新説・恋姫†無双~一刀と愉快な?仲間達~   作:越後屋大輔

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オリパートを考えるのが、楽しいながらもしんどい……。


第二十一席華蝶仮面、登場のこと

 少年と話しているのは借金取りらしい。それも今でいう、闇金業者であるのは明白である。しかし金融法など存在しないこちらではそんなのはどうにでもなる。

借金取りB

「小僧、借金ってのは利子がつくんだよ」

借金取りA

「ホレ。証文もこの通り」懐から証文をちらつかせる借金取り。少年は奪おうとするがもう1人の巨漢、借金取りCに取り押さえられる。この3人、よく見ると董卓を襲った盗賊や赤銅山にいた山賊にソックリなのだが、これも恋姫無双世界におけるお約束である。

借金取りA

「おい、ちょっと痛い目見せてやれ」

鈴々

「そこまでなのだ!」見るに耐えなかった我らが一行と馬超、許緒は3人組と少年の間に入る。

鈴々

「ちょっと待つのだ!」

借金取りB

「何だ、手前ぇらは!?」

許緒

「通りすがりの大食い修行者だ!」

馬超

「イヤ、それお前だけだから……」

借金取りA

「大食いだかアリクイだが知らねえが、怪我しねえ内に帰りな!」

借金取りB

「そうだ。さっさと失せろチビ共が!」

鈴々

「チビって誰の事なのだ!?」

借金取りC

「誰って、そりゃオメェとオメェとオメェと……これ」少年を捕らえたままの借金取りCが鈴々、許緒、幸太、借金取りBを指差す。

借金取りB

「俺は入れなくて良いんだよ!」

借金取りC

「そうなのか?」

鈴々

「ヤーイ、墓穴掘ったのだぁー」

借金取りB

「うっせえチビ!」やり返す鈴々だが、その傍らで許緒が目の回りを黒くして、ワナワナ震えている。それは恐怖ではなく、怒りから来る震えだった。

許緒

「またチビって言った……」

借金取りB

「い、言ったら何だってんだよ」自らも小柄な借金取りBが怯みながらも、虚勢を張って言い返す。

許緒

「ぶっ潰す!」と言うが早いか、懐から『岩打無反魔(いわだむはんま)』という得物を取り出す。これは刺のついた巨大な鉄球をけん玉状にしたモノで、直径は許緒の身長ぐらいある。これをどうやって懐に入れていたのか、謎である。

借金取りABC

「「「そんなモン、どっから出したー!」」」

一刀・忍・幸太

「「「……同感」」」

許緒

「てぇーいっ!」許緒が叩きつけた鉄球は借金取りの数センチ手前の地面に思いっきり、めり込む。その衝撃で、周りの建物が幾つか破壊された。その許緒は、どす黒いオーラでも放ちそうな怖い目になっている。

借金取りABC

「ヒィエェ~!化け物だぁー!」スタコラサッサと逃げていく借金取りトリオ。幸いにもこの場所は裏通りで、壊れた建物も使われてなかった為、被害は岩打無反魔のめり込んだ地面だけで済んだ。

鈴々

「明後日来やがれなのだっ!」

馬超

「それを言うなら『一昨日きやがれ』だろ?」

「ホントに明後日来たらどうすんのよ?」

幸太

「まぁそうしたら、俺達が追っ払うけど」

 

 一刀達は少年を家に送っていきながら詳しく事情を聞いた。やはりさっきの3人は悪質な金貸しだったらしい。

少年

「あいつらホントにズルいんだ。借りた分はちゃんと返したハズなのに、いつの間にか変な証文作ってて……『まだ利子が残ってる。それが返せないなら、姉ちゃんを借金の形によこせ』って……」

馬超

「何と非道なっ!」

許緒

「クッソー!そうと知ってりゃマジでペチャンコにしてやったのに!」

鈴々

「全くなのだ!」

愛紗

「うむ。恐らく連中はまた来るだろうな」

一刀

「明日の朝、改めて君の家を訪ねるよ。その時対策を練ろう」

「向こうは3人、こっちは8人。余裕で勝てるわよ」

朱里

「私、腕には自信ないんですけど……」

幸太

「その分、朱里は頭を使えば良いだろ」少年と共に日の暮れかけた道をいく一行。途中、黒い外套で身体を覆った女とすれ違ったのも気づかずに……。

 

少年

「姉ちゃんただいま」少年が家の戸を開けると、美しい女性が1人で薬草を潰して薬を作っていた。少年の姉である。

女性

「お帰りなさいっ、あ……その方達は?」

少年と一行は街の裏通りで起きた出来事を説明する。

女性

「まぁそうだったんですか。弟が危ないところを助けていただいて、本当にありがとうございます」女性は一刀達に頭を下げて例を述べる。

少年

「姉ちゃん。この人達、旅の途中なんだって。お礼に家に泊まってもらおうよ」

馬超

「気持ちはありがたいが、もう宿を取ってあるから」

愛紗

「我らはこれで失礼する」立ち上がろうとした愛紗を少年が引き留める。

少年

「で、でももしあいつらが夜中にやって来たら……」

一刀

「それじゃ遠慮なく……痛てぇっ」エロ根性丸出しにして、愛紗に背中をつねられる一刀。

愛紗

(もう!美人を見るとすぐ鼻の下を伸ばすんだからっ(怒))

許緒

「じゃボクがお世話になるよ。宿はまだ決めてなかったし」

「それなら安心ね。さ、一刀。愛紗ちゃんがぶちギレる前に帰るわよ」

一刀

「……分かったああ……勿体ない

「気持ちは分かるわよ……あちしだってホントは残りたいのよ

鈴々

「二人共、美人には弱いのだなー」

幸太

「腹の足しにもならんのに……」

朱里

「こっちはこっちで問題あるかも……」許緒を残して、一行は街に戻っていった。

 

 翌日の朝。男子3名を留守番に残して、愛紗達は再び姉弟の家を訪ねた。朱里が姉と一緒に朝食作っていると、許緒と山登りに行っていた少年が戻ってきて、嬉しそうに姉へ報告する。

少年

「姉ちゃん、この人スゲェんだ。初めて入った山なのにキノコとか山菜とか次々見つけ出してきて!」少年は許緒に尊敬の眼差しを向けながら話す。その言葉通り、許緒と少年が持ち帰った籠には山の幸がてんこ盛りだった。

許緒

「山で食材を確保するのは、大食い修行の基本だからなっ」

朱里

「そ、そうなんですか……」自慢気な許緒に思わず苦笑いする朱里。

 一方、借金取りがいつ来るかも分かない状況ながら、愛紗と馬超、鈴々はそれぞれの得物で手合わせをしていた。そこに……

鈴々

「お前ら何しに来たのだ!」鈴々の怒号に許緒も飛び出してきた。朱里と姉弟は家の中で縮こまっている。

借金取りABC

「「「へへへへ」」」昨日の3人が相変わらずの下卑た笑みを浮かべて現れた。

借金取りA

「へっ、やっぱりここに居やがったか」

借金取りB

「昨日は世話になったなぁ」

許緒

「またぶちのめされに来たのかぁ?言っとくけど、今度は手加減しないぞ」

借金取りA

「おぉっと、今日の相手は俺達じゃねぇんだ。先生、お願ぇしやす」借金取りAが脇に逸れると、その影から髪を後で一まとめにして、下着代わりにさらしを巻いた、下駄履きの女が徳利の酒をラッパ呑みしながら現れた。その手には、飛竜偃月刀が握られている。

??

「何や、ごっつ強い奴らと()らせてくれるっちゅうから小遣い銭で用心棒を引き受けたんに、相手はガキかいな?」

鈴々

「ガキとは何なのだ!ガキとは!」

許緒

「そうだ!張飛はともかくボクはガキじゃないぞ!」

鈴々

「ちょっと待つのだ!それってどういういみなのだ!?」許緒に向き直り苦言を呈する鈴々を馬超と愛紗が宥める。

馬超

「……おい。仲間割れしている場合じゃないだろ?」

愛紗

「鈴々。それは後回しだ!……今は目の前の相手を倒すぞ」

鈴々

「そうだったのだ!」

??

「ふははっは。おもろい子らやなぁ」女は笑いながら再び酒を一口呑むと、徳利を借金取りAに渡す。

??

「これ預かっといて。まだ残っとるから、落としなや」

借金取りA

「へ、へい……」女は下駄を鳴らしながら一行に近づいて名乗る。

張遼

「ウチん名は張遼。昨日までは旅から旅への風来坊で、今日は日銭稼ぎの用心棒や。あんたらに恨みはないけど、これも仕事やさかい、ちょい痛い目に()うてもらうで」

鈴々

「はんっ!痛い目に遭うのはお前の方なのだ!」

張遼

「その意気や……そんぐらいでないと、おもろない」鈴々の怒号を神妙に受け取ったように見えた次の瞬間、張遼は目を見開いて、得物を構える。

張遼

「一匹ずつ相手にするんは面倒や。いっぺんにかかってきぃ!」

許緒

「てぇぇぇい!」許緒が再び岩打無反魔を降り下ろす。借金取りトリオは慌ててそこから逃げだした。

張遼

「……って、どっからこないなモン出して(苦笑)」と、突っ込みかけた張遼に鈴々が蛇矛で攻める。

鈴々

「うりゃうりゃうりゃー!」

張遼

「突っ込み入れさせん気かいっ!」蛇矛を偃月刀で弾き返す張遼。しかし今度は馬超が飛びかかってくる。

馬超

「だぁぁぁーっ!」

張遼

「くっ!」しばらく打ち合う2人に、愛紗も割って入る。

愛紗

「この関雲長、悪党の金に雇われるような輩には負けんぞ!」

張遼

「あんたの得物も偃月刀か。こりゃおもろいなあ」4人がかりにも関わらず、まだ余裕がありそうな張遼。許緒の反魔をジャンプして躱すとほくそ笑みながら挑発する。

張遼

「ええで、ええで。ガキやと思うたけど、お前ら四人共ええ腕しとるわ(酒代目当てに引き受けた仕事やったけど、久し振りに血ぃ滾ってきおったわ)」

鈴々

「くっそーっ、何なのだこいつ」

許緒

「四対一なのに……」

馬超

「闘いを……楽しんでやがる」その時、

女性

「キャーッ」姉の叫ぶ声の方に全員が振り向くと、逃げ失せたハズの借金取りトリオが姉弟を拘束していた。姉は借金取りCに取り押さえられて、弟は借金取りBに刃物を突きつけられている。

借金取りA

「へぇへへっへー、勝負あったな」

借金取りB

「オイ武器を捨てろ。でないとこのガキの命はねえぞ」

馬超

「くっ!卑怯な!」だが意外な人物の邪魔が入る。

張遼

「ちょい待ちぃ。何のつもりや!」

借金取りB

「何のつもりって……?」

張遼

「これからおもろなってくるところへ、水指してぇ。どういうつもりかって聞いてんや!」

借金取りB

「……や、でも……」オロオロする借金取りB。

借金取りA

「先生。あんたにゃ悪ぃが、こっちはこっちの都合があるんでな。さあお前ら、さっさと武器を……」借金取りAが言いかけると、屋根の上に外套を纏った人間が、加えていた長いつまようじを吹き飛ばし借金取りBの武器を持っていた手の甲に刺さる。

借金取りB

「痛ぇーっ!」愛紗達がポカーンと見ている間に借金取りB、Cをぶちのめし、姉弟を抱えて再び屋根の上に飛び上がる。

借金取りA

「何だ手前ぇは!?」

借金取りB

「顔を見せやがれ!」借金取りの怒号に対し、外套人間はクールな様子で答える。

??

「乱世を正す為、地上に舞い降りた一匹の蝶……」ここで外套を脱ぎ捨てた、その中から現れたのは……

華蝶仮面

「美と正義の使者、華蝶仮面。推参!」華麗に参上した仮面姿の女性。だが……

馬超

(あれって趙雲だよな?)

愛紗

(何をやってるんだ、星……)本人は変装した気でいるらしいが、どう見ても仮面を付けただけの星だった。

華蝶仮面

「愛紗、鈴々、馬超。久し振りだな」

鈴々

「?」

許緒

「あいつ、お前らの知り合いか?」許緒に問われ、愛紗と馬超は適当に誤魔化す。

愛紗

「いやあ。知り合いというか……」

馬超

「何というか、その……」

鈴々

「あんな変な奴、知らないのだ!」

愛紗

「鈴々!?」

鈴々

「おい!どこで鈴々の名を知ったのか知らないけど、お前みたいなヘンテコリンな奴に知り合い面されたら迷惑なのだーっ!」華蝶仮面の正体に全く気づかず罵声を飛ばす鈴々。額に青筋を浮かべる華蝶仮面。背に炎のオーラが舞っているようだった。

馬超

(怒っている……あれは明らかに怒っているな)苦笑いしか出来ない馬超。

愛紗

(素直に正体を現せば良いモノを)呆れ返る愛紗。

借金取りA

「おい!華蝶だかガチョーンだか知らねえが、下りてきやがれ!」

華蝶仮面

「下りてやっても良いが、そうなると……うん?」妙な雰囲気を感じた華蝶仮面が空を見上げると、そこには巨大な蟹が飛行しながら街を目指して進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




前作では書くきっかけが掴めなかった華蝶仮面。今回やっと書けました。それと前作の続きというか、外伝をその内書くかもです。期待しないで下さい。

アニメとの違い
・宿を決めてない馬超、鈴々、許緒が姉弟の家に泊まる→既に宿を取っていて、翌朝やって来る
・愛紗と朱里は鈴々とは別行動。姉弟と許緒には会ってすらいない→一緒に行動
・馬超は薪割り、鈴々は屋根の上で昼寝→愛紗を含めた3人で武術の手合わせ
・許緒の発言に苦笑いするのは馬超→朱里
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