「・・・此処は魔法世界(ムンドゥ・マギクス)か?俺の年齢は・・・大体5、6歳くらいか?」
『正確には六歳と五ヶ月です。マイマスター。』
「アルか・・・。ナハトと8もいるのか?」
『8は適正機体を検索中で稼働可能までには時間が掛かります。ナハトの方はあと数日もすれば稼働を始めます。』
手首に巻いた8は紐状のリストバンド型のデバイス。首に掛けたているバハムート・ナハトは剣の形をしたシルバーアクセサリー。そして待機状態が眼鏡型のデバイスのアルカインの計三機が時の神子たる黒逸戒翔のデバイスである。
『それで現在の位置と年号ですが・・・紅き翼(アラルブラ)が有名になり始めた頃の様です。』
「つまり・・・大戦中に飛び込んだわけか・・・。で、俺の能力は何処までが解放されている?」
『先ずは荒神の能力は全開可能です。それと吸収した荒神なども遠近関係なく召喚魔として使役が可能です。種族の方は境界種(アラザイド)亜種となります。』
「二つどころか数多の種族の血を持っているから亜種なのか・・・。まぁ、この世界でどのように作用するか分からないが・・・今は完成された世界(コズモエンテレケイア)の調査だ。アルはこの魔法世界のネットワークにハッキング。俺は荒神の能力を使い、敵アジトを潰して情報を手に入れる。」
『了解しました。』
「・・・さて、先ずはどこから行くか?」
「お前がここに現れた異分子であってるか?」
「・・・お前は?」
「主が魔力の異常反応があると言って来てみたがいたのは幼子か・・・」
「こっちが質問をしているのだが・・・聞いているのか?」
「尊大な態度だな・・。そんなに死にたいのであれば殺してやろう!」
ローブの人物はそう言って片手を戒翔に向けると黒い球状の魔力を精製したかと思えばそれを戒翔にぶつけて来る。
「プロテクション」
しかし、戒翔の目の前には黒色に輝く円環の魔方陣が現れてローブの者の魔法を見事に防ぐ。
「なにッ!?」
「攻撃してきたのならこちらもそれ相応の対処をさせて貰う。ナハト」
《セットアップ》
電子音声が響くのと同時に戒翔の装いがガラリと変わる。上下を黒の革のジャケットで身を包んでいた所から西洋の甲冑を模したライトアーマーを装備し、片手には野太刀の様な刀を持っていた。
「な、なんだその魔法は!?」
「答える義務はない。消えろ!」
戒翔はそう叫び、手に持った刀を目にも止まらぬ速さを持ってローブの者を一閃する。
「ぐぅぅぅぅ!」
「・・・傷が浅かったか? それよりも何か壁の様な感触があったな。」
「ば、ばかな・・・複合型移相障壁がこうも容易く斬られるとは」
「御大層な障壁を張ってたんだな・・?だが、俺の前じゃ意味は無い。」
「ま、待て!我々の仲間にならないか!?」
ローブの者の言葉に戒翔の手がピタリと止まる。
「仲間・・だと?」
「そ、そうだ!我々
「・・・」
「ど、どうだ?俺はこれでも幹部方には顔を覚えて貰っているから口添えがあれば」
しかしそれ以上の言葉をローブの者が紡ぐことは無かった。
「三下風情が顔を覚えて貰った程度で幹部に俺を紹介できるとでも本気で思ってるのか?・・・ナハト、こいつの脳から必要な情報だけを抜き取れ。たかが知れているだろうがこの魔法世界での常識など、それにこの世界の魔法体系も調べれればなおのこと良いのだがな・・・。」
戒翔はそう呟く。
「・・・あ、此処からどう行けば街に着くのか聞き忘れた!」
肝心な所で抜けている戒翔なのであった。