任務に行ったり稽古をしたり、任務に行ったりご飯を作ったり、任務に行ったり胡蝶さんの実験に付き合ったり任務に行ったり任務に行ったりしていたら、火傷が完治してから1,2ヶ月ほど経過していた。毎日があっという間に過ぎていってしまう。そして今日も、いつも通りに道場で稽古をするつもりだった。
「炭治郎くんと禰豆子ちゃん対私の手合わせ、ですか?」
「ああ!竈門少年と竈門妹は基本一緒にいるからな!もしもの時の為に共闘出来た方がいいだろう!」
今日は珍しく、煉獄さん、炭治郎くん、禰豆子ちゃん、そして私の4人のみ道場に集まった。私の場合煉獄さんに呼び出されたから来たのだが、この様子だと炭治郎くんも禰豆子ちゃんも煉獄さんに呼び出されたのだろう。初耳だという顔をしている。禰豆子ちゃんはぽかんとしているが。
「あの、シロさんが強いというのは分かっているのですが・・・2対1というのは・・・」
「案ずることは無い、シロなら負けないだろうからな!」
「買い被りですよ煉獄さん」
結局、煉獄さんのゴリ押しで手合わせをすることになった。禰豆子ちゃんはよく分かっていないようだったが、敵が現れた時のための練習をするのだと説明をしたら納得したようだった。手合わせを始める前に、煉獄さんが血鬼術あり、だがお互いに加減はすること。そして炭治郎くんは日輪刀は使わず普通の真剣を使うこと、というルールを決めた。
「それじゃあ、よろしくお願いします!」
「ムー!」
「ええ、よろしくね」
お互いに一礼をしてから行動に移す。まずは飛んで距離を取ったが、飛んだ瞬間に直前まで私がいた所を禰豆子ちゃんが蹴っていた。そして空中で回転して体勢を立て直してから、2人の位置を視認して歯車を飛ばす。それを全て炭治郎くんが水の呼吸で跳ね返して破壊した。
床に着地して、互いにタイミングを見計らう。動いたのは3人同時だった。爆発的なスピードでこちらに駆けてきて爪を振るう禰豆子ちゃんの鳩尾を、抉るように殴り飛ばす。その禰豆子ちゃんの背に隠れて近づいてきた炭治郎くんの刀に歯車をぶつけて軌道をずらし、右肩・左腰・右膝と、くの字になるように真横から歯車をぶつけた。加減はしてあるから骨は折れていないだろう。
そのあとも、動きからしてヒノカミ神楽や禰豆子ちゃんの燃える血を使った攻撃をしてきたが私には傷一つつかなかった。歯車の汎用性は高いから防御力は高い方なのだ。分厚い壁があればだいたいなんとかなる。それに歯車は自動追従だから、1度視認してしまえばずっと勝手に追い掛けてくれる。これほど使い勝手の良い血鬼術はなかなかないだろう。
「・・・そこまで!」
「っ!は、ハァ、ハァァァ!」
「ムー・・・」
「あら、もう終わり?」
私の戦闘スタイルは遠距離戦が基本だから、炭治郎くん達と距離を取った所で煉獄さんからお終いの合図がされた。ちょうどいいタイミングではあったが、炭治郎くん達の戦い方の穴なども見えてきたからもう少し戦いたかったのが本音だ。まあ、これ以上続けたら怪我してしまう可能性もあるからそれを考えてもちょうどいいタイミングだったのだろう。現に炭治郎くんは虫の息だ。
「竈門妹との連携はある程度出来ているようだな!だが竈門少年!シロとの戦いで、何か気づいたことはあるか?」
「ハァ、ハァ、まず、俺は遠距離にあまり対応出来てないです・・・あと、圧倒的に速さが足りません・・・」
「そうだな!後はあるか?」
「根本的な問題で、ハァ、攻撃力も足りないです・・・シロさんの防御壁を崩せなかった」
床に大の字に突っ伏しながら、息もたえだえに炭治郎くんが答えた。というか、私の防御壁は崩せなくて当然だと思う。攻撃用の歯車の強度を高めるのを諦める代わりに、常に傍に浮かせている防御用の歯車の強度をMAXにしているのだ。壊される方が困る。ああ、でも禰豆子ちゃんの血が爆発した時は少し欠けてしまったのだ。戦うとしたら、禰豆子ちゃんの血鬼術とは相性が悪いかもしれない。
「その通りだ!つまりこれから竈門少年が伸ばすべきところは3つ!遠距離の対応、速さ、攻撃力だ!後者の2つは呼吸を極めればなんとかなるだろうが、残りは射程距離だ。まあ、正直なところこれは速さを極めればなんとかなる!」
「・・・ああ、さっきの禰豆子ちゃんみたいに瞬時に近づければ、距離とか関係ないですものね」
「ムー!」
「その通りだ!竈門少年、やるべき事は山積みだ!」
「は、はい!」
炭治郎くんは立ち上がり、煉獄さんの目を見てはっきり答えた。さて、私も帰って自主練しなくては。
ネタ募集の方で提供して頂いた「シロと禰豆子の模擬戦」を元に作成しました。
何故か炭治郎&禰豆子VSシロになってしまいました・・・申し訳ないです・・・でも書いてて楽しい
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない