ソードアートオンライン~ アインクラッドの完全制覇~   作:黒刃 竜壱

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予告通りスカルリーパー戦です。
ソードスキルがバンバン出てきます。


75層ボス攻略 上

「大鎌は俺たちが食い止める!!みんなは側面から攻撃してくれ!」

キリトの必死の叫び声がつい今しがた目の前で起こった

【絶望】によって立ち尽くしていたプレイヤー達を呪縛から解いた。

 

ーーーーーーーここは75層、ボス部屋。

 

74層でキリトが[青眼の悪魔]を独力で倒したと言う事は

鼠の〘アルゴ〙や他のプレイヤー達からは耳にしていたが、

彼のあの最強っぷりは第1層のボス攻略の頃から相変わらず凄まじい。

 

二刀の剣で大鎌を猛烈なスピードで捌き切る彼の姿は本物の剣士にも見える。

そしてキリトは、このアインクラッドで1位か2位を争うほどのトッププレイヤー。

そんな彼を横で支えるのがキリトの妻、アスナだ。

彼女はアインクラッド内でとても少ない女性プレイヤーの中でも5指に入る美貌を持ち、

尚かつ[閃光]と言う異名がある程、細剣術の腕前を持つ。

彼女もキリトと同じく名のしれたトッププレイヤーである。

 

そしてその二人は、つい数十時間前までラブラブの新婚生活を送っていた為に

彼等は数週間、最前線には出ていないはずなのに剣の腕前を少しも落としていない。

それどころか逆に上達している様にも見える。

流石はトッププレイヤー、いや。ラブラブの夫婦と言うべきか。

 

僕は自分の弱さとキリトの円満な生活を比べて軽く舌打ちをすると、

スカルリーパーに走り寄る。

もう既に何人かのプレイヤー達はソードスキルを発動させ、

膨大なボスのHPを僅かながら削り取っている。

そんな混戦の中でもスカルリーパーは彼等に向けて

背についた棘だらけの凶器をしなるほど振り上げる。

 

「マズいっ······!!」

 

僕は攻撃用ソードスキルで奴のHPゲージを

削り取ろうと上位剣技を発動させかけたが、慌てて防御姿勢を取る。

 

数秒後、僕の読み通り致死の攻撃が降り掛かってきた。

 

「っ·····!!」

 

思った以上にダメージを受けて片膝を地面につく。

防御姿勢を取ったのに最大値から一気にイエローゾーン表示になってしまっている。

一瞬防御に遅れた周りのプレイヤー達はレッドゾーンにまで突入し、しかもスタン状態だ。

僕は腰ポケットから回復用のハイ·ポーションを取り出すと、すぐに口に突っ込む。

 

それこそ僕は、最前線で毎日の様にこの緑茶にレモンジュースを混ぜたような絶妙な味を

体験しているが未だになれず、顔をしかめる。

しかし今は、正直そんなことに構ってはいられなかった。

 

僕は口に瓶を突っ込んだままバックステップですぐさまリーパーから距離を取ると、一気に飲み干す。

徐々にHPゲージがグリーン表示へと変わっていくがすぐに剣を構え直し、

スタン状態に陥ってしまった3人のプレイヤー達に振り下ろされる致死の尾を

防ぐためにソードスキルを発動させる。

 

瞬く間に刀身が獰猛なオレンジ色に輝き、システムアシストによって

体が勝手に動き始めた瞬間、床を思いっ切り蹴って

10メートルの距離を0·5秒で駆け抜ける。

両手用大剣突進技、《アバランシュ》。

 

僕は奴の背骨に剣を叩きつける直前、ソードスキルの威力を上げる為に

体全体をスキルが中断されないギリギリまで弓なりに反らし、反動をつける。

 

『キュイイイイイイイイインンン!!!』

 

刀身のライトエフェクトも更に輝きを増し、

甲高いサウンド音と共にシステムアシストの勢いも上がる。

そして最大まで剣を振りかぶると、渾身の力で振り下ろした。

 

『ガガアアアアンンン!!!』

 

クリティカルヒットにより、凄まじいサウンド音と衝撃が

辺りを震わせリーパーの長大な一段目のHPゲージが目に見えて減少する。

同時に奴の背骨攻撃が止まって大きな隙が生まれ、

これを好機とばかしにクラインやエギル達が猛攻撃を仕掛け始めた。

 

その様子をクールタイム(技後硬直時間)が終わった僕は

今回の戦闘2回目のバックステップで

リーパーから距離をとりながらこの技が成功した事に内心驚いていた。

 

 

敵味方含め攻撃途中またはソードスキルによる攻撃直前に比較的弱い箇所に

大きなダメージを与えられると、攻撃をキャンセルさせられたり威力が半減する事がある。

 

これを僕は[スキルキャンセル]と呼んでいる。

 

成功率は約70%程で上位モンスターになればなる程その確率は減少し、

中ボスレベルだと20%程まで減少したはずだからクリティカルまで伴って

成功したのは奇跡と言っていい。

 

なんにせよ、ボス攻略で犠牲が無くて良かった。まだこの上に後25層もあるのだ。

さっきの様に最前線のトッププレイヤー達が呆気なくHPを0にして、

儚いポリゴンの欠片へと変貌するのは見たくないし、そんなことは絶対にさせたくない。

 

しかし、僕がタゲ(ヘイト値)を取りすぎたせいでキリトやアスナ、ヒースクリフに向かっていた奴の意識が一気に僕の方へと回ってきた。

 

リーパーは僕の姿を一瞥すると、辺り一帯に響き渡るほどの大きな咆哮を上げながら

凄まじいスピードで突進しながら致死の大鎌を僕に向けて振り下ろしてくる。

 

僕はキリト達が鎌の迎撃に間に合わないと判断、すぐさまソードスキルを発動させる。

両手用大剣上段斬り、《カスケード》。

刀身が薄紫色に輝きながら、途轍もない速さで空中に縦の軌道を描いた。

直後、鎌が僕の剣に当たり途方もない衝撃と火花が僕の体に襲い掛かる。

僕は渾身の力を込めて鎌を押し返そうと両足と両足に力を込める。

どちらもほとんど筋力値は互角のようで刃と刃同士が均衡状態に突入する。

数秒間の間に僕と奴との間に複雑な補正がかけられ、演算が行われていきーー

ーーーー競り勝ったのは、こちらの方だった。

 

『ガキィィィィンンン!!』

 

相手が僅かに体制を崩した瞬間、僕は息をつく間もないほどの

速さで次のソードスキルを発動させた。

刀身が深紅色に染まると同時に床を蹴って奴の懐に飛び込むと、

全力の上段斬りからすぐさま

上段へと斬り上げる。両手用大剣2連撃技、《イラプション》。

 

2連撃とはいえ連続のスキル使用は敵のHPゲージと僕の精神力を大きく削り取った。

ソードスキルによる衝撃で奴も僕も軽くノックバックする。

 

しかし僕の連撃はまだ終わらない。

 

僕は緊張感による疲労で背中からぶっ倒れそうになるのを

両足に力を入れてなんとか堪えると、3連撃目となるソードスキルを発動させる。

 

『ギュウウウウウンンン·····!!!』

 

剣全体が激しく震え、重い響きと共に刀身が深紅色に輝き始める。

腰を最大限まで低く落として剣を右後方に倒し、意識をスカルリーパーに集中させる。

コンマ数秒の間に周りの景色に色が無くなり、

時折聞こえるソードスキルの甲高い音やプレイヤー達の絶叫すらも遠ざかっていく。

 

周囲の動きがゆっくりとなり、自分の意識が研ぎ澄まされていくのを感覚で感じる。

そして両者とも、きっちり数秒後になんの前触れも無く動き始めた。

 

リーパーは体制を低くしながら僕に向かって

突進しながら両手の鎌を振り下ろそうと襲い掛かり、

僕は腰を落としたままの状態で剣を突き出して全速力で走り寄る。

 

『グゴオオオオオオオオオオオオ!!!!!』

 

「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

急速に両者の間が縮まっていき、僕の目の前にギラリと輝く巨大な鎌の刃が迫る。

しかし、敏捷パラメータの差は僕に軍配が揚がった様だった。

 

僕は鎌がギリギリの所で肩を掠ったのを

意識の一部で感じ取ったのを見届け、攻撃を開始した。

 

右下から左上へ斬り上げ、すぐに左下から右上へ斬り上げる。

そしてもう一度右下から左上へ斬り上げて、一度腰まで剣を引き戻す。

その後右側へ水平に斬り払う。

 

この間にリーパーは大きく大勢を崩し、完全にお手上げ状態になっている。

肋骨部分が完全に無防備状態で、攻撃を受けまくって蜂の巣状態になっている。

 

大剣は両手が塞がる上に、回避率が減少し一撃一撃が遅い。

しかし、大剣はそれを補って余りある程のポテンシャルを秘めている。

 

それは❲攻撃力の高さ❳だ。

 

ダメージディーラーの僕等は[敵からダメージを受ける前に倒す]というモットー

を持って戦っている為この長所は非常に有り難い。

勿論、回避率が減少してしまうので強敵との戦闘では少々キツイが。

 

そのため、普通はソロでそんな無謀な事はすると死亡する確率が上昇してしまうが、以前

やっていたMMОRPGでも大剣を得物にして戦っていた為、その動作が身に沁みているという理由がある。

 

僕は最大限剣を腰に引き絞るとリーパーに慣れた動作で思いっ切り突進する。

巨大な岩でも相手にしている様な手堅さが手にかかるが気にせず

そのまま5〜6メートル程伸長すると、リーパーに背中を見せた格好になった。

敵に背中を見せるのはこの世界では自殺行為に等しいが、

僕にはまだ最後の一撃が残っていた。

 

今度は左腰にピタリと剣を引き戻すと、

すぐさま振り向き様に渾身の力で右水平斬りを見舞った。

 

「グギャアアアアアアア!!!!!」

 

両手大剣最上位6連撃ソードスキル、《スティール·ディザスター》。

しかし、これだけ上位ソードスキルを見舞った

筈なのにまだ上段のHPゲージは半分をようやく半分を切った所だ。

 

その現実が、微かに僕の全身を絶望感が覆う。

 

だが、僕の体に一瞬隙が出来てしまった事で

スカルリーパーの反撃のチャンスを作ってしまい、

結果的に今までで一番恐ろしい経験をする事になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長々と書いてしまってすみません。
次回も結構長くなってしまうかもです。
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