けものフレンズR くびわちほー   作:禁煙ライター

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けものフレンズR くびわちほー 第04話「はーどらっくとだんす」アバン・Aパート

 たとえば、陽の光に照らされてきらきらと輝く大草原を見たとき。

 たとえば、見上げても先が見えないほどに伸びた竹林を見たとき。

 たとえば、空との境界が曖昧になるほどに広い大海原を見たとき。

 ヒトが大自然に向かい合って胸に抱く感動というのは、すべて自分にないものを感じた結果で、ある意味で自分を映す鏡のようなものだと、わたしは思う。

 そしてここ荒野においても、その広大な景色はまた、わたしに新鮮な感動を与えてくれた。

 見渡す限りにひろがる光景は、近くの地面も遠くの山も、ほとんどが赤茶色で、そこに目を奪うような綺麗さはない。けれど、心を揺さぶられるような美しさがある。

 風が吹けば砂ぼこりがたつような、ひび割れた大地にも、草木は生え、花も咲く。

 まさに自然の力強さ、雄大さをまざまざと見せつけられているような――

 

 ――なんて、

 かたくるしい文章にしたらそんな感じになるだろう内容を、うっすら考えていても、

「わぁ・・・! すっごいけしき・・・!」

 わたしの口をついて出るのは、けっきょくはそんな子供っぽい感想である。

 おのれのごいりょくのなさに、ちょっぴり遠い目になるけれど、

 ともあれ、こうやちほーの光景はとてもゆうだいで、心をふるわせるものだった。

 

「わふ! とってもひろいですね! かけっこしたらたのしそうです!」

「あはは。イエイヌちゃん、走るの好きだよね。」

「はい! なんだかうずうずします!」

 イエイヌちゃんは、はふはふと息をしながら、とっても楽しそうな顔だ。ごきげんメーターの調子もいいみたいで、さっきからぱたぱたと左右に振られている。

「遠くの方には岩山がいっぱいだね。あれ、どのくらいの大きさかな? たぶん、すっごいおっきいよね?」

「ちょっと、ちかづいてみてみますか?」

「うーん、けっこう距離あるから・・・、まずは道に沿って歩こっか。」

 ドルカちゃんとフォルカちゃんのおかげで、日の高いうちにこうやちほーにこれたけど、あんまり寄り道してると、この辺りで夜を明かすことになりそうだ。

「あたし、あんまりひろいところだと、寝るときちょっと落ち着かなそうだし。」

「そうなんですか?」

「うん。なんかこう、ちょっとせまいくらいで・・・、屋根があるともっといいんだけど。」

 大自然の中で眠るのもいいんだけど、やっぱりわたしは建物の中の方が落ち着く気がする。

 まあ、パークで目覚めてから、ずっと野宿なんだけどね。

 

「なら、わたしのおうちは、ともえちゃんにぴったりかもしれませんね。」

「そうなんだ。えへへ、楽しみにしてるね!」

「・・・ともえ。」

 くいくい、とシャツの裾を引っ張られて振り返る。

「ん? なーに? くびわちゃん。何か見つけたの?」

「・・・さぼてん、」

 くびわちゃんが指さした方を見ると、道端にまあるいサボテンが生えているのが見えた。

「・・・おはな、さいてる。かわいい。」

「ほんとだ! とってもきれい!」

 白いトゲをいっぱい生やしたサボテンは、ちょうどてっぺんのところに、おひさまみたいな形の黄色い花をいくつも咲かせていた。

 

「サボテンの花って、はじめてみたかも! たんぽぽみたいだね!」

「・・・しゅるいによって、いろんなかたち、してる。いろも、いっぱい。とげのかたちも、いろいろ。とげのない、さぼてんもある。」

「そうなんだ! しらなかった!」

「わふ! ものしりです!」

「・・・、」

 イエイヌちゃんの誉め言葉にくびわちゃんは無言だったけど、その顔はちょっと照れてるような感じ。

 

「そもそも、サボテンってなんでトゲがあるんだっけ?」

「フレンズにも、とげをもっているこがいるみたいですけど・・・、やはり、がいてきにおそわれないように、でしょうか?」

「・・・それもある。あと、ひざしをやわらげて、たいおん、ちょうせつしたり、すいぶんほきゅうするのに、つかう。」

「水分補給? どうやって?」

 と、素朴な疑問を口に出してみる。

 あんなとげでどうやって水分をとるんだろう。

 ・・・まさか、むしとか、どうぶつの血、じゃないよね?

 

 なんて、おそろしい想像をしていると、くびわちゃんはたどたどしい口調で、けれどすごく丁寧に教えてくれた。

「・・・さばくや、こうやでは、あめはめったにふらない。けど、ちゅうやの、かんだんさがおおきくて、あさぎりや、よぎりがでる。それを、とげでつかまえる。」

「すっごい! そんなことよく知ってるね! すごいねくびわちゃん!」

「わふ! くびわちゃん、はくしきですぅ!」

「・・・、」

 わたしたちの反応に、またくびわちゃんは照れたような顔で、口元をそのぶかぶかのくびわにうずめた。

 

 うみべからこうやまでの道中も、くびわちゃんは道端の色々な草木やどうぶつの巣などについて、たまにこうして説明をしてくれた。

 そのどれもがわたしにとって、はじめて知ることで、とってもためになる。イエイヌちゃんがさっき言った通り、すっごい博識だ。

 くびわちゃんはなんでそんなにいっぱい知ってるんだろう。

 もとになったどうぶつがすっごい頭がよかった、とか?

 ・・・っていうか、まだくびわちゃんが何のフレンズか、聞けてなかったっけ。

 そろそろ、聞いてみてもいいかもしれない。

 

 そう思って話しかけようとしたんだけど、くびわちゃんはサボテンの説明に夢中みたい。

「・・・さぼてんのとげをつかって、すをつくるとりもいる。くちばしでとげをあつめて、すをつくる。」

「ええ!? それ痛くないの!?」

 わたしもその話に興味がわいてしまって、考えていた質問は頭から飛んで行ってしまった。

 まあ、また今度でいっか。

「・・・とげは、すのそとがわにつけて、がいてきをよせつけないように、つかう。だから、すのうちがわは、いたくない。」

「へー、頭いいんだね。」

 くびわちゃんは、とり、って言ってたけど、どんな鳥なんだろ?

 サボテンのトゲで巣を守るなんて、かしこい鳥なのかな?

 

「くびわちゃん! みてください! あれって、そのすじゃないですか!?」

 と、イエイヌちゃんが大きな声を出しながら、遠くにあるサボテンの方を指さした。見ると、たしかにサボテンの影に大きな鳥の巣みたいなものがある。

「ほんとだ! ねえくびわちゃん! あれって、そうだよね?」

 ちょっとわくわくしながら聞くと、くびわちゃんは、こくこく、と頷いて答える。

「行ってみよ! あたし見てみたい!」

「わふ! わたしも、きょうみありますぅ!」

 言うが早いか、わたしたちはかけ出す。一緒に走りだすんだけど、くびわちゃんはわたしたちより背が小さいから、ちょっと遅れがちだ。

 わたしはその歩幅にペースを合わせるように速度をゆるめながら、先を行くイエイヌちゃんを追った。

 

「わふ! ともえちゃん! くびわちゃん! とりさん、いますよ!」

 既にサボテンの所に辿り着いたイエイヌちゃんは、手としっぽを振りながら大きな声をかけてくる。わたしたちも遅れてそこに辿り着き、

「もう、はやいよイエイヌちゃん。あと、そんな大声出したらとりさんが・・・、」

 驚いちゃうでしょ、と続けようとしたんだけど、そこにあった想定外の光景に、言葉が出てこなかった。

「・・・、くぅ、くぅ・・・、ぴゅい・・・、ふにゅにゅ・・・、・・・、んあ?」

 とりの巣で寝ていたのは、とりさんじゃなくて、とりのフレンズさん。イエイヌちゃんの声で起きちゃったのか、目をぱちぱちしてこっちを見てくる。

 しばらくぼーっと眺めていたその子は、だんだん意識がはっきりしてきたのか、がばっと体を起こしながら慌てたような声で言った。

 

「な、なな、なんだてめーらぁ! あたしのおうちに、どそくではいってんじゃねーぞ!」

 

 ・・・えっと、ちょっとまってね?

 ・・・えっと、・・・、ええ?

 また、このパターン・・・?

 

 混乱するわたしの前にいたのは、あいかわらず口がわるい感じにまくしたててくる、ロードランナーちゃんだった。

 

 ― ― ―

 

 けものフレンズR くびわちほー 第04話「はーどらっくとだんす」

 

 ― ― ―

 

フレンズ紹介~G・ロードランナー~

 

 ロードランナーちゃんはカッコウ目カッコウ科ミチバシリ属の鳥類、グレーター・ロードランナーのフレンズだよ!

 和名はオオミチバシリっていって、名前の通り、地上を走る鳥だよ! 飛ぶこともできるけど、あんまり得意じゃないみたい!

 大きいくちばしと力強い足をしていて、頭にはとさかがあるんだ! ぴん、とまっすぐ伸びた尾羽がぴこぴこしててかわいいよね!

 

 走る速度はとっても速くて、時速30キロ以上で走れるんだって! あたしじゃ、自転車があってもおいつけないかも。

 この子をモデルにした有名なキャラクターのおかげで、「ミッミッ(beep beep)」って鳴くって誤解されてるけど、本当は「クークー」って鳴くんだよ!

 ハトの鳴き声に、ちょっと似てる感じ!

 

 カッコウの仲間では珍しいみたいなんだけど、オオミチバシリは巣を作って自分で卵を育てるよ!

 巣の材料にサボテンのトゲを使って、外敵から卵やヒナを守るようにしてるんだって! 痛くないのかな?って思うけど、巣の中は内ばりをしてるから、痛くないみたい!

 頭いいよね!

 

【こえ】ともえちゃん(しゅくしちほー)

 

 ― ― ―

 

 じょうきょうを、せいりしよう。

 わたしたちが見つけた、サボテンのトゲを材料にした巣には、くびわちゃんが話していたとりさんがいるはずで。

 けれどそこにいたのはとりさんではなく、とりのフレンズさんであるロードランナーちゃんで。

 ・・・まあ、うみべでの状況にくらべたら、だいぶわかりやすいかな。

 つまり、さっきのくびわちゃんの話は、オオミチバシリに関しての説明で、

「ええと・・・、ロードランナーちゃん、なにしてんの?」

「みりゃわかんだろ! おうちでおひるねしてたんだろがい!」

 その返答の通り、つまりこの大きめの鳥の巣が、オオミチバシリのフレンズであるロードランナーちゃんのおうち、であるらしかった。

 

「くぅん、せっかくのおひるね、おこしてしまってすみません・・・。」

「まったくだよ! ほーんと、いーめいわくだぁー。」

 平謝りするイエイヌちゃんと、半眼でぶっきらぼうな言い方のロードランナーちゃん。

 イエイヌちゃんはイエイヌのフレンズだけあって、おひるねには思い入れがあるみたい。邪魔をしちゃって本当に申し訳なさそうだ。

「ロードランナーちゃんのおうち、こうやにあったんだね? なんでうみべにいたの?」

「へんっ、そんなしつもんにこたえてやるぎりはありませんー。・・・でもまー、」

 ロードランナーちゃんは唇をとがらせながら言って、そこで言葉を区切る。そしてわたしの後ろにいるくびわちゃんに視線を向けて、含みのある感じに笑った。

「そこのちみっこいのが、ひるまのことあやまるってんなら、おしえてやらなくもねーぜ?」

「・・・おまえがあやまれ。くそばーど。」

「あぁ!? こんにゃろ、またいったなぁ!? くそっていうほーがくそなんだぞぉ!?」

「だからぁ、ホント、やめなさいって。」

 もー、やっぱりこうなっちゃうか。

 

 予想どおり過ぎる展開に、わたしとイエイヌちゃんは互いに目配せをして、こくり、頷き合う。

「くびわちゃん、おひるま、今度会ったら謝るって言ってたでしょ?」

「・・・、」

 わたしの問いかけに、黙ったまましょんぼりするくびわちゃん。

「ロードランナーさん、わるいことをしたら、ちゃんとあやまらなきゃダメですよ?」

「んだよ! べつにあたしわるいことなんか・・・、・・・えっと、その、・・・うぅ、」

 にっこり笑うイエイヌママの無言の圧力に、次第に押され始めるロードランナーちゃん。

 わたしたちの顔をそれぞれ見ながら、ちらちらとお互いの様子をうかがって、ふたりはほぼ同時に同じことを言ってきた。

 

「・・・そのこが、さきにあやまったら、」

「そいつが、さきにあやまったら、」

 そして、無言のままお互いを視線の中心にとらえると、ふたりとも一歩前に出て顔を見合わせた。

 背の高さが違うから、くびわちゃんは見上げるような形。

 対するロードランナーちゃんは、見下ろすような形。

「・・・おまえがさき、」

「あ? おまえがさきだろ?」

「・・・とりあたま、」

「みじんこのーみそ。」

 

「・・・っ!」「ああんっ!?」

 

 キッ、とお互いに顔を近づけて睨み合い、肩をいからせた。

 ああもう・・・、

 ホントこの二人、相性わるすぎ。

 

「さわがしいこえがきこえるとおもったら、かえっていたのか、ロードランナー。」

 そんな、わたしたちだけではどうしょもない状況に、天からの助けのような声が響く。

 こちらに向かって近づいてくるその声の主は、もちろんフレンズさんだ。

 まず目につくのはその大きなツノ。クワガタみたいな力強い二本の角が、前髪のちょっと上あたりから伸びている。

 ツノのわきにはぴょこん、と長いお耳が伸びていて、なんだかかわいらしい。

 肩口で切り揃えられたうす茶色の髪は風にさらさらなびいていて、また前髪の茶褐色やサイドの白がアクセントになって、その凛々しい顔立ちをいっそう際立たせている。

 白い体操服とベージュのブルマの上に、オレンジ色のジャージを上だけ羽織っている。足元の運動靴も相まって、はつらつとしたスポーツ少女のような印象だった。

 なんというか、すっごい、かっこかわいい感じ。

 

 ロードランナーちゃんはそのフレンズさんの呼びかけに振り返ると、見る間に顔をほころばせ、きらきらと目を輝かせる。その瞳からは、親愛と尊敬の情がはっきりと見て取れた。

 ・・・ってことは、ひょっとして、

 この子がロードランナーちゃんがうみべで口にしていた子、かな?

 おなまえはたしか・・・、

「プロングホーンさまぁっ!」

 きいろいひめい、のようなロードランナーちゃんの声に、わたしはその想像が正しかったことを理解した。

「ロードランナー、たびはもう、おえたのか?」

「はい! ぶじにもどってきました!」

「そうか。げんきそうでなによりだ。」

 まるで別人のようなロードランナーちゃんの態度に、わたしは口を大きく開けて固まってしまう。となりを見ると、イエイヌちゃんも似たような顔をしていた。

 

「こちらのかたがたは?」

 と、プロングホーンと呼ばれたフレンズさんがわたしたちを手のひらで示すと、ロードランナーちゃんは一瞬とても嫌そうな顔をして、また笑顔に戻った。

 けれどさっきまでの満面の笑みと違って、

 なんだかちょっと、いやらしい感じの笑顔、のような。

「いえいえ・・・、こいつらは、ただのちんけなやつらでして・・・。プロングホーンさまのおみみをよごすようなことはありませんよ。」

 ロードランナーちゃんの発言に、文字通り、開いた口がふさがらなくなる。

 この子の前だとロードランナーちゃんはだいぶ大人しいけど、なんだかステレオタイプな子分みたいになってしまうようだ。

 ・・・っていうか、ちんけなやつら、って、きみねぇ。

 もう少し言い方ってものが、あるでしょうに。

 

 なんてことを思っていると、フレンズさんはまじめな顔で、

「そういうわけにもいかないだろう。せめてあいさつくらいはさせてくれ。」

「ぐぎぎ・・・、っ、わかりました・・・。」

 何故か悔しそうにしてるロードランナーちゃんを尻目に、フレンズさんはこちらに向かって一歩前に出た。

「はじめまして。わたしはプロングホーン。この、こうやをなわばりにするフレンズだ。」

 堂々とした感じを受けるプロングホーンちゃんの名乗りに、わたしはちょっと、どぎまぎしてしまった。

 お昼間のフォルカちゃんの時もそうだったけど、どうにもわたしは、口調とか雰囲気とか、大人っぽい感じのフレンズさんに会うと緊張しちゃうみたい。

 

 そんなわたしに気づいてか、イエイヌちゃんが前に出て、かわりに言葉を返してくれた。

「はじめまして。わたしはイエイヌのフレンズで、イエイヌともうします。こちらはヒトのともえちゃんと、こちらはくびわちゃんです。」

「は、はじめまして。ともえです。」

「・・・よろしく。」

 イエイヌちゃんに続いて、わたしとくびわちゃんもぺこり、と頭を下げる。プロングホーンちゃんは、うむ、とでも言わんばかりに深く首肯すると、

「イエイヌさんに、ともえさんに、くびわさん。ごしょうかい、うけたまわった。あらためまして、ようこそこうやに。なにもないところではあるが、ゆるりとくつろいでいってくれ。」

 そんな古風な物言いで、歓迎の言葉をくれた。

 プロングホーンちゃんは、とっても礼儀正しくて、見た目通りにかっこいい感じのフレンズさん、みたいだね。

 

「ありがとうございます。ここはとってもひろくて、わくわくするところですね? はしったら、きもちよさそうです。」

「おや、きみもはしるのがすきなのか?」

 イエイヌちゃんの言葉に、プロングホーンちゃんは凛とした表情を少しゆるめる。

「はい! はしるの、だいすきです!」

「きぐうだな。わたしもはしるのはだいすきだ。こうやでも、いち、にをあらそう、あしをもっていると、じふしている。」

 ずい、と張った胸に手を当てて、自信たっぷりな顔で言うプロングホーンちゃん。

 たしかにこの子、見た目からしても運動神経ばつぐんそうだ。

 あれだけ足の速いロードランナーちゃんが尊敬してるくらいだし、きっとすっごい速いんだろうなぁ。

 

「そうなんですか!? すごいです! わたしはそんなに、あしにじしんがないので、うらやましいです!」

「はは、はやいおそいをきにするひつようはないよ。そんなものはただのけっかだ。きみのように、はしることをじゅんすいにたのしむことこそが、かんようなのだ。」

「わふ! ほめられました! うれしいです!」

 そうして、イエイヌちゃんとプロングホーンちゃんはほがらかに笑う。

 なんだかすっかり意気投合しちゃったみたいだね。

 こうしてイエイヌちゃんが他のフレンズさんと仲良くしてるのを見るのは、とってもうれしい。

 ねえ、あたしのおともだち、とってもすてきでしょ?

 ・・・なんて、

 ちょっとほこらしい気分になるのだ。

 

「プロングホーンさまぁ・・・、こんなやつらほっといて、いきましょうよう。」

 と、さっきから面白くなさそうな顔でそわそわしていたロードランナーちゃんが、横から口をはさんできた。

「まあまて。せっかくきゃくじんがきたんだ。ゆっくりしようじゃないか。」

「うぅ・・・、でもぉ・・・、」

 ぶすっと口をとがらせたロードランナーちゃんに、プロングホーンちゃんは呆れたような表情を見せて、

「それに、ロードランナー。おまえ、またほかのフレンズと、いさかいをおこしたな?」

 と、低い声で言った。

 ロードランナーちゃんは、ぎくり、と音が聞こえそうなほどに体をこわばらせる。

 

「な、なんのはなしですか? あたしにはさっぱり・・・、」

「とぼけてもムダだ。おまえがこちらのくびわさんに、ごめいわくをおかけしていたこと、このめとみみがしっている。きょうというきょうは、どうりをとかねばなるまい。」

 そう言って、険しい表情でお耳をぴこぴこ動かす。かわいい。

 そのアンバランスさがちょっと可笑しかったけど、言っている内容を考えると、あんまり笑ってもいられなかった。

「あの、あのね? ロードランナーちゃんだけがわるいんじゃないんだよ? お互い素直になれないだけって言うかなんというか・・・、」

「そうですねぇ。わりとどっちもどっちなきがしますぅ。」

 あらイエイヌちゃん、けっこう辛辣ね。

 あたしも、おんなじ意見だけどさ。

 

「ふむ・・・、そうだとしても、ロードランナーはくちがわるい。こんかいもおそらく、そのせいで、よけいにあいてをおこらせたのだろう。」

 はい、その通りです。

 さすがわたしたちより付き合いが長いだけあって、ロードランナーちゃんのこと、よくわかってるみたい。

「そんなぁ! あたしがわるいんじゃないですってばぁ!」

「わたしも、なにも、おまえがすべてわるい、といっているわけではないよ。」

 プロングホーンちゃんはそう言って、優しげな笑みを浮かべた。

「ただ、みとめるべきところはみとめたうえで、たいわをしなければ、わかりあえるものも、わかりあえないだろう?」

 

「・・・、ぐぬぬ・・・、ぎににぃ・・・!」

 色々とせめぎ合ってるのか、ロードランナーちゃんは歯を食いしばりながら頭を抱える。しばらくそのままでいたかと思うと、がくっと肩を落として言葉を返した。

「・・・はぁ、わかりましたよ。プロングホーンさまがそこまでいうなら。」

 そうして、再びくびわちゃんの前へ。

「なあ、おまえ。」

「・・・なに。」

 お互いにぶすっとした表情で顔をむかい合わせる。

 くびわちゃんは見上げて、ロードランナーちゃんは見下ろして、

 その姿だけならさっきとまるで同じ状況だけど、でも。

 今度はお互いに、ちゃんと素直におはなしできそうな空気を感じた。

 

 ロードランナーちゃんは、すーはーすーはーと息を整えて、意を決したように謝罪の言葉を――、

「あんときは、ぶつかってわるかっ・・・、」

「どいてどいてぇぇぇぇーーーっ!?」

 口にしようとしたところで、とつぜん聞こえた大声と、とんでもないスピードで通り過ぎる何か。巻き上がった砂ぼこりが視界をふさぐ。

「ぴぃっ!」

 見えづらくなった視界の端に、鳴き声なのかひめいなのか、みじかく声を上げながら、ふっ飛んでいくロードランナーちゃんが見えた。

 

「ロードランナー! だいじょうぶか!?」

「うぅ・・・、いたいよぉ・・・、なんだよぉ・・・?」

「・・・、うん。おおきなケガは、なさそうだな。よかった。」

 心配そうなプロングホーンちゃんの声と、よわよわしいロードランナーちゃんの声が、砂ぼこりの向こうから聞こえてくる。

 いちおう、あっちもなんとか無事みたい。

「くびわちゃん、へいき? 痛いとこない?」

「・・・へいき。」

 わたしも近くのくびわちゃんに声をかける。

 くびわちゃんはこくこくと頷いてみせるけど、目の前を何かがものすごいスピードで通り過ぎたせいか、その顔はすっごく怯えていた。

 体をぶるぶる震わせながら、わたしの腰あたりにぎゅっと抱き着いてくる。

 

 その頭を大きなお耳ごと撫でていると、イエイヌちゃんが不安げな顔で聞いてくる。

「な、なんだったんでしょうか・・・?」

「わかんないけど・・・、っ、あいたっ!」

 と、ちくっとした痛みを右目に感じて、ひめいを上げる。

「ともえちゃん! だいじょうぶですか!?」

「・・・ともえ、いたそう。」

 片目をぎゅっとしながら涙を流すわたしの顔を、イエイヌちゃんとくびわちゃんは心配そうな顔で覗き込んできた。

「あいたぁ・・・、うん、目に砂が入っちゃったみたいで・・・、いったぁ。」

「たいへんです! ともえちゃん! ちょっとみせてください!」

 

 わたしの肩を抱くようにしたイエイヌちゃんは、息が当たるくらいの距離に顔を近づける。

「め、あけられますか? だいじょうぶですか?」

「あ、うん。・・・っ、いたたっ!」

「・・・ともえ、だいじょ、ぶ?」

 うるんだ視界いっぱいにイエイヌちゃんの顔がひろがる。

「ちょっとそのまま、めをあけててくださいね。いま、とりますから。」

「あ、うん。ありがと。」

 ちょっと恥ずかしいけど、心配そうなその表情を見ると、黙って言うことを聞いてあげたかった。

 ・・・でも、

「・・・イエイヌちゃん?」

「うごいちゃだめです。じっとしててくださいね?」

 わたしの肩をがっちりつかまえて、イエイヌちゃんはさらに顔を近づけてくる。小さく開けた口から、かわいらしい舌がぺろっと伸びてきた。

 そして、その舌がわたしの顔に・・・、

 

「ひゃう! い、イエイヌちゃん! なに!? なんなの!? なにする気!?」

「くぅん、うごかないでくださいよぅ。」

 あわててのけ反ると、イエイヌちゃんはしょんぼりした顔で舌をしまった。

 その雰囲気から、なんとなくイエイヌちゃんのやりたいことが伝わってくる。

「ひょっとして・・・、なめて取るつもり?」

「はい! めをきずつけてはいけませんから!」

「だめ! それはなんかだいぶアウト!」

 イエイヌちゃんの気遣いはとってもありがたいけど・・・、

 それは、さすがに恥ずかしすぎる!

 

「すなをとらないと、いつまでもいたいままですよ?」

「いや、そうだけど、でも、」

「ほら、じっとしててください。」

「いや、だから、だめだってぇ・・・、」

 ママみをはっきするイエイヌちゃんに流されるわたしは、すでに涙で砂が流れていることにも気づかないまま、文字通りの押し問答を続ける。

 腰にひっついてるくびわちゃんも、様子をうかがうようにまじまじと見つめてくるだけだ。

 そろってそんな状態だから、収まってきた砂ぼこりの中から現れたフレンズさんの姿に、気づく者はいなかった。

 

「ごめんなさい。あなたたちだいじょう・・・、」

 そのフレンズさんは申し訳なさそうな声でこちらに話しかけてくるのだけど、わたしたちの姿をとらえるなり絶句して、見る間に顔を真っ赤にした。

 

「きゃーっ!? あなたたちなにしてるの!? いやらしい! いやらしいわ!?」

 

 ― ― ―

 

 さて。

 ときに冷静な第三者の意見は、かえって場を荒らすこともある。

 たとえ論理が正しくとも、納得できるかどうかは当事者の主観によるもので、第三者というのは当然、当事者ではないからだ。

 ようするに、「きみにそんなこと言われる筋合いはないよ」というやつ。

 けれど、

 逆に言えば、興奮した第三者の登場によって、場が収まることもあるわけで。

 

「ごめんなさい? あたし、いつもかんちがいしちゃうことおおくて。てっきりあたし、あなたたちがその・・・、えっと、はずかしいことしてるのかなって。」

 さっきまでとても興奮した様子だったフレンズさんは、まだ少し顔は赤かったけれど、だいぶ落ち着いたみたい。

「あはは、気にしないで。こっちも、勘違いさせちゃうような感じだったし。」

「くぅん、もうしわけありません・・・。」

「・・・ごめんなさい。」

 わたしたちもまた、さっきまでの状況を冷静に判断できるくらいには落ち着いていた。

 息がかかるくらいに顔を近づけているふたりと、その片方に抱き着いているさんにんめ、という状況がはたから見てどう見えるか。

 はっきりいって、そうぞうにかたくない。

 ていうか、あんまりそうぞうしたくない。

 みんなおんなじように思ったのだろう、わたしたちは気恥ずかしさをごまかすように、いずまいを正して、その、砂ぼこりの中から現れたフレンズさんにむかい合っていた。

 

 さらさらのロングヘア―はクリーム色で、毛先の方に行くにしたがって、だんだんと濃い茶色になっている。光の加減で金色にも見えて、きらきらしててとってもきれいだ。

 前髪には薄茶色のポイントがいくつかあって、ぴょこんとした小さなお耳にも、同じく薄茶色のラインが入っている。

 シャツにネクタイ、ミニスカート、アームカバーとニーソックスを身につけていて、白いシャツ以外はぜんぶ、クリーム色の地に濃い茶色の水玉模様だ。おしりから伸びた長いしっぽもまた、おんなじ柄。

 ちょっと奇抜な格好に見えるけど、とてもスタイルがいいから、むしろかっこよく見える。手足とか腰とか、しなやかですらっとしてるんだけど、おむねとか出るところは出ていて、とても理想的な体形に思えた。

 それと、きりっとしたつり目の上、長いまつ毛に隠れるように、うっすら紫のアイシャドウが見えて、ドルカちゃんとはまた違った感じのおしゃれさを感じる。

 なんというか、すっごいクールでかっこいい感じのフレンズさんだった。

 

「ほんとにごめんなさいね? おまえはしやがせまい、なんてプロングホーンにはよくいわれるんだけど。」

「そうだぞ。まえばっかりみているからこういうことになるんだ。」

「あら、プロングホーン。あなたもいたのね?」

 苦笑ぎみに話しかけてくるプロングホーンちゃんに、そのフレンズさんは親しげに返した。

 ふたりの、この感じ。

 この子も、こうやに住んでる子なのかな?

 なんて思っていると、フレンズさんはプロングホーンちゃんのとなりにいたロードランナーちゃんに気がついて、ちょっと驚いたような表情を見せた。

「・・・あら? ロードランナーもいるじゃない。あなた、いつこうやにもどってきたの?」

「ってめ! ぶっとばすぞ! まずぶつかったことあやまれよ!」

「ぶつかった? あたしが? ぜんぜんきづかなかった。あなた、たびをして、からだかるくなったんじゃない? ちゃんとごはんたべてる? けがとかしてない? だいじょうぶ?」

「っ、この・・・、」

 やつぎばやに質問を投げかけてくるフレンズさんに、いつもなら反論をまくしたててるだろうロードランナーちゃんも、たじろいでしまっている。

 

「そういえば、ロードランナーのおうちってこのあたりだったわよね。たびのあいだこわれてなかった? きょうはちゃんとおうちでねるのよ?」

「いや、だから・・・!」

「それよりごはんたべる? じゃぱりまんあるわよ? とりのこようのものの、むりいってもらってたの。いつあなたがかえってくるかわからないし。あ、あとぶつかってごめんね?」

「っ、んーっ!」

 早口で次々にかけられる質問に答える間もなく、異論を唱えるスキすら与えてもらえず、ロードランナーちゃんはばたばたと地団太を踏む。

「はぁ・・・、もーいいよ。」

 そうして、大きなため息をつくと、あきらめたように言った。

「そうなの? それならよかった。じゃあごはんにしましょっか。あっ、でも、こんなにおおにんずうだと、たりないかも。どうしよう、プロングホーン。」

「はは、やっぱりしやがせまいな、きみは。」

 からからと笑いながら言うプロングホーンちゃんに、わたしは大きく頷いた。

 

 ― ― ―

 

 わたしたちは持ち寄ったジャパリまんでちょっと遅めの昼食をとりながら、あらためて自己紹介をすることになった。

「はじめまして、あたしはチーター。このあたりで、はしったり、じゃぱりまんたべたり、はしったりしながらくらしてるわ。」

 そう言って、チーターちゃんは、うふふ、と笑う。

 見た目はクールでかっこいいけど、なんだかとってもかわいい。思わずこっちの顔もほころんじゃうくらい。

 チーターってたしか、地上最速のけもの、なんて呼ばれてたと思うんだけど、そんな仰々しい感じはいっさい受けない、かわいらしい感じの子だった。

「あたしはともえだよ! よろしくね、チーターちゃん!」

「わふ! イエイヌです! よろしくおねがいします!」

「・・・くびわ。よろしく。」

 さんにんそろって挨拶をして、それからジャパリまんをほおばる。あまじょっぱい味が口の中にひろがって、とっても幸せな気分だ。

 

「ほほほめほめーふぁ、はりひりほうはひひは、」

「ロードランナー。ちゃんとのみこんでからしゃべりなさい。」

 と、口をジャパリまんでいっぱいにしながら話しはじめるロードランナーちゃんに、それをたしなめるプロングホーンちゃん。

 やっぱりこの子、ちっちゃい子供みたいだなぁ・・・。

「んぐっ・・・、ところでおめーら、なにしにこうやにきたんだよ。」

「何しに、っていうか、旅の途中、かな? この先のみつりんを抜けて、イエイヌちゃんちに遊びに行くとこなの。」

「あら、あなたたちもたびをしてるの? ロードランナーもついさっきまで、たびをしていたのよ? たびのもくてきは・・・、なんだっけ? ロードランナー。」

「ほんらほんひまっへふらへーは! あはひほはひほほふへひ、」

「だから、のみこんでからしゃべりなさい。」

「んぐっ・・・、あたしのたびのもくてきは、もっとはやくはしるために、あしじまんのフレンズと、かけっこしょうぶ、することだぜ!」

 

 なるほど。

 いわゆる、むしゃしゅぎょう、ってやつですか。

 ってことは、うみべの他にもいろんなところに行っていたのかも。

「して、ロードランナー。たびのせいかは、えられたのか?」

「もちろんですよプロングホーンさま! いろんなちほーで、さまざまなもさたちを、ぶっちぎってやりました!」

 プロングホーンちゃんに問いかけられたロードランナーちゃんは、とてもうれしそうな、ほこらしそうな顔を見せる。

「そうか。それはすごいな。・・・、それで、その、とも、」

「すごいじゃないロードランナー! じゃあ、ひさしぶりにあたしたちとかけっこしない? たびのせいかをかくにんするなら、それがいちばんはやいでしょ?」

 と、チーターちゃんが元気な声で提案する。その顔はにこにこしてて、とっても楽しそう。

 

「・・・、そうだな。どうだ? これからひとつ、はしってみるか?」

「はい! もちろんです!」

 ロードランナーちゃんもとってもうれしそうな顔だ。もちろん走るのが好きなのもあるだろうけど、何よりプロングホーンちゃんに誘ってもらえたのがうれしいみたい。

 本当にロードランナーちゃんは、プロングホーンちゃんのこと、大好きみたいね。

「せっかくだから、きみたちもどうだ?」

「いいんですか!? ともえちゃん! どうしましょう!?」

 プロングホーンちゃんのお誘いに、イエイヌちゃんはしっぽをぱたぱたと振りながら、こちらに視線を向ける。

「いいんじゃない? 楽しんでおいでよ。」

「わふ! ありがとうございます!」

 これでたぶん、今日も野宿決定だけど、ぜんぜんかまわない。

 いつも迷惑かけちゃってるイエイヌちゃんに、せめてもの恩返しだ。

 もっとも、こんな、ちょっとのあいだ遊ばせてあげるくらいのことしか、してあげられないのが、とてももどかしいけれど。

 

「あたしはあんまり走るの速くないから、見学してるね?」

「・・・ぼくも。」

 足に自信がないわたしとくびわちゃんがそう言うと、チーターちゃんがとても残念そうな顔をする。

「そうなの? ざんねんね。でも、フレンズによってとくいなことはちがうから、しかたないわよね。」

「ごめんね。かわりに誰がいちばん速いか、ちゃんと見ておくから。」

 わたしがそう言うと、チーターちゃんはにっこり笑った。

「うん、おねがいね? あ、でもでも、みのがさないように、ちゅういするのよ? あたしたち、とってもはやいんだから!」

「あはは、うん、気をつけるよ。」

 

 こうして、わたしとくびわちゃんを除くよにんで、かけっこ勝負をすることになった。

 プロングホーンちゃんいわく、勝負をするのに適した場所がある、とのことで、そこまではみんなで歩いていく。

 道中のみんなの顔はとっても楽しそうで、見ているこっちまで笑顔になる。

 好きなことがあるっていうのは、それだけで自分も周りも、幸せにするのだろう。

 

 そんなことを考えて、ふと、思う。

 記憶を失う前のわたしは、どうだったんだろうか。

 みんなと同じように、夢中になれる好きなことがあったんだろうか。

 今のわたしには、フレンズさんとおはなししたり、絵を描いたりっていう、好きなことがあるけれど、前のわたしは、どうだったんだろう?

 ・・・まあ、あんまり考えてもしょうがないか。

 そのうち、なにか思い出すでしょ。

 

 ― ― ―

 

フレンズ紹介~プロングホーン~

 

 プロングホーンちゃんはクジラ偶蹄目プロングホーン科プロングホーン属の哺乳類、プロングホーンのフレンズだよ!

 プロングホーンって名前の通り、大きなツノをもってるよ! せんごくぶしょう、の飾りみたいでかっこいいよね!

 

 プロングホーンは陸上の草食動物の中で、いちばん速く走れるんだよ! 最高時速はなんと約100キロ! すっごいはやい!

 おまけに持久力もあって、時速70キロくらいで長い距離を走ることができるみたい! すっごいよね!

 いっせつによると、チーターから逃げるために、足が速くなったんだって!

 プロングホーンちゃんも、いきるためにひっしだったんだね・・・。

 

 野生の草食動物はだいたいそうだけど、プロングホーンも群れをつくってくらしてるよ!

 危険をさっちした時には、おしりの白い毛を逆立てて、群れに知らせるみたい!

 なんだかちょっとかわいいよね!

 

【こえ】ともえちゃん(しゅくしちほー)

 


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