ご注文はうさぎですか?シスターズライフ!! 作:しゅみタロス
これはラビットハウスの昼休みの事‥‥‥
ゴゴゴゴゴゴゴ
店内を重い空気が支配し、鋭い目線で見つめ合う天々座兄妹。その場にいたココアもチノも
手に汗を握っており、息遣いも荒くなっていた。
そして運命の時。
「ファイアッ」
バンッ
その掛け声と共にお互いは額にコントローラーを突きつけた。
「YOUWIN」
ナギ「俺の勝ちだな」
リゼ「うあああああああまた負けたああああああ!!」
チノ「ナギ兄さんこれで9連勝ですね」
ココア「おにいちゃんすっごーい!!」
チノ「流石は元軍人ですね。早撃ちのスキルがリゼさんを凌駕してます」
ナギ「こんな技術褒められても嬉しさを感じないなあ」
ココア「でもこのゲーム機入手困難なレアものなんだよね。私もチノちゃんと探しに行ったけど全然見つからなくて‥‥‥」
ナギ「修業時代に喫茶店のバイトで給料貯金して買った大事な物なんだ。こうして皆で遊んだのはここに帰ってきて初めてだよ」
ココア「早く私も欲しいなあ。ニ〇テンドース〇ッチ」
この小説を読んでる人はもう知ってるかもしれないが一応このゲーム機について解説しよう。
ニ〇テンドース〇ッチとは
ニ〇テンドーより発売された次世代型ゲーム機であり、2017年の3月3日に発売され現在はあまりの人気に品薄状態となっている。テレビにつないで遊べると同時に、最大の特徴として携帯機として切り替えて持ち運べるほか、パーツを分割してテーブルに置けば友達と即席で協力プレイが出来る。コントローラーもモーション機能やカメラ等のてんこ盛り状態である。
説明以上!!
ココア「次は何で遊ぶ?出来れば皆で出来そうなの?」
ナギ「そうだなあ皆で遊べそうな物か‥‥‥」
カードケースを眺めてソフトを考えるナギ。彼は気付いていない。今、ラビットハウスに嵐が迫っていた事を……。
ナギ「皆、じゃあ次はコレで‥‥‥」
カランカラン
「?」
昼休憩にも関わらずラビットハウスに入店してきた一人の少女とスーツ姿の高校生。
いきなりすぎて言葉が出なかったが、とっさに今の状況を伝える。
ナギ「ああ、すみません。今昼休み中で営業の方は一時からなんですが‥‥‥」
???「気にすることは無い。世話になってるからな。ここには」
ナギ「え?」
タカヒロ「彼女はこの時間になるとよくお昼ご飯を食べに来るんだよ。」
ナギ「タカヒロおじさん、この人は‥‥‥」
タカヒロ「この辺りでは有名な大金持ちの娘だよ。」
???「三千院ナギと言う。ナギ様と呼ぶがいい」
???「執事の綾崎ハヤテです、よろしくお願いします。」
その名前にナギは声が出せなかった。
三千院「名乗らんのか?」
ナギ「リゼの兄貴の天々座奈義と言います」
三千院「ほう、嘘をついてる目では無さそうだな。」
すると三千院は顔を近づけてナギに注文をした。
三千院「全身全霊のパスタでもてなしてもらおう。己の腕を私に示してみせよ。」
余りに強引すぎる三千院にハヤテは止めに入る。
ハヤテ「すみません、お嬢様が初対面で挑発的な事を‥‥‥」
だがナギは悪い気はしていないどころか不敵な笑みを浮かべていた。
ナギ「良いでしょう、全身全霊のパスタ、ご馳走しますよ。」
リゼ「ちょっと兄貴、こんな話に乗る必要なんて‥‥‥」
ナギ「面白いからいいだろ、タカヒロおじさん。厨房借りていいですよね。」
タカヒロ「好きなように使って構わない。やりたいようにやればいいさ。」
ナギは厨房に行く前に、ハヤテにこう伝えた。
ナギ「ハヤテさん、あなたとは気が合いそうだ。今度会いに行っても良いですか?」
それを聞くと、ハヤテは笑顔で答えた。
ハヤテ「はい、是非遊びに来てください!!」
そしてナギは厨房に向かうと、パスタと食材を取り出して早速調理に取り掛かった。
ナギ「パスタのテーマは、エビと炒め玉ねぎだ」
そしてナギはエビの殻をむき、塩揉みする。次に玉ねぎを取り出して千切りにすると、それをフライパンにバターを落として炒めていく。玉ねぎがあめ色になる頃、エビを投入してしばらく炒めるとナギは火を止めた。
ナギ「パスタには世界が存在している事を教えてやる。こいつでだ」
ナギが取り出したのは蝶の形をしたパスタ、ファルファーレだった。ナギはお湯を沸かして塩を振り、ファルファーレを茹でると水を切って炒めたエビと玉ねぎを上に乗せる。仕上げにナギは、ある調味料の瓶を取り出して蓋を開ける。
ナギ「ペッパーオイルの力を見せてやる」
スプーンにオイルを乗せてパスタにかけると、それを具材と和え、最後にハーブを添える。
ナギ「完成だ」
ナギ「お待たせしました。エビと玉ねぎのスパイスファルファーレです。」
三千院「ファルファーレか。センスを感じるパスタだな」
ハヤテ「それではナギさん頂いても良いですか。」
ナギ「是非」
静かに手を合わせ、二人はファルファーレを口にした。
静まり返る店内、三千院の口から出た言葉は‥‥‥
三千院「タカヒロほどではないが、賞賛に値する。ナギよ、常に自分の腕を誇りに思え」
ナギ「ありがとうございます!!」
タカヒロ「ナギ君の腕には、まだまだ期待できそうだね」
三千院「また明日、邪魔させてもらうぞ」
ナギ「またのご来店をお待ちしております」
……と思いきや、帰り際にココア達のいた机を見て三千院は足を止めた。
ハヤテ「お嬢様、どうかされましたか?」
三千院「もう少しココに残る事にした」
ハヤテ「目から欲望が滲み出てますけど!!」
三千院「ナギよ、あのス〇ッチで遊んで行っても構わんな!!」
ナギ「勿論いいですよ、マ〇オカート8DXで対戦しましょう」
タカヒロ「皆で遊ぶならその画面は小さいだろう。二階に大きいテレビがあるから、好きに使ってくれて構わないよ」
ナギ「ありがとうございます。皆、二階に行くぞ!!」
階段を上がっていく面々を見つつタカヒロは呟いた。
タカヒロ「楽しければすべてよし。ナギ君はその思想を体現しているね」
帰宅後
カチカチ
ナギ「マニューバが強すぎるな。ローラーは間違いだったか」
リゼ「何で連射タイプの武器を選ばないの?」
ナギ「うわっ!!誰かと思えばリゼか。いきなり部屋に入ってどうしたんだ?」
リゼ「兄さん、今話せそうないかな?」
ナギ「これ終わったら聞いてやるよ」
そして戦闘結果は‥‥‥
ナギ「ギリギリ勝利した、マジでダメかと思ったよ」
リゼ「私だったら3キルなんて余裕なのに」
ナギ「ス〇ラトゥーンは塗らないと意味の無いゲームだよ。キル前提なんて一言も言って無いし、俺はそもそもエンジョイ勢なんだ」
ナギは机の横に置いてあった炭酸ドリンクに手を伸ばして缶を開けた。
ナギ「で、話って何?」
リゼ「明後日兄さんは仕事休みだよね?」
ナギ「休みだけど‥‥‥」
するとリゼは顔を赤くしながら、何秒かの沈黙の後に要件を伝えた。
リゼ「映画を見に、デートに行かない?」
ナギ「デ、デート!!」
いきなりすぎて大声出してしまった。
リゼ「大声出さないで、恥ずかしいから。」
ナギ「ごめんごめん、て言うかそもそも映画って何を見に‥‥‥」
リゼ「これなんだけど‥‥‥」
リゼが手に持っていたのは2枚のペアチケットだった。その映画は‥‥‥
ナギ「名探偵〇カチュウか」
5秒ほど思案して、ナギはニヤリと笑いリゼの頭を撫でた。
ナギ「わかった、一緒に行こうか」
リゼはその言葉を聞いて笑顔でナギに抱き着いた。
リゼ「週末、楽しみにしてるよ。兄さん」
ナギはリゼとデートに行く事になったが、後にこのデートがある人物との邂逅に繋がる事を二人は知らなかった。
その頃、木組みの町の隣にある地区では……
???「全く、暴力受ける身にもなってくれよ。」
???「別に私だってやりたくてやってる訳じゃ無いんだから」
???「それで、次のニセデートは映画だって?」
???「ニセデートて言い方引っ掛かるからやめてくれる?」
???「とは言っても本当に付き合ってる訳じゃねえし」
???(結局変わり無しか、いつ気付いてくれるんだろう?このバカもやしは……)ある二人の男女が言い争っていた。
しゅみタロス「さあ、俺達のデートを始めよう!!(違う!!)どうもありがとうございました。」