ご注文はうさぎですか?シスターズライフ!! 作:しゅみタロス
休日前の金曜日 午後
カランカラン
常連のおじさん「ごちそうさん、また来るよー」
ナギ「ありがとうございました」
古いレジスターには少し熱い札束が入っていた。
ナギ「あのおじさん、毎回来るたびに支払いにチップ置いてくな……。競馬好きと聞くが、これだけ渡せると言う事は相当の強運と見た」
リゼ「まあ、貰えるなら貰った方が良いんじゃないか。その分こっちはサービスしてるし」
シャロ「お兄ちゃんは深く考えすぎだよ」
千夜「終わりよければ全てよしと言いますから」
ナギ「と言うかあんたら、今日一日ラビットハウスで過ごすつもりか?」
今日、シャロと千夜はバイトが無いので、ラビットハウスに入り浸っていた。
ココア「いいなあ、二人はお休みで」
チノ「とは言っても明日は週末なので、今日頑張れば後は自由ですよ」
シャロ「それに今日は、お兄ちゃんに聞きたい事もあるので」
ナギ「なんだよ、急に改まって」
コーヒーメーカーからコーヒーを淹れつつ、氷を落とす。
シャロ「妹モノのビデオ見たんですが、お兄ちゃんの場合、ゴ〇とナ〇どちらが気持ちいいのかなって?」
千夜「兄様でしたら私はナ〇でも構いませんけど」
ナギ「女子高生に手ェ出すか!!」
リゼ「兄貴」ギロッ!!
ナギ「ヒッ!!」
明らかに不機嫌なリゼに、俺はとりあえず言葉を掛ける。
ナギ「言っとくけどそう言うのは好きな人と以外、俺はやらないから。寧ろ妹を毒牙にかけたら、兄として責任問題に繋がり兼ねないからな。それに‥‥‥」
するとナギの腰にリゼが抱き着きシャロと千夜に言い返した。
リゼ「兄貴に手出ししたらタダじゃおかないから!!」
こればっかりはリゼも耐え難かったのだろうと手の力でナギは感じていた。シャロは何かを悟ったようなにやけ顔でリゼに言葉を返した。
シャロ「わかったよ。行き過ぎた事はしないけど、お兄ちゃんとはそれなりの関係って事にするね」
ナギ「どうしたんだよ、急に雰囲気違くないか?」
千夜「妹としての心遣いです」
そしてリゼは小声でナギに呟く。
リゼ「営業終わったら責任取ってよね、恥ずかしいんだから。こういうの‥‥‥」
ナギ「分かったよ」
若干リゼの口元がにやけていた。
そして厨房の奥から案の定この声が聞こえてきた。
タカヒロ「なんか感心しない会話が聞こえたが、丸く収まったみたいだね」
ナギ「タカヒロおじさん、これはその‥‥‥」
タカヒロ「深くは聞かないよ、これも若気の至り。隠し事の一つや二つある物さ」
ナギは胸を撫で下ろし、すっかり氷の溶け切ったアイスコーヒーを飲み干した。
タカヒロ「それじゃあ、今日の営業はこれでおしまいだよ。ブラウニーを焼いたからティータイムといこうじゃないか」
ナギ「ごちそうになります」
ココア「やっと終わったーー!!お休みだーー!!」
チノ「さっきまでのテンションは一体‥‥‥」
ナギ「分かるなあ~、あの感じ」
(修業時代の週末や連休の時の俺も、あんな感じだったし……)
この後ティータイムを存分に満喫した後、夕食の買い出しをして帰路へとついた。
夕食後、俺は自分の部屋でリゼの言う通り責任(と言う名のイチャイチャ)に付き合っていた。
リゼ「ああ、イイッもっと、吸って‥‥‥」ビクンッビクンッ
ナギ「ジュルッ、ズルルッ、ピチャア……はあ、はあ‥‥‥」
ナギ「それなりの線引きはしてるけど、明らかにアウトだな……」
リゼ「兄さんなら私は受け入れてあげるよ?いっそ中に出しても良いけど」
ナギ「それはやらないって言っただろ」
リゼ「でもこうして兄さんと身体を重ねる度に、兄さんの温かさと優しさを感じられる。私はそれだけが幸せで、何か変な気分になっちゃうんだ‥‥‥」
ナギはそれを聞き終わるとリゼは静かになった。別にアレな事はしていないがベッドの横には、黒の下着姿のリゼが眠っていた。
ナギ「現場的に事後っぽいが特に何もしていない……。しかし、一線は超えなかったものの、問題だらけの様な気も……」
リゼには悪いが、今夜は一人で外を出ることにした。眠れないのも理由ではあるが。
ナギ「お休み、リゼ」
ナギは上着を着て、外を出た。すると‥‥‥
天々座「こんな時間に夜遊びか、ナギ」
ナギ「父さん……まあ夜遊びではあるけど」
天々座「好きなようにしろ、俺は何も言わん」
ナギ「ありがとう」
天々座「……若気の至り、か。タカヒロも甘いもんだな」
タカヒロはそう呟き、ウィスキーをのグラスを見つめながら、つまみのチーズを口にした。
夜の街を歩き、ナギは明かりの灯るラビットハウスで足を止めた。扉にはバータイムの看板が立っていた。
カランカラン
扉を開けるとグラスを拭くタカヒロがカウンター席に立っていた。
タカヒロ「おや?誰かと思えばナギ君か。珍しい事もあるもんだね」
ナギ「すみません、タカヒロおじさん。こんな時間に」
カウンター席に座るナギは隣に置いてあるセルフの氷水をグラスに注ぐ。
タカヒロ「眠れないのかい?」
ナギ「それも理由ですが、眠れるような状況じゃなくて‥‥‥」
口籠るナギにタカヒロはズバリ当てた。
タカヒロ「さては、リゼ君とお楽しみだったかな?」
ナギ「思いっきりそうですけど、言葉としては聞きたくなかったなぁ……」
タカヒロは嬉しそうにナギを諭す。
タカヒロ「世の中の人は、刺激が無いとつまらなくなるものなんだ。ナギ君みたいな子ほど、スリルや爽快感を欲しがるものだと思うよ」
ナギ「やっぱり、タカヒロおじさんには頭が上がらないな。そこまで俺は大人になりきれないよ」
タカヒロ「それよりも、ここに来たのなら注文の一つや二つ頼んでも構わないよ。代金は取らないから、なんなりと」
ナギ「ストロベリーシロップソーダを」
タカヒロ「かしこまりました」
グラスに注がれる赤いシロップで染まる氷に、英国の強炭酸ソーダが注がれる。
タカヒロ「お待たせしました」
グラスの中の赤い炭酸は甘くも刺激的な味だった。グラスを置き、ナギがもう一つオーダーを出す。
ナギ「ストロベリーサンデーブランデーソースがけを」
タカヒロ「かしこまりました」
クラッシュされたドライストロベリーの混ざったジェラートに、ウエハースとブランデーソースを添える。
タカヒロ「お待たせしました」
ストロベリーサンデーを口にするナギは、ブランデーの味に少し苦笑いしていた。
ナギ(気取って頼んでみたがちょっと苦めだな……。でも悪くない)
その後もスプーンを止める事無く、ストロベリーサンデーは完食した。ナギはそろそろ帰ろうと考えたが、現実は非情だった。
ザアアアア!!ゴロゴロ!!
ナギ「よりにもよって雨に雷って‥‥‥」
タカヒロ「梅雨入りの嵐だね。今年は比較的早く来るとは聞いていた」
ナギ「悪いけど朝まで世話になりますがいいですか?」
タカヒロ「ナギ君なら大歓迎だよ。寝床なら、空いている部屋を好きに使ってくれても構わないが」
ナギ「お気遣いありがとうございます」
すると階段の奥から‥‥‥
二人「ん?」
ココア「ダレカ‥‥‥タスケテ‥‥‥」ガクガクブルブル
ナギ「ココア?」
明らかに怯えているココアが現れた。2度目のお楽しみは次に続く。
しゅみタロス「復帰したばかりなので体力的に持たなかった。どうもありがとうございました。」