シリーズ最新作のキャラ、田豊がこちらにも登場します。但し作者は最新作未プレイなので性格等はオリジナルです。
作者による荀彧イジメ第2弾です(笑)。
今回の話は冀州の袁紹の屋敷から始まる。今日も今日とて仕事は部下任せにして、自分はのんびり風呂に浮かんでいるダメ太守の袁紹。全く関係ないが、ここで30年以上前に放送された○ール○スク○ンのCMソング『今頃~あなたは~な~にしてるの~』を思い出すのは作者だけだろうか?
袁紹
「ナレーションはお黙りなさい!」バキッ!
……では、気を取り直して。
袁紹
「う~ん。やっぱりお風呂は良いわよね……こうして一人で静かに入っていると一日の疲れが取れるわね」疲れるような事は何もしていないのだが……そこに文醜がズカズカと、浴場に踏み込んできた。
文醜
「麗羽様!」
袁紹
「きゃーっ!な、何よ!?猪々子!どうしたの!?まさか敵襲!?」
文醜
「そうじゃなくて、見せたいモノがあるんです!」
袁紹
「はぁ?見せたいモノ?」
文醜
「良いからとにかく来て下さいよ」袁紹の腕を取り、風呂から引きずりだして、強引に連れていく。
袁紹
「ちょっと
文醜
「文字だけだから大丈夫ですよ。作者は絵心ないから、挿絵もないし」考えもせずに余計なセリフまで吐く文醜。そして拳骨を喰らう。
袁紹
「もう!いい加減にしなさい!」ゴツン!
文醜
「ヘボッ!」
袁紹
「で、私の憩いの時間を邪魔してまで見せたいモノとは何ですの?」バスタオル姿のまま、椅子に座って問う袁紹。そこにいるのはまだ瘤が引かない文醜と、新しく側近になった
田豊
「はい。倉の中を虫干ししていたら、これが出てきたんです」田豊が1枚の紙を取り出す。よく見ると地図のようだが所々ボロボロで、何の地図だか判別は難しい。
袁紹
「何よ、このキッタない地図……おまけに虫食いだらけじゃない」
田豊
「それはそうなんですけど、とりあえずこれを見て下さい」田豊の指が示す地図の一部分を目をこらして見つめると、
「何々……地図に指し示し場所に、我が生涯をかけて蓄えし宝あり。宝……ハッ、これって!」
文醜
「そうですよ、宝の地図ですよ。掘れば金銀財宝がザックザク!これで最近、麗羽様のムダ遣いのせいで苦しい当家の台所も……」またしても余計な発言をする文醜にキレ気味の袁紹。
袁紹
「誰のムダ遣いが原因ですって?(怒)」
文醜
「え、いや、そりは……(焦)」
田豊
「まあまあ。お金と赤ちゃんのオシメは幾らあっても困らないと言いますし……」田豊が袁紹と文醜の間に入る。
文醜
「そうそう」
袁紹
「それもそうね。確かにお金がありすぎて、困るって事はありませんわね」
文醜
「それじゃあ♪」
袁紹
「ええ。明日の朝迄に準備して、宝探しに出発よ!」という訳で、新生3バカトリオは宝探しに出掛ける事になった。
その翌日、曹操は夏候惇、夏侯淵姉妹、橙馬一と山岳を進んでいた。曹操達3人は馬に乗っているが、乗馬の覚えがない一だけは魔法の絨毯みたいに、宙に浮く座蒲団に胡座をかいて移動している。
夏候惇
「しかし良かったのですか?こんな時に私達だけで温泉で慰安旅行など……」
曹操
「春蘭。仕事熱心なのも良いけど、たまには息抜きも必要よ」
夏侯淵
「そうだぞ姉者。しっかり働いて、しっかり遊ぶ。兵の運用と同じで、何事も緩急をつけるのが大事なのだ」
曹操
「そういう事」妹に助言されると夏候惇も納得したようだ。
一
「しかし温泉ですか……」
夏侯淵
「どうした橙馬、何か不服な事でもあるのか?」
一
「いえ。今頃荀彧が歯噛みして悔しがっていると思うと、口許が緩んできそうで……」クックッと忍び笑いをする一に曹操は呆れ顔でため息を吐き、夏侯淵は苦笑いを見せる。
夏候惇
「全く。華琳様を不快な気にさせおって……お前ら、少しは仲良くしようと思わんのか?」夏候惇が苛立ち気味に一へ苦言を呈する。
一
「それはあの女に言って下さい。僕だって毎日毎回、理不尽な怒りをぶつけられて平気でいられるほど温厚じゃありませんから……」実際、一は顔を合わせる度に『全身精液男』だの『欲情しかしないケダモノ』だのと、罵られつづけている。しかし一は
夏侯淵
「……それで上手く立ち回って仕事を全部、あいつに押し付けてきたのか……」
一
「流石に軍の首脳部全員が1度に休暇を取る訳にはいかないでしょう?客将の僕じゃ何かと問題ですし、念の為に誰かが残りませんと」
曹操
「それもそうね(桂花、拗ねてないと良いけど……)」その頃、一の計略に騙された荀彧は日頃の恨みとばかりに回された書類の山と対面していた。
荀彧
『いやあ、温泉は良いなぁ』
荀彧
『そうね。気持ちがゆったりするわね』
荀彧
『本当に来て良かったですね』
荀彧
『桂花、一人でそんなトコにいないで貴女もこっちへいらっしゃい♪』
荀彧
『はい!ただちに❤』しばしの間、曹操と夏侯姉妹と自らに似せた指人形で遊びながら現実逃避していた荀彧だったが、次第に空しくなり人形を机に置く。そして
荀彧
「何でよ!何であの男が華琳様に同行して私は一人で留守番しなくちゃならない訳?橙馬ぁ~!こぉんの恨みぃ、いつか晴らさでおくべきかぁーっ‼」一に呪いの言葉を叫んでいた。が、それも切ないのか、ハァッとため息を吐くと
荀彧
「……仕事しよ」目の前にある書類の山に手を付けるのであった。
我らが一行は山の中を進んでいた。鈴々はさっきから鼻をムズムズさせている。
鈴々
「……クンクン」
朱里
「ん?どうしたんですか、鈴々ちゃん?」
鈴々
「何か……臭い匂いがするのだ」
尚香
「シャ、シャオじゃないわよ!」ナゼか尻の穴を押さえながら、尚香は真っ赤な顔で否定する。
尚香
「そ、そりゃオヤツに食べたお芋で、ちょっとお腹張ってるなぁとは思ってたけどぉ……絶対シャオじゃないからね!」
鈴々
「それじゃあ……」鈴々は愛紗の方に顔を向ける。
愛紗
「わ、私でもないぞ!断じて違うからな!」慌てまくる愛紗だったが、朱里や一刀はクスクス笑っている。
朱里
「皆さん違いますよ。これは硫黄の匂いです」
鈴々
「硫黄?」
愛紗
「それじゃ、もしかして……」
一刀
「流石に孔明ちゃんは気づいていたか」
朱里
「はい!きっと近くに温泉があるんですよ」と、いう訳で温泉に向かう事になった一行だったが、
忍
「(何だかヤな予感するわね)幸太、温泉街の方へ聞き耳を立てて」勘の良い忍は蝶に変身して先回りする。その間、目的地周辺の音を聞き取る幸太。
幸太
「んー……水の音がしないし、人も多くはないっすね。寂れてんのかな?」
理人
「またトラブルか?一応覚悟しておくか」
温泉街に着いた鈴々と尚香は早速湯の中へ飛び込もうとする。
鈴々
「一番乗りなのだーっ!」
尚香
「ちょっと、抜け駆けなんてズルいわよ!」
鈴々
「何言ってるのだ?抜け駆けは戦場の花なのだ!」
尚香
「ってここ、温泉でしょ!?」
だが……
ドッシャーン‼
鈴々・尚香
「痛ッタァ~イ‼(のだぁっ)」水飛沫ではなく、何か固い物が落ちるような鈍い音がした。
愛紗
「おい、どうした!?」2人の絶叫と、奇妙な音を聞き付けた愛紗と朱里がやはりタオル1枚の姿で駆け寄ってきた。
鈴々
「お湯が入ってないのだ……」
尚香
「どうなってるのよ!?」何と温泉の中は空っぽだった。
愛紗
「……これでは湯に入れんな」
朱里
「風邪引いちゃいます……」その時壁を隔てた、隣の男湯から一刀が愛紗達に叫ぶ。
一刀
「スゴい音がしたけど、大丈夫?」
鈴々
「痛かったけど平気なのだ!」
愛紗
「こっちは湯がないのだが、そっちはどうなっている?」
理人
「こっちもだ。理由は分かんねえが、干上がっちまってる」
忍
「……やっぱりね。こんな事だろうと思ってたわ」人間に戻った忍は、空の温泉を見つめ嘆息する。
幸太
「温泉街に温泉がないんじゃ、確かに人はいなくなるっすね」
??
「街全体の過疎化ですか……由々しい問題ですねえ」彼らにとって、特に幸太と理人には懐かしくすらある声がした。
一刀・忍・理人・幸太
「一っ(さんっ)!?」未来チームの5人が空っぽの温泉で久し振りに一同に介す。尚、最初っからここを訝しげに思っていたので全員服を着たままである。一方の女湯では……
??
「……アラ?」
愛紗
「お主は……」そこに曹操と夏候姉妹がタオルを身体に巻いて、出入り口の扉を開けて入ってきた。
愛紗
「どうしてこんな所に?」
曹操
「どうしてって……温泉に入りにきたに決まっているじゃない」
愛紗
「あ、ああそうか……」
一
「曹操さん、とりあえず上がりましょう。お湯もないのに、ここに居る必要はありませんよ」男湯から一が曹操に提案する。
曹操
「仕方ないわね。関羽、そこの茶店で話しましょう」女性陣は脱衣所に戻って着替え始める。
忍
「あちしらもこっから出て、愛紗ちゃん達に合流しましょ」
一刀
「ああ、そうしよう」と、出入り口に向かう2人。
理人
「ちょっと待て。貴様ら……女子脱衣所を覗きに行こうとしてねえか?」理人の声が刺さる。
一刀・忍
「(ドキッ!)」
一
「理人ってば、炎を操る割に言葉は冷たいですねえ……」実は未来チームの中でも、理人と流華は堅物で知られている。女性の着替えを覗くつもりなど毛頭ないし、その行為を許しもしない。
理人
「その性根、俺の火で消毒してやる!」哀れ、一刀と忍はしばし灼熱地獄の苦しみから必死に逃げるのだった。
アニメとの違い
・ちょこちょこメタネタがある。
・袁紹の側近は変わらず文醜と顔良→顔良は賢と駆け落ちした為、田豊が新しい側近に。
・曹操と温泉に出掛けるのは荀彧と夏候惇で夏侯淵は留守番→作者が荀彧をイジメたかったので夏侯姉妹と一が曹操のお供をして荀彧が留守番。
・曹操は出会い頭に愛紗へセクハラ発言→ここはカット。一に声を掛けられる。