蒼き鋼with Silver Shinano 作:Many56
シナノの姿を見て進は衝撃のあまり、開いた口が塞がらなかった。
進「君は、霧…なのか?」
シナノ「“元”ね。」
進「元?」
シナノ「そう。抜け出したの。」
進「どうして?」
シナノは一度うつむき、海の方へ体を向ける。
シナノ「私は、霧の艦隊を止めたい。でも、一人ではもうどうにでもできないところまで来てしまった。」
進「止めたい?君は霧なんだろう。止めなきゃいけない理由はないと思うが…」
シナノ「あなたが言ったように、今人類は衰退している。このままでは無くなりかねない。それを止めたい。それにもう一つ、霧の艦隊はアドミラリティ・コードに基づいて行動しているけど、私はそれの存在意義に疑問を感じたの。」
進「だから、止めたい、と。」
シナノは進の方へ振り向いて、
シナノ「あなたに力を貸すから、私にあなたの力を貸して。私の艦長になって。」
進「分かった、シナノ。お前が俺に力を貸してくれるなら、俺はお前の艦長になろう。」
シナノはニコリと微笑んだ。
シナノ「ありがとう。」
それから俺たちは、艦を習熟訓練を始めた。
それから2週間が過ぎたある日、いつものようにみんなで食堂に集まり昼食をとっていた。
大介「進、なんかあったか?」
進「なんかってなんだよ?」
大介「いや、なんだか最近お前あんまりボサッとしてないから。」
康雄「そういえば最近帰るのも早い気がしますよね。」
沙織「ま、まさか彼女とか!」
進「まあ、そんなとこ…かな。」
みほ「えーーっ!」
太一「マジか!」
沙織「えっ誰々⁉︎」
進「秘密。それじゃ、先教室行ってるから。」
進が行った後、他のメンバーで話し合う。
沙織「ねえ、進の彼女誰だと思う?」
康雄「あの人が彼女って。ありえないありえない。」
太一「いや、人は見た目にはよらない。意外とあり得るかも…」
そんな中、大介は一人考えていた。
大介(あいつが彼女を?いや、絶対ありえない。まさか…)
そして一つの結論に至った。
大介「なあみんな、アイツ何か隠しているような気がするんだ。」
みほ「隠してるって、何をです?」
沙織「彼女?」
大介「そういう意味じゃなくて、もっと別のことだ。」
康雄「別のこと?」
大介「とにかく放課後、ついて行ってみようぜ。」
みほ「まあ、それが一番の近道ですね。」
そして放課後、5人は進の後を追っていった。
進はいつものように丘に来ていた。そこには、いつものように彼女がいた。
進「待たせたか?」
シナノ「別に。いつも通りの時間。」
進「出航予定まで、あと2週間。その1週間後にSSTOの発射がある。」
シナノが頷いた瞬間、海の底から白銀の船体が姿を現す。
進「そこでアイツらと合流だ!」
その直後、後ろから毎日聞いてきた声が聞こえた。
大介「なーるほど、そういうことだったんだな!」
進「‼︎…大介!お前なんでここに…⁉︎」
大介「後ろからつけて来たに決まってるだろ。それと、つけて来たのは俺だけじゃない。」
大介の後ろから他の4人が出て来る。
沙織「やだもー、何これ!」
みほ「まさか、霧だなんて。」
康雄「完全に想定外ですね。」
太一「でもまあ、進ならやりかねないな。」
進「はぁ。まったく、お前ら。」
進は頭を押さえる。しかしすぐに戻す。
進「悪いけど、止めないでほしい。」
大介「そう言うと思ったよ。どうせ俺らが止めても…何があっても行く気満々なんだろ。」
進「分かってくれないか。」
そう言いかけた瞬間、衝撃の言葉飛んできた。
大介「それなら、俺も乗せろ。」
みほ「私もおねがいします!」
沙織「みほも乗るなら私も乗る!」
康雄「一人だけだなんて水臭いですよ。」
太一「そうそう。」
進「お前ら…」
大介「指くわえて見てんのが悔しいのは、お前だけじゃない。それに、お前一人だけっていうのも気が気でない。」
進「分かって言っているのか?命の保証はないんだぞ。」
大介「こっちの
その様子を静かに見ていたシナノが口を開く。
シナノ「フフフ、フフフフフ。進の友だちって面白いね!それで、どうするの?」
進「わかったよ。みんな、力を貸してくれ!」
一同「おう!」
そして2週間が経ち、全員がシナノへ乗り込む。
進「シナノ、発進‼︎」
はい!シナノ出航しました!次の第4話はもちろんアニメ本編への介入です!