ある日、私は山の中で全身傷だらけの男性と対峙していた。その男性は抜き身の日輪刀を持っている上に殺気立っていて、なんとなく今にも襲われそうだ。と、思った瞬間、男性は日輪刀を自分自身の腕に当て、そのまま斬り裂いて私に見せつけた。ええ、ダイナミック自傷すぎて最早反応が出来ない。怖い。
「おい鬼ィ!大好きな人の血肉だ!食らいつけ!」
「・・・いや、私は人の血肉を食べる必要ないので・・・え、なにこれ」
テンションの高低差が激しい。男性が一方的にマグマのように激昂していて、それを見ている私の心はまるで雪国の吹雪である。え、ほんとになんなのこの人。ていうか誰。ただひたすらに怖い。
「てめぇみてぇな薄汚い屑共が、鬼殺隊で戦えるだ?なわけねぇだろうが!煉獄の野郎も何を考えてんだ、お館様もお館様だ・・・!」
「・・・」
何も言っちゃいけない気がする。何を言っても逆鱗に触れる気がする。あと、やっぱり日輪刀で切られそうになったから反撃はしないで回避だけしていた。そのまま何も言わずに黙っていたら、しばらく怒鳴り続けていた傷だらけの人は何処かへ行ってしまった。ほんと、怖かった・・・。
今日は蜜璃さんとの夕飯デー。およそ50人分のクリームシチューを作り、大量のパンと白米を用意して家に来た蜜璃さんと一緒に食べまくる。ちなみに伊黒さんは任務で遠くに行っているから二人っきりだ。
「傷だらけの?・・・多分、不死川さんかしら・・・怖くてあまりお喋り出来てないのよね」
「うん、何を言っても怒鳴られる未来しか見えなかったから何も言えなかったなぁ」
「仲良くしたいとは思うのだけれど、なかなか難しくて」
「ちょっとしか会ってないけど、仲良くするのは難しい感じじゃない?あの人」
お喋りしながらもシチューを口に運んでいく。50人分ほどあったが、既に半分ほど無くなっていた。そういえば今まであまり考えていなかったが、私は鬼を喰べなくても済むようになった代わりに胃袋がブラックホールになってしまったようだ。いくら食べても完全に満たされることは無い。とはいってもひどい飢餓状態ではないし、例えるなら4時間目の授業を受けている学生のようなお腹のすき具合だ。つまり、全然我慢できる範疇ということ。
鬼を食べなくなっても日常に支障はないから任務では頸を切ることだけに専念することが出来た。なぜこんな体質に変わったのか分からないから、やはりここも珠世さんが研究中である。ありがとう珠世さん。貴女には頭が上がりません。
不死川さんのキャラが掴めてないので、申し訳ないとは思ってる
隊員同士の私闘は厳禁だけど、それでも確認せずにはいられなかった不死川さん
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない