2度の人生と1度の鬼生   作:惰眠勢

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第20話 派手派手

 鬼殺隊に協力することになったものの、正確には私は鬼殺隊員ではない。最終選別を突破していないものが隊員を名乗るのは良くないと思うし、何より鬼が鬼殺隊員・・・?えっ・・・?と言った感じだ。一応鬼である私と鬼殺隊が協力関係を結んだ事は周知されるように話を回しているそうだが、やっぱり鬼を引き入れるのに反対する人もいる訳で。

 

「言っておくが、俺はお前を認めてねーからな。お館様の指示に従ってるだけだ。ちょっとでも怪しい真似をしてみろ、派手に血飛沫を飛ばしてやるぜ」

 

 ほらでた。今のところ私が会っているのは『絶対に認めない派』と『御館様の決定に従うが出来るだけ関わりたくない派』の2勢力だ。悪意を向けない分後者の方が楽ではあるが、今回私に声を掛けてきたのは面倒な前者であることが分かる。ていうかわざわざ関わってこなければいいものを。

 

「認めてないって言われたの、貴方で14人目です。どちら様ですか?」

「はあ?柱のこととか知らねーのか。俺は派手を司る神、音柱の宇髄天元様だ!もう一度言う、俺は神だ!」

「頭がおかしいことだけ分かりました」

 

 神を自称する人は大体頭がおかしいということを私は知っている。この人やばい人だ近寄らないでおこ・・・。ドン引きした目を逸らしながら1歩後ずさると、目の前の自称神はイラついたような表情になった。

 

「んだとこの地味ガキ!協力だかなんだか知らねーが俺は上官だぞ!」

「誰がガキだ慶応産まれだから!絶対にあんたより年上!ていうか私隊員じゃないんだから上官もクソもないでしょうが!」

「ババアじゃねえか!」

「投げ飛ばすぞ!」

「いい度胸だかかってこいよ!」

「いかないよ!協力関係結んだばっかりだわ!」

 

 ゼエハアとお互いに息を乱しながら言い合いを続けていたが、不毛と分かりどちらからともなく罵りあいを辞めた。確かに投げ飛ばすぞって言うのは良くなかったかもしれない。一応、一応、協力関係結んでるわけだし。相手敵意剥き出しだけど。

 

「ハア・・・おい、てめぇ。慶応産まれでその見た目っつー事は、鬼になったのは明治前半か?」

「あー、うん、前半だけど・・・それが?」

「その間本当に人は喰ってないんだろうな?」

「人は食べてないよ。鬼を食べて暮らしてたからね」

「鬼って食い物なのか・・・引くわ・・・」

「食べたくて食べてるわけじゃないから!ていうか鬼相手なら鬼殺隊とやってる事ほとんど同じじゃん。栄養にしてる分有意義だと思わない?」

「栄養になろうが鬼は喰いたくねえ」

 

 ・・・確かに、よくよく考えると鬼を食事扱いするのってなんかやだな・・・人だった頃にそんな話聞いたら私もドン引きしていたかもしれない。

 

「一応、お館様もお前が人を食ってないのは確認してるしな。20年近く人を食ってないなら、まあ、大丈夫なんだろう」

「何が言いたいの?」

「不本意だが、非常に不本意だが!お前を認めてやらんことも無い!名乗ってよし」

「上から目線で腹立つわぁ。ちょ、ま、耳引っ張るのやめて!・・・シロって名乗ってます。よろしく」

 

 うっかり本音が漏れ出たところで両耳を引っ張られた。痛くはないけど精神的に嫌すぎるわ!ていうかこの人の見た目が派手すぎて目に優しくない!やっぱりあんまり近寄らないでおこ・・・。

 

 




多分この時は、竈門家の悲劇1,2年前のはず
きっと宇髄さんは既に音柱!言い切る!私が神だ!

一応敬語使ってたけど、なんかちょっとイラッとして敬語外れた。前世が顔を出したと言ってもいい。
人間味が滲み出てるから宇髄さんも認めてくれたんだね!(なげやり)

遊郭編にシロを同行させるか

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