトに生き絶えて頂きたいと思ってのことでして」
黒い靄の男がワープの個性を発動しようとする。
その時生徒の中から二人、黒い靄の男に攻撃をしようと飛び出す。飛び出していったのは爆豪君と切島君だ。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
惜しくも攻撃はギリギリのところで回避される。13号先生が個性を発動しようとするが、二人が斜線上にいるため動けない。
「散らして…なぶり殺す」
黒い靄の男が生徒をワープさせた。
「おっと、ここは…」
地面に着地する。辺りには燃え盛る炎と
「たった一人かよ」
「いや雄英の生徒なんだから一人でも強いんだろうぜ」
「ギャハハ、なら手加減なんて出来ねぇなぁ」
ぞろぞろと出てきたのは武装した
火災ゾーンにいるということはここにいる
そこまで強そうには見えない。他のところにもこのレベルの
…
「…ぼくは今回、
「はぁ?何言ってんだ」
「でも今のぼくの役割は
だから…
「はい。この神メイドにおまかせあれ!」
声と共にどこからともなく現れたのはメイドの姿をしてメガネをかけた少女。その少女は短い銀の髪を揺らしながら礼をした。
「いつでも
…どうぞお見知りおきを」
少女はスカートの端をちょこんとつまみ、にっこりと笑った。
「旦那~?姉御~?…いないのかな?
ま、僕ちんだけで楽しもっか。キケケケ」
八百万、耳郎、上鳴が跳ばされたのは山岳ゾーン。
「レッディーース&ジェントルメェン!!
『
声のする方に目を向けるとそこにいたのは一つ目の道化。
身長が上鳴の腰ほどしかなく、腕が枝のように細い。
このタイミングで会わなければ、どこかのマスコットと勘違いしてしまいそうだ。
「…ピエロ?」
「な、なんか弱そうじゃない?」
「これなら個性無しでも勝てそうじゃねーか」
その姿に警戒心が薄れる。ランズボローはそんな上鳴たちを見て笑った。
「キケケケ、確かに僕ちんは
…でも、君たちヒーローの卵程度には負けないよ」
ランズボローの顔が楽しげなものから、ニヤリとした悪意に染まったものに変化する。
「旦那が言ってた通り、ここには
だから…」
「ッ!なんだ!?」
「地面が揺れて…!」
ランズボローが手に持っていた板のようなものを操作すると地形が変わり始める。
「
山岳ゾーンがあっという間に巨大な迷路に作りかわった。
真っ赤なカーテンや獣が入るような檻、大きな玉や空中のブランコ。まるでどこかのサーカスの会場だ。
ランズボローの姿は見えなくなっている。
「これが僕ちんのメーンイベントさ。
迷路の名前は『
姿の見えないランズボローの楽しげな声とともに、ピエロの格好をした大きな自動人形が何体も迷路の角から顔を出した。…その手にハンマーや剣などの凶器を持って。
「どっちに進んでも死に至る迷路さ。
…
開始の合図を受け人形たちが襲いかかる。
爆豪と切島が跳ばされたのは倒壊ゾーン。
そこには
「チッなんだここは」
「見たところ倒壊ゾーンか?何でこんなに鎖が…」
「ようこそ、私の世界へ」
声のした方向に一人の女性が足をくんで座っている。
それは一見裸に見えるような格好をした美女。体の模様が大事なところをギリギリ隠していた。
鎖のような尻尾が生えており、肌の色もどこか人間というには白過ぎる。
色気の漂うその姿は18禁ヒーローのミッドナイトを彷彿させた。ここにいる彼女の纏う雰囲気は邪悪以外の何物でもないが。
「うわ、すげー格好…」
「なんだてめぇは!?」
ここにいるということは間違いなく
爆豪はいつでも攻撃できるように構えた。
「私は『
所詮
彼女がパチンと指を鳴らすと、地面から鎖でできた槍が生えていく。
「ずっとここで待たされて退屈だったの。
…さぁ、ヤり合いましょ?どちらかの悲鳴が果てるまで」
彼女は細い指先を艶かしく口元にあてながら、恍惚な笑みを浮かべた。
ノワール
悪の幹部の女みたいな夢魔。鎖を操る。夢喰いメリーではメリーに変態鎖女と呼ばれていた。
ランズボロー
一つ目ピエロ。迷路に迷わせて弱ったところを叩くスタイル。雑魚っぽいけど精神攻撃はなかなか。メリーにはチビピエロと呼ばれていた。