ハイスクールD×D'Catastrophe Longinus   作:虚無の魔術師

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お久し振りです。取り敢えず出しときます(適当)


本拠地での事

────ねぇ、何で匿ってくれたの?

 

 

 

何年か前の話、ヴァーリとの決闘で負かされた練は偶々散歩をしている時に出会った一人の猫又を匿ったことがあった。簡潔に示すなら美女。着物を着込んだ、何処か妖しげに見えそうな女性は、不思議そうに聞いていた。

 

 

 

さぁな、と猫又の問いに練は答えた。

ただ悪魔に追い回されているのを理解し、咄嗟に彼女を匿うことを即決したのだ。追っ手には気付かれていないので、弱っていた彼女を看病してやることにした。

 

 

 

───勿論、アザゼルやヴァーリには伝えられなかった。だからこそ、短い期間しか匿うことが出来なかった。その際、彼女からどうして悪魔に追われていたかを聞いたことがある。

 

 

 

事の経緯は、転生悪魔であった彼女が自分の主を殺した事だった。しかしその殺害の原因は、同じく眷族であった自分の妹に力を使うように強要させようとした。危険な行為、命を失いかねない事を強引にやらせようとする主を殺し、彼女は妹を連れて逃げようとしたが────それは叶わず、泣く泣く一人で逃走し続けなければならない、今の状況にまで至る。

 

 

 

率直に言って、聞いてて面白くない話だった。嘘の可能性は頭にあったが、そんな事を考える自分に逆に腹が立った。嘘などついてない事は、良く分かっているのに。

 

 

 

────待て、■■

 

 

 

だからこそ、彼は自分の感情任せて女性に提案した。そこまでする必要はないと、立ち去ろうとする彼女に。少しだけ会っただけの自分の身を案じて離れようとする、転生悪魔の女性へ、叫ぶ。

 

 

 

 

────俺がこれから、悪魔の罪を償わせる。お前のされた事も、キチンと終わらせてやる。お前が課せられた罪の真実を暴き出し、白日の元に曝し出す。

 

 

 

────約束するぞ! 俺はお前を、ちゃんとその妹に会わせてやる! 犯罪者としてではなく、家族として迎えられるように! それが俺の、お前を助けた責任って奴だ!だから!諦めずに、ちゃんと生きてろよ!!

 

 

 

女性は振り返ることなく歩いていく。クスリと、小さな笑いを漏らしながら、真後ろにいる青年に呆れたような言葉を投げ掛ける。

 

 

 

 

────何だ、真面目な子かと思ったら………意外に熱血みたいなタイプなのね。

 

 

 

────分かったわよ、その約束………ちゃんと待っててあげるわ。期待してるから、そっちこそ諦めないでね?

 

 

 

 

 

そう言って去っていく姿に、練は背を向けた。彼が誓った約束の一つ、これだけは今度こそ叶えてみせる。前のような、あの時の愚行は繰り返さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────練様!」

 

自分の名を呼ぶ声に練はふと意識を覚醒させた。気付けば自分は椅子に座っていたが、どうやら普通に寝入っていたらしい。

 

 

「練様、昼寝の最中に申し訳ありません。頼まれていた件、もう終わりましたよ」

 

 

そうか、と頷く。そして宗明へと聞いてみる事にした。

 

 

「アイリス様とゼリッシュ、二人の戦闘能力について、実際に組手をしてみた結果────どうだった?」

「………嘘偽り無く、正直に話しましょう」

 

 

練が休んでいる間、宗明にある事を任せていた。数日経ったばかりだが新入りであるメンバー………その中でも戦闘が得意である二人、アイリスとゼリッシュの実力を確かめることだった。

 

当初は練自身が動くつもりだったが、宗明から任せてほしいと頼まれ、彼に譲ったのだ。古参でもある宗明を信頼している為、練は戦いの結果にはあまり頓着していなかった。

 

 

口頭で聞けば問題ない、そう判断したから。

 

 

「アイリス様は予想としてはバランス型です。剣術も体術も優れてる…………中でも魔力は、桁外れに優れています。ただ魔法を放つだけではなく、武器に魔力を纏わせて強化するなど使い方に慣れてるという印象が高いです」

 

「私個人としては、やはり様々なスタイルをお勧めしますね。一筋の戦闘パターンでは対策されていた場合、手も足も出ません…………私達のチームには少ない、手数の多さですから、一つを極める必要は特にないと判断します」

 

 

宗明の長々とした評価に、ゼリッシュも当の本人であるアイリスですら呆然としていた。無理もない、いきなりそのような評価を受ければ、

 

 

「次はゼリッシュ」

「彼女は物理特化です。戦い方も基本的に特に神器である『鋼鉄喰らい(メタルイーター)』は凶悪というか、凄まじいの一言です。今の所、禁手の兆候は見られませんが、それなりの修羅場を潜れば…………いずれかは」

 

 

練は、あん?と怪訝そうな顔をするゼリッシュの持つ大剣に視線を向ける。ただの武器ではない、『鋼鉄喰らい(メタルイーター)』、そう呼ばれる神器だ。

 

 

その効果は───触れた金属を神器が取り込むという、凶悪なものだ。ただのコンクリートや武器ですら喰らい、力へと変換するという能力。あらゆる物を破壊する聖剣デュランダルとは類似しているようで似ていない神器である。

 

 

 

「羨ましい限りですよ。あんな風な使い勝手の良い神器は」

「そう言うな、お前も持ってるだろ」

「いえいえ。私の神器はそんな良い物ではありませんよ」

 

 

練が昼寝してる間、それ程の神器や能力を有する二人を軽くあしらった宗明。彼の手にも武器らしき物が握られていた。

 

 

 

────何らかの文字が綴られた布の巻かれた棒きれ。血のような生々しい色のそれは、槍以外に表現できない。

 

 

 

 

「私の神器………『呪詛の魔槍(スペル・インフェクト)』は練様やヴァーリ様のような戦闘に華のある神器ではありませんからね」

 

 

「そういや、宗明パイセンの神器………そのスペル・インフェクトの力って具体的にどんなんだ?」

 

 

 

「簡単です。私の槍は相手に呪詛を与える事が出来ます。『封印の呪詛』や『沈黙の呪詛』と言った、相手に悪い効果を与えるのが得意ですね。………まぁ勿論、そこまで使い勝手が良くありませんが」

「あん?そういやパイセンも力使ってこなかったけど、何でだ?」

「当然です─────私の神器の力は、倒すべき敵にだけ使うと決めておりますので」

 

 

 

丁寧かつ、にこやかに話すが、それだけの圧があった。続けて質問をしたゼリッシュも覇気に気負され、軽く頭を下げる。

 

 

 

「………あぁ、失礼。そこまで空気を悪くするつもりはありませんでした。申し訳ありません─────あ、そうです。少しだけお話をしてもよろしいでしょうか」

「話、ですか」

「えぇ、私の素性について。

 

 

 

 

 

 

皆様が考えている通り、私は諸葛亮孔明の子孫です」

 

 

諸葛亮孔明。

それが意味するのは歴史に存在する偉人。三國志という話にて登場した軍師。彼の手腕によって勝利に導かれた戦いが何度もあったと呼ばれるほど。その有名さは絶大で、三國志の話を詳しく知らない者でも知っているくらいである。

 

 

目の前に立つ紳士の青年は、その偉人の血筋。大軍師の子孫の一人なのだ。

 

 

「私の家庭は、普通に平和です。父にも母にも恵まれており…………妹もいます。私とは違う、元気な子でしたよ。

 

 

 

 

えぇ、()()()()幸せに暮らせていました」

 

 

含みのある言い方に、黙って聞いていた二人が反応する。彼等とて鈍い方ではない、むしろそれについては鋭いとは思う。

 

自分達も同じように苦しんできた。ならばこの人も、同じような………それ以上の地獄を見てきたのか。顔を暗くさせながら、震えた声で呟いた。

 

 

「………もしかして」

「アンタも悪魔に家族を殺されたってのか?」

 

 

 

 

 

 

「あ、いえ。そんなものではありませんよ」

 

 

ガクッ! と二人が転けそうになった。お前なぁ……っと不満そうな顔をするゼリッシュに笑みを投げ掛けながら、宗明は話を続ける。

 

 

 

「ただ私はお金が欲しかっただけです。家族への仕送りもありますし、当初は賞金稼ぎとしてただ暴れてた所を……………総督様と、練様に出会いしまして」

 

 

「当初はですね、私も調子に乗っていましてね………初対面の練様に襲い掛かって─────結果、ボコボコの返り討ちに合いました。自業自得ですけれども」

 

 

話す内容は、本人からしたら恥ずかしいだろう。しかし彼はそんな事などないとでも言うように、淡々と自分の黒歴史である話を語る。

 

 

 

「それから、私は練様に勧誘していただき、仲間として過ごさせていただいています。今ある環境は悪くない、それどころか満足しかありません。あの人に出会えなければ、私は腐っていたのかもしれませんね」

 

 

話をし終えた宗明に、アイリス達は息を飲んで更なる疑問を口にしようとした。

 

 

その時、彼女達が声に出すよりも先に。話を静かに聞いていた練が、口を開く。

 

 

 

 

「──────アザゼル。隠れてないで出てきたらどうだ?」

 

 

二人が、アイリスとゼリッシュが突然の事に困惑する。無理もない、この場にいない人物の名前が出来たのだ。それも練が口にしたのは、堕天使の─────

 

 

 

そう思っていた矢先、扉を開けて誰かが入ってきた。金髪と黒髪の、ダンディな男性。彼を見て、練も落ち着いた顔を崩した。

 

 

 

「盗み聞きか。あまり感心出来るもんじゃないな」

「いやぁ悪い悪い。俺を讃えるような話が聞こえてきたからつい………………よ、練と宗明。相変わらず真面目にやってるみたいだな」

「お久しぶりです、総督様」

 

皮肉ように言う………いつもよりも何処か元気そうな練と、変わらず丁寧な仕草で謝礼をする宗明。アザゼルは軽く彼等に挨拶するとポカンとしていた二人に眼を向けた。

 

 

 

「始めましてだな。アイリス、ゼリッシュ・フロイング。どうせ練の方から説明されてるだろうから簡潔にしとくぜ?俺が堕天使総督 アザゼルだ」

 

 

一泊遅れてから、少女達が頭を下げる。それに対してもアザゼルは「緩くしてくれていい、練の仲間なんだしな」と軽いノリでアイリス達に言ってのける。

 

 

 

「珍しいなアザゼル。いつもは仕事、保護した神器使いの保護や手続きとか外交で手一杯な筈だが…………」

 

 

宗明から手渡されたコーヒーを口に入れるアザゼルを見て、練は顔を険しくする。

 

 

「まさか、サボってきた訳じゃないよな?」

 

「おいおい、この俺がそんな簡単に仕事を放り出すって思ってんのか?こう見えても、俺は仕事に関してはお前が思ってるよりは真面目だぞ?」

 

「どうせ暇な堕天使の人に押しつけてんだろ。仕事与えてやるって」

 

「チッ!勘の聡い奴だな!………だが安心しろ、お前に会いに来たのは様子を見に来たのもあるが、仕事の件でもある」

 

 

ふざけてたのも一瞬。さっきよりも幾らか真面目になった様子で、アザゼルはあっさりとその内容を告げた。

 

 

「明日。俺は冥界に行く事になってる─────勿論、サーゼクス達との会合だ」

「っ!!」

 

 

アイリスとゼリッシュ、宗明までもが大きく飲み込む。そして彼等の視線が練へと集中する。仲間達の眼を受けた練は少しの沈黙の後に、

 

 

「………アザゼル」

「あぁ、分かってるさ。連れてって欲しいんだろ?そのつもりさ、元より護衛無しで行くなんて馬鹿が過ぎるしな。…………それで?連れてくのは誰にする気なんだ?お前一人ってのは有り得ないしな」

「決まってる─────宗明、アイリス、ゼリッシュの三人だ」

 

 

ハッキリと断言する練。宗明はそれを聞き、かしこまりましたと敬礼をする。しかしそれ以上に、その考えに解せないと思う二人────アイリスとゼリッシュが咄嗟に慌てる。

 

 

「れ、練さん!?」

「待ってくれよ!あたし達が護衛だって!?何日か前に入ったばかりなんだぜ!?そう簡単に任せても………」

 

 

「問題ない、お前らを認めたのは俺だ。実力面も宗明がOKを出すくらいだしな。それに───」

 

 

 

 

「俺達の目的上、二人に来て貰った方が都合が良かったりもする」

 

 

 

 

「安心しろよ、そこの嬢ちゃん達。練は俺の護衛に認めてない奴は選ばない、それがどんだけ強い奴でもな。心から信用してるからこそ、嬢ちゃん達が選ばれたって訳だ。こんな大役を任せるんだ、相当気に入ってるぞ?」

「っ………余計な事を言うな、アザゼル」

「ハッハッハッ!素直じゃねぇなぁお前も。ま、前よりかはマシだけどな」

 

 

面白そうにニタニタと笑うアザゼルに振り回される一方、練は額を押さえながら……………本題を聞くことにした。

 

 

「それで?俺を連れてくもう一つの理由は?」

「え?どういう事ですか?」

「アザゼルは俺の事を心配してる。ただの護衛ってだけなら他の奴を選ぶだろう。そうしないって言うことは、今回の件は俺でなければならないという事に他ならない…………違うか?」

「いや、お前の言う通りだよ」

 

 

黒月練は悪魔に敵対心を抱いている。

文字通り、彼等からの挑発を受ければそれに応じて──仲間や義父であるアザゼルに泥を掛けるような発言に対しては、報復を躊躇いなく決めるほど。

 

 

彼にとって悪魔こそが倒すべき敵。和平さえなければ彼は悪魔に対して戦争すら辞さないだろう。そうしないのはアザゼル達への恩が大きいから、彼は自らを律しているのだ。

 

 

アザゼルもそれを理解している。故に練を悪魔の根城である冥界に連れていく事はあまりしなかった。もしそうすれば彼が暴走する可能性が大きい。

 

 

────暴走したことで迷惑をかけたくない、自分ではなく周りを気にする青年の事を、アザゼルは気にしていた。彼にとって練は、ヴァーリと同様育ててきた息子なのだから。

 

 

兎も角、練が求めるのはその理由だ。そんなアザゼルが練を選ばなければならない理由。答えは普通に、簡単なものだった。

 

 

 

「丁度その期間に冥界に遊びに行く神様達がいんだよ。と言っても、そいつらの目当ての一つは…………お前だ、練」

 

 

 

「やはり、俺か。まぁ当然と言えば当然か」

「?何でそんなに真面目なんだよ」

「ゼリッシュ、それは当たり前です」

 

 

他の全員が理解している事に怪訝そうになる突貫少女。そんな彼女に補足するように、宗明が口を出す。

 

 

「練様はアザゼル様の養子………現白龍帝であるヴァーリ様とは義兄弟の仲にあります。何より、伝承に記された禁忌たる三種の神器の一つ───『真天龍の心核(エフェクション・ヴァンガード)』を宿すのですから」

「そりゃあ分かってるよ。それが何でそこまで大きくされてんのかって話だよ」

 

 

ゼリッシュの疑問に、今度はアザゼルがニヤリと笑う。

 

 

「そりゃあ、『天災の神滅具(カタストロフ・ロンギヌス)』は極稀少な神滅具だ。封印されてから何千年もの間、練の神滅具は誰にも────他の神滅具ですら宿って無かったんだからな」

「誰にも………ですか?」

「そう、誰にもだ。神滅具よりも強大すぎるからな。一般人は持っていたとしても発現させるよりも前に肉体が持たずに早死にするのが多くだ。そして、神器を管理するシステムですら捉えられないくらいだ。厄介な事この上無いぜ、全く」

 

 

強力すぎる故に、誰もが使える訳ではない。

大抵の宿主は宿ったことも知らずに生きていき、ある者は体力の衰弱で死ぬという事例があった。

 

 

「それよりも、だ。話を戻せアザゼル。俺が目当ての相手なんて………」

「そりゃあ、あの爺さんしかいねぇだろ」

 

アザゼルが顔をしかめるが、すぐに笑みを浮かべる。それはどちらかと言われれば挑戦的な笑みを。

 

 

 

「オーディン。数多くの神話の中でも有名な北欧神話、アースガルズの主神。どうやらお前は、あの爺さんの眼に止まったらしいぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後。

アザゼルの護衛として、目的を果たすために、冥界へと向かうことにした練達。それぞれの覚悟の

 

 

 

 

 

しかし彼、黒月練に最初の受難が襲いかかった。想定していた中でも、一番嫌な事実が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───てめぇは!」

「……………何でお前なんかと出会うんだ。俺の運は最悪か?」

 

 

 

文字通り、最悪な相手と出会った。

たった一人ではない、彼等は複数人集まっている。何より、彼等は人間ではない。

 

 

リアス・グレモリー、その眷属である者達。その一人、兵藤一誠。

 

 

 

 

 

 

心の中で、いや事実上────黒月練が嫌うランキング筆頭の悪魔であり─────()鹿()()()()()()()




ハッキリと言っておきますが、練と一誠の遭遇はガチで偶然です(ガチ中のガチ)



ねぇ………何で仲悪いの?ラインハルトがいないだけでこの主人公達険悪すぎるでしょ…………(震え声)
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