2度の人生と1度の鬼生   作:惰眠勢

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第33話 我が家

 

 

 家を買った。

 

 いきなりなんだと思われるかもしれないが、ようやく家を買った。というか建てた。今までは拠点をコロコロ変えていたから野宿が当たり前だったが、鬼殺隊に協力するようになってから拠点を移す必要がなくなったため固定の場所に家を建てたのだ。場所は鬼殺隊稽古場に近い山の奥。人里からは少し離れているから、あまり人に怪しまれることはないだろう。今までそんなに贅沢をしてこなかったから余裕で家を1件建てるお金は持っていたのが幸いだと思う。

 

「・・・カレーが食べたい」

 

 ようやく出来た我が家の床に寝そべり、宙を仰いだ。そう、庶民の味方のカレーが食べたい。そもそも転生してから外国料理を全く食べていない。カレーは確か明治時代にはもうあったはずだから、作ろうと思えば作れるんじゃないだろうか・・・?あっでもカレーの固形ルーとか絶対に売ってないわ。くそ、開発されるのいつだっけ。まてよ、固形じゃないパウダーなら明治時代にもう売られていなかったか?東京あたりで明治初期に売られていたような気がする・・・ちょっと都会の方に買いに行こうか。

 

 

 と、いうわけで東京までいってお米とカレー粉とカレーに必要な材料を買ってきた。ついでに寸胴鍋と食器類も買った。結構お高く着いたけどカレーを食べるためなら仕方ない。これで1週間くらいカレーを食べ続けられるぞ!飽きそうだけど!カレー粉を売っていたところの店主が詳しい作り方を教えてくれたから、その通りに作ってみた。アレンジとかは多分素人はしない方がいいと思う。カレーを煮込んで、後少ししたら完成するぞというところで家の扉が叩かれた。誰だろう。

 

「はーい、どちら様で・・・あれ」

「シロちゃんこんにちはー!」

「・・・」

「蜜璃さん!・・・に伊黒さん、こんにちは。どうしたんですか?」

「あのね、シロちゃんが家を建てたって聞いたからお祝い?に来たの!そしたら伊黒さんも行くって言うから一緒に来たのよ!」

「・・・甘露寺を怪しいところに一人で行かせるわけにはいかないからな」

「わあ、本当に信用されてないですね。・・・良かったら中にどうぞ」

 

 おじゃましまーす!と元気よく入ってきた蜜璃さんと、睨めつけるように入ってきた伊黒さんの対比が凄い。睨めつけるようにというかほんとに睨みつけられてるけどもう気にしないことにした。

 

「あら?この匂い、ライスカレー?」

「ええはい、ちょっと食べたくなって」

「シロちゃんライスカレー作れるのね!お店じゃないとなかなか食べられないのに!」

 

 いいなー、いいなー、食べたいなーという蜜璃さんの視線を受け、蜜璃さんと伊黒さんにもご馳走することにした。1週間分はあるとさっき思ったが、蜜璃さんと食べるなら1食分にしかならないだろう。というか私もかなりの大食いになっているからそもそも1週間も持たなかったと思う。

 

「あ、でもお祝いに来たのに貰っちゃっていいのかしら・・・」

「こいつが良いと言っているのだから良いのだろう」

「そうそう、美味しいものは共有した方がいいって蜜璃さんが言ったんだもの」

「そう?それじゃあお言葉に甘えて!」

 

 美味しい美味しいと言いながら食べる蜜璃さんを見ながら、2人で寸胴鍋のほぼ全てを食べ切った。1杯だけ食べた伊黒さんには呆れた顔をされたけど、きっと蜜璃さんの大食いを見慣れているのだろう、あまり変な目は向けられなかった。

 前に蜜璃さんとお店の食料食べ尽くした時は周りの人に凄い目向けられたからなぁ・・・。

 

 




もはやただのカレー回
やっぱり伊黒さんには信用されてないぞ!
(扉絵で伊黒さんと蜜璃ちゃんが一緒にご飯食べに行ってたからこの2人仲良いのでは・・・?)

遊郭編にシロを同行させるか

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