「シロさん、お久しぶりですね。調子はいかがですか?」
「あら、胡蝶さん。お久しぶりです。いい感じですよ。」
鬼殺隊稽古場にて、胡蝶さんと約1年ぶりの再会を果たした。本当に久しぶりだ。鬼殺隊と協力関係を結んでからというもの、なぜか今まで全く姿を見ることがなかった。
「久しぶりなのに申し訳ないのですが、お願いしたいことがあるんです。聞いてくださいますか?」
「え?ええ、力になれるか分からないですけど、とりあえず聞くだけなら」
聞くと、胡蝶さんは鬼を殺す毒を開発・改良しているそうだ。既に鬼を殺す毒は完成しているが、もっと効果が強く、人体には影響がでず、今まで以上に速攻力がある毒を作るために鬼の実験体が必要。なので、実験体用の鬼を生け捕りにしてきて実験に付き合って欲しい、とな。
「鬼の生け捕りですか・・・私、基本即死技を使うので生け捕りって難しいんですよね」
「はい。ですが、シロさんには尋問・拷問用の血鬼術があると聞きました。その血鬼術では難しいでしょうか?」
「うー、んん。出来るけど移動が・・・ああ、とりあえず鬼の四肢を切断しちゃえばいいのか。生きてれば五体満足じゃなくてもいいですよね?」
「ええ。とりあえず生きている鬼なら状態は問いません」
「良かった、それなら協力出来ますよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
必要のない情報かもしれないが、最初から最後まで私も胡蝶さんもニコニコの笑顔だ。両名とも笑顔なのに話の内容がこれだから、傍から見ると狂気の沙汰だと思う。実際、一緒に稽古していた下級隊士達が若干引いた顔をしている。
「あと、鬼を生け捕りにしても囲う場所がないので、囲う役割をシロさんにお願いしたいです。なので、実験中はシロさんにずっと居てもらう形になってしまうのですが・・・」
「任務がない時間帯ならいつでもいいですよ」
「本当にありがとうございます。今までは戦闘中に実験を兼ねて打ち込んでいたものだから、落ち着いて出来なくて困っていたんです」
「試作品を実戦で使うのって嫌ですよね。私でよければいくらでも付き合うので言ってください!」
「ふふ、頼もしいですね」
いともたやすく行われるえげつない会話だが、こんな内容でもあまりギスギス感がないのが救いだろう。以前の胡蝶さんからは鬼に対するとてつもない憎悪や嫌悪が滲み出ていたが、今目の前にしている胡蝶さんからはある程度緩和された雰囲気が漂ってきている。私の精神衛生上ありがたいことだ。
思ったのだが、その毒がうっかり私にもかかったりした場合どうなるのだろうか・・・死ぬのかな・・・。
しのぶさん久しぶり!!
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない