ご注文はうさぎですか?シスターズライフ!! 作:しゅみタロス
春の風、電車にはガラス越しの桜。新しい始まりに、悦に浸る一人の若者がいた。
???「ようやくここまで来た。実家での第2の生活が‥‥‥」
天々座奈義19歳。元少年兵の彼は、コーヒーバリスタのエリート校を卒業し、4年ぶりに故郷の木組みの町へ帰って来たのだ。
アナウンス「ご乗車ありがとうございます。まもなく終点です。」
そのアナウンスと共に荷物を運び席を立った。
そして町の入口へ。
駅員「チケットと身分証明書をご提示ください。」
そして確認が終わり、階段を上った先は‥‥‥
木組みの建物と桜の舞う、始まりの場所だった。そしてナギの目の前には‥‥‥
タカヒロ「やあ、ナギ君。迎えに来たよ。」
ナギ「タカヒロおじさん、お久しぶりです。それと今日から仕事でお世話になります。」
するとタカヒロは笑顔で返す。
タカヒロ「硬くならずに、タメ口でもいいんだぞ。これでも家ぐるみの付き合いだったじゃないか。」
ナギ「まあ、向こうで生活していれば、ここまで礼儀正しくなるのは不思議じゃないと思うんですが‥‥‥」
タカヒロ「日常的に砕けても罰は当たらないぞ。さあ、固い話はやめて、ラビットハウスでゆっくりしようじゃないか。」
ナギ「そうですね、行きましょうか。」
そしてナギはラビットハウスへと向かった。
現地到着後
ナギ「失礼します。」
ココア「わあーーーーーー!!すごいイケメン!」
リゼ「お帰り、兄貴!!」
チノ「ナギ兄さん、久しぶりです。」
ナギ「戻ったぞ、チノ、リゼ。」
ココア「あなたがリゼちゃんのお兄ちゃんですね、初めまして。」
ナギ「こちらこそ、俺の名前は天々座奈義。」
ココア「
ナギ「よろしく、ココア。」
ココア「よろしくね!お兄ちゃん。」
ナギ(初対面でまさかお兄ちゃんと呼ばれるのか、悪くないけどこっちからしたら少しハズイな‥‥‥)
要らないと思うが説明しておこう。
天々座理世ことリゼ。
ナギの義妹、軍人気質で男勝りの女の子。強気な性格で、何にでも隊という言葉をつけたがる。俺にとっては普通の女の子として生きてほしいんだが、家庭的な意味でそれは無理かもしれない‥‥‥外見は悪くないのに。
タカヒロの娘で、ナギとは小さいころに優しくしてもらったり遊び相手になっていた。ナギを兄さんと呼び慕っている他、リゼとも仲良し。現在は中学生でコーヒーバリスタという凄い子である。
タカヒロ「さあ、一息つこうか。丁度チーズケーキが焼けたからコーヒーと一緒にどうぞ。」
出されたコーヒーと切り分けられたチーズケーキを楽しみつつ俺はケータイ取り出すと‥‥‥
リゼ「兄貴、そのケータイはギャ〇クシーs11じゃないか!!」
チノ「ギャ〇クシーの新型ですね。インスタグラムとかやってるんですか。」
ナギ「勿論だ、学生時代のバイト先の風景や、料理の写真とか乗せてるんだ。」
ココア「お兄ちゃん料理できるの?」
ナギ「コーヒーバリスタに料理は必須科目じゃん。」
リゼ「あのなあ、兄貴はバリスタのエリート校に通ってたんだからそのぐらい出来て当たり前だぞ。」
ココア「そ、そっか‥‥‥すっかり忘れてた‥‥‥えへへ。」
その様子を見たナギは思ってしまった。
ナギ(か、可愛い‥‥‥)
ナギの顔は少し赤みを帯びていた。それを見たリゼは心の中でこう思うのだった。
リゼ(兄貴のやつ、ココアにデレてるな。信じられない!私にもデレてほしいのに‥‥‥!!)
ココア「お兄ちゃんは喫茶店で好きなメニューとかあるのかな?」
ナギ「チョコレートワッフルとイチジクのタルト、ストロベリーサンデーブランデーソースがけかな?」
チノ「ナギ兄さんは甘党ですけど結構ビターも好きなんですよ、少し大人ですよね。」
ナギ「成人までもう時間が無くなって来たけどな。リゼたちにはまだ分からないだろうな。」
ココア「お兄ちゃんは今何歳なの?」
ナギ「19歳、年齢的に大学生だな。でもタカヒロおじさんに頼まれてラビットハウスで働くことになった。」
ココア「どうしてラビットハウスを選んだの?」
ナギ「タカヒロおじさんの下で働けることが俺は嬉しかったんだ。断る理由は無かったよ。」
リゼ「いつもお世話になってたしな。中学時代から、ここでコーヒー飲んでたから。」
チノ「私にとっても思い出のある喫茶店でしたからね。愛着があるのは良い事だと思います。」
ココア「お兄ちゃんにとってもつながりの深い場所なんだね。素敵だと思うよ。」
ナギ「これからよろしく頼むよ、ココア。」
ココア「任せて、お兄ちゃん。」
しかし、リゼはその様子を見て少し顔が引きつっていた。目線でナギに何かを伝えようとしているようだ。その様子にチノは少し違和感を感じていた。
チノ(リゼさんが心なしか不機嫌に見える‥‥‥決まってココアさんがナギ兄さんと親しくしている時‥‥‥)
するとチノは空気を読んでフォローを入れた。
チノ「そろそろ時間も遅いですし、今日はお開きにしませんか。ナギ兄さんも疲れてると思いますし。」
ナギ「もうそんな時間か。失礼、楽しかったよ。ココア。」
ココア「お兄ちゃんはいつからここで働くの?」
ナギ「明後日からだよ、その時にまた会おう。」
ココア「しばらく会えないね。でもめげない。」
ナギ「たかが一日で深刻になりすぎだよ。」
俺は無自覚にココアの頭を撫でた。すると‥‥‥
ココア「なんか‥‥‥落ち着く。」
ナギ「え?」
ココア「お兄ちゃんに撫でられると、何ていうか‥‥‥変な気分になってきちゃった。」
ナギ「急に‥‥‥何言ってるだよ、ココア。」
ココア「なんかドキドキして、もっと触ってほしい‥‥‥おかしいかな。」
すると‥‥‥
チノ「二人ともやめてください!!こんな不純異性交遊みたいな事を人前でしないでください!!」
ナギ「ごめん、チノ。そういうつもりじゃないだ。」
気まずくなった空気の中、天々座家の車に乗って俺とリゼはラビットハウスを後にした。
それを見送った後、制服を私服に着替えながら、ココアは呟いた。
ココア「お兄ちゃんにもっと甘えたいな。次はいつになるんだろう。」
一方天々座家に帰った二人は‥‥‥
天々座「4年ぶりだな、ナギ。バリスタ修業のおかげで良い男になったじゃないか。」
ウィスキーを片手に父親は喜んでいた。
ナギ「父さんも見ない間に味が出てきたと思う。カッコイイよ。」
天々座「気遣いは感謝する。仕事が明後日からなら、明日は懐かしい街でも歩いてくると良い。俺からの卒業祝いだ。」
すると父親はナギに1万円札を5枚も渡した。
ナギ「こんなに貰っていいの?」
父親「頑張った分好きなだけ遊んで来い。お前にはその権利がある。」
ナギ「ありがとう、父さん。」
そしてナギは部屋を後にし、貰ったお金を財布に入れると自分の部屋へと向かった。4年ぶりの自室だ。トランクケースを運び扉を開けた。
だがそこには‥‥‥
リゼ「用は済んだ?」
リゼが俺の部屋で、枕を抱いてベッドに座っていた。
ナギ「何でリゼが俺の部屋にいるんだ!?」
するとリゼは枕を置き‥‥‥
ナギ「ぬわッ!!」
突然リゼは俺に抱き着いた。
リゼ「兄さんのバカ!4年間も私を一人にした挙句、帰ってきて早々にココアと仲良くなって‥‥‥」
突然の事にナギは整理が追い付かなかった。ただ分かるのはリゼがナギと会いたがってた事だけだった。
リゼ「ココアより私に甘えさせてよ。私を帰ってこなかった分だけ‥‥‥愛してよ‥‥‥兄さん。」
ナギはリゼを抱きしめてこう答えた。
ナギ「一人にしてごめん、その分リゼの望みを叶えてやるよ。だから泣くな。」
どうやら、リゼは俺不在の間に……
ブラコンになっていたらしい。
しゅみタロス「リゼたそはブラコンでした。どうもありがとうございました。」