病院にある足を骨折した時、吊るす台……あれの名前どなたかご存じですか?知っていたら書き直すので、教えて下さい。
※上記の件は既に修正しました。
以前、感想返信で予告したモメ事まで進みませんでした……次回に持ち込みますのでご了承下さい。
それから10数分後、寝間着に着替えさせられ、足を木製の台に……現代でいうブランカ台に固定されて吊るされた状態にされた愛紗がいた。
愛紗
「水鏡殿。手当てしていただいたのはありがたいが、何もここまでしなくても……」
水鏡
「何を言ってるんですか。骨が折れていなかったのが幸運なぐらいなんですよ。動かさないようにしないと」
愛紗
「はぁ。しかしこれでは厠にも……」
鈴々
「大丈夫。厠に行きたくなったら、鈴々がおぶって行ってあげるのだ」
孔明
「あら?そんな事しなくても、ちゃんとこれがありますから」孔明は寝台の下から"おまる"を取り出す。
愛紗
「ええっ!?」
孔明
「催したくなったら遠慮なく、声をかけて下さいね」
愛紗
「いやぁ……それはちょっと」思わず苦笑する愛紗。そのおまるの中でゴソゴソ、何かが蠢いている。
忍
「それ……何が入ってるの?」
一刀
「まさか生き物じゃ……」恐る恐る尋ねる2人に、孔明はあっけらかんと答える。
孔明
「
幸太
「つまりスライムっすよ」幸太から聞かされて2人は珍しく気があった。
一刀
「この世界のスライムって、そんな風に利用されてるんだ。可哀想になってきた」
忍
「なんか不敏だわ。スライムに感情があるかどうかは分からないけど……」一方で鈴々はそんな2人など気にもしないで、頬を膨らませて孔明を睨んでいた。
そして日は暮れて、夕食の時間になる。愛紗も鈴々の肩に体を預けて、みんなと同じ食卓につく。テーブルには餃子や春巻き等、豪華なメニューが並んでいた。
愛紗
「おぉー。これは美味そうだ」
幸太
「今夜はまた豪勢だなぁ」
孔明
「今日は人数が多いから、つい張り切っちゃって……」
水鏡
「今日の夕食は朱里が作ったんですよ」
愛紗
「ほう、孔明殿は料理も出来るのか」
孔明
「お口に合えば良いんですけど」
水鏡
「さぁ。ではいただきましょう」
全員
「「「「いただきます!(なのだ!)」」」」
早速、思い思いの料理に箸を伸ばし口へ運ぶ4人。
愛紗
「美味ーい」
鈴々
「美味しいのだ!」
一刀
「うん。美味い」
忍
「美味しいわね」客人みんなの口に合ったようで、朱里は安堵の笑顔を見せる。
孔明
「良かったぁ」その間、小学生ながら未来チームで一番の健啖である幸太は、食事中一言も発せず、物凄い勢いで次々に皿を空にしている。
忍
「普通、こういう時の擬音って『ガツガツ』なんでしょうけど、こいつの場合は『ゴゴゴゴ』ね」
一刀
「台風レベルかよ……」
幸太
「ングッ!」食事がつかえて、胸を叩きつつ、一気に水を飲む幸太に呆れ顔になる一刀と忍。
一刀
「なんか……すみません」
忍
「そんなにかっ込まなくても料理は逃げないわよ」幸太に説教する忍と水鏡に詫びる一刀。それを受けて苦笑する水鏡。
愛紗
「しかしその年齢でちゃんとした料理が出来るとは。それに比べて、鈴々は食べるばっかりで……」幸太にも負けぬ勢いで料理をかっ込む鈴々に、情けないと言いたそうなジト目を向ける。
鈴々
「む。鈴々だって料理ぐらい出来るのだ」
愛紗
「ほう。ではどんな料理が出来るというのだ?」
鈴々
「お、おむすびとか……おにぎりとか」
幸太
「どっちも一緒じゃん」幸太が鈴々に突っ込みを入れると、他のみんながクスクス笑いだす。
鈴々
「何でだ?みんなどうして笑うのだ?」鈴々は顔を赤くしながら、半ばヤケクソ気味にご飯を頬張る。それがまたみんなの笑いを誘うのだった。
夕食を終えて寝る時間まで雑談でもしようという事になり、一刀、忍、愛紗も鈴々に支えられて部屋に集まる。しばらく話をしてから愛紗は寝台に再び横になると、星空を眺めて呟く。
愛紗
「星の奴、無事ならば良いのだが……」
忍
「あの娘なら大丈夫よ、きっと」
一刀
「今は無事だと信じていよう」それぞれが友の身を案じていると、
鈴々
「久し振りのお風呂、気持ち良かったのだ~」風呂上がりの鈴々が肌着にパンツ一丁という姿で、頭をタオルで拭きながら部屋に入ってきた。
愛紗
「こら鈴々。そんな格好でいるんじゃない。風邪を引くぞ」
忍
「アンタねぇ……あちしや一刀もいるのよ。みっともないでしょ?」そこに盥を抱えた孔明が部屋に入ろうとする。
孔明
「失礼します。関羽さん、体をお拭きしますね」
忍
「孔明ちゃん、それ重そうね……一刀」
一刀
「おう」孔明の両脇に立つと盥を持つのを手伝って、愛紗の側まで運ぶ2人。
一刀
「じゃあ愛紗、鈴々、俺達はこれで」男子2人は別の部屋に引き上げていく。
愛紗
「何から何まで世話になるな」
孔明
「いいえ、困った時はお互い様ですから。さあ、服を脱いで下さい」お湯に浸けて絞ったタオルを持った手を伸ばすと
愛
「あ、だがその前に……」
孔明
「ん?」
愛紗
「だからその……いわゆる一つの生理現象というか、何というか……」
孔明
「ああ。これですね」孔明は再びおまるを取り出す。
愛紗
「イヤ、お気遣いはありがたいが、それはちょっと……」
孔明
「あっ、ひょっとして大きい方ですか?」
愛紗
「い、イヤ、そうじゃなくて……鈴々!」
鈴々
「合点承知なのだ!」流石におまるは使いたくない愛紗は、厠まで鈴々におぶってもらおうとする。
愛紗
「頼むぞ」
鈴々
「お任せなのだ!」孔明はそれを制する。
孔明
「あの、それでしたら……」一旦踵を返した孔明が持ってきたのは木造の車椅子。
愛紗
「ほう。これは……」
孔明
「私が造ったんです。足を怪我していても、移動出来るようにって」
愛紗
「これは便利だ♪」愛紗を乗せた車椅子を押して厠へ連れていく孔明。その様子を面白くないといった顔で見送る鈴々。尚、余談だが我らの世界の『三国志演義』にも怪我をしたのか、病気で足を悪くしたのかは不明だが、諸葛孔明が車椅子に乗っている描写が書かれている。
一刀と忍はいつも幸太が使っている部屋で寝る事になったのだが、そこは10畳ほどの広さがあって子供1人には勿体ないように思われた。
忍
「ちょっとアンタ、随分身分不相応な暮らししてんじゃない?」
一刀
「子供には贅沢すぎるな」
幸太
「単に使われていなかった部屋をあてがわれただけなんすけど……」
一刀
「まあ良いや。今夜はもう寝よう」
忍
「そうしましょ」
幸太
「お休みなさいっす」
翌日の朝。東屋で孔明から論語を学んでいる幸太。
孔明
「『
幸太
「え~と、子がのたうち回って転ばされたら……」
孔明
「違うってば。『孔子は仰った、古き良き教えを守り、実践するのは喜びである』っていう意味だよ。ちゃんと覚えてね」その様子を母屋の窓から、愛紗は水鏡と、足の治療を受けながら微笑ましく、忍は若干呆れながら見つめていた。因みに鈴々は屋根の上で昼寝中、一刀は宿代の代わりに奥で薪割りをしている。
忍
「何で耳はいいくせに、聞いた言葉を間違うのよ……」
愛紗
「不得手な事には力を充分発揮出来ないのだろう。鈴々と一緒だ。しかし水鏡殿。孔明殿は良い子ですね、素直で賢くて学問が好きで、ちゃんとお手伝いもするし」
水鏡
「鈴々ちゃんだって良い子じゃありませんか」
愛紗
「いえ。鈴々は全然」
水鏡
「元気があって、明るくて私は大好き。そして何よりとっても……」
忍
「水鏡さん。先に言っとくけど、親子じゃないわよ」
水鏡
「え、違うんですか?」
愛紗
「ち、違います!鈴々は私と一刀殿か忍殿の二人の内、どちらかとの間に生まれた子ではなく、姉妹!それも義理のというか!ナゼそんな勘違いを!?そもそも私はまだ子供が出来るような行為は一度も……!」パニクりながら一気に捲し立てて説明する愛紗を忍と水鏡は必死に宥める。
水鏡
「わ、分かりました。分かりましたから、とにかく落ち着いて」
忍
「そこまで取り乱す事でもないでしょ?」
一息吐いたところで、水鏡は気取られないように孔明に視線を向けると、昔話を始める。
水鏡
「あの子は幼い頃に両親を亡くし、姉妹揃って親戚の間をたらい回しにされている内に、姉や妹とも別れ別れに……その後、しばらくは私の師匠に当たる人の所にいたのですが結局、私が預かる事になったのです」
愛紗
「そうだったのですか……」
水鏡
「関羽さんが仰って下さったように、あの子は本当に良い子。聞き分けが良くて、私の所に来てからも我が儘など一言も言った事なくて。しかし私にはそれが辛い境遇を生きる内に知らずに身に付いてしまった悲しい性に思える時が……」
忍
「幸太と環境が似てるわね。孔明ちゃんよりは随分マシだけど」
水鏡
「そうなのですか?」
忍
「ええ。国自体が戦を拒否していたにも関わらず、傭兵にしようと父親から過剰な訓練を強いられていたそうよ。まあ、だからこそあの年齢で強くなったんでしょうけど。その父親に母方の伯父さんが激怒して幸太を引き取ったの。野原姓を名乗ってるのはその辺りにも原因があるかもしれないわね」未だ幼い身でありながら、辛い目に遭ってきたという2人を眺める愛紗は、それ以上は言葉が出てこなかった。
アニメとの違い
・おまるに泥粘虫(スライム)が入っている。この呼び名は作者オリジナル。実際の中国語とは違います。
・孔明は論語を音読→幸太に論語を教える。
・水鏡は愛紗を鈴々の母親だと思っていた→更に一刀か忍のどっちかが父親だと誤解。作者には愛紗がそれほど老けてみえないのですが(^_^;)