ハイスクールD×D'Catastrophe Longinus   作:虚無の魔術師

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すごい久し振りの投稿になります。数ヵ月ほど明けてしまい申し訳ありません。


あと、タグにあるアンチ・ヘイト一応は、一応によるものです。悪い展開とかにするつもりはないですので!ご容赦を!


真龍出張のヘルキャット
殲滅/保護


その少年は、世界というものを知らなかった。いや、知ってはいたが、それは客観的にでしかない。

 

 

 

彼の故郷は、山奥にあるような街。他界との繋がりがあまりないような、閉塞された場所だったからだ。一年の間にも数人程山奥に迷い込むことが多いが、決してその街には辿り着けない。

 

 

複雑に術式ごと組み込まれた強力な結界によって、普通では有り得ない程の人払いになっている。元いた場所に戻されるだけなので、あまり悪い話ではないが。

 

 

 

外界全てから拒絶された街。それは都市伝説でも語られるようなものだった。

 

 

 

 

 

 

 

『────ねぇ?外の世界って、どんなものだと思う?』

 

高台らしき湖の畔、この街の住人でも来る人は限られる場所に、三人の子供がいた。天真爛漫と言うような、弾みのある声で問いかけたのは、その内の一人…………ワンピースを着た少女だった。

 

 

彼女の問いに、二人の少年達は反応する。

 

『………恐ろしい場所だよ。父さんも母さんも言ってたじゃないか、俺たちはここでしか生きられないって。外の世界だと、どうやっても酷い扱いをされるって。それは俺たちの「力」────『神器』が原因だって』

 

『だね。この街では皆が宿してる力、それは外の世界だと恐ろしいものって言われてるらしいよ。それに、人間だけじゃない。外にはこわーいオバケ達がいて、神器を狙ってくるんだぜ? きっと本にもある地獄って場所だよ』

 

 

黒髪の少年は心の底から苦手と言うように語り、それっきり下を見て俯く。もう一人、サイズを間違えたようなダブダブのコートを着込む赤髪の少年は元気そうに黒髪の少年の考えに同調した。

 

 

話の内容から察するに、彼等は『外』に出たことがないらしい。更に、二人の少年の様子はそれぞれ違うが、やはり『外』への拒絶はあった。それは悪いものではなく、教えられていることを信じているだけだろう。きっとそうだと、確信している。

 

 

何故なら、彼等は『外』を知らないから。未知への恐怖があって当然の事だ。

 

 

 

『本当に、そうかな?』

 

しかし、少女だけは違った。彼女の眼には、少年達のよう仕方ないと言う諦めはない。自分が知らない世界への憧れが、確かに存在していた。

 

 

彼女は、他の二人とは違って────外への憧憬を損なっていない。

 

 

『私さ、外にも良いことはあると思うよ。ここにいっつも来る黒い羽のオジサンから聞いたんけど、外の人に助けて貰ったんだって。今はその人との間に、私達と同じくらいの女の子がいるって話も!』

『え!そうなの!?初耳だけど!?』

『うん!言ってないからね!』

 

元気そうな笑顔と共にハッキリと言う少女に、カラコロと楽しそうに笑って反応する少年。

 

 

 

もう一人の、黒髪の少年はそれでも不満を残していた。彼は足元を見下ろして、小さく呟く。

 

 

『………俺達をこんな街に追いやった連中がいるんだ。良い所な訳がない』

 

彼等三人は仲が良く、いつも三人でいる。意見が食い違ったとしても、彼等は距離を置いたりはしないのだ。

 

 

外へ憧れる少女は積極的に外へ出たいと考え、黒髪の少年ともう一人の少年はあまり外へ出るのを好ましく思ってない。

 

 

しかし、コートの少年は他の二人と比べては消極的に見える。外へ出ても出なくても、別に変わらないとの考えを抱いているらしい。出る事があれば出てみたいし、何かがあればすぐに戻る──────そうな風な、楽観的な考え方だ。

 

 

 

最後に残った黒髪少年だけが、外への畏怖と嫌悪を変えられずにいた。理由は当然、この街の者達が外でどう扱われたかに関係する。

 

 

実の両親も、『神器』と呼ばれる力を宿していた事で家族からも化け物扱いされてきた。母に関しては魔女狩りとして処刑されかねない状況にまで陥っていたらしい。

 

 

 

だからこそ、少年は信用できなかった。

外へ出たところで─────自分達の思うようにならなければ、裏切られればどうするべきかと。

 

 

 

 

 

 

『じゃあさ!こうしようよ!』

 

そんな二人の少年に、少女は声をあげた。年相応の元気さを伴った様子で勢い良く立ち上がると、彼女は語り出す。

 

 

 

『私達、外の世界での力に負けないように強くなるの!神器だって鍛えれば強くなるって、ここに来る黒い翼のオジさんにも教えて貰ったでしょ?だからちゃんと特訓して───────』

 

 

クルリと振り返り、二人に目を配る。口元を緩ませて、大きく笑った。

 

 

『一緒に海を見に行こう!ここよりも、きっと綺麗な場所!絶対凄いよ!私達三人で!』

『お?良いねそういうの良いと思う!明確な約束があったら俺達もちゃんと強くなれるかもしれないしな!それでいいと思うけど、いいんじゃない?』

 

ね? と二人から見つめられ、少年は無言で顔をそらす。しかし数秒後に、観念したように肩を竦める。彼は困ったように、二人を見返した。

 

 

『………分かったよ。俺もそうする』

 

困ったように黒髪の少年は諦めた。少女は二人の手を繋ぎ、心から笑顔で笑いかける。

 

 

『ね、二人とも。約束だよ?

 

 

 

 

 

三人で、一緒に外で過ごそうね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、黒髪の少年────黒月練(くろつきれん)は全てを失った。家族も、親戚も、友人も───────大切な、二人の親友も。

 

 

炎へと包まれ、跡形もなく────消え去った。その時の殺戮と悲劇は、二度と忘れられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人知れず森の中。

 

 

 

「うぇ…………ぁ、何で、なんで………?」

 

その悪魔の名前は、セヴィオ・ムールムール。悪魔七十二柱の一家、その当主候補。あまり名の知られない貴族悪魔である彼は、地へと伏せていた。

 

 

ボロボロにされた自らの身体、そこから生じた赤い池を見て呟く。自分が何故こんな風になっているのか、それすらも分からないという様子で。

 

 

 

 

「────随分と楽しそうに遊んでいたな、そんなに面白かったか?」

 

 

灰色と黒色の混じったロングコートを着込む、黒髪の青年。片手をポケットの中へ突っ込み、もう片方の手には普通とは違う特殊な散弾銃を、肩に担がせていた。

 

 

周囲に飛び散った肉片など眼もくれず、ただつまらなさそうに悪魔を見下ろす。続くように、彼は言葉を紡ぐ。

 

 

「ったく、自分の元から逃げ出した転生悪魔をいたぶってるとはな。おまけに嫌がってる子を、犯そうとしやがって。お前ら悪魔は自分以外を家畜とか思っていないのか?ま、聞いても答える脳なんてないものか」

「───ッ!」

 

 

そうだ、と悪魔は思い出した。

彼は自らの力と眷属を用いて、稀少な力と種族の女を転生させてきた。そして、気に入らないものは適当にいたぶり、中では弄ぶ事もあった。

 

 

その内の五匹……………強制的に転生させた女が逃げ出したのだ。だから悪魔は眷属と共に彼女等を捕まえて、沢山の制裁を示した。そして、目の前で公開処刑として示しを見せようと、声を張り上げた直後────、

 

 

 

 

 

 

『────(さえ)ずるな、ゴミクズ』

 

突然現れた黒髪の青年に、容赦のない弾丸の雨を撒き散らされた。目の前の事に意識しか向いていなかった悪魔は、それはそれは綺麗に吹き飛んだ。

 

 

散弾銃が直撃した悪魔の身体は、激しく負傷していた。衝撃によって片腕と身体がグチャグチャになり、悪魔と言えども重症は免れない。聖別済みの銃弾もあるのか、破片の食い込んだ部位から煙が止まらなかった。

 

 

 

青年もそれを知っているのだろう。無視して、悪魔が手を出そうとしていた女性達の元へと歩み寄る。助けようとしてるのかもしれないが、悪魔からしたらどうでも良かった。

 

 

 

 

 

青年が背中を向けていたのだ。隙だらけで、何時でも殺せるような余裕を。それを作ってくれた人間に感謝と嘲りを向けながら、

 

 

 

「油断したなぁ!人間がぁっ!!」

 

勝ち誇ると共に悪魔は、左手へと集めた魔力を暴走させる。悪魔の力、人間なんて簡単に殺せるような呪いと魔力の塊。それを一気に収束させ、青年へと撃ち放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が、青年────黒月練は嘆息する。本物の馬鹿を見るような眼を向けて。

 

彼は対処に動こうとしない。する意味もないと言外に示すように。

 

 

 

「────馬鹿が」

『Effect!type──Reflection!』

 

練の声に続いて響いたのは、機械のような音声。

正確には彼の胸元に浮かぶ拳銃のリボルバーような宝玉。グルリと回転したかと思えば、いつの間にか宝玉に文字が浮かび上がる。

 

 

 

 

 

────反射、と。

 

 

 

そして、悪魔は見た。

自分の放った魔力が青年に激突する直前に、半透明な障壁らしきものにぶつかり──────瞬間、向きを変えて此方へと戻ってくるのを。

 

 

そして、魔力を放った自分を腕がアッサリと吹き飛んだ。

 

 

 

「ぎゃっ、あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁああああああァァァァぁっ!!?」

 

全身全霊、相手を殺す為に放った筈の力に穿たれ、悪魔は大きな悲鳴を漏らした。半分は痛み、半分は困惑と恐怖によるものだろう。

 

 

 

 

突如起きた不思議な現象。

それこそが練の神器、『真天龍の心核(エフェクション・ヴァンガード)』の基本効果。

 

 

現象、又は状態を操る。

対称である味方や自身に対して強化効果(バフ)を与え、敵に対しては弱体効果(デバフ)を付与する事が出来る。それ以外にも、単語で表せる単純な現象も引き起こせることが可能となる(実力も必要だが)

 

 

欠点があるとすれば、他者には一回の効果が限定で、解除すれば再度使えるが、同時に重ね掛けは無理なのだ。しかし自分には、何回もの重ね掛けが使える。

 

だが、これは基本効果の範疇でしかない。本領はまだまだあるが、練は悪魔相手に使用はしていなかった。

 

 

 

 

最早意識すら向けず、練はすぐ近くに現れたもう一人に呼び掛ける。自分の攻撃を受けてのたうちまわる悪魔でも、襲われてた転生悪魔達でもない。

 

 

同じくこの場に訪れていた、自分の仲間に。

 

 

「フリード、終わったか?」

「エヘヘ、そりゃあねボス。ぶっちゃけ戦ったけど、あんま大した事ないんすね」

「当然だ、こんな小者に好きで従う馬鹿が強い訳ないだろ」

 

神父服を着た少年────フリードはケラケラと笑い声をあげる。教会で扱われているものとは少し特殊な光の剣を持つ彼は、頬に飛び散った血をその手の甲で拭う。

 

 

暗くてよく見えないが、彼の後方には赤に彩られた景色があった。周囲にある木すらも赤く染まる程の、凄惨な現状。

 

 

それでも肝心な死体が無いのはおかしい話だろう。勿論、周囲に死体は存在しない。その死体─────練が相手している悪魔、その眷属は、フリードによって消滅させられたのだから。

 

 

 

そんな状況だというのに、悪魔は目の前の青年に畏怖と激情のままに叫ぶ。相手を人間だと、確信したからこそ。

 

 

「き、貴様ァ!!わたっ、私、私が誰だか分かっているのかぁ!?私は、セヴィオ・ムールムール!七十二柱の一家、ムールムール家の次期当主!それなのに、人間が!人間風情が、私へのこの行い!ただで済むと思っているのかぁ!!?」

 

 

「………ボスー、翻訳おなしゃす。このクソ悪魔の言葉、よく分かんねぇーっすわ」

「さぁな、俺に聞くな」

 

二人が消極的な理由、それは簡単だ。

目の前の悪魔への率直な呆れ、最早感心すら覚えそうになる(実際に感心してるかと言われると全力で否定するだろうが)

 

 

この悪魔、人間風情と言ってるが……………その人間風情に身体をグチャグチャにされ、自分の魔力を反射されて腕を吹き飛ばされた事すら忘れているのか?

 

 

 

他にも醜く罵倒が飛んでくる。命乞いすらしないのは、自分が死なないと思ってるのかもしれない。だが、話を聞いてる練が面倒という風に首を振った。

 

 

「………とっとと終わらせるか」

 

ジャコンッ! と神器の銃が装填される。空気や魔力、概念的なものを弾として放つ神器に、フリードの持つ光の剣と同等の力を詰め込む。

 

 

ここにきてようやく、悪魔は「ひっ……!?」と声を漏らした。惨めに地べたを這い、近くにいる─────自分が追い立てて、挙げ句に辱しめようとした少女達を見た。

 

大きく眼を剥いて、悪魔は捲し立てる。

 

「そっ、そうだ!貴様ら!わたしの盾になれ!この人間から私を守れぇ!!この私を守れば先程までの愚行は取り消す!許してやろう!だから私の盾になれぇ!!?」

「………、」

 

 

ビクッ、と少女達が震える。

虐待や暴力、言葉に出来ない所業を受けてきた彼女達は悪魔の言う通りにする理由はない。それでも、彼女達には残っている。

 

従わないと傷つけられるという────肉体と精神への呪いが。

 

 

互いを抱き締め合い酷く怯える二人の少女、そんな彼女達と悪魔を何度も見て深く悩む二人。だが、動いたのは四人と一緒にいた…………最年長に見える女性だった。

 

 

大人びた美貌は弱々しく、顔つきを台無しにするように打撲や傷が残っている。本来なら艶のあるであろう紺色の長髪もボサボサになっている。唇を噛み締めながら、ゆっくりと立ち上がって悪魔の元へと行こうとする彼女だったが───────

 

 

 

 

 

 

「────動かなくていい」

 

 

振り返ることなく、練は告げた。

 

 

「お前達には、コイツの言うことに従わなくてもいい。それを決める権利は─────お前達にある」

 

 

その言葉を聞いていた女性は黙り込むと、その場から動かなかった。

彼女達の様子を目にした悪魔は自分の命令を聞かなかった事に、

 

 

「ふ、ふざけるな!たかが転生悪魔が、私の駒が!何をしている!?私の役に立つのが貴様らの使命だろうが!駒は王の為に─────」

 

 

重い銃声が、響き渡った。

煩く喚いていた声は途絶え、血の匂いが充満する。頭部が消し飛んだら悪魔からは煙があがり、塵芥へと化していく。悪魔は、眷属達のように遺体も残さずに消失した。

 

 

 

そして、悪魔の消えた場所を睨みつけながら、青年は忌々しげに呟く。銃口から謎の粒子を放ちながら、

 

 

 

 

「───ふざけた考え方だな、反吐が出る」

 

今の気分を体現するような言葉と共に、青年は銃の神器を手の中から消すと、転生悪魔の女性達の方へと近づいていく。

 

 

互いを抱き合う彼女達と、それを庇おうとしていた女性は終わりを覚悟した。あの青年は、今すぐにでも自分達の命を刈り取るだろう。

 

 

 

 

 

「選べ」

 

 

しかし、命を奪い取るであろう銃弾は何時まで経っても放たれない。困惑する彼女の前で、練は銃の神器を杖のようにして地面に押しつけていた。

 

 

優しいようで、冷徹な声で、転生悪魔の女性達へと告げる。

 

 

 

「俺達の身元を預かっている組織は、転生悪魔を人間に戻す事が出来る。そして、お前達の保護をする事も可能だ。

 

 

 

 

 

 

人間に戻るか、このまま転生悪魔として生き続けるか……………まぁ、お前達の選択だ。好きな方にしろ。俺は強要もしないし、否定もしない。望む方を尊重してやるさ」

 

 

彼にとって、どうでもいい事ではない。興味が無ければ適当に無視している。彼女等が悪魔で、救いようがない程の外道ならば躊躇なく殺していただろう。

 

 

だが、彼女達は転生悪魔だ。それも無理矢理転生され、奴隷のような扱いを受けているという事は、彼も既に旧知の事実だ。

 

彼は転生悪魔には、選択肢を与える。自分の我が儘だというのは理解している。それでも、彼は好きでこうしているのだ。

 

 

 

 

「…………お願い、です」

 

 

震えながら、女性は祈る。悪魔は祈れない、悪魔特有の拒絶反応とも言える痛みが生じるから。それでも、彼女は必死に祈っていた。

 

 

今、この奇跡を────諦めたくないから。

 

 

 

 

「この子、達を……………私達を─────助けて」

「あぁ、分かった」

 

 

 

即答だった。

安堵からか力の抜ける彼女達の前で、ポケットから携帯電話を取り出すと何処かへの番号を打ち込み連絡をし始めた。

 

 

 

「────宗明(そうめい)、聞こえるか?早速だが女物の着替えを用意しろ…………数?六人だ。二、三人は大人物でいい。あと、シェムハザ副総督や博士への連絡を。悪魔の駒の取り出しをして欲しい、それも六人分だ」

 

 

連絡をし終えた練は、端から黙って聞いていたフリードを見る。そしてすぐさま彼のいた方角を見て、

 

 

 

「フリード、ここの後処理を頼む。俺は彼女達を連れてく」

「えー?何で俺ちゃんなんですかねー?どうせならボスも手伝ってくだせぇーよ」

「そう言えば、最近新しい人工神器が作られてたな。光剣と光銃の改造型だとか………」

「はいはーい!俺ちゃんフリード、チョー頑張りまーす!任せてくだせー!」

 

気だるげそうな態度(それも表面的なもの)から一点、はしゃぎ出すフリードは敬礼のポーズを取る。どうやら青年の話す事に興味あるものがあったらしく、やる気が出てきたようだ。

 

 

そのままスタスタと歩き出し、何らかの小さな器具を用いていくフリード。後処理に使うアイテムなのだろうか? と首を傾げる少女達に、

 

 

 

「ほら、行くぞ。早く元に戻りたいんだろ?」

 

 

そう催促して、彼とは反対の方へと進んでいく。女性を筆頭とした少女達は困惑しながらも、練の後を追う。

 

 

────果たして自分達はどうなるんだろう? と期待と不安に苛まれながらも、彼女達は思案する。確かに彼に従った訳だが、それも早計すぎたかと悩んでいるのだろう。

 

 

そう思っていた彼女達はある事に気付いた。浮かれていたのか、肝心な事を。

 

 

「あの、貴方は………?」

「黒月練」

 

 

不安そうな疑問に、軽い声で練は答える。しかし彼はすぐに考え直したように首を傾げると、続くように付け足した。

 

 

 

 

「………グリゴリの中で数少ない──いや、ある程度いる人間の中の一人さ。まぁ、立場的にも実力的も格下なんだがな」




神器解説

真天龍の心核(エフェクション・ヴァンガード)


第一の能力、現象と効果を引き起こす力。本編でも解説したように、使い勝手の良い力で、他者に良効果や悪効果を自由自在に付与できる(同系統の効果なら何倍でも重ね掛けが出来る)


例えば、攻撃力上昇×五倍 は問題ないが、


攻撃力上昇×防御力上昇 は不可能。後に掛けた効果に上書きされる。


まだまだ練も扱えておらず、真の力はまだ発揮できてない。



銃型神器(名称不明)


練がアザゼルから作って貰った人工神器。銃の形状を変える事が出来、自分の魔力を込めることで魔力の銃弾を放つことが出来る。
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