思ったのだが、この火傷を切り取ったらどうなるのだろう。火傷の部分だけ普通の刃物で切り取れば元の肌に戻るのではないだろうか?
ダメ元でやってみようということで、胡蝶さんに相談して肌の一部を切り取ってもらった。が、切り取ったそばからまた火傷の皮膚が現れた。どうやら日光による火傷は別の傷で上書きしても意味が無いようだ。
「とりあえず、薬を塗って様子見するしかないようですね。伊之助君が沢山の薬草を採ってきてくれましたし」
「そうよね・・・。そうだ、伊之助にお礼を言いたいのだけれど、今どこに?」
「さあ、私は知りません。薬草を置いてすぐにどこかへ行ってしまったので」
残念、今日は伊之助に会うのは難しそうだ。胡蝶さんに塗り薬を貰い、お礼を言ってから診察室を出る。炭治郎くんもいる私の病室に戻ると、廊下にいても聞こえるほどの大声が聞こえてきた。煉獄さんだ。
「どうしたんですか、そんな大声を出して」
「シロさんおかえりなさい!すみません、うるさくしてしまって」
「ああ、シロか!いや、竈門少年の言うヒノカミ神楽について何か分かるかと思って、父上が読んでいた書物を持ってきたのだが!ズタズタで読めなくてな!」
「ああ、それで・・・」
「それと、俺の継子にならないか勧誘したのだが断られてしまった!」
「う、す、すみません・・・。あと、日の呼吸というものについても教えて貰ってました」
炭治郎くん曰く、自分はまだまだ弱いし忙しい人の時間を取らせるようなことは出来ない、と。煉獄さんはそんなこと気にしないと言っているが、炭治郎くんは頑固だしきっと断り続けるだろう。妥協しないというかなんというか・・・。日の呼吸というのは初めて聞いたから私も後で教えて貰おう。
とりあえずベッドに戻ろうとしていると、玄関口から怒声と悲鳴が聞こえてきた。同時にドタバタと廊下を走る音が聞こえてきて、大号泣しているなほちゃんが部屋に飛び込んでくる。
「た、炭治郎さぁぁぁん!包丁を持った不審者です!炭治郎さんを狙ってますぅぅぅ!」
「え、包丁!?俺!?」
「ひょっとこを被っている、恐らく刀鍛冶の方です!とても怒ってます!万死に値すると言ってます!」
「はっ、鋼鐵塚さん!すみませんすみません!今すぐ行きます!」
そう言うと、炭治郎くんはベッドから飛び降りて部屋を飛び出した。炭治郎くん、絶対安静じゃないの!?追いかけようとしたところで、大声で謝罪をする炭治郎くんの声と雄叫びをあげている鋼鐵塚さん?の声が聞こえてきた。え、怖い・・・。しかも煉獄さんがニコニコしているのがもっと怖い。
「鋼鐵塚という刀鍛冶は、気難しい事で有名だからな!まあ人を殺したりはしないだろう!」
「なにそれ怖い」
私の担当が上鉄穴さんで良かった、と心から思った。とりあえず鋼鐵塚さんという人を止めに行こう。炭治郎くんは安静にしていないといけないんだから。
父&弟に会えなかったな・・・
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない