シロさんに促されるまま家に入った俺たちだったが、中に入って直ぐの所にいた男性に訝しげな顔をされてしまった。この人が宇髄さんという方だろうか?裁判の時に見たから十中八九柱の人だろう。
「宇髄さん、炭治郎くん達が宇髄さんに用があって来たみたい」
「あ?・・・ああ、てめえは鬼を連れてる竈門炭治郎か。あとは知らねえ。何の用だ?」
「あれ、知り合いじゃなかったの?」
シロさんにも不思議そうな顔をされてしまった。そりゃそうだ。裁判で1度会ったきりだし、ちゃんとした会話なんてしたことがない。この人の口振りからすると、善逸と伊之助も会ったことはないのだろう。でもシロさんの目の前で弱点について聞くわけにもいかないし・・・ああ、なぜ断らずに入ってしまったのか。うんうん唸っていると、伊之助が1歩踏み出して高らかに叫んだ。
「俺たちは姉貴の弱点を聞きに来た!ギョロ目がウズイってやつなら知ってるっつってたからな!おいオッサン!教えろ!」
「伊之助!?」
「馬鹿かお前何堂々と言ってんだよ!あと言い方!」
まったく隠す素振りも見せずに伊之助が言うものだから、俺も善逸も焦ってしまった。だが、言ってしまった言葉が戻るはずもない。何を考えているのか分からないような顔をしていた宇髄さんとシロさんが目を見開いたかと思えば、宇髄さんが持っていた箸を置いてニヤリと笑った。
「姉貴っつーことはあれか、お前が伊之助だな?シロから散々お前のことは聞いてるぜ。止めない限り延々と話し続けてたからな」
そう言うと、宇髄さんは立ち上がって俺たちに近づいてきた。かと思えば見定めるように俺たちの顔を見る。そして「シロの弱点が知りたいんだな?」と俺たちに聞いてきた。もちろん俺たちは頷き、肯定する。宇髄さんの背後ではシロさんがアワアワしていた。宇髄さんはなるほどなるほどと呟いて、再度口を開いた。
「いいか?俺は神だ!お前らは塵だ!まずはそれをしっかりと頭に叩き込め!ねじ込め!」
「俺が犬になれと言ったら犬になり猿になれと言ったら猿になれ!」
「猫背で揉み手をしながら俺の機嫌を常に窺い全身全霊でへつらうのだ!」
「そしてもう一度言う。俺は神だ!口の利き方には気をつけろ!やり直し!」
そう叫び、形容し難い体勢を取ったところで宇髄さんは口を閉じた。なるほど、よく分からないが聞き方が悪かったということだろう。確かに言葉遣いが良くなかったし、自己紹介すらしていない。人として、そこは最低限度きちんとしていないといけないと思った。ちなみにシロさんは呆れ顔で食器の片付けを始めている。
「すみません!俺は竈門炭治郎です!こっちは我妻善逸で、こっちが嘴平伊之助です!今日はシロさんの弱点を御教授頂きたいと思いこちらに伺いました!」
「よし、それでいい!俺は音柱、宇髄天元様だ!」
どうやらこれで正しかったらしい。腕組みしながら機嫌良さそうな雰囲気になったので、先ほど気になったことを聞いてみる事にした。
「ところで、具体的には何を司る神ですか?」
「いい質問だ。お前は見込みがある」
そう前置きをしてから、宇髄さんは「派手を司る神、祭りの神だ」と答えた。それに対して伊之助が山の王だと返したり、宇髄さんが伊之助に気持ち悪い奴だなと言ったりとあった。一段落したところで、宇髄さんはちゃぶ台の方に戻って腰掛けた。そして俺たちにも座るように促す。まるで我が家のような振る舞いだ。シロさんも洗い物をしてはいるが何も言ってこない。シロさんの弱点を探りに来たと大声で言ったのに、無反応というのは逆になんだか怖いと思った。
遊郭前の会話をここでする事になるとは。そういえば74話目にして10万字突破しました。1話1話が短すぎる。
炭治郎くん達に対して塵と言った宇髄さん・・・(察し)
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない