2度の人生と1度の鬼生   作:惰眠勢

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第34話 隊服

 

 やっとというか漸くというか、隊服が届いた。刀の方はもう少し時間がかかるらしいが、隊服があるかないかで結構モチベーションが変わると思う。丸眼鏡をかけた縫製係の人が我が家を訪ねて来たので、丁度遊びに来ていた蜜璃さんと一緒に隊服を受け取り試着をしてみた。

 

「・・・これ、寸法合ってないですよね」

「いえいえ、それが完璧な状態です。間違いないです。ほら、恋柱様とお揃いですよ」

「お揃いは確かに嬉しいですけど」

 

 胸部分の布が極端に足りなく、胸がかなり露出している上にミニスカート。蜜璃さんとお揃いだが残念ながら私の胸部は慎ましいのだ。絶壁では無いが蜜璃さん程はない。豊満な胸も無いのにこの露出は恥ずかしい。

 

「わ、私女の子みんなこうだと思ってて・・・しのぶちゃんは油をかけて燃やしたらしいのだけど・・・」

「なるほど、蜜璃さんは騙されちゃったんだね・・・」

 

 流石に油をかけて燃やすのは良くないと思いながら私服に着替え直した。そうだ、不良品だったということにして作り直してもらおう。お揃いで無くなるのはちょっと寂しいが、それ以上にこの格好は恥ずかしすぎる。

 

「ちょっと失礼」

「あ、ちょ、チクショォォォォ!!」

 

 隊服を左手で持ち、右手の爪を伸ばして上から下にかけて引き裂いた。うんうん、簡単に破れるなんて不良品だね、作り直してもらおう!

 

「ふふ、どうやら不良品だったみたいですね。布の量も少なかったようですし・・・作り直し、お願い出来ますよね?」

「うう、悪魔・・・この胸の露出がいいのに・・・!」

「何かおっしゃいましたか?」

「なんでもないです!!!!直ぐに作り直します!」

 

 正直、布に悪いことをしたとは思っている。けど斬り裂いた部分は広範囲では無いし、再利用出来るだろう。まったく、この時代にもあんな変態がいたのか。蜜璃さんも被害にあって可哀想に・・・いや、作り直し依頼してないなら結構乗り気なんだろうか・・・?でも蜜璃さんだし、申し訳ないと思って反抗しなかったのかもしれない。私は申し訳なさよりも自分の羞恥心を優先する。

 

「この格好結構恥ずかしいけど、シロちゃんとお揃いなら良いかなと思っちゃったのよね」

「そうだね、蜜璃さんとお揃いっていい響きだけど・・・私は着れないかな・・・ごめんね」

 

 ショボンとしている蜜璃さんをみて、作り直しを撤回しようかと一瞬思ってしまった。でもやっぱり胸部露出&ミニスカートは嫌すぎる・・・!ミニスカートだけならいいかとほんの少し思ったけど、出来るだけ肌は出したくない。うん、やっぱり普通の隊服にして貰おう。

 

 




流石の隊服もシロちゃんには勝てなかった模様
残念だったな前田まさお!

隊服支給の前に鎹烏に呼び出されたから、後日手渡しになったぞ!!!

遊郭編にシロを同行させるか

  • させる
  • させない

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