伊之助成分が足りない
あんな格好つけた別れをしたくせに、もう既にしんどい。伊之助に会いたい。一緒にご飯を食べたい。つらい!
前世でも今世でも私に兄弟はいなかった。血が繋がっていないとはいえ初めて出来た弟なのだ。甘やかすし可愛がるし大好きだ!会いたい!つらい!しんどい!いっそ殺せ!ダメだまだ死ねない!
伊之助成分が足りなすぎて荒ぶった私が考えるのはたったひとつ。伊之助が安心安全に暮らせるように、鬼を駆逐しなければ・・・!
あの鬼はこの山に自分を入れて3人の鬼がいると言っていた。つまりあと2人。今はもう日が登っているから鬼はどこかに隠れているだろう。・・・でも、そんなこと関係ない。鬼は殺す。少しでも伊之助の脅威になる可能性があるなら芽が出る前にすり潰して跡形も無く消し去ってやる。人を喰った鬼は敵だ。鬼達も鬼舞辻無惨の被害者だろうが、人を喰った時点で加害者だ。ああ可哀想に、救ってあげたい。死こそが救いなのだ。鬼と化してまで長生きするなんて残酷でしょ?
「みーつけた」
「お、お前は・・・逃れ者の、鬼喰い・・・!」
山の奥。冬眠中に熊が眠っていた洞窟にその鬼はいた。逃れ者は、鬼舞辻無惨の呪いを解いたもの。鬼喰いはそのまま鬼を喰らうもの。こちらの呼び方はしっくり来ない。何だかむしゃくしゃしたから一瞬ですり潰した。そういえば以前から思っていたが、私が血鬼術の歯車ですり潰した部分は再生が遅い感じがする。そのおかげで鬼の体が再生する前に食べきることが出来るから助かるけど、原理がわからない。まあいいか。
「うー、んん。やっぱり美味しくないな・・・みかん食べたい・・・」
「こんにちは。みかんを好む鬼なんて珍しいですね」
真後ろに、誰かいる
すぐさま振り返り、後ろに飛んだ。ここは洞窟。洞窟と言っても、熊が巣穴に使っていたくらいだからさほど大きくないし奥行もない。そこに居たのは黒髪の女性だった。
「あら。攻撃はしてこないんですね。仲良くしましょう」
「・・・仲良く?」
「はい。でも、仲良くするためにはいくつか聞くことがあります」
格好から見て鬼殺隊員だ。聞くこと?なんだ?この山にいる理由か?きっと嘘をつけば殺そうとしてくるだろう。でも、伊之助のことは話したくない。鬼と兄弟ごっこをしていただなんて知られたら、何をされるか・・・!
「お嬢さん。あなたは何人殺しましたか?」
何人、殺したか。何人・・・人?私は鬼も1人2人と数えるが、一般的な鬼殺隊員なら1体2体と数えるだろう。それなら答えはひとつだけ。
「普通の人間を何人殺したのかって言うことなら、0人よ。でも、鬼と化した人間を数えるならたくさん殺して食べた」
「人は1人も食べていないと?」
「そこは誓えるよ。鬼になる前の人は食べてない。なんなら、私を監視しててもいい」
「・・・参考までにお尋ねしますが、貴方の生まれはいつ頃ですか?」
「生まれたのは慶応だけど、明治に変わった時の記憶はないから後の方に生まれてたと思う」
それから数秒、その女性は考え込んでから私に背を向けた。
「私は胡蝶しのぶと言います。もしかしたら、あなたとは仲良くできるかもしれませんね。もしかしたら、ですが」
ーーーああ、もう一体の鬼は倒しておきましたから大丈夫ですよ。何を守っているのか分かりませんが、安心してください
しのぶさんは何歳なんだ・・・?
▶18歳でした!
多分、鬼を喰っていた上に人を喰っていないと堂々と証言する鬼が現れたらお館様に報告すると思う。多分鬼を殺すシーンから見てたから相当な手練だと分かっただろうし、背を向けた瞬間に襲われたらそのまま殺せばいいと考えていた、と・・・思う
あと、この時は原作開始4,5年前です。つまり伊之助は10歳か11歳で、しのぶさんは13歳か14歳。現時点で柱だったかは不明なので不明のままにしておきます。カナエさんについても同様です。
遊郭編にシロを同行させるか
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させる
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させない