少年の異世界戦記~魔法先生ネギま~   作:クロイツヴァルト

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墓守の神殿と異分子と

 

 

 戒翔達が敵【完全なる世界】に捕らわれた頃・・・

 

 「姫さん達が攫われた!? あのとんでもない奴が一緒にいたのにか!?」

 

 「その様だ。 どうやったのかは知らないが、あの騎士とアリカ姫と帝国の姫君が同時に攫われた様だ。 城の方は秘匿しない所を見るとキナ臭い所だが・・・動かなければ敵の思う壺なのは確かだ」

 

 とある一室に集まった【紅き翼】の面々は諜報要員のガトウ・カグラ・バンデンバーグの持ち帰った情報を聞き驚きを露わにしていた。

 

 「要はお姫様達の奪還をして両方の国に借りを作ればいい事だろ? そうすればこれかの動きがしやすくなるってもんだろ? 俺達にしたら簡単な事だろ?」

 

 しかし、唯一の新参者のラカンはあっけらかんとした態度で今回の事態を語る。

 

 「ラカン、事はそう簡単な事では無いのですよ? これは両国の戦争が激化しかねない重大な事件なのですよ?」

 

 「それはアルやガトウ達に任せる! 俺は考える事が苦手な肉体労働派だ。 難しい事は頭脳派のオメェ等に任せるわ」

 

 溜め息交じりに告げるアルの言葉をラカンは一蹴する。

 

 「そうだな・・・良し! 姫さん達を助けに行く! 紅き翼行くぞ!」

 

 「「「オゥッ!!!!」」」

 

 「後始末は我々がするのだな・・・。」

 

 「ガトウ、頑張って下さい」

 

 「お前も一緒だ」

 

 ―――――――――――――――

 

 紅き翼が作戦会議とも呼べぬ物をしている頃

 

 「・・・来たは良いが、黴臭い所だな」

 

 「これからどうするのじゃ? 妾達は捕らわれの身で魔封じの枷もされて碌な事は出来んのじゃぞ?」

 

 暗い一室に連れて来られた戒翔、アリカ、テオドラの三名は同じ所に閉じ込められており、戒翔の呟きにアリカが問う。 テオドラはこの状況に参ってしまったのか蹲って塞ぎ込んでいる。

 

 「魔力が封じられているのなら他の力を使えば良い。」

 

 「な、なにを言っておるのじゃ?! 魔法が使えねば妾もお主も只の人じゃ!」

 

 「普通(・・)の人間ならな・・・生憎と俺は普通じゃ無いんでな」

 

 「なッ!?」

 

 牢屋になっている部屋の格子を戒翔が蹴りつけると鈍い音と共にひしゃげる光景を見てアリカは絶句する。

 

 「・・・俺は普通じゃ無いのは最初に会った時に薄々勘付いていただろ? その尋常じゃない力の一端がこれだ。」

 

 「そなたはいったい・・・」

 

 「今の俺はアリカの騎士・・・ただそれだけ知っていれば十分・・・奴らが来るのを待っていても良いが」

 

 「時間が無い」

 

 アリカの言葉に戒翔は頷く事で肯定する。

 

 「そうだ・・・あまり時間を掛けていては敵の方に感付かれておしまいだ」

 

 「じゃが、どうするのじゃ? ここはどうも敵の懐あたりの筈・・・容易に脱出できるとは思えん」

 

 「・・・その通りだぁ。 帝国の姫と王国の姫、それに御付きの騎士」

 

 「だ、誰じゃッ!?」

 

 テオドラの声に答えたのは通路の奥から歩いて来るフードを目深に被った巨体の持ち主であった。 そしてその身からは尋常では無い殺気を迸らせていた。

 

 「【完全なる世界】に所属しているが、俺の目的は世界の救済などではぁない。」

 

 そう言って男はフードを脱ぐとウェーブの掛かった薄青色の長髪に筋骨隆々の体躯に見合った片刃の戦斧を片手に戦闘態勢に入る。

 

 「魔法世界を救う英雄達・・・その力、この俺に見せてみろォォォォッ!!!!」

 

 「ちぃッ!?」

 

 巨漢の男が戦斧を片手にアリカ達に迫るが寸での所で戒翔が腕をアラガミ特有の装甲に加えて硬化は氣を練り込んで念を入れた防御でなんとか防ぐ。

 

 「ぬぅ・・・貴様・・・俺の攻撃を防ぐとは」

 

 「色々と俺は規格外でな・・・まぁ、そういうあんたも相当規格外な存在だよ・・・俺の硬化させた腕を皮一枚とはいえ斬り裂いたんだからな・・・」

 

 戒翔の防御力の高さに対して呻く男に飄々としながら庇った腕は男に付けられた裂傷の所為で腕から血を流していた。

 

 「俺は創造主に造られた存在だ・・・が、奴ら人形共とは違い俺にはある記憶がある・・・英雄という名を激しく憎んだ記憶がな!!!!」

 

 そう言って男は裂帛の一撃を床に向けて打ち付ける

 

 「クッ!」

 

 「今日はそのお姫様二人が英雄なのかどうかを確かめに来ただけだったが思わぬ収穫があった・・・御付きの騎士名を聞こう」

 

 「・・・戒翔だ、御坂戒翔」

 

 「御坂戒翔・・・俺の名はハサン・・・俺と死合うまで死ぬんじゃねぇぞ」

 

 そう言ってハサンは背景に溶けるかの様にして姿を消す。

 

 「・・・中々に面倒な相手に目を付けられたか」

 

 「戒翔」

 

 「ぼったっててもしょうがない。 兎に角出口を見つけよう」

 

 アリカの言葉に頷き戒翔はアリカとテオドラを連れて牢屋のある部屋から出て風を微かに感じる場所を目指す。

 

 ―――――――――――――――

 

 「・・・この魔力はアイツ等か」

 

 「どうしたのじゃ?」

 

 「二人とも近くに・・・ナハト」

 

 《protection》

 

 アリカとテオドラを抱えて戒翔は上方に向けて障壁を厚めに展開するのと同時に天井が途轍もない揺れと轟音と共に崩壊する。

 

 「「きゃぁぁぁぁッ!?」」

 

 「ちッ、あの馬鹿チビが・・・こっちには奪還対象がいるというのを理解しているのか?」

 

 「助けに来たぜ! ・・・って勝手に抜け出してるじゃねェかよ!」

 

 戒翔達がいた方向から聞きなれた声が聞こえるのと同時に戒翔は一発の魔力弾を形成し放っていた。

 

 「ブベラッ!?」

 

 「この馬鹿者が・・・助け出す者が怪我したらどうする気だ」

 

 「いや・・・それよりも」

 

 「兎に角ここから離れる事が先決だ。 アリカとテオドラ姫は俺が運ぶ」

 

 「一人で大丈夫なのか?」

 

 「姿を変えればどうって事は無い・・・ナハト、リミッター解除」

 

 《allright》

 

 微かに戒翔のペンダントが明滅するのと同時に戒翔を黒い繭の様な物が包み込む

 

 「「「ッ!?」」」

 

 次に現れた時の姿を見てナギとアリカ、テオドラの三人は驚きの余り声を出せずにその姿を凝視していた。

 

 「・・・これも俺の力の一端【荒神化】真・神蝕種ハンニバル・・・分かり易く言うのであれば龍種のような物と考えてくれて構わない・・・が、そこらの龍種とは格が違いすぎるがな」

 

 そう言って両手にアリカとテオドラを乗せる。

 

 「チビ助は飛翔魔法があるのだから自力で出られるだろう?」

 

 「あ、あぁ。 だけどお前ってほんとにナニモンなんだ?」

 

 「・・・いずれは教えてやる。 今はここから出る事が先決だ」

 

 そう言って背中の甲殻がスライドし、白と黒の二対の翼が生えて羽ばたきを初めて宙に浮く。

 

 「ナハト、二人に保護フィールドを形成。」

 

 《OK》

 

 戒翔が呟いた直後にアリカとテオドラの二人を包み込む様にして光の膜の様な物が形成される。

 

 「風の抵抗で傷がつかない様にしたが飛ばされない様に手に捕まっておけ」

 

 「わ、わかった。」

 

 「りょ、了解なのじゃ!」

 

 戒翔に言われて急いで手近にあった指に両腕で掴む二人を更に包み込む様にして握り外側からの影響が出ない様にしてナギが開けた穴から飛び出る。 続いて杖に跨ったナギが飛び出して行く。

 

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