2度の人生と1度の鬼生   作:惰眠勢

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第62話 覚醒

 

 パチリ、目を覚ました。

 

 

「ムー、ムー!」

「あら、禰豆子ちゃん起きてたのね?・・・他のみんなは寝てるみたい」

「ムムー!」

 

 

 夢から覚めて目を開けると、まず最初に目に映ったのは炭治郎くんに縋り付いている禰豆子ちゃんだった。おそらく、中々起きないから起こそうとしているのだろう。私が何度か揺さぶっても炭治郎くんは起きなかったため、禰豆子ちゃんは炭治郎くんに頭突きをしたが禰豆子ちゃんのおでこから血が出てきてしまう。そして、泣き出した禰豆子ちゃんに同調するように禰豆子ちゃんの血が燃えた。・・・血がかかってる炭治郎くんも一緒に。

 

 

「え、禰豆子ちゃん!?炭治郎くん!?」

「ムムー!」

 

 

 禰豆子ちゃんは、やってやった!みたいなドヤ顔をしている。消火しないと大変だと思い、羽織でバンバンしていたがそのうち炎は勝手に消えてしまった。しかも、炭治郎くんは無傷だし服だって燃えていない。なにこれ。禰豆子ちゃんの血鬼術?

 まあそれは一旦置いておいて、炭治郎くんが起きないのは仕方がない。この様子じゃ他のみんなも簡単には起きないだろう。みんなと縄で繋がれている人達は夢の中に入り込んでいるのだろうし、勝手に縄を外したりしたらどうなるのかわからない。だから自力で目覚めてくれるのを待つしかない。まずは私が出来ることをやろうと思い、ここは禰豆子ちゃんに任せて今いる所に近い後方車両から順に鬼の居場所を探すことにした。

 その際、私にもいつの間にかついていた縄を解いて席を立つ。私の夢の中に入り込んでいた子は真正面に居たが、ボーッとしているようで何かしようとはしていない。この子は放置でいいだろう。

 

 

「禰豆子ちゃん、他のみんなのこと、お願いね」

「ムー!」

 

 

 

 

 

 1番後方の車両に着いたが、全員眠っていることを除けばとくに変わった様子はない。気味が悪いほどの静寂を抜きにすれば、鬼が居るだなんて思えないくらいだ。・・・と、次の車両に移ろうとした瞬間に気味の悪い気配を感じた。急いで振り返ると車両の壁や椅子からウゾウゾとした肉塊が滲み出ているのが確認できた。それを確認すると同時に、条件反射で血鬼術を使う。

 

 

ーーー血鬼術・暴風湾曲波ーーー

 

 

 出てきた肉塊にのみ歯車を叩きつける。歯車を叩きつけ、めり込んだ部分はしばらくピクピクと痙攣していてそれ以上動く気配はない。そのうちに潰して粉々にした。今まさに移動しようとしていた車両でも同様のことが起きている。とりあえず目に見える範囲全ての肉塊に歯車を叩きつけた。しばらくそれを繰り返していたら、炭治郎くんの叫び声が聞こえた。曰く、この汽車全体が鬼なのだと。まあそうだろうなと丁度思っていたところだった。肉塊が蠢く汽車なんて、鬼の仕業以外であってたまるものか。

 

 




ようやく原作入れたところですが、これからは更新ゆっくりめになるかもしれないです。
でも出来るだけ1日1回は更新したい。

遊郭編にシロを同行させるか

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