新説・恋姫†無双~一刀と愉快な?仲間達~   作:越後屋大輔

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すみません、1/13日中に書き上げるつもりだったんですがかなり遅くなりました。


第四十一席ダンジョンあるの?、のこと

賊1

「誰だっ、貴様ぁ!」賊達が背にしていた櫓から、何者かが叫ぶ。振り向くとそこに居たのは1人の影。

??

「ある時はメンマ好きの冒険者、またある時は美と正義の使者、華蝶仮面。しかしてその実態は……」

愛紗

「星、来てくれたのか!」格好よく口上を決めようと(本人はそのつもり)したところで愛紗に正体をバラされてしまった。

鈴々

「星?」未だに華蝶仮面の正体に気づいていない鈴々。バツが悪いのか、咳払いで誤魔化そうとする星。

「オホン。またある時は美と正義の使者、華蝶仮面。しかしてその実態は……」仮面を外して名乗りをあげる。

「常山の趙子龍、ここにあり!」言うが早いか櫓から飛び降りて龍牙を振るい、賊達を吹っ飛ばし愛紗の側へ駆けつけた。

賊1

「この大軍の中をたった一人で駆け抜けやがるとは……!」

 

 さて賊頭3と、顔だけ毎度お馴染みの3人組、子分のABC。村では庄屋以外その存在を知らない、地下迷宮に潜っていた。

賊A

「お頭ぁ、こんな所に何の用です?」

賊3

「ヒヒッ。この地下迷宮にゃ、魔獣がワンサカと住んでてな。そいつらを開放して村を襲わせんだよ」

賊B

「さっすがお頭。やる事がえげつねえ!」

賊3

「応よ!あの義勇軍の連中にも一泡吹かせてやるぜ」

賊C

「お、お頭。呻き声が聞こえるんだな」

賊3

「魔獣共の住みかが近いんだろ?あいつら、今に見てろよ……」

 

~話は愛紗達の方へ戻る~

 

賊1

「次から次へと邪魔しに来やがって!こうなったらみんなまとめて殺っちまえぇ!」

賊モブ

「「「「応ぉーっ‼」」」」愛紗と星は背中合わせになり、戦闘態勢を整える。

愛紗

「星、背中は預けるぞ」

「その言葉、そっくり返すぞ」2人は賊達へ立ち向かっていった。

 

 この状況を櫓から見ていた朱里は、村人に指示する。

朱里

「反撃に出ます!闘える人は二人一組になって、一人の敵に当たって下さい!」

 西の櫓で応戦を続ける黄忠。傍らでは娘の璃々が矢を詰めた籠を渡す、補充係に徹している。

璃々

「うんしょ。お母さん、しっかり!」黄忠は娘に笑みを見せ、すぐに標的に視線を移し、再び弓を構える。

黄忠

「奪う事しか知らぬ賊共よ!守るべき者を持つ我が手が放つ矢を受けてみよ!」

 馬に乗ったまま、向かってくる賊を、十文字槍で蹴散らしている馬超。

馬超

「アタシは今、燃えに燃えてるんだ!火傷したい奴はかかってこい!」仲間達の闘う姿を見た鈴々は両頬を叩き、自分に気合いを入れ直す。

鈴々

「ヨシッ!こうなったら鈴々も負けてられないのだ!」蛇矛を振り回し、再び戦場へその身を投じる。賢はポケットから取り出したモノを耳に装着する。そのまま少しの間、何やらブツブツ呟いていたが、

「斗詩、張飛の援護をしてやってくれ。俺は一刀達と合流する」顔良に伝えて何処かへ移動していく。その背中を心配そうな面持ちで見送る顔良だったが意を決して体の方向を変え、鈴々を追いかけていった。

 

賊モブ

「お……お頭が殺られた!」

賊モブ

「逃げろぉーっ!あいつら強すぎるぅーっ!」とうとう賊は尻尾を巻いて逃げ出していった。 

 

 賊の頭の一人が逃げている最中、履真に取り押さえられた。首根っこを捕まれ愛紗達全員に囲まれた状態ながら、薄気味悪い笑みを浮かべている。

賊1

「イヒヒヒ……」

履真

「何が可笑しい!?」険しい顔で怒鳴り付ける履真に、賊頭は薄気味悪い笑顔のまま告げる。

賊1

「本当の恐怖はこれからだぜ。今、仲間が魔獣の群れを解放しに行っている。それも十や二十じゃねえ。そうなりゃもうこの村はお終いって訳だ……ざまあみろ」一瞬後、履真はほぼ反射的に手刀で賊頭の頸を撥ねていた。

履真

「……はっ!しまった!」

「魔獣の住みかを聞き出すまでは生かしておくべきでしたな」

愛紗

「とにかく、手分けして探そう」

 

 賊頭が遺した言葉を頼りに魔獣の住むという、地下迷宮を探す愛紗達。庄屋も以前に見たのは何10年も前だそうで、探索は難航した。それでもようやく地下に続く洞窟を発見する。

 洞窟の入口から階段を下りて、広い場所を探す愛紗達。しかし洞窟内は相当入り組んだ仕組みになっているらしく、同じような階段を何度も昇ったり下りたりを繰り返している。

愛紗

「……参ったな。これでは一刀達と合流する事が出来ない」

鈴々

「お兄ちゃん達、どうやって魔獣の住みかへ行ったのだ?」

履真

「いや、むしろあいつらも迷っている可能性も否めんな」

馬超

「先行している賊共に案内をさせているんじゃないか?」各自が様々な憶測を立てながら進んでいると、この面子では愛紗と鈴々、朱里が見覚えのある人物がいた。

??

「ん?……お主らか。よくここまで来れたの」孫家の宿将である黄蓋が縄でグルグル巻きに縛られた賊頭を拘束していた。

愛紗

「祭殿!」

履真

「貴公は?関羽殿達とは知り合いのようだが?」

鈴々

「孫策の所に居たおばちゃんなのだ!」

朱里

「はわわ、鈴々ちゃん。妙齢の女性をおばちゃんなんて呼んじゃダメですよぉ」

一戒

「せや。お世辞でも嘘でもお姉さんと呼ばなアカンで」

黄忠

「そっちの方が失礼よ」

「……まあどっちでも良いわい。(呆)儂は黄蓋と申す。江東は孫家の古株じゃ」

「孫家の人間がどうしてこんな所に?」

「義息子の野原が助っ人を頼まれての。親としてついてきたんじゃ」

馬超

「助っ人に親がついてくるって……」

沙弥

「まあ八才だしね」

顔良

「八才って……助っ人になるの?」

朱里

「確かに並の八才よりは腕は立ちますし、例の特技もありますから……」などと話していると、奥の方から奇妙な音もとい、生き物のモノらしい呻き声が響いてきた。

愛紗

「魔獣か!?」

「かなり近いぞ!」全員武器を構え、急ぎ足で声がした場所へ行く。

 

~時は少し遡る~

 戦闘中に黄蓋、幸太と合流した一刀達は一度前線を退いて、今後の打ち合わせをしていた。その時幸太の耳に地下迷宮へ向かう賊達の会話が聞こえた。洞窟に入っていくのを確認して、後を追いかけていった。

 一刀達とかち合った賊の子分ABCは賊頭に見切りをつけて一目散に逃げ出した。唯一人残った賊頭を捕らえる。

賊3

「ヒィーッ!た、頼む!見逃してくれ!魔獣の居る場所へ案内するから。それにもう二度とあの村は襲わねえ、約束する!だから……」賊頭の願いは叶えられず、ボッコボコに殴られる。挙げ句、縄でグルグル巻きにされて身動き出来なくされた。

一刀

「必要ないね。魔獣が何処に居るかは、幸太の能力で分かる」

理人

「手前ぇは俺達が戻ったら、役所に付きだしてやる。覚悟しておけ」

幸太

「こっちですね」耳を済ましていた幸太がその場所を指し示す。

「行きましょ。祭さんは義勇軍の仲間がここに来た時の為に、この辺に残ってもらえるかしら?後、誰かがこれ(・・)を見張っとかないと」

黄蓋

「儂は留守番か。まあ良かろう」

 

 洞窟の奥にやって来ると、そこは正に魔獣の楽園。この洞窟はいわゆるダンジョンだったのだ。尚、対峙しているのは未来チームだけなので、以降ここはダンジョンと呼称し、魔獣達の呼び名は横文字表記を含む事とする。

 最初に未来チームに襲いかかってきたのは食人鬼という、ワニと狼を掛け合わせたような魔獣だ。攻撃はただ噛みつくだけだが、その牙は強力で鉄ですら噛み砕くと云われている。

理人

「物理は不利だろ。俺に殺らせろ『ファイロ!』」理人の手から放たれた炎の塊が敵の数だけ増殖して、一斉に食人鬼を焼き尽くす。

 その後ろに控えていたのはメタルゴーレム。但し巨大な体躯はしておらず、見た目だけなら少女の像のよう。彼女?らは理人の炎にビクともせず、ハンマーと化した腕を振るって、彼らを殴りにきた。

「手口がワンパターンなんだよ!」ハンマーと賢のドリルが激突し、結果砕け散ったのはメタルゴーレムの腕だった。

 九頭虫という、一ヶ所に顔が沢山あるっぽい不気味な昆虫魔獣が出た。六本足で、カサカサと歩く姿が不気味さに拍車をかけている。

一刀

「ふんっ!」一刀が『加速』を使い、日本刀で九頭虫の頸を撥ねる。そのまま高速で走り回り、一匹残さず絶命させた。

一刀

「たまには活躍しないとな」と、袖で額の汗を拭きながら苦笑した。

 弓を得物にしたパーン(人間の上半身に山羊の下半身と角を持つ怪物)が団体で何本もの矢を射ち放つ。

幸太

「サウンドカッター!」超音波が斬撃となって矢を縦に斬り裂き、更にパーンを吹っ飛ばす。

 ところでこのダンジョン、洞窟内でありながら天井知らずと思えるほど、空がどこまでも広がっていた。それ故なのか、空からも魔獣が迫ってきた。

 上空から槍のように地面に突進するのはロックバードだ。

「アラん?やっとあちしの出番ね♪」自分もロックバードに化けて、同じ高さまで飛ぶと鷹の翼と人間の胴体を持つガルーダに姿を変える。

「アンドゥオラァ!アンドゥオラァ!アンドゥオラァ!」キックのラッシュが炸裂する。頭や翼を傷つけられたロックバード達は落下する。バランス感覚を失っている為、上手く着地出来ずに体を地面へ叩きつけて死亡した。

一刀

「もう終わりか?」

「思いの外、骨のない連中だったわね」1人1種族に当たり、ダンジョン中の魔獣は倒し尽くしてしまった、と思えた。そこに予想外の攻撃が襲う。

 未来チームを狙ったのはレーザーガンのような光線だった。この時代というか、世界にあるハズのないモノである。人工でないとすれば、可能性は1つしかない。

「ゲイザーか?」周りを見渡しながら、苦虫を噛み潰した顔で呟く賢。

幸太

「そうみたいっすね」幸太は耳をそばだてながら、魔獣の移動する音を確認する。

理人

「お出ましだな」その魔獣、ゲイザーの大群が姿を現し、未来チームを取り囲む。

 ゲイザーは体長こそ約50cmと小さいが、全身は真っ黒で蛸の胴体(実際の蛸は頭の上が胴体らしいが)と足に、鬼太○の目玉○父を彷彿させる頭で瞳は赤黒い、見た目のキモさはNo.1な魔獣だ。そのゲイザーが恐らく1000匹以上に囲まれた未来チーム。それぞれの能力を駆使して闘うが、倒しても倒してもキリがない。

「……ヤベェな。倒す前にこっちがバテちまう……」

理人

「俺の火力もそろそろ限界だ……」

幸太

声枯れちまった……

一刀

「ウッ!足が動かなっ……」

「……これはマズいわねぇ」未来チームが絶望していると何の前触れもなく、いきなり轟音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アニメとの違い
・賊が逃げ出した後からは完全オリジナルストーリー。
次の回こそ何とか明日中に投稿します。どうぞよろしく!(い○りや○介かっ!)

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