新説・恋姫†無双~一刀と愉快な?仲間達~   作:越後屋大輔

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とりあえずの最終回。またいつか再開します。


第四十二席梅の花、咲き誇るのこと

 轟音は一度ではなく、断続的に響いている。同時に爆発を起こし、ゲイザー達を粉砕していく。幸太が音の正体を探ろうと聞き耳を立てていると、音源は上空にあった。

 空に浮かんでいたのは、なんとドローンである。それがミサイルを発射している。断続的な轟音は投下されるミサイルの爆発音だと判明した。こんなモノ用意出来る人間は、この世界に一人しか居ない。

一刀

「一か」

「こりゃまた、派手な事するわねえ」一転して暢気になる未来チームを尻目に、ゲイザーは全て消滅して、紫水晶(アメジスト)に姿を変えていた。

「これは金になりますね。一粒残さず拾っておきましょう」いつの間にかみんなの前に出てきた一が夢中で宝石拾いに精を出している。一刀達の心にすきま風が吹いた。

理人

「……そういやこいつ、恋愛には疎いが金には煩かったな」

「それで人生楽しいか?……」

 

愛紗

「一刀無事か!?」やっと合流出来た愛紗達だったが、夥し( おびただ )い魔獣の死体を目の当たりにすると一気に顔が青褪める。一刻ほどしてようやく落ち着き、死者が出なかった事に安堵した。

「……ところで、心配していたのは一刀だけだったのか?」揶揄(からか)うように星が尋ねると

愛紗

「な、何を言っている!それはだな……」

「そういや一刀、アンタ劉備に妬いてなかったかしら?」

一刀

「し、知らねえよ!」真っ赤な顔の一刀としどろもどろになる愛紗を、履真、黄忠、璃々、一以外はニヨニヨしながら見つめている。

履真

「……若いな」

黄忠

「ええ。微笑ましいわ♪」夫婦は大人目線で若い2人を見守っていた。幼い璃々は何の事か分からず、キョトンとしている。一は……やっぱり恋愛には興味を示さず、集めた宝石が幾らになるか、卑しい笑みを浮かべながら計算していた。

 

 その後、ダンジョンを出て、久し振りに流華以外の我らが一行が揃った。

愛紗

「ところで、スッカリ忘れていたが……鈴々、風邪はもう良いのか?」確かに、今の鈴々に具合の悪い様子はない。

鈴々

「何かさっき、賊相手に一暴れしたら直ったみたいなのだ」あっけらかんと答える鈴々。

愛紗

「はぁ!?直ったぁ?全く、お前という奴は……」呆れてポカーンと口を開いてしまった愛紗。苦笑しながらも鈴々の頭をクシャクシャと撫でる。

 

 全ての闘いが終わり、村は朝を迎えた。我らが一行は帰路につく夏候惇と一に感謝の言葉を述べる。

愛紗

「夏候惇殿、燈馬殿。ありがとうございました」

馬超

「ホント助かったよ」

「こちらもそれなりに稼げましたし、イーブン……じゃない、お互い様って事にしておきましょう」ダンジョンで倒した魔獣達はゲイザーのみならず、全て未来チームにより皮や骨、目玉等々に解体されてしまっていた。

夏候惇

鉄製の生き人形(メタルゴーレム)の皮と、その他諸々……何をする気だ?」

「皮で武具を作成します。羊人(パーン)の角や食人鬼の歯も結構用途がありますよ」いよいよ帰ろうとした2人を、大きな塊を手にした忍が呼び止めた。

「これもお持ちなさい。ロックバードの肉よ。これが中々イケるのよ。調理法(レシピ)も挟んでおいたわ」

幸太

「旨ぇんだよなぁ~、ロックバード♪」ジュルリ、既にヨダレを垂らす幸太。

夏候惇

「却ってスマンな。戻ったら早速皆で頂くとしよう」

愛紗

「曹操殿には改めてお礼に伺います」

夏候惇

「それは……止めておいた方が良いでしょう。また閨に引っ張り込まれますよ♪」我らが一行に見送られて、夏候惇は一と共に曹操の下へ帰っていった。2人の姿が遠くに消えると、愛紗は履真達にも礼を言う。

愛紗

「履真殿も黄忠殿もありがとうございました」

履真

「気にするな。借りを返しただけだ」

黄忠

「ええ。少しでも恩返しが出来たのなら嬉しいです」みんなが和やかになっていて、良い雰囲気の中、鈴々が素朴な疑問をぶつけてきた。

鈴々

「ところで、星は何で華蝶仮面なんかになっていたのだ?」

「うむ。実はお主達とはぐれた後、私は空から落ちてきた光の玉に当たって、一度死んだのだ」

全員

「えぇぇぇーっ‼??」驚きを隠せない一行に星はしれっと話し続ける。

「その光の玉は実は天からの使いだったらしく、『申し訳ない事をした趙雲。その代わり私の命を君にあげよう。君と一心同体になるんだ。そして天下の為に働きたい……』そうして新たな命を与えられた私が目覚めると、枕元にこの仮面が……それ以来私はこの仮面を着けて華蝶仮面となり、正義の為に闘っていたのだ」

一刀

(どっかで聞いた話だな……)

(ああ。あの、3分しか保たない銀色のヒーローね)

理人

(こいつ、実は俺達と同じ世界出身なんじゃないか?)もう呆れきって何も言う気になれない未来チーム。一方、愛紗達は半ばこの話を信じているらしく

愛紗

「何と不思議な……」

馬超

「趙雲、それって本当なのか?」

「イヤ、嘘だ」アッサリ種明かしした星に一同……特に約2名が殊更大袈裟にズッコケる。

沙弥・一戒

「「ポペーッ!」」

愛紗

「……相変わらずだなぁ、星(苦笑)」

 

~ここから水鏡によるナレーション~

 

 劉備率いる義勇軍が、村に戻ってきたのは、それから三日ばかり経ってからの事。元より無謀な策だった上、関羽、馬超の勇将を欠いては成功するハズもなく、無様に敗れた劉備は朝廷の威信を傷付けたと、可進から強い叱責を受けたのでした。結局、曹操の策が容れられ、反乱は見事沈められたのですが、それはまた別のお話。

 

~水鏡ナレーション終わり~

 

劉備

「や、やあ。皆、無事で何より♪勢揃いでお出迎えとは痛み入る。ほほう、私の知らない新顔も……」桃花村に帰ってきた劉備は敗けたにも関わらず、平然としている。その無神経さに全員が冷たい視線を向けている。だが履真と黄忠の夫婦を見た途端に劉備の態度は一変する。

劉備

「ん……?ゲッ!履真と黄忠!お主らがナゼここに!?」

黄忠

「……どうして私達の名を?」

一戒

「せや。どういう事でっか?」すると履真に抱っこされていた璃々が劉備を見て叫んだ。

璃々

「あーっ!悪い人!」

履真

「ん、何だ?」

璃々

「えっとね……」璃々は耳打ちして履真に告げる。それを聞いた履真は、忽ち鬼の形相になった。

劉備

ヤッベェーッ」馬に跨がり逃げようとした劉備だが、幸太が発した超音波で馬が方向を見失い、見事振り落とされる。

幸太

「観念しろ劉備。いや、青木幹人!」幸太の言葉に未来チームは驚き、愛紗達は何の事かと首を捻る。

愛紗

「幸太、こいつは一体?」この質問には幸太に代わり、忍が答える。

「こいつもあちし達と同じく、この世界に現れた異世界人よ。しかも殺人犯。能力は『盗み』(フラリ)物だけじゃなくて、人体の一部も他人から盗めるの」

幸太

「そして……」幸太は劉備の顔に手を掛けて、面の皮を剥ぎ取る。その顔は未来チームがよく知る大罪人、青木幹人だった。

「青木。アンタ10年ほど前に、ある一家を皆殺しにしてるわね。尤も唯1人、生き残ったけど」

青木

「何……ま、まさか……?」忍に過去をバラされた青木は改めて愛紗を見る。

愛紗

「そ、それじゃ……」

「ええ。愛紗ちゃんのお兄さんに似ていたのも当然。その顔の皮を剥いで、自分の顔に張り付けていたんだもの」ショックで目が虚ろになる愛紗。

(ホントはこんな事伝えたくなかったのよね。でもそうしないと、この娘はいつまでも前に進めないわ)忍は悲しそうなため息を吐いた。

一刀

「逃がすかよっ!」

「青木ぃ、貴様ぁ!」

理人

「丁度良い。手前ぇはここでぶっ殺す!」お冠の賢と理人。未来チームで最も温厚な一刀ですら殺る気満々である。

履真

「ちょっと待てや。小僧共」ナゼか履真が未来チームを制した。

履真

「こいつは俺が殺る。手ぇ出すんじゃねえぞ……」静かだが、有無を言わせない怒りが滲み出ている履真に、ゾッとする未来チームだった。

愛紗

「……履真殿、その男は私に始末させてくれ……」愛紗が履真と青木の間に入る。その身に履真にも負けず劣らずの怒りを溢れさせている。

履真

「関羽。お主もさぞ恨めしかろう。だがこいつは娘を、璃々を誘拐して妻に暗殺をさせようとした一味の黒幕だったんだ。だから俺が殺る」この言葉にまたしても全員が驚く。

青木

「ヒィィッ。助けてくれぇー!」

履真・愛紗

「「断る‼」」愛紗は青龍偃月刀で、履真は気功波で青木を滅しようとした。それを止めたのは意外にも庄屋だった。

庄屋

「関羽殿、履真殿。お気持ちはよーく分かります。ですが、この男を楽に死なせてはなりませんぞ」それから庄屋は、愛紗を諭すように提案する。

庄屋

「それより一生かけて、罪を償わせた方が兄上様も浮かばれましょう。こんな男を殺っても、ムダに手を汚すだけですぞ」庄屋の説得を受けて、やむなく青龍偃月刀と拳を下ろす愛紗と履真。そして、劉備改め青木幹人は役所へ連行された。もう2度と古郷の土を踏めずに、この世界で生涯を終えるのだろう。

 

馬超

「良かったな。あんな奴に唇奪われなくて」愛紗に起きた、あの夜の出来事を突っつく馬超。

愛紗

「み、み、見てたのかぁーっ!?」

一刀

「そ、そ、それで!?」馬超のセリフに、前のめりする一刀。

馬超

「もうチョイってトコで突き飛ばしちゃうんだもんなぁ(ニヨニヨ)」

一刀

「フゥー」安堵のため息を吐いた一刀の肩に賢、忍、理人の手が乗せられる。

「何だ何だ?何の話だ?」

鈴々

「教えてほしいのだ」

愛紗

「そ、それはその……あの……(恥)」

「アラ♪一刀ってば、何に安心してるのかしら?」

理人

「(ニマッ)詳しく聞かせてもらおうか?」

「で、実際のところどうなんだ?」一刀も友人達に詰め寄られる。

一刀

「う、煩い!俺の事は放っといてくれ!」針のむしろだった一刀と愛紗だが、タイミングよく朱里がみんなを呼びにきた。

朱里

「皆さーん、お花見の用意が出来ましたよぉー」

 

 季節は春を迎えていた。桃の花が咲き誇る中で酒を酌み交わす我らが一行。但し、幼い璃々と幸太、鈴々と朱里に、実は全くの下戸である履真は桃を絞った果汁を飲んでいる。対して酒豪の祭と黄忠はやや早いペースで呑み続ける。星もかなりの酒豪であり、これまた好物のメンマを肴にご満悦である。鈴々は馬超と早食い勝負を繰り広げ、賢と顔良は所構わずイチャつく。理人と忍は鈴々義勇軍のリクエストに応え、子供達を背に乗せて空を飛んで遊ばせる。そして、一刀と愛紗は……その講釈はまたいつの日か。

 

 

声の出演(登場順)

北郷一刀

・水原宇宙(ドラマCDのみ)

関羽 

・黒河奈美

張飛

・西沢広香

公孫賛

・河原木志穂

趙雲

・本井えみ

袁紹

・加藤雅美

文醜

・神崎ちろ

顔良

・羽月理恵

曹操

・前田ゆきえ

夏候惇

・浅井晴美

馬超

・小林眞紀

夏侯淵

・吉田愛理

荀彧

・壱智村小真

陳琳

・吉田仁美

馬騰

・岩崎征実

可進

・折笠愛

董卓

・いのくちゆか

賈駆

・友永朱音

呂布

・萩原えみこ

華雄

・西沢広香

諸葛亮

・鳴海エリカ

水鏡

・麻上洋子

許緒

・澄田まりや

張遼

・茂呂田かおる

孫尚香

・ひと美

黄忠

・雨宮侑布

田豊

・花澤さくら*1

璃々

・澄田まりや

陳宮

・結本ミチル

孫権

・櫻井浩美

孫策

・米島希

孫静

・山口由里子

周瑜

・瑞沢渓

黄蓋

・MARIO

甘寧

・田中涼子

(偽)劉備(青木幹人)*2

・関智一

 

オリキャライメージCV*3

藤崎忍

・矢尾一樹

摩昴

・和氣あず未

燈馬一

・石田彰

高坂賢

・櫻井孝宏

伍代理人

・平田広明

長岡流華

・藤原啓治

野原(神)幸太

・田中真弓

一戒

・たてかべ和也

沙弥

・八奈見乗児

履真

・野沢雅子

丁原

・島本須美

面珍

・中西妙子

孫羌

・柴田秀勝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
アニメ及びコンシューマーゲームには登場していないのでPC版のCV

*2
青木幹人はオリキャラだが、本作では(偽)劉備と同一人物なのでこちらに表記

*3
柴田秀勝と藤原啓治以外、モデルになった元キャラの登場作品アニメ化による。




アニメとの違い
・偽劉備はまんまと逃げおおせ、その後の消息は不明→逮捕されて役所へ連行される。
偽劉備の正体は不明→未来チームの世界の犯罪者、青木幹人と判明
・ダンジョンの存在。
次回から原作の呉編を、全く違う作品とクロスオーバーさせてお送りします。予想があればメッセにどうぞ。
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