ご注文はうさぎですか?シスターズライフ!! 作:しゅみタロス
ピロロロロロロロ
「うっううん」
重い腕を伸ばし、スマホのアラームを止める。体を起こし、ベッドの目の前の窓を開けた。
春風と桜の花びらが舞う青空。その様子を見たナギは自然と心が舞い上がっていた。
ナギ「今日も一日、楽しくなりそうだ。」
シャワー室
ザアァァァァァァ
髪を洗い終わるとタオルを被り、鏡を見ると首筋に触れる。何かの焼印でつけられた「07」の番号。忌々しげにそれを睨み、ナギは呟いた。
ナギ「これ、早く消えてくれないかな‥‥‥」
服を着ると長い廊下を渡り、リビングへと向かう。相変わらず使用人やスーツ姿のボディーガードがうろついてるが、ここに来た時からこういう環境にいるから特に気にしていない。そのままリビングに入ると、英国の新聞を片手にコーヒーを嗜む義父が座っていた。
天々座「やあ、おはよう。ゆっくり眠れたか。」
英国の新聞を片手にコーヒーを嗜む天々座が座っていた。
ナギ「おはようございます。父さん。」
天々座「リゼがお前の事を待ってたぞ。キッチンにいるから少し顔出してきたらどうだ?」
ナギはその言葉を聞くとキッチンに目を向けた。
リゼ「兄さん、おはよう。朝ごはん出来るから、もう少し待ってて。」
その様子を見たナギはリゼに尋ねる。
リゼ「それって使用人の仕事じゃ‥‥‥リゼがやる必要はないだろ。」
リゼはスクランブルエッグを焼きつつ、笑って返す。
リゼ「愛情はまず料理から。兄さんの笑顔も私の幸せだよ♪」
ナギはリゼの言葉が少し嬉しく感じた。妹に自分が大事にされている事を喜びつつ、コーヒーメーカーでエスプレッソを淹れると椅子に座り、スマホを取り出し、エプロン姿のリゼをカメラで撮る。写真を見てふと思った。
ナギ「コレクションに追加だな。」
タップで開かれたナギのケータイのアルバムは、妹キャラの写真で埋め尽くされていた。言わばナギは‥‥‥
ナギ「これからリゼの可愛い写真を沢山撮ってリゼ萌えコレクションを‥‥‥ハアハア」
重度のシスコンなのである。
※一応主人公です。
リゼ「兄さん、ご飯できたよ。」
ナギ「父さん、一緒に食べようか。」
天々座「すまないが、俺はこれから別の仕事がある。朝食は後で食べるよ。」
席を立ち、足早に去っていく天々座の姿に、ナギは首を傾げる。
ナギ「俺達何かしたのかな?」
リゼ「気にすること無いよ。気まずくなるとこうだから。」
その頃、司令官室で天々座は……
天々座「妻よ、リゼはどうやら兄を愛してしまったらしい。血は繋がってないとはいえ二人の愛を引き裂く権利が俺にあるのだろうか?教えてくれ。俺はどうすればいい?」
父親として、二人の間に出来た禁断の関係に頭を悩ませていた。
朝食を終え、セーラー服に着替えたリゼは、通学カバンを手にしつつナギに今日一日の予定を聞く。
リゼ「兄さんは、今日一日出かけるんだよね。どこ行くの?」
ナギ「食べ歩きかな。ここに帰ってから、久し振りに食べたい物が沢山あるからさ。」
リゼ「食べ過ぎないでよね。それと一つだけ忠告しておく。」
ナギ「忠告ってなんだよ?」
リゼ「他の女子に近づいたり遊んだりしたら、タダじゃおかないから。」
ナギ「俺が時々危ない奴に見えてるらしいけど、お前も相当だぞ……。」
お前が言うな、妹画像に欲情してたくせに。
リゼ「それじゃあ兄さん、今夜のごはん。期待しててね。」
ナギ「俺からも、今夜ゆっくりベッドの上で。」
リゼ「楽しみにしてる。行って来るね。」
そう言うとリゼは、嬉しそうな顔で学校へと向かって行った。
だが、家の物陰に隠れてナギを観察する二人の少女が居ることに、二人は気付いていない。
???「あれが例のリゼ先輩のお兄ちゃんか~。」
???「リゼちゃんがあんなにデレデレになるのは珍しいね。」
???「この後のバイトで、あのお兄ちゃんを攻略するよ。」
???「私はその次の二番手で、私達も兄様の妹にしてもらうわよ。」
???「ココアちゃんたち、良いおもちゃを紹介してくれたね。お楽しみだねぇ。」
そしてナギは、謎のポーチと財布を手に街へと向かった。数多くの喫茶店の他、青果店やベーカリー、酒場など、食べ歩きには十分な店が沢山あった。そのまま街を散策していたナギは、巨大なラジカセを担いだ5人組のダンサーを見かけ、親しげに声をかけた。
ナギ「やあ、久しぶり。」
???「おお!ナギじゃないか!!帰って来たんだな。」
ナギ「ライブ決まってビデオも売れて波に乗ってるんだって?俺も今そんな感じ。」
紹介しよう。彼らは、全国的に活躍して人気になっているダンスグループ『ディーバッグ』。
リーダーの
ニッサ「ナギはここで就職予定か?」
ナギ「タカヒロおじさんの下でお世話になる予定で実家暮らし。」
ニッサ「そっか、お前あの喫茶店気に入ってたもんな。幸せな事だよ。」
ナギ「暇があれば一杯付き合えよ、悪友。」
そう言ってナギは、ラビットハウスのコーヒー無料券を渡した。
ニッサ「言い方が引っ掛かるが、恩に着るぜ。妹マニア。」
ナギはニッサと別れると、次なる食を探して再び歩き始めた。だが、先程から背後に薄々と、妙な気配の接近を感じていた。
ナギ(なんだ、誰かにつけられてるような感覚が‥‥‥)
ナギが後ろを振り向くと、そこには……
???「やっと気づいたんだね、お兄ちゃん。」
見知らぬメイドが立っていた。
ナギ「君は一体‥‥‥?」
???「
ナギは理解した、リゼの後輩だと。それならこちらも兄として挨拶するべきだと思い、身体を彼女の方へと向ける。
ナギ「天々座奈義だ、リゼが世話になってる。」
シャロ「お世話になってるのはこちらの方ですよ。それよりも少し話がしたいので、私のバイト先に行きませんか?」
ナギ「バイト先って喫茶店?」
シャロ「そうです。ハーブティーのフルール・ド・ラパン、そこが私のバイト先です。」
という訳で
店に入ればそこはメイドたちの楽園。ハーブの香りが染め上げる店内で、ナギはハーブティーを楽しんでいた。
シャロ「お兄ちゃん、どうかな?」
ナギ「コーヒーにはないよなあ。こういう爽やかさは、悪くない。」
シャロ「ありがとうございます!!」
しかし、ナギの心中は穏やかではなかった。
ナギ(今更思い出したけど、この状況って後でリゼに死ぬほど怒られる可能性が‥‥‥)
シャロ「お兄ちゃんどうしたの?」
ナギ「お兄ちゃんと呼ばれるとはずくてさ‥‥‥」
すると何かを感じたのか、シャロは攻めの一手に入る。シャロは後ろ手にスマホをリゼへと繋ぐと、マイクの集音率を最大にする。
シャロ「お兄ちゃんって呼ばれるのは、恥ずかしいものなの?」
ナギ「俺の場合は、逆にそれが嬉しかったりする。ただ、恥ずかしいって言うのは妹好きの性というか‥‥‥」
シャロ「じゃあ嬉しかったら、何してもいいって事だよね?」
その瞬間、シャロはスカートを下着が丸見えになるまでにたくし上げた。
シャロ「妹にこういう事されるのとか、好きなんでしょ?」
ナギ「な、何考えてんだよ!!リアルでお縄行き案件だけど!!」
顔を真っ赤にし、慌てて顔を逸らすナギ。スカートから手を離しつつ、シャロはナギの本性を理解し、意味深な顔で微笑んだ。
シャロ「なるほどね~、シスコンだけど性的な目では見てないんだ~。案外純情だね。」
真っ赤な顔でゆっくりと頷き、ナギはそれを認めた。
そして別れ際に‥‥‥
ナギ「今日はありがとう。でも過度な誘惑はやめてくれよ。どう反応したらいいか分からないから……。あと、俺がお縄にかかっちまうから!!」
シャロ「ごめんね~。でもでも、私はいつでもお兄ちゃんを待ってるからね。また来た時にはいっぱい甘えてもいい?」
ナギ「いいよ。ただしほどほどにしてくれよ?それじゃあ」
帰っていくナギの後ろ姿を見送りつつ、シャロは喫茶店に戻っていった。
帰宅後
ゴゴゴゴゴゴゴ
リゼ「兄さん‥‥‥私の言った事、忘れてないよね?」
ナギ「誠に申し訳ございません。」
リゼの前で土下座をする羽目になったナギ。リゼの氷のように冷たい目線は、ある意味拷問だった。
そしてまた一人、妹が出来てしまった事にナギは頭を悩ませる事となった。
しゅみタロス「シャロちゃん結構悪魔Σ(゚Д゚)どうもありがとうございました。」