ご注文はうさぎですか?シスターズライフ!! 作:しゅみタロス
7月 ステラの青果店にて
ナギ「ああ、暇だ‥‥‥」
ステラ「もうかれこれ3時間はいるね。休み長いんだろ」
ナギ「タカヒロおじさんに休めって言われたからな。ステラ、レモンティーもう一杯」
ナギは現在、夏季休暇中で仕事は一切していない。こうなった理由は数日前に遡る。
金曜日 営業後のラビットハウス
ナギ「夏季休暇‥‥‥ですか?」
タカヒロ「7月に入ってココア君たちが遊んでいるのを見て羨ましいと思わないかな?」
ナギ「とは言っても第一俺は学生じゃないし‥‥‥」
タカヒロ「ナギ君は働き始めてから1回しか有給を取って無いしこのまま仕事ばかりだったら19の青春の時間が無意味になる。君も若いんだし2ヶ月ぐらいは遊んでも罰は当たらないぞ」
ナギ「でも、タカヒロおじさん一人に店を任せるのは気が引けるなぁ‥‥‥」
タカヒロ「私の事は良いから、与えられた休みで青春を謳歌するといい。ラビットハウスの仕事は俺に任せなさい」
まさかの2ヶ月に渡る大型連休を受け取ってしまったナギはただ街を歩くか、家の中でゲーム三昧。給料で購入してしまったが未開封だったド〇クエSも恐ろしいぐらいに進み、ス〇ブラSPも全キャラ解放しても時間があり余る、幸福なのかは分からないがナギは充実した生活を送っている。
ナギ「タカヒロおじさんに感謝しないとな」
レモンティーの輪切りレモンを齧り、会計を行う。
ステラ「280円」
財布から280円を取り出し、会計を済ませると。ナギはステラに約束を取り付ける。
ナギ「ステラ、今晩時間あるか?」
ステラ「勿論、どこか行くのか?」
ナギ「今晩ラビットハウスのバータイムに付き合って欲しい。話があってさ」
ステラ「じゃあ今晩ナギに付き合うよ」
ナギ「よろしく頼む」
青果店を後にしてナギは街の文房具店に足を踏み入れた。
ペンの棚には女の子向けの可愛いペンが並び、その中でナギは紫のクローバー模様のペンを手に取るとそれを見つめていた。
ナギ「このペン‥‥‥お揃いで買っていくか」
ナギは紫のクローバーのペンを気に入り、二本手に取るとレジへと向かった。
一本1250と高くついたがきっと喜んでくれる。そう思ってナギはわざわざプレゼント包装までしてそれを手に店を後にした。
午後3時 天々座家へ帰宅
ペンを机の下に隠してナギは夜が来るまでゲーム情報誌を読んで時間を潰していた。そんな中でゲーム情報誌の妹系恋愛ゲームの記事を見るとナギはベッドの横のマイクに声をかけてそのゲームを注文した。
ナギ「アレクシス、妹ぱらだいす注文して」
アレクシス「妹ぱらだいすを注文しました」
ナギ「妹‥‥‥デュフフフフ」
※今現在忘れてるかもしれませんがナギは妹萌えで残念なイケメンお兄ちゃんです。
そして気が付けば時計の針は7時を指していた。ナギは服を着替えてアレクシスに消灯の合図を出して部屋を出る。廊下を歩いていくと天々座が葉巻を咥えて庭でくつろいでいた。
天々座「夜遊びか、またラビットハウスだな」
ナギ「友達と会う約束してるから」
天々座「それならこれ持っていけ、アテに丁度いいと思うぞ」
天々座はチーズの箱をナギに渡す。
ナギ「ありがとう、12時には帰るから」
天々座はナギを見送るとウィスキーの栓を開けた。
ラビットハウス バータイム
カランカラン
ナギ「失礼するよ」
ステラ「おー来た来た」
タカヒロ「いらっしゃい、今日は二人で飲むと聞いてるよ」
ナギ「タカヒロおじさん、これ父さんがアテにしてくれってさ」
タカヒロ「おお、良いチーズを持ってきたね。少し炙ったら美味しいだろう」
ナギ「調理はタカヒロおじさんに任せるよ。ストロベリーシロップソーダ頼む」
出されたシロップソーダを飲み、タカヒロおじさんはチーズを炙る中でナギは本題を切り出す。
ナギ「今日ここに呼んだのは、意見を聞こうと思って呼んだんだ」
ステラ「それで、相談の内容は?」
ナギ「リゼとの今後についてだ。ステラも高校生で寮暮らしの妹がいるだろ?」
ステラ「俺で良ければ何かアドバイスするよ。同じ妹持ちだし」
ナギはステラに語り出した。
ナギ「実はうちのリゼ、本気で俺を異性として見てるみたいなんだ。はっきり言って兄妹で愛し合うなんてギルティだけどさ。でもそもそも俺は血がつながって無いし養子の兄だ。恋人になってもおかしい話じゃない。自分の中で兄妹と言う関係で完結していたけど、この頃、自分の中で何かが揺らいでるんだ……」
自分の中で何かが揺らいでる。」
ステラ「つまり、ナギはリゼを異性として見始めていると‥‥‥」
ナギ「なあステラ、どうすればいい?このまま兄妹としての関係を続けるか、それとも兄妹以上の関係になるか。もし後者を選んだら二度と後戻りできない。どうすればいい?」
ステラはリンゴジュースにはちみつを入れるとナギに回答を出す。
ステラ「ナギ、恋した相手が血のつながらない妹でも、守る覚悟とその関係に幸せを感じるならそれが正しいと思う。ナギ自身がリゼを愛しているという自覚があるなら恋人の関係も決して悪い物じゃないと思う。ナギは何も間違って無いよ。妹の想いを叶えるのもまた、一つの兄としての役目だと思うよ」
タカヒロは炙りチーズをカウンターテーブルに出すとナギの背中を押した。
タカヒロ「世の中、間違いと思うのは人それぞれだ。答えの無い現実はいくらでもありふれている。ナギ君もリゼ君との関係を進展させたいなら後戻りできない道に悔いは無いと思うよ。ナギ君、リゼ君とどうなりたい?」
‥‥‥
ナギ「リゼの彼氏に、俺はなりたい」
タカヒロ「愛してあげなさい、応援するよ」
ステラ「ナギの事、期待してるぜ」
ナギ「ありがとう、ようやく心にけじめがついた」
バータイムで相談を終えた頃、自宅のリゼの自室では‥‥‥
リゼ「今日は3人で出かけて正解だったな。お陰で新しい水着も買えた」
鏡の前で買った水着を着てリゼは髪を解く。
リゼ「来週の海水浴は兄さんと二人で‥‥‥皆には負けない、イチャイチャするのは私だけなんだから」
海を舞台に妹の座をかけた戦いが近づいていた。
しゅみタロス「予め言っておくが妹ぱらだいすは18歳未満は検索するなよ。
どうもありがとうございました。」