新説・恋姫†無双~一刀と愉快な?仲間達~   作:越後屋大輔

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短いですがキリがいいので。今回は7割ぐらいオリジナルストーリーです。
エロ描写書くのは本来、あまり好きじゃないんですけどね。因みに他人が書いたのを読むのは好きです。
!Σ( ̄□ ̄;)


第二十二席巨大蟹、やらかすのこと

愛紗

「何だアレは!?」巨大な蟹は時折泡を吹きつつ空を駆けながらゆっくり街の方へ進んでいる。蟹が落としていった泡は霰の( あられ )如く地上に落ちてきた。

馬超

「うわっ、何だコレ!?」

許緒

「アレ?痛くない」泡なのだから当然身体に当たっても怪我はしない。だが……

朱里

「キャーッ!」身体についた泡は服をみるみる溶かしていく。その場にいた全員、あっという間に素っ裸にされてしまった。

愛紗

「な、何なんだ一体!?」

馬超

「み、見るなぁ~!」慌てて自らの身体を抱える愛紗達。

張遼

「あんのエロ蟹!絶対いてこましたる!」

鈴々

「キャハハハ。みんな丸裸なのだ!」自分も素っ裸なのにも関わらず、鈴々はこの有り様に爆笑していた。

 

 さて、おいてけぼりを食らった一刀と忍は路銀稼ぎの為に日雇いのバイトに出掛け、1人宿に残った幸太は姉弟の家の方角へ聞き耳を立てて様子を窺っていた。

幸太

「化け蟹か。今からあの家に行っても俺の足じゃ間に合わないな……役所に訴えぐらいはした方が良いかな?」情報が届いてないのだろう、街はノホホンといつも通りの日常を過ごしている。その内にバイトを終えた一刀達が帰ってきた。

一刀

「泡で服を溶かす巨大蟹?」

幸太

「ええ。あの家の上空を通り過ぎて今ここへ向かって来てるっす」

「それは大変ね。それじゃあちしは着るモノを届けに行くわ❤」

一刀

「イヤ、俺が行く。お前だけに良い思いはさせん!」

「ナニよ……?こんなおいしい事、アンタに譲る訳ないでしょ?」スケベ心を剥き出しにして、目から火花を散らし合う2人にため息を吐く幸太。

幸太

「何でメシの種にもならん事で争うかなぁ?」まだ8才の幸太。やはり、色気より食い気である。

 

 とりあえず街から出て、巨大蟹を迎え撃つ事にした3人。一刀は幸太を肩車して高速で走り、忍は隼に( はやぶさ )変身して蟹のいる方角へ急いだ。

幸太

「ん?」

一刀

「どうした幸太?」何かの音が聞こえたらしく、訝しげな顔をする幸太。

幸太

「上空からこの世界にはあり得ない音がします。ジェット機みたいな……段々こっちに近づいてるっすね」

一刀

「確かに……待てよ、ジェット機みたいって!」

「あいつね、きっと。これで何人目だったかしら?」

一刀

「俺とお前を合わせて6人だな」

幸太

「あ……音が遠ざかってくっす。化け蟹に向かっていってます」

 

 愛紗達は姉弟に頼んで近所の家々から服を借りてきてもらい、こちらも巨大蟹を追いかけていた。

張遼

「勝負は一時お預けや。一緒にあのエロ蟹始末しようやんけ」

愛紗

「うむ」

馬超

「関羽、あれ!」

愛紗

「ん……何だアレは!?」愛紗が上空を見上げると、物凄いスピードで巨大蟹に突進していく1つの人影が見えた。

鈴々

「人が空を飛んでいるのだ!」

張遼

「そないな訳あるかい……ってウソやろ!?」鈴々に突っ込みを入れようとした張遼も空を見て唖然とする。

愛紗

「忍か?」

朱里

「イエ、藤崎さんなら鳥や蝙蝠なんかに変身しているハズです」

馬超

「じゃあバラバラになっていたとかいう、あいつらの仲間の一人か?」

朱里

「……恐らく」と、彼女達が話している間に空飛ぶ人間は巨大蟹に体当たりした。その巨体に火がついたと思ったら一瞬で燃え尽きて、消し炭と化して地上に落ちる巨大蟹。

 

 その男が地上を見下ろして人気のない場所を見つけて、その上に降り立つと忍がやってきて、この人物と合流した。

「アンタもこの世界にいたのね。理人」彼こそ6人目のメンバー、伍代理人(ごだいりひと)だった。

理人

「忍か。ここで仲間に再会出来るとはな」

「あちしだけじゃないわ。一刀や幸太も一緒よ。後、関羽や張飛、諸葛孔明と共に旅をしているのよ」

理人

「そうか。じゃあここはやっぱり過去の世界か?」

「厳密に言えば違うわね。過去の世界によく似ていて非なる世界よ」

理人

「そうか。俺もお前らに加わりたいが良いか?」

「構わないわ。とりあえず一刀達と合流しましょ」

 

 さて巨大蟹に裸にされたのは、なにも女性だけとは限らない。あの借金取りトリオもまた、衣服を全て溶かされていた。(そんなモン想像したくないという人、まぁまぁ落ち着いて)しかし、日頃の行いが悪いせいか、連中に服を貸す人などどこにもいなかった。局部を押さえ、素っ裸のまま茫然としていると、地上から巨大蟹の最後を見届けた後、一旦姉弟の家に戻ってきた愛紗達に遭遇した。

張遼

「さてお前ら……(怒)人質取るなんてド汚い真似して、ようもウチの楽しみを邪魔してくれたな‼」怒り心頭で借金取りトリオを睨み付ける張遼。更に後ろから許緒の振り回す反魔が、連中に襲いかかる。

許緒

「今度こそペシャンコにしてやるぅーっ!」青くなる借金取りトリオ。だが、鉄球は張遼の偃月刀に弾かれた。

許緒

「何で邪魔するんだ!」

張遼

「金で雇われた身とはいえ、一応はウチもこいつらの身内や。身内の不始末は身内でケリつける」そう告げると借金取りトリオの目の前へ進んでいく張遼。

張遼

「オイ!借金の証文出しぃ」みっともない姿の借金取りAだったが、証文はしっかり確保していた。巨大蟹の泡も紙類を溶かす事は出来なかったようだ。力なく証文を張遼に差し出す。

張遼

「しっかり持っときや……」

借金取りA

「は、はい……」張遼の偃月刀が一閃、証文はバラバラに切り刻まれた。情けない声を上げる借金取りトリオ。

借金取りABC

「「「ハァ~っ!」」」

張遼

「ええか?今後一切、あの姉弟に近づくんやないで……分かったか!

借金取りABC

「「「は、はい!」」」

張遼

「ほなら、とっとと行け!」

借金取りABC

「「「失礼しまーす!」」」勢いよくその場を去っていく借金取りトリオ。

馬超

「……やれやれ」

鈴々

「めでたしめでたしなのだ」そこに一刀達もやってきて、一行が全員揃った。

馬超

「あっ、お前はさっき蟹に突進した……」

理人

「伍代だ。一刀達同様、異世界から来た。能力は『炎』。(  イグニス  )火力で空を飛んだり、火種なしで大抵の物を燃やせる」

鈴々

「怖い能力なのだ……」

朱里

「それをいったら、皆さんそうですけど……」

一刀

「そういう訳で、こいつもこれから旅の仲間にしたいんだけど良いかな?」

愛紗

「構わんぞ」

朱里

「私もです」

鈴々

「旅は道連れ、世は……えっと世は……?」

幸太

「世はナッシング、だ」

鈴々

「それなのだ!」

愛紗

「違うだろ!」

一刀

「鈴々。ナッシングって無”って意味だからな」

朱里

「世がなくなってどうするの?(呆)」

「孔明ちゃん、突っ込みが甘いわよ」いつも通りの馬鹿話を始める一行。

許緒

「お前ら旅芸人一座か?」

馬超

「相変わらずだなあ……」

理一

「まぁ、一刀も忍も昔っからこんな感じだったし……」苦笑いする馬超と理人。

 張遼はその輪に入らず、借金取りトリオが落としていった徳利を拾い、中が空っぽなのに気づくと残念そうな顔であ~あとため息を吐いた。

張遼

「ほんなら、ウチも消えるとするか……」偃月刀を担ぎ、その場から立ち去っていく張遼。

馬超

「お前、これからどうするんだ?」馬超の問いに張遼は背を向けたまま答える。

張遼

「さぁて……風の向くまま、気の向くまま。これまで通りの風来坊や」心なしか、少し寂しそうな背中を全員で見送った。

鈴々

「何か変わった奴なのだ」

許緒

「変わった奴といえば、あの妙な仮面野郎は……いない」許緒は屋根を見上げたが、そこには姉弟がいるだけで、星もとい……華蝶仮面の姿はどこにもなかった。

鈴々

「う~ん、最初から最後まで怪しい奴なのだ……」

馬超

(張飛の奴、ホントに気づいてないんだ……)鈴々のアホッ娘ぶりに顔をひきつらせる馬超。

「仮面がどうかしたの?」

愛紗

「一刀、忍。お主達には後で説明する」疲れきった表情でそう伝える愛紗。

 

 翌日、姉弟に別れを告げて旅を続ける一行。

馬超

「許緒。お前はこれからどこへ行くんだ?」

許緒

「とりあえず洛陽かな。そこならきっと、もっと規模の大きな大食い大会があると思うし……」

馬超

「そうか。だとするとこの先でお別れだな」そして一行は許緒と、その後馬超とも道を分かつものの、新たな仲間を得た。

 

 同じ頃。湖のほとりにて、星はさっきまで着けていた蝶の仮面を外してしげしげと眺めながら不満そうに呟いた。

「格好いいと思うんだけどなぁ……」

 

 さて、次に訪れる場所では何が起こるのか。それは次回の講釈で。

 

 

 

 

 




アニメとの違い
・巨大蟹関連全て
・姉弟と別れてから愛紗が鈴々を迎えに来て仲直り→始めから喧嘩してないのでこの辺りは全部カット。
そういえば私、最初許緒の武器を「岩打無反魔(がんだむはんま)」と読んでました。
σ(^_^;)?
オリキャラ⑦
・伍代理人
紅毛の長髪が特徴。作者の別作品に登場した。「ボンクレーが~」にも『光とけいおん!編』に端役で登場している。尚、元々は高坂賢よりも長身の設定だったが、今回は一刀と賢の間ぐらいの身長としておきます。

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