新説・恋姫†無双~一刀と愉快な?仲間達~   作:越後屋大輔

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思い付いたネタを文章にするのって、ホントに難しい……


第十七席愛紗、怪我を負うのこと

 董卓の領地を出て、旅を続ける5人。途中、腹ごしらえに一軒の食堂に入って全員が揃ってラーメンを食べていた。

鈴々

「ぷはぁ~。美味しかったのだー!」

愛紗

「ご馳走さまー!」

一刀

「食った食った」

「さて行きましょ、って星ちゃんは?」星は一足先に食事を終えたらしく、厠に行っている。丼にはメンマが残っていた。

鈴々

「あれ?星、メンマ残しているのだ」

愛紗

「ここのメンマ、美味しいのに勿体ない」

鈴々

「だったら鈴々が食べるのだ♪」

愛紗

「では私も♪」

一刀

「俺は止めておく」

「あちしも遠慮するわ」女性が手を付けた食器に箸を伸ばすのは流石に躊躇いがある男子2人。そんな彼らをよそに、鈴々と愛紗は星のメンマを全部食べてしまった。

あぁぁぁ━━━━‼」そこへ用を済ませて戻ってきた星。自分の丼のメンマがないのに気づいて絶叫する。

「むぅぅっ!」そして親の仇でも見るかのように、愛紗と鈴々を睨み付ける。

 

 そんな訳で、さっきから星の機嫌がよろしくない。

愛紗

「なあ星。さっきの事、まだ怒っているのか?」

「別に怒ってはいない。酷く不機嫌なだけだ」

一刀

「それを怒っていると言うんだけどな」

愛紗

「お主が厠に行っている間にメンマを食べた事は謝る。この通りだ!」愛紗が謝っても星はそっぽを向いたまま、ずっとむくれている。

愛紗

「イヤ~、ほら。ずっと残していたから、てっきり嫌いなのかと思ってな。つい、なあ」鈴々に話を振ると同意を得た。

鈴々

「うんうん(焦)」

「そうではない。大好物だから最後まで大事にとっておいたのだ」

「たかがメンマでそこまで腹立てるなんて了見が狭いわね」

一刀

「待て忍。お前、自分のタコわさ食われてブチ切れた事あったよな?」昔の話を蒸し返す一刀に対して白々しく惚ける忍。

「さあ。何の事かしら?」

「……メンマ」2人の掛け合いも耳に入らない様子でボソッと呟く。

愛紗

「鈴々。お前が意地汚い真似をするから……」

鈴々

「愛紗だって食べたのだ」責任の擦り付け合いをしている愛紗と鈴々に星の冷たい眼差しが刺さる。

「(……ジィー)」

愛紗

「そうだ。次の街に着いたらまたラーメンを食べよう。今度は私のメンマをやるから機嫌を直してくれ」

鈴々

「鈴々のメンマも食べて良いのだ」

「人とメンマは一期一会。どうやったって、あの時のメンマは戻ってこない……」よほどメンマに執着しているのか、小芝居を混ぜてくる星に肩を落とす4人だった。

 

 気まずい雰囲気のまま、進んでいくと道が2つに分かれていた。

愛紗

「分かれ道か。さて、どっちへ進んだら良いモノかな……」それとなく星に話を振るが、やはり答えは返ってこない。

鈴々

「こんな時は鈴々にお任せなのだ!」鈴々が道の真ん中に蛇矛を立てて、何やらおまじないらしき事をすると蛇矛が右側に倒れる。

鈴々

「あっちなのだ」

愛紗

「はいはい。ではそちらに行ってみるか」と言いつつ星の方を振り向く愛紗だが、やっぱり不機嫌な顔のまま、無言を貫いている。

一刀

「いい加減にしないか、星」

「いつまでも意地張ってんじゃないの」メンマに手を出してない男子陣が苦言を呈すると、ようやく星も折れた。

「では今回は二人の顔を立てますが……愛紗、鈴々。次はないと思えよ」

愛紗

「わ、分かった……」

鈴々

「……もうしないのだ」

 

 星の機嫌は直ったものの、歩いている内に深い林に入っていく一行。

愛紗

「霧が出てきたな……」

鈴々

「段々、濃くなっていくのだ」

「まさに『キリがない』わね」

一刀

「……殴って良いか?」

「ナンでよ!?」とか何とか言っている間にも霧は深くなり、お互いの姿もぼやけてみえるようになってきた。

愛紗

「まずいな。これだと道が外れても分からないぞ」互いの姿も見えづらい中、マイペースに進む鈴々の姿を、おぼろ気ながら認めた愛紗がその肩を掴む。 

愛紗

「待て鈴々。一人で先に行くな」

鈴々

「星はどうしたのだ?」振り向き様に鈴々が尋ねる。気がつくと星だけ一行から居なくなっていた。

愛紗

「……?星、どこだ?」

一刀

「いるのか?星」愛紗と一刀が呼びかけるが、返事はない。

鈴々

「星、どこに居るのだー?」

「まずいわね……はぐれたみたいよ」

愛紗

「急いで探さねば!星、どこだ……ッキャア!」愛紗が叫び声を上げる。

「愛紗ちゃん、大丈夫!?」声を聞いた忍が真っ先に駆けつけると、足下は崖になっていて愛紗はそこに落ちていた。

愛紗

「気をつけろ。この辺りは崖になっているぞ」

鈴々

「愛紗、しっかりするのだ」

愛紗

「大丈……っつ!」

鈴々

「どうしたのだ?」

愛紗

「……どうやら、足をくじいたらしい」

一刀

「まずいな」

「霧が晴れるまでここに居ましょ。動かない方が良いわ」一刀、忍、鈴々は愛紗を囲むように地面に腰かけると、しばらく待機する事にした。

 

 同じ頃、林の向こう側の山間に佇む一軒の屋敷がある。

??

「……ん?」ここの住人である、鈴々と同年代の少年が何かの異常に気づいたのか、屋敷の主に報告に行く。

??

「先生、麓の林に人がいます」

??

「何ですって?幸太、詳しく説明してちょうだい」先生と呼ばれた女主人は少年に問い質す。幸太という、その少年は耳を林の方に向けて耳をそばだてる。

幸太

「はい……どうやら旅をしている途中、道に迷ったみたいです。人数は4人、俺や朱里ぐらいの年齢の子供と、成人前後の男女3人。女が1人と……男2人の声はどっかで聞き覚えがあるような……あ、怪我人が出たようです。こっちに向かってきます」

??

「まあ大変!朱里!」女主人はもう1人の同居人を呼び出す。

??

「はい!水鏡先生!」

??

「旅の方々が怪我をされて、こちらを訪ねてくるそうよ。寝台と膏薬の仕度をお願いね、幸太は旅の方々を出迎えて」

??

「はい、分かりました!」

幸太

「了解っす!」2人の少年少女は女主人の適格な指示に従って、それぞれの仕事に赴いていった。

 

一刀

「だいぶ霧が晴れてきたな」

「そうね。愛紗ちゃんはどうする?」2人が相談していると、鈴々が山の麓に一軒の屋敷を見つけた。

鈴々

「あそこに家があるのだ!」

愛紗

「助かった!あそこで少し休ませてもらおう」

一刀

「そうだね。忍、これ持っててくれ」一刀は忍に日本刀を預けると、愛紗をお姫様抱っこして屋敷に通じる階段を登り始める。

愛紗

「か、一刀殿!?下ろしてくれ!」

一刀

「はいはい。怪我人は静かにしてろって」

愛紗

「うぅ……一刀殿、重くないか?」真っ赤な顔で愛紗が聞くと

一刀

「全然」平静を装って返事をする一刀。しかしやはり照れ臭いのか、愛紗と目を合わせようとしない。

「アオハルだわ~」忍がからかう。鈴々は『アオハル』の意味が分からず、ポカンとしながらついてくる。

 

鈴々

「頼もう!頼もうなのだ~!」門前に着くと鈴々が戸を叩く。

(道場破りじゃないんだから……)忍が声に出さずに突っ込みを入れると、戸が開いて中から1人の少年が出てきた。

一刀・忍

「「幸太!?」」

幸太

「一刀さんに忍さん。やっぱりお2人っすか……」

愛紗

「……やっぱりとは?お主、我らが来るのに気づいていたのか」予め知っていたらしい少年に愛紗が疑問を持つ。それに答えたのは本人ではなく、一刀だった。

一刀

「こいつの能力は『音声(サウンド)』。遠くの音を聞き分けたり、音を自在に操れる事が出来るんだ」

鈴々

「音を操る?意味がわからないのだ」

「さっきのあちし達の会話も、丸聞こえのハズよ」

愛紗

「さっきって!麓からここまでどれだけの距離があると……!」

一刀

「こいつには枯れ葉の舞い散る音ですら、地響き並みに聞こえるのさ」

鈴々

「あっ、こいつ耳栓してるのだ」

幸太

「俺は能力のコントロールに慣れてないから、耳栓でシャットアウトしてんだ」

「横文字は通じないわよ。調整に慣れてないから、耳栓で遮断している、でしょ?」

??

「あの~、幸太君?」先ほどの少女が幸太の肩を叩く。

幸太

「あ、すいません。立ち話させちまって」

??

「どうぞお入り下さい。怪我をされている方は寝台の用意がしてありますので……」少女の案内で一刀は愛紗を抱えたまま、寝台のある部屋へ向かう。

 

??

「そうでしたか。それは災難でしたね」女主人は医療の心得もあるようで、愛紗の足を診察しながら一刀達一行を労う。

??

「この辺りは急に濃い霧が出る事がよくあって……」女主人は愛紗の足に薬を塗りながら説明する。

愛紗

「うっ!」薬が染みたのか、愛紗が呻き声を上げる。

??

「これで良し。では怪我が直るまで、ここでゆっくりなさると良いわ。その内にはぐれた方も見つかるかもしれないし」

愛紗

「かたじけない」

一刀

「では……お世話になります」

??

「朱里、包帯を巻いてあげて」

??

「はい。水鏡先生」少女が指示通りに包帯を巻いている中、女主人は自己紹介する。

水鏡

「私は司馬徽(しばき)。水鏡と号しております。そしてこちらが……」

孔明

「私は諸葛亮、字を孔明と言います」少女も自己紹介を済ませると、幸太も愛紗と鈴々に名のる。

幸太

「改めまして、俺は野原。一刀さんや忍さん同様にこの世界にやってきて、今は水鏡先生にお世話になってます」

「野原って……お母さんの姓じゃなかったかしら?」

幸太

「親父の苗字だと変な因縁かけられそうだったので、母の旧姓を使う事にしました」

一刀

「確かに『神』を名のったら、ややこしくなりかねないな」そうこうしている内に包帯を巻き終えた孔明がフーッと息をつく。

水鏡

「あら、上手に巻けたわね」

孔明

「はい。先生みたいに上手になりたくて、いっぱい練習しましたから」

水鏡

「そう。偉いわね」水鏡が孔明の頭を優しく撫でる。愛紗と鈴々はその光景を微笑ましく見ていたが

一刀

(今度は諸葛孔明か……)

(いよいよ三国志っぽくなってきたわね)最早恒例といってもおかしくない、内緒話をヒソヒソと交わしていた。

幸太

「2人して、何コソコソ話してんすか?」生憎『三国志』の知識がない幸太がキョトンとした顔で2人を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




アニメとの違い
・星はメンマを取られて最後まで膨れっ面のまま→一刀と忍の説得で一応、機嫌を直す
・『キリがない』とダジャレをかますのは愛紗→忍
・屋敷まで愛紗を鈴々がおぶっていく→一刀がお姫様抱っこで連れていく。
・水鏡と孔明は突然の怪我人の訪問に驚く→幸太から事前に聞かされていたのですぐに対応。

オリキャラ⑥
・野原幸太(本名、神幸太)
フランチェスカ学園初等部の2年生。
『音声』の能力の影響で、異常に聴覚が鋭い。他のキャラと違い、まだ8才なので能力が暴走する恐れもある。その為普段は耳栓をしている。噂では『ゲッターロボ』の神隼人の息子で、且つ『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけの従兄らしい。
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