頭チワワな狼に優しい葦名   作:破戒僧の右腕の袖

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あれがドーンってなってバヨーンってなります。


こう、鍵縄でビューンって。あと言葉は通じなくてもなんとかなることもある。

周りに挨拶を済ませた狼は、荒れ寺を出て御子様を救うために葦名の城下を駆けていた。

鍵縄を木の枝や壁に引っ掛けて飛んでいた。楽しくて何度もやってたら兵士に見つかったりした。

葦名の兵たちに見つからない様に隠れながら進んでいく狼。途中ですっごい甲冑を着た大太刀を持った侍大将を倒したりした。

 

 

そこから少し進むと、大きな人が縄で縛られて暴れていた。盗み聞きによると、どうやらあれは《赤目》という人らしい。

確かに目が真っ赤だ。あまり寝ていないのかもしれない。狼は結構呑気なことを考えた。

 

なんだかその人が可哀想に見えた狼は、周りの兵士の目を盗んで縄を解いてやった。

 

「これでお前はもう自由だ」

 

「ウゥゥゥゥアアアアア!!!」

 

言葉が通じたのか通じなかったのかは定かではないが、雄叫びを上げた赤目さんは周りの兵士を片っ端から投げ飛ばしたりした。

狼はちゃっかり赤目さんに肩車して貰っていた。

 

赤目さんと別れた狼は、門の中で倒れる忍びの懐から手裏剣車を見つけた。それを見て狼は少し前のことを思い出した。

 

「お前さん、忍具を見つけたら持って来い。ワシが仕込んでやる.....」

 

なんだか仏師殿がそんなことを言っていた気がするので、大切に懐へ入れた。

 

赤目さんが暴れたおかげで敵も居なくなった広場を歩く狼。橋が壊されていることに気付いた狼は、どこか進める道がないかと周りを見ると、下に行けそうな足場が有った。そこに降りて進んでいると、何やら地鳴りのような音が聞こえてくるではないか。

 

嫌な雰囲気を感じた狼は、近くの草場に身を隠した。

地鳴りが大きくなってくる。そして、その原因がついに姿を表した。

 

大蛇だ。

 

真っ白で山をも飲み込めそうな大蛇が辺りを見回している。

これを掻い潜って進んでいくのは難しそうだが、ここを超えなければ進む道が無いので、狼は覚悟を決めた。

 

蛇の視線を切りながら、少しずつ進む狼。鍵縄で谷を超えて、壁に身を寄せ蛇の下を這い進む。

すると、奥に洞窟が見えた。洞窟まであともう少しというところで、蛇がこちらに顔を向けてくる。

焦った狼は近くの籠に身を隠した。息を殺していたのだが、蛇は籠の中を覗こうとしてくる。大きな大きなその目に、狼の姿が写ろうとしていた。

このままではどうすることも出来ないと悟った狼は、心の中で大蛇に謝罪をしながら、

 

目を突き刺した。

 

甲高い声を上げながら暴れる大蛇を後目に籠から飛び出し素早く洞窟に入る狼。後ろで蛇がのたうち回る音を聞きながら、洞窟を抜けた。

 

抜けた先には何やら城壁のようなものが見えた。鍵縄で上手く上を行き城壁内の兵士に見つからないよう歩いていくと、すすり泣く声が聞こえた。

 

「あぁ、小栗毛よぉ......おらの馬っ子よぉ.......奴らめ、爆竹なんぞで脅かしよって.....!!

死んじまったよぉ.......おらの馬っ子ぉ......」

 

どうやら自分の馬が殺されてしまったらしい兵士が居た。

そのまま行ってしまっても良かったのだが、狼は兵士が可哀想に思えて、つい声を掛けてしまった。

 

「馬が、殺されたのか......」

 

「あぅ......?お前さんは......?」

 

「.......言えぬ。」

 

「あぁ、忍び衆か。そうなんだ.....おらの馬っ子が殺されちまってよぉ......」

 

上手いこと解釈してくれた兵士に近付き、馬に手を合わせる。

 

「可愛がって、居たのだな......」

 

「あぁ......お前さん、良い人だなぁ......」

 

涙を流す兵士をそっとして、狼は静かに姿を消した。

 

 

 

盗み聞きをしてみると、どうやらここは城の大手門のようだ。

そしてここを守るのは、鬼形部と呼ばれる者らしい。

聞いた限りでは一筋縄ではどうにも出来なさそうだ。

狼は万全の準備のために、一度荒れ寺へ帰ることにした。




そんなに話が進まない回.....。
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