ハイスクールD×D'Catastrophe Longinus   作:虚無の魔術師

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数週間ぶりの投稿。待っていた方々、迷惑をかけてしまいました。


あと注意ですが、グロい描写が少しあります。


堕天使・聖剣

ラインハルトたちから聖剣を破壊する許可を得た一誠たち。彼らは木場が出会ったという、フリード・セルゼンを誘い出す為に神父服を着込んで数日間、街中を歩き回っていた。

 

 

 

「………今日も成果なしかよ」

 

 

 

同行していた転生悪魔の匙がそう呟く。自分達の主にバレないように行動している彼らは夕方までしか活動できていないのだ。

 

 

全員が諦めて、解散しようとしたすぐ直後───真上から声が響いた。

 

 

 

 

 

「神父の一団にご加護あれってね!」

 

 

 

狂ったように笑った白髪神父が両手に握った長剣を振りかぶる。一般人なら避けられずに斬られてしまうが、生憎彼らは悪魔だ。避けられない速さではない為、全員が回避に成功する。

 

 

 

 

 

「あちゃー、避けられちった!僕ちんしくじっちゃったかも?」

 

 

「フリード!!」

 

 

おどけた様子の白髪神父 フリードは口を裂きながら、地面に突き刺さった長剣を嬉しそうに撫でる。

 

 

顔色を変えた木場がすぐさま二本の魔剣を創り出す。両手に持ちながら、持ち前の速さでフリードへと斬りかかっていく。

 

 

 

「チッ、めんどくせえっす!でも俺さまのエクスカリバーちゃんはイケメン君の魔剣じゃ…」

 

 

ガキィィィン!

 

 

 

「相手になりませんぜ!」

 

 

だが、フリードが所有する長剣 聖剣(エクスカリバー)を振るえば、魔剣は簡単に砕かれる。新しく創り出そうとする木場に追い討ちを仕掛けるように、フリードが突っ込んで聖剣を薙ぐように払った。

 

 

「……木場!」

 

 

焦ったように一誠が叫び走るが、僅かに遅い。悪魔を滅する武器であるエクスカリバーが木場の懐へと吸い込まれるように、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後、木場を斬ろうとした聖剣は防がれていた。半透明な色のした結晶で構成された剣に。

 

 

 

 

「………少し遅くなったが、大丈夫か?」

 

 

 

その剣、もとい聖剣の所有者であるラインハルトが一誠たちの前に立ち、声をかけた。

 

 

「フリード!主の名において私たちが断罪してくれる!」

 

 

 

「ヤッホー、イッセーくん!」

 

 

 

「イリナ!」

 

 

そのラインハルトの横に二人が現れる。破壊の聖剣の持ち手であるゼノヴィアはフリードに聖剣の剣先を向け、イリナは後ろの一誠へと手を振っていた。

 

 

 

明らかに不利な状況にフリードが取った行動は単純なものだった。

 

 

 

「めっちゃ増えたじゃねーか!俺ちゃん、マジピンチなんでトンズラさせてもらいやーす!」

 

 

懐から取り出した閃光弾を取り出したフリードはそう言うと、地面に叩きつけた。瞬時に視界を奪われ、回復した時にはフリードはその場にいなくなっていた。

 

 

「クッ、逃がすか!」

 

 

 

「追うぞ、ライン、イリナ!」

 

 

 

「うん」

 

 

 

「僕も追わせてもらう!」

 

 

後を追いかけるラインハルト、ゼノヴィア、イリナに木場も続いていく。何処に逃げているかは、気配で分かる故に迷うことはなかった。

 

 

 

 

 

追いかけてくる四人を視認したフリードは舌打ちをするが、すぐさま顔色を変える。そして、意味ありげに囁いた。

 

 

 

「……………それにしても、あれが『赤龍帝』かぁ。アンタの言う通り、大したこと無さそうですぜ。『ボス』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フリードはこっちだ、絶対に逃がす訳にはいかないぞ」

 

 

彼らが着いたのは廃屋だった。人が住むには大きすぎると思うその廃屋の中に全員が意を決して入る。フリードを探そうとする三人を他所にラインハルトが何かを感じた。

 

 

 

通常ではない殺気を。

 

 

 

 

「ここは……………………ッ、全員止まれぇ!!」

 

 

 

怒号に近い絶叫に前を走っていた三人が歩みを止める。だが、他の二人よりも前に出ていたイリナが振り返った直後に、

 

 

 

 

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

「イリナ!?」

 

 

すぐ足元が何かが飛来し、地面ごとイリナを吹き飛ばした。ラインハルトが止めたことにより直撃は免れたが、重症であるのには変わらなかった。

 

 

 

「ほう、当たったと思ったが………よくやるな」

 

 

 

「…………コカビエル」

 

 

上空で自分たちを嘲笑う存在の名前をラインハルトが漏らした。そもそも自分はコカビエルを倒す為の『切り札』を隠しているが、時間制限がある以上、イリナたちを守っていられない。

 

 

全員を逃がす手段が、無いわけではない。

 

 

 

「───オレが隙を作る。木場、ゼノヴィア、イリナを連れて逃げろ」

 

 

二人はそう囁いたラインハルトを驚いたように見やる。そんな彼らを庇うように、聖剣を握りながら立つラインハルトにコカビエルはつまらなそうに呟く。

 

 

 

「どうした、もう終わりなのか?教会の聖剣使いたちよ」

 

 

「…………………ハッ、いいさ。見せてやる」

 

 

薄い笑みを浮かべた直後、結晶の聖剣を地面に突き刺す。ラインハルトの行為に全員が絶句する中、言葉が紡がれた。

 

 

 

「『結晶の聖剣(エクスカリバー・クリスタル)』、その真価を見せろ───────『聖結晶の銀世界(エリクサー・シルバー・ワールド)』」

 

 

 

ザザザザザザザザザザザ、ザンッ!!と至るところから結晶が生えてくる。先が尖った結晶がコカビエルに襲いかかるが、手を払っただけで多くが粉砕される。

 

 

「──────むんっ!」

 

 

そして、一本の光の槍を投擲する。無限に生え続ける結晶の間を掻い潜り、直後音が消えた。

 

 

「逃げられたっぽいすねぇ、旦那」

 

 

 

「……………だが、無事ではあるまい」

 

 

ビキビキと割れていく結晶を前に後ろから現れたフリードの言葉にコカビエルはそう付け足す。訝しんだ視線を向けるフリードがコカビエルの視線の先へと目を配った。

 

 

 

 

 

 

─────赤い液体が点々と出口に続いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………皆は、逃げられたか」

 

 

壁に寄りかかったラインハルトが安心したように呟く。銀色に輝く聖剣を片手にコカビエルたちから逃げてきた彼はすぐさま膝をついた。

 

 

────疲れ、からではない。

 

 

 

「くッ、ごふ」

 

 

喉から溢れ出すドロドロとした液体の感触を感じる。ラインハルトは聖剣から手を離し、自身の腹を貫いたものを確かめる。

 

 

 

光の槍。結晶の世界を作り上げた直後、コカビエルの投げたそれはラインハルトの脇腹を穿っていたのだ。肉に食い込んだ部分に触れたラインハルトは苦痛に顔を歪める。

 

 

 

(この角度に感覚、抜くと出血死するかもしれない)

 

 

ラインハルトの推測通り、光の槍は体の奥深くに食い込み、貫通していた。戦闘に特化した彼には治癒の力は何一つ無い。そうである以上、回復できない彼が光の槍を抜けば、どうなるかは明白である。

 

 

 

 

 

 

そう、彼には(・・・)

 

 

直後、ラインハルトは光の槍を両手で掴む。そして、勢いよく力をいれ、

 

 

「ぐっ、ぐぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

 

 

 

激痛に絶叫しながらも、光の槍を引き抜いた。脇腹から凄まじいほどの出血が発生するが、ラインハルトは傷口を押さえながら、静かに呟いた。

 

 

 

「……………任せたぜ、『(みんな)』」

 

 

すると、沢山の小さな光がラインハルトの周囲に漂い始めた。それを確認すると限界と言わんばかりにラインハルトは地面に倒れ込んだ。




無理矢理っぽいですが、話を進めるためなのでご了承ください!


補足ですが、最後の主人公はあと二、三話で登場します。
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