あぐらをかき、頬杖をついた宇髄さんは何も言わずに黙っている。教えてくれるわけではないのか?と思っていると、シロさんが煎餅が乗っている皿と人数分のお茶を持ってきてちゃぶ台に置いた。
「・・・なんだか、お2人は夫婦みたいですね」
思わず呟くと、善逸と伊之助が奇声を上げて宇髄さんとシロさんはお互いに顔を見合わせた。そして、シロさんが口を開く。
「私たちはただの友達よ。というか、宇髄さんにはお嫁さんいるもの」
「そうだな。しかも3人いるからな、嫁」
それを聞いた善逸は先程以上の奇声を上げた。しかもとんでもない罵倒付きだ。宇髄さんはそれに腹を立てたようで、善逸の腹を全力で殴る。シロさんはというと、善逸を殴った宇髄さんを見て「宇髄さん?」と一言だけ発した。それを聞いた宇髄さんがピクリとしたのが少し気になる。なんというか、やってしまったというような雰囲気だ。
宇髄さんは黙って体勢を立て直し、元いた場所に座る。シロさんは善逸の心配をしているが善逸なら大丈夫だろう。シロさんに心配された瞬間復活したから。伊之助も、宇髄さんとシロさんが男女の仲では無いことに安心したようで大人しくしている。
「・・・で、だ。お前らはシロの弱点を聞きに来たんだったな?別に答えてもいいが、シロの許可は取れよ」
「えっ」
「あら、別にいいのに」
「えっ」
えっ。この言葉しか出て来なかった理由は2つある。まず、弱点を教えて欲しいと頼んだところでシロさんが許可してくれると思えないと思ったこと。そして、シロさんがあっさり許可を出したこと。いいのか、そんな簡単に弱点を教えてしまって。それともその弱点は俺達にはつけないようなものなのだろうか?
「よし、じゃあ教えてやる。こいつの弱点は軟体動物だな。海にいるタコとかイカだ。ヌメヌメしてうねうねしてるのがダメなんだと」
「な、なるほど・・・ありがとうございます!」
それなら俺たちにも対処法はある!まずは海に行ってタコかイカを手に入れて、シロさんと戦う時に取り出せばいい。少し可哀想だが、終わったあとはきちんと調理して美味しく食べよう。
宇髄さんとシロさんにお礼を言って、俺たちはシロさんの家を後にした。善逸は「シロさんってそういうの苦手なんだなあ、やっぱり女の人なんだなあ」と言っているし、伊之助は何か考え込んでいる。とりあえず今日は遅いし海に行くのは後日にしよう。
「・・・まあ、食べたくないってだけで切れないわけでは無いんだけどな。聞かれてねえし言う必要はないだろ」
「宇髄さん、相変わらず意地悪だね」
「うるせえ。それより、なんであいつらの前だと口調変わるんだ?」
「だって、ほら。ちょっとお姉さんぶりたいじゃない?」
そんな会話がされていた事を、彼らが知ることは無い。
シロちゃん怒らせるとご飯抜きだからね、やっちまったって思うよね
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない