尚香
「ちょっと!変な言いがかりは止めてよね!」尚香と茶店主人が何やら
尚香
「何よ、このシャオ様がつまらない盗みなんてする訳ないじゃない!」
茶店主人
「この前食い逃げしておいてナニ抜かしてるだ!だから今度もお前ぇが犯人に
尚香
「分かったわよ!そんなに言うなら、盗んだモノ持ってるかどうか、裸にでもして調べたら良いじゃない!」
茶店主人
「なに!?」尚香は上から服を脱ぎ始めた。あばら家の隙間から覗いていた見張りBはその光景に目が離せなくなる。
尚香
「どう、これで良い?」赤い顔で上半身下着だけになったが、事前に打ち合わせたOKの合図がまだされてない。
茶店主人
「ま、まだだ。まだ下が残っている!」とは言いつつも、茶店の主人は恥ずかしそうに顔を染めながら演技を続ける。
尚香
「分かったわよ!」スカートも脱いで、あられもない姿を晒す。
尚香
「さあ、これで分かったでしょ!(ちょっとまだなの~?流石にこれ以上は脱げないわよ……)」
見張りB
「ちょっとちょっと!面白い事になってますぜ(喜)」この様子をずっと覗いていた見張りBは仲間に手招きする。
見張りA・C
「「おぉぉぉぉっ!」」見張り3名が下着姿の尚香に鼻の下を伸ばしている頃、あばら家の隣に立っている木には愛紗、その下に沙弥と一戒、入り口に一刀達、茶店の中では朱里が、見張り共に見えない位置で様子をずっと窺っている。
朱里
(……引き付け成功。一……、二……、三……今です!)朱里の合図で一斉にあばら家へ突撃する。窓ガラスを突き破って、見張り達の前に姿を現せた愛紗。鈴々と沙弥・一戒コンビ、未来チームは正面切ってあばら家に押し込んだ。
見張りA
「な、何だ手前ぇは!?」
愛紗
「いつもならここで名乗りを上げるところだが……貴様らのような卑劣な輩に聞かせる名などない!」今回は見張り達にいつもの偃月刀ではなく、短剣を突きつけて激昂する愛紗。
見張りB
「何だと!」
見張りC
「ふざけるな!」
見張りA
「やっちまえ!」見張り役達も似たような短剣で襲いかかるが、呆気なく倒される。
1階では人拐い一味と鈴々達が混戦を繰り広げていた。連中は鈴々の無双っぷりや沙弥と一戒の意外な活躍に敵わないと見るや、魔獣をけしかけてきた。
一戒
「こんなん、ワイらの手には負えないでまんねん!」
一刀
「後は任せろ!」
鈴々
「任せるのだ!二人も退くのだ!」
沙弥
「逃げましょ逃げましょ。スタコラサッサとな」ここからは未来チームの独壇場となった。
幸太
「ヴォイス・ソリッド!」幸太の放った咆哮がガトリング銃の弾丸のようになり、ゴブリンの頭を打ち砕く。
一刀
「妖魔滅破斬!」すれ違った一瞬、一刀の日本刀が生き残りのゴブリンを首を切り落とす。
理人
「炎龍波!」理人の腕から放たれた炎が龍の如くうねり、ブラッディーウルフを呑み込んでいく。哀れ狼達は骨も残らず、消し炭にされた。
人拐い達
「「ヒィィィィィッ!」」苦労して集めた魔獣が次々に殺られていき、意気消沈する一味。最後の望みだった土蜘蛛も、アフリカ象に変身した忍に頭を踏み潰されて死亡。最早為す術のなくなった連中をここぞとばかりに叩きのめす鈴々であった。
鈴々
「愛紗!下にいた奴らはぜぇーんぶ叩きのめしたのだ♪」
一刀
「魔獣も全滅させた。もう大丈夫」一刀と鈴々は2階へ駆け上がって愛紗に告げる。他の面子は一味を拘束すると、役所に引き渡しに行っていた。
愛紗
「よし!」一刀達は隅で踞っている幼子に優しく声をかけた。
一刀
「璃々ちゃんだね?」
璃々
「……うん」
愛紗
「私達と一緒に帰ろう。父上、母上が待っているぞ」愛紗が笑顔を向けると、
璃々
「お父さんとお母さん?」さっきまでの暗い表情がパァッと明るくなる。
4人があばら家から出てくると、タイミング良く沙弥と一戒が馬を連れていた。
一戒
「おーい、こっちでまんねん」
愛紗
「流石は孔明殿。手回しが良いな」
朱里
「いえ。私じゃなくて……」
一戒
「さっき仮面付けた女が『急ぐならこれを使え』って置いてったんや」
沙弥
「ホントに変な仮面だったのよねえ。感謝はしているけどさ」
愛紗
「そ、そうか((苦笑)……星だな多分)」
朱里
「詮索は後にしましょう、とにかく今は時間がありません。急ぎましょう!」璃々を馬に乗せて街へ戻っていく愛紗。しかし、後一歩のところで門番に止められてしまった。
門番
「馬はダメだ、ここで降りろ!」
愛紗
「……くっ!」
その頃、行列が既に街中へ入ってきてしまっていた。
下っ端1
「おい、そろそろ」
黄忠
「分かったわ」黄忠は躊躇いながらも弓矢を手に、タイミングを狙う。
黄忠
(……まだなの?)
足止めを食らった愛紗。黄忠のいる宿屋に行こうとしても、行列の見物でごった返した人混みの中、進む事まかりならず歯噛みするが、人拐い共の引き渡しを済ませた忍と合流出来た。
忍
「あちしがその子を背負っていくわ。任せてちょうだい」璃々を背に乗せた忍は人混みから逸れると鳳凰に変身して、空高く飛び上がった。それを見て人々は、『婚礼の日に鳳凰が空を舞うとは』『これは何とも縁起が良い』と囃し立てた。
そして入り婿を乗せた駕籠が、とうとう宿屋の前に近づいてきた。
下っ端1
「おっ、来たか。頼むぜ」
黄忠
「……ええ」矢を構えて入り婿を狙う黄忠だが、弓を引く右腕が震える。
下っ端1
「おいどうした、早くしろ!」下っ端1に急かされる。
黄忠
(ダメ……これ以上は……!あなた、璃々、ごめんなさい)観念して矢を射とうとしたその時、鳳凰の背に乗った璃々の無事な姿が目に入った。声は聞こえないが、何かを言っている。その口の動きを読む。
黄忠
(お・と・う・さ・ん、お・か・あ・さ・ん……!)璃々が無事ならば、こんな男の言う事など聞く必要はない。黄忠は安堵のため息と同時に矢を下ろした。
下っ端1
「おい、何のつもりだ!?どうして矢を……」肩を掴んできた下っ端Aの方に向き直ると
黄忠
「……ふんっ!」ありったけの力で握った拳でその顔面をぶん殴る。気絶した下っ端1を見下ろすと、気が抜けてその場に座り込んだ。
履真の監視をしていた下っ端2は一刀が最速スピードで行列に割って入り、押さえつけてあえなく終わった。
一刀
「履真さん、娘さんは無事救出しました!この男を役所に付きだしてお終いです」
履真
「……そうか。ありがとな」履真は一瞬だけホッとした顔になったが、すぐに厳しい目付きになって下っ端2を連行していった。
何はともあれ、誘拐事件は解決した。一行は履真一家と別れて、再び旅を続ける。
黄忠
「お名残惜しいけど、ここでお別れね。あなた達には何とお礼を言って良いか……」
履真
「スッカリ借りが出来ちまったな」
璃々
「ありがとう。お兄ちゃん、お姉ちゃん」
愛紗
「イヤァ、お礼ならもう充分過ぎるほど言ってもらったので、これ以上は……」
忍
「それより履真さん。ホントに警備隊長を辞めて良かったの?」花婿は無事だったが結局履真は職を辞した。いくら娘を人質にされていたとはいえ、暗殺に協力したのは事実なので、警備隊長を続ける事は出来なかったのだろう。
履真
「ああ。これからは家族三人、百姓でもしながら暮らしていくさ」
一戒
「ワイらも近所に家を借りて住む事にしたでまんねん」
沙弥
「少しでも兄貴達の助けになりたいのよ」
一刀
「さて、どっちが助けられる事やら……」
沙弥
「何さ、『ブタもおだてりゃ木に登る』って知らないの?」
履真
「そんな諺ねーよ」一刀がおどけて、沙弥がバカを言って、履真が突っ込む。互いに笑い合いながらの別れとなった。
黄忠
「関羽さん」最後に黄忠が愛紗の手を取り、そっと耳元で囁いた。
黄忠
「貴女も家族を持つと良いわ。……それで、北郷さん、藤崎さん、伍代さんの内、本命はどなた?」愛紗は顔を真っ赤にしながら言い逃れようと必死になる。
愛紗
「な、何を仰る!私はそ、そのようにふしだらな事は考えては!いやふしだらではないのだが、つまりは、その……」しどろもどろになる愛紗。そこに鈴々が会話に混ざってきた。
鈴々
「愛紗と鈴々は寝床の中で契りを交わした仲なのだ!」
黄忠
「アラそれじゃ……」顔を両手を覆い、頬を染める黄忠。愛紗は鈴々の口を塞いで否定する。
愛紗
「違います!契りというのは姉妹の契りでして……別にその……」
黄忠
「……その?」何か変な想像をしてニヤつく黄忠だったが、その隣では夫が咳払いをしていた。
履真
「オホン。紫苑、そういう話は璃々の教育上、どうかと思うぞ。まあ
愛紗
「履真殿まで!ってか鈴々、誤解を招く言い方をするなぁーっ!」慌てふためく愛紗に再び笑いが起こる。
はてさて、最後に妙な展開に見舞われた一行ですが、次回は何が待ち構えているのか。それは次回の講釈で。
アニメとの違い
・あばら家の1階にいた人拐い一味は登場せず→鈴々、沙弥・一戒、一刀達と闘う。
・璃々は愛紗に掲げられながら母を呼ぶ→鳳凰に変身した忍の背中で両親を呼ぶ。
・愛紗は黄忠から、またしても鈴々と親子に間違えられる→幸太以外の未来チームの誰かと付き合ってると思われている。
今回、理人と幸太のセリフが少なかったですね。次回はもっと喋らせたいです。2人の攻撃技は、それぞれ「幽友白書」の飛影の《炎殺黒龍波》「キン肉マン」のジェロニモの《アパッチの雄叫び》が元ネタになってます。