「さぁ、反撃と行く訳だが、俺は単独で動く。 奴らの狙いが分からない内に調査組と戦闘組の二つに分かれて行動をする。 アリカは調査組と一緒にいろ。」
「カイトはどうするのじゃ?」
「あの国に行き、黄昏の巫女を奪う。」
「・・・アスナを攫うのか」
「あの子を遠目から見たが、年端もいかない子があんな表情で軍に飼われるが如くの扱いを受けている。 俺はそれが気に食わない。 だから攫ってあの子に自由って物を見せてやりたい。」
戒翔の言葉にアリカは瞠目する。
「姫子ちゃんを助けに行くんなら俺も行くぜ!」
「・・・国に行くのは俺一人だ。 お前達は完全なる世界の支部を叩き潰しながら本丸の尻尾を掴め。」
「だけどよ!」
「諄いぞ、ナギ・スプリングフィールド。 貴様は貴様の成すべき事を成せ。」
言い募るナギに戒翔は言葉でもって説得する。
「アルビレオ・イマ、ガトウ・カグラ・バンデンバーグ。 お前達2人は内部調査をし、その調査で判明した敵アジトをナギ達で殲滅。 それが今後の方針だ。」
「わたしとガトウの二人だけですか?」
「他にも助手の餓鬼どもがいるだろう。 その者達も使えばそこまでの負担は無い筈だが?」
文句を言うアルビレオに戒翔は事も無げに言う事にガトウと共に苦笑する。
「無理を言う。 彼らはまだ子供と言っても良い年頃だ。 無理に俺達の様な裏の仕事を手伝わせる事も」
「最強の傭兵集団が聞いてあきれる。 汚れ仕事? 誰がそんな事を決める。 お前達が決めるのか? あの餓鬼たちに直接聞いたのか? 汚れ仕事も出来ない様な者をお前達は弟子としているのか?」
「しかしですね、物事には順序と言うものが」
「予定通りに行く事は稀だ。 それが戦争の最中なら尚更に・・・な。」
「急いては事を仕損じるのではないか?」
「だから俺が一度派手に動いて奴らの目を此方に向け、お前達で尻尾を出して来る奴等を叩く。 陽動と強襲・・・時間との勝負だ。 出来るよな? 赤き翼の面々なら簡単な事だろう」
ゼストの言葉に戒翔はそれすらも想定内とばかりに言葉を紡ぐ。
「・・・そこまで考えているのなら私としては異論はありませんね。」
「そうじゃのぅ、儂も否定はせぬな。 むしろ確りと計画がされているのなら賛成じゃ。」
「なら決まりだな。 俺はこのまま彼の国まで転移で行く。 後の動きはお前達で動け」
それだけ言って戒翔は転移魔法陣を起動し、魔法を発動させるだけにしてアリカを見る。
「アリカ、俺は暫し離れるが絶対に無茶な事はしないでくれよ?」
「誰に言っているのじゃ。 一番無茶をしでかしているのはお主の方であろう? 今も単身で敵の懐に飛び込もうとしているではないか」
「否定はしない。 だが、だからと言って俺の真似はしないでくれ。 そして俺の様には絶対になるな」
「なにを」
戒翔は最後の言葉をアリカのみに聞こえる声量にして呟きアリカが問い返す前に転移し、目の前から消える。
「王女殿下、戒翔は最後に何を」
「いや、なんでもない。 それよりもあ奴は行動が恐ろしく速い。 一刻もせぬ内にウェスペンタティアで戦闘が起きる筈じゃ。 それに合わせていては間に合うものも間に合わん。 我等もすぐに行動に移すのじゃ。」
そう言ってアリカは身を翻し戒翔の向かった自身の国がある方角を見つめ
「絶対に無事で帰って来るのじゃぞ。 出なければ妾は許さんからの?」