ハイスクールD×D'Catastrophe Longinus   作:虚無の魔術師

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タイトル通り、神王派勢の動きに関する話です。それではどうぞ。


神王派、集結

神王派。

その名は世界の裏側─────現実とは異なる世界では一介の組織として扱われていた。その多くが人間だが、特に人間だけの組織ではない。ハーフの者もいれば、元人間であった異形もいる。そのリーダー格として担ぎ上げられているのが最強の神滅具の使い手───『神王』であった。

 

 

そんな彼等の行動指針は、『全ての勢力との和平』であった。人外である三勢力や吸血鬼、神々との完全な平和の確立。あまりにも無謀すぎる偉業を、彼等は成し得ようとしていた。

 

 

その順序して、彼等は人間達の保護を行っていた。基本的な活動はボランティアのようなものだが、彼等は平和の為に活動を行い続けていた。

 

 

 

 

 

しかし、それもすぐに崩れ落ちた。

ある日、行方を眩ました彼等は自身の目的を反転させたのだ───────『三勢力を含む人間に手を出す勢力の殲滅』という、荒業を。

 

 

嘘か冗談だと思われていた彼等の思想は、【禍の団】というテロリストに与した事で証明された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、人間界にて。

 

 

 

人の姿が見られないような廃虚で、一人の悪魔が走っていた。逃げるように走りながら、後方に目掛けて魔力の球を放ち飛ばす。

 

相手を殺す為の一撃ではない。足止めさえ出来ればいいと考えたような行動だ。

 

 

しかし、彼の行いは無駄に終わった。逃げることも許されずに。

 

 

 

 

「あ、あっ!?」

 

突然、引っ掛けたように転倒する。怒りを露にしようとした悪魔は後ろを見て言葉を失った。

 

 

自分の足首を掴む腕。しかしそれは普通の腕ではない、それは暗闇の奥から伸びていた。それも数メートルも離れた所から。何よりその腕は筋肉繊維のようなものが剥き出しで、まるで本物の生物のものような見た目をしていた。

 

 

あまりにも不気味な事に絶句する悪魔の目の前で、更なる現象が起こった。

 

 

 

暗闇の奥から、腕が伸びてきていた。それも一本ではなく、十本以上の腕が。獲物である男性悪魔へと群がっていく。

 

 

「ひっ、ひがぁ!やめ、やめろ!やめっ、やめ───」

 

 

這うように逃げる男性悪魔だったが、結局無意味には変わりない。

 

 

 

メキッ、ボギッ、グシャッ!! と。

握り潰すような生々しい音が響き渡る。何が起きたか、あまり一目に見せられないような事だ。

 

十本以上の腕が、男性悪魔を掴むと、身体をぐちゃぐちゃに捻ったのだ。腕や脚、胴体に首、骨を粉々にするような事をした後、幾つもの腕は息もしてない屍を掴み、丸めようとしていた。

 

 

 

「……………ふぅ」

 

しかし、誰かの一息と共に腕は影の中へと戻っていく。メキャメキャという、肉体が変質する音が響いた時には、暗い影に人の形が浮かび上がる。

 

 

暗闇の中から姿を現したのは、似合わないような白衣を纏う青年だった。ボサボサに伸びた黒髪、長さ故に目が隠れているのだが、隙間から何とか見えるくらいにはある。

 

 

 

 

 

────彼の名は、銀谷日室(ぎんやひむろ)。『神王派』正規メンバー、『兵士(ボーン)』を冠する一人だった。

 

 

補足しておくが、『神王派』の正規メンバー………その中でも実力者達は、チェスの称号を与えられている。悪魔と同じと言われればその通りだが、そう区分した神王の意思とすれば、『そもそもチェスとは人類が産み出した物だ』という意見があっての事だ。

 

 

 

「やれやれ、この街で強い悪魔と聞いていたが…………弱い、弱すぎる。これでは、他の悪魔も大したことは無いな」

 

 

周囲に散らばる惨状に顔をしかめ、そう吐き捨てる。心底不愉快、反吐が出るという感情が奥底から滲み出ていた。

 

 

鬱憤を晴らすかのようにまだ息をしている肉塊を蹴り飛ばし、踏み潰す。肉を潰すような生々しい音と共に一気に弾ける。

 

 

 

 

ピチャッ! と頬に血が飛ぶ。その感触に一瞬だけ呆然としていたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ごめんね、日室

 

 

 

「───汚い」

 

退屈そうな顔を一点、憤怒の形相を浮かべる。まだこの肉塊は生きている、だが今の行動は肉塊にとっても意図したものではない。単に自分から手を出して、自分から血を浴びたに過ぎない。

 

 

けれど日室は、そんな事など頭に無いというように怒りに身を震わせる。冷静に、何処か残虐に見える様子で、彼は脚を持ち上げて─────

 

 

 

 

グチャ、グチャ、バギャ! ドヂュッ!!

 

 

 

「不快、不快、不快、実に不快、不快でしかない。お前の血で俺が汚れた、分かるか? 塵が、塵屑風情がどの権限を息をして、生きてるんだ………心底不快、吐き気がしてくる。お前らみたいな塵が、薄汚い屑どもが、俺達より格上を気取って!偉そうに命を奪うことはまだしても、道具のように扱うこと自体が気に入らねぇんだよ。ただ力があるだけでなんだ?お前らはいつも俺達をこうやって踏みつけて!嘲笑って!平然となぶってきたよなぁ!?姉さんの事も!俺の目の前で、楽しそうに笑いながらさぁ!!!………………………おい、塵屑。返事をしろよ」

 

 

何度も、何度も、蹴りつけ、踏みつけた。ブツブツと愚痴を、不満を、少しずつ沸騰するような怒りを乗せて吐き続ける。次第に膨れ上がる殺意を抱き始めて、気付いた。

 

 

その肉塊は、既に息絶えていた。瀕死寸前な上、青年の過度な暴力によって、止めを差されていたのだ。きっと途中から、日室という青年の恨みは届いていなかったのだろう。

 

 

「……………あーぁ、らしくねぇーな。やっぱ、俺もまだまだか。姉さんみたいに我慢強くなれないなぁ」

 

自虐するように、小さく笑う。血濡れた靴を見て困ったような顔をするが、まぁ良いかと考え直す。靴だって予備がある。同じ物だがあまり問題はないだろう。何故なら自分の姉がオススメしてくれた物なんだから────

 

 

 

 

 

 

「日室様!」

「日室様!ご報告があります!」

「……?どうした?」

 

思い耽っていたら、真後ろから声をかけられて、振り返る。自分よりも年上、大学生くらいの男女が立っていた。白い法衣を纏う彼等の事は、日室も心当たりしかない。

 

 

 

日室と同じく、『神王派』の構成員。

唯一違うとすれば、彼等と日室の立場。彼等は通常の戦闘員であるが、日室はその中でも選抜された上位メンバー、その一員なのだから。

 

 

「『女王(クイーン)』のセレナ様より命令が。手の空いている『スペクタートゥエルブ』は神殿要塞 エンシェント・オブ・フロンティアに集合せよ、と」

「えぇ?何で?」

「伝達したい事があると。連絡ではなく、口頭で」

 

 

ふーん、と日室は首を傾げる。

 

 

(口頭って事は………聞かれちゃ困る話か。俺達のこれからの動きに関わることだろうな────それか、姿の見えない神王についてか)

「分かった。それでは俺はここから離れる。残りの悪魔はお前達で掃討しろ」

「ハッ!」

 

 

それだけ伝えて立ち去ろうとして、歩みを止める。そうだ、肝心な事を忘れていた。

 

 

「あぁ、そうそう。分かってるな?」

 

 

振り返り、日室は笑みを浮かべる。彼自身、それが邪悪な笑顔だとは理解していた。納得し、認めていたのにも関わらず、何の躊躇いも不安も脳裏に無かった。

 

 

「命乞いや卑怯な真似には耳を貸すな!目を向けるな!そんなものをものともしない圧倒的な力で捻り潰し、捩じ伏せ────皆殺しにしろッ!

 

 

 

 

 

 

我等の憎悪と怨嗟を奴等の骨の髄まで、魂の奥底にまで刻み込め!!それが奴等に殺されていった同胞達への弔いだ!!陵辱された痛みと苦しみに報いる為に!その身に宿る復讐の炎を煮え滾らせろぉっ!!」

「ハハァ!!了解しました! 」

 

 

命じられた戦闘員達は高揚した様子で戻っていく。問題はない、今の彼等であれば苛烈に生き残りを殲滅していくだろう。心配はいらないな、と判断した日室はすぐさま目的の場所へと向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、数時間も経ち。

 

 

 

神殿要塞 エンシェント・オブ・フロンティアの中心、円卓が用意された部屋にて、十人程の者達が集まっていた。

 

 

様々な風貌と容姿の男女。中には老人、全身鎧の異形までもいる。だが彼等は『神王派』の戦力、三勢力やその他の種族に対抗できる実力者達であった。

 

 

 

それらの面子に視線を配った女性────この中では最強と言っても間違いないであろう人物。『女王』のセレナは、穏和な様子で口を開いた。

 

 

「神王派正規メンバー《スペクタートゥエルブ》。よく集まってくれましたね」

「って言っても…………数人はいないみたいですけど」

「ふん………『女王(クイーン)』の呼び掛けにも来ないとは、少し嘗めてるなあいつら」

 

 

猫背のまま呟く日室の二席程空けた場所に座る、眼帯の男性が不服そうな態度を隠さずに不満を述べる。

 

 

事実、この場にいるのは全員ではない。《スペクタートゥエルブ》は何人かが欠けている。日室は用事がある者達がいるのだ、と把握はしているが、

 

 

 

『───“イリーナ”と“ファントム”は、「(キング)」からの命令がある。故に仕方のない事だ』

「………分ってるさ、“グリムロック”」

 

 

周りの面々よりも一回り大きい────岩の巨人ような体躯をした鎧が、無機質な声を出す。眼帯の男はその鎧───“グリムロック”の言葉に頷き、理解を示した。

 

 

それを見届けたセレナはふーっと一息漏らす。彼女が何か言うと判断した全員はすぐさま姿勢を整え、話を聞く準備を終えていた。

 

 

「さて、貴方達を呼び出したのは伝えたい事が二つあるからです。まず一つ、この話を知る者はある程度は思いますが、皆さんは任務中でしたのでお話しておきます───────亮斗が赤龍帝に敗北した事です」

 

 

瞬間、黙って聞こうとしていた全員がざわめき始めた。口を開かなかったのはそれを知っていた極少数のメンバー。しかしそれ以外の者達は困惑を隠せずに来た。

 

 

「………申し訳ありませんセレナ様。御確認をさせてください────《トライデントフォース》『兵士(ボーン)』兼立ジョーカーの風刃亮斗様が敗北したと?」

「えぇ、幾つもの制約を掛けた状態でしたが、あの亮斗を赤龍帝は禁手に至り得る力を発生させて倒しました。それが事実です」

 

 

話を聞いた途端、その場にいた全員の喧騒が更に大きくなる。代頭するように立ち上がった金髪の青年が丁寧な口調でセレナに呼び掛ける。

 

 

「セレナ様。風刃様のご安否は」

「重体です。何十による倍加の一撃を直に受けたのですから、瀕死ではないのが驚きです。亮斗の体質が理由でもありますが…………二週間は医療機関に付きっきりですね」

 

 

セレナの最後の一言を聞いた金髪を結い束ねた青年は噛み締めるように、「ありがとうございます」と頭を下げて、椅子につく。

 

 

「…………まさか、あの亮斗がやられるとは」

『───攻守一体の風を操る神器、「暴風の王(ストーム・ライド)」。そして何より、悪魔なんぞを軽々しく潰せる程の強固な肉体。それらを有する彼が、制約付きとは言え倒されるとは………』

「今代の赤龍帝、並々ならぬ実力と見た。成長するのは嬉しいものですが………困りましたなぁ」

 

眼帯の男が事実に言葉を失い、グリムロックは驚愕を隠せない様子を露にし、老人は笑みを浮かべながら眉を深める。

 

 

対して、抗議するように声を挙げる者もいた。

 

 

「セレナ様!このシフリン・バックマン!亮斗が何とか無事なことに!多大な喜びを感じています!! 同時に憤りも! 彼が手酷くやられた無念、我らが晴らさで誰が晴らしましょう!!」

「ど、同感です! 大切な仲間が倒されたんです!我慢なんて出来ません!」

 

何処か演技染みた様子の法衣を纏う藍色に黒が混じった長髪の青年────シフリンと名乗った彼は仰々しく身振りをする。その横に座っていた少女、シフリンと似通った顔立ち、そしてシフリンとは相対的に全体的な黒に藍色が混じった髪の少女が不安そうに声を漏らす。

 

 

二人からの言葉にセレナは微笑みながら頷く。

 

 

「えぇ、シフリンとシーマの気持ちも理解できますよ。ですからまずは二つ目の事をお伝えしましょう────」

「二つ目、とは?」

 

 

息を飲み、その内容を聞く面々に、セレナは勿体ぶる事なく、単刀直入に告げる。

 

 

 

 

 

「我々は冥界に宣戦布告を仕掛けます。期日は数日後、冥界で行われる催し…………そこに攻撃と、我々の覚悟を証明したいと思っています。

 

 

 

 

 

 

しかし、それを行うのは限られたメンバーです。大勢ではなく、ある程度の人数で。我々の力を見せつけ、彼等に警戒を示して貰うのが今回の目的です」

「………なるほど、流石は『女王』。お遊び気分の奴等に、我々の意思を示そうと」

 

 

黒装束の男が、ボソボソと呟く。えぇ、そうですとセレナはその言葉に応える。続くように話し始めていく。

 

 

 

「参加するメンバーは決めています。『騎士』アンシア、『戦車』、バックマン兄妹、『僧侶代役』夏鈴、『兵士』、朧───そして、私から『聖光騎士』を十体程」

 

 

名を呼び上げられた者達はそれぞれの反応を示す。

 

 

「お任せを。『騎士』の称号の通り、敵を駆逐しましょう」

「えぇ!えぇ!!存じ上げました!このシフリン!華麗かつ、優美かつ!我等の威光を示して参りましょう!」

「に、兄さん!………はい、このシーマ。皆様の代わりに頑張らせていただきます」

「…………御意」

 

金髪を結いた礼儀正しい青年 アンシアは丁寧な動きで頭を下げて礼を示す。シフリンは喜びを隠せないように仰々しく、演技みたいな動きで自信に満ちた声で話す。その横にいたシーマはシフリンを諌めながらも、自らの覚悟を語る。自らの名を呼ばれた黒装束の忍らしき人物、朧は短い言葉と共に深く頭を垂れた。

 

 

その中で一人────同じように立ち上がっていた内の一人だけが他の反応とは違った。

 

 

「承知しました。ですがセレナ様、進言する事があります」

「構いませんよ、夏鈴」

 

 

少年か青年、その半ばにいるような人物………この際は青年で良いかもしれない。鮮やかな髪色、少女のような容貌をした美青年。

 

 

彼は軽々しく、重く捉えるつもりは無いのか、はっきりと全員に聞こえるように言う。

 

 

 

 

「兵藤一誠と黒月練、彼等の相手は僕に任せてください」

 

 

静かな部屋で、息を飲み込むような音が聞こえた。当然だ、夏鈴という青年の口にした言葉は、それ程までの意味があったのだから。

 

 

 

「待ってください。何故その二人の話が?彼等が冥界に来ると?そもそも夏鈴の話からして二人同時に相手にすると聞きますが………」

 

反対の席にいた大人しそうな女性が疑問を口にする。それに対して答えたのはセレナの方だった。

 

 

「赤龍帝───兵藤一誠はリアス・グレモリーと共に催しに参加する為に冥界に向かいます。黒月練に関しては新しい情報ですが、彼も冥界に来ることが分かっています」

「………それは?」

「彼に会いたがっている神物がいるようです。アザゼル総督だって見過ごせない程の大物みたいですし」

 

 

衝撃的な事実を口にするセレナ。悪魔側の情報などを軽々と語るが、それは現時点で内密にされている話だ。

 

 

彼等の警備がザルだと、否定できる訳ではないむしろ彼等が周到すぎるのだ。

 

 

「別に反対はする気はないが………」

「?」

「対抗策はあるのか?仮にも神滅具が二つだ、そして片方は亮斗を倒したという話で、もう片方は白龍皇と五分五分だと聞く。『僧侶』のお前のままじゃあ負けるのは目に見えてる」

「ご安心を。あの御方から授けられし秘策がありますので」

 

 

それと、と。夏鈴は苦言を呈した眼帯の男に鋭い眼を向ける。威嚇するような覇気を向けながら、

 

 

「僕は『僧侶』ではなく、『僧侶代役』です。本物の『僧侶』はあの人しかいない────忘れないでください」

「………そうだったな、悪い」

 

瞬時に何かを思い出したように、眼帯の男は申し訳なさそうに頭を下げて座った。彼の横で、日室がスッと手を挙げる。

 

 

「……………後、一応聞きたいことがある」

「何か?」

「もし、二人の内一人が禁手が出来なかった場合は?我々としては彼等が『覇龍』を………少なくとも『禁手』を使えるようになって貰わなければならない。もし一人が出来なければ」

 

 

「────()()()()()()()()()()()()()()、それ以外にありませんよ」

 

 

一言、落ち着いた様子で告げる夏鈴に日室は何かを言おうとして、引き留まる。………無茶をするなよ、とか細い声で呟く声は、一部の者にしか聞こえていない。

 

 

話はもう終わりだというように、誰も言葉を発することはない。それを察したセレナは引き締めながら、彼等に向かって話す。

 

 

「我々が倒すべき敵は三勢力だけではありません。敵は内側にもいる事を忘れないでください」

「【禍の団】、ですか」

 

 

アンシアが頷き、全員がそれを理解する。

 

 

「今は同盟を組んでる『ヴァーリチーム』を除けば、首領であるオーフィス様への不敬が目立つ『旧魔王派』、人間や全ての勢力を殺して回っている『聖書新生式』、同じ人間のメンバーとはいえ危険な思想を抱く『英雄派』、そして正体不明活動不明────我々を以てしても正体を掴めない謎の組織、『原罪の獣』。これらの敵を駆逐しなければ、人々に平穏は訪れません」

 

 

彼等は好きで【禍の団】に入った訳ではない。三勢力や人類に仇為す人外を滅ぼすことが彼等の目的である以上、無意味な混乱を引き起こそうとするテロリストは、一番優先して片付けるべき存在であった。

 

 

だからこそ、彼等に手を貸して、わざわざ協力までしていた。いずれ彼等を壊滅させ、脅威を一つ残らず排除するため。

 

 

そこまでして彼等が動くのは、人々の安寧を守る為。だが、それだけが理由ではない。

 

 

 

彼等が命を懸けても良いと、人外達を皆殺しにしようと、世界の敵になった理由……………それは、

 

 

 

 

 

 

 

「─────全ては、我等が神王の為に」

 

 

 

 

「「「「「「「我等が神王の為に」」」」」」」

 

 

『女王』の言葉に、この場にいる全員が声を挙げる。全員が両目を伏せ、ただ純粋に言葉を口にしていく。

 

 

 

同時に、目蓋を閉じても消えることのない────悲劇の数々。自分達が味わってきた苦しみを。

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

『もう、大丈夫だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────俺が、助けに来たぞ』

 

 

 

自分達を地獄から救い出してくれった────たった一人の救世主の姿を。『神王』という役割としてではなく、■■■■という人間として助けてくれた、自分達の最も大切な人の笑顔を。

 

 

 

彼等はその恩人に報いる為に、力を尽くす。敵を駆逐し、あの人が家族と共に、幸せに生きれる場所だけは護ってみせる。




敵組織大集合の回。しかし全員ではない模様。
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