ハイスクールD×D'Catastrophe Longinus   作:虚無の魔術師

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だいぶ時期が空いた投稿!申し訳ありませんでした!少しずつでも頑張っていくのでどうかよろしくお願いします!


漆黒の龍

ラインハルトとゼノヴィアは同じマンションに住むことになっていた。理由は単純、同じ教会戦士であるからこそ二人で一緒にいた方が良いと判断されたのだ。

 

(因みにその際興奮して詰め寄ってきた一誠がリアス部長達に怒られていたのだが、ラインハルトは止めなかった)

 

 

彼自身、その判断を悪いとは思っていなかった。むしろ、ゼノヴィアが一人で生活出来る…………のか分からなかったからこそ、懸命だと納得していたのだ。

 

 

 

 

 

「……………ん」

「でもこれは流石におかしいと思う」

 

布団の中で抱きつきながら熟睡するゼノヴィアを横目にラインハルトは静かに嘆いた。

 

 

元々二人は違う布団で寝ていたのだが、ゼノヴィアは何故かラインハルトに近づいてきた。起きてるのかと思っていたが、間違いなく寝てる。嘘ではない、確かめてきた。

 

 

それに─────。

 

 

 

「んー………ライン………一緒だぞぉ……」

「うん、分かったから。取り敢えず離れようか…………っ!?」

 

これは流石に不味い。いや、言葉で説明するのは難しいが、不味いものは不味いのだ。

 

 

何処とは言わないが、感触がヤバイ。教会戦士として清楚というか純粋に生きてきた彼にはこれは毒と言うか劇薬に等しい。普通の人間であれば至福、主にあの赤龍帝なら喜んだだろうが、ラインハルトは違う。そもそも性に関する知識はあるが、耐性は無い彼にとってこの現状は過酷としか言いようがない。

 

 

 

(────主よ、これが試練ですか?ここまで精神的に苦しいのは初めてです。一生に一度のお願いですので勘弁してください!!)

 

既に死んでる神に対してラインは必死に祈りを捧げた。普通なら無情に見放されるのが普通だが、今回はどうやら運が良かったらしい。

 

 

 

ピンポーン! とチャイムが鳴る。どうやら誰かが来ているらしい。一誠達かな?と思い、布団の中から抜け出す。途中ゼノヴィアに抵抗されたが、何とか抜け出した。

 

 

 

「はい、どなたです……………か」

 

 

ラインが扉を開けた先にいたのは、一人の青年だった。

 

 

 

フードつきの灰色のパーカーに紺のジーンズ。そして服に取り付けられた鎖と黒色のグーロブが特徴的な人物。

 

数日前に名を聞いたことのあるラインハルトは、すぐに思い当たった。絶句していた彼は途切れた言葉でその名を漏らす。

 

 

「黒月、練?」

 

「覚えてくれてたか、聖剣使い」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

「そっか、まだ寝てたんだな。悪いと言いたくないんだが、もうちょっと早く起きた方が良いんじゃないか?生活感覚がおかしくなるぞ」

「いやー、今日は学校休みらしいし。ついつい遅くに起きちゃうんだよ」

「分かる、凄い分かる。休みの日とか普通に遅くなるよな。俺もそういうのがあるんだよ、ていうか熟睡中に叩き起こされると殺意が湧く。ヴァーリとかアザゼルでも許されん所業だと思う」

 

リビングに腰掛けた練はお茶を飲んでフーッと息をつく。お茶は自分自身で淹れたものらしいが、持ち歩いてるものらしい。

 

見た目や性格からも分かるようにキチンとしてるんだなぁ、と感心する。

 

一方ゼノヴィアは寝起きにも関わらず、トーストに食らいついていた。起きてすぐなのによく食べられるなぁ、と感心しながら練に聞こうとする。

 

 

 

「で、結局何でここに来たんだ?」

「アザゼルからの伝言、ついでにお前たちにも挨拶をしておこうと思ってな」

「む?伝言?」

 

ゼノヴィアが反応しているが、重要なのはそこではないと思う。

 

 

アザゼル、堕天使勢力のトップ。堕天使勢力の一人である練はアザゼルと電通してるのだろうか。それはそうと伝言とはどういう意味か。

 

 

「それじゃあラインハルト、『聖剣を扱いきれてないとしたら、それは未熟だからじゃない。他にも要因があるんだろ?』だとさ」

「?それはどういう事なんだ?」

「………………………」

 

 

彼の言葉にゼノヴィアは首を傾げたが、ラインハルトは沈黙を貫いた。答えたくない事もあるのか、と思った練は話を反らすことにする。

 

 

「………なぁお前ら、悪魔の奴等とはどうだ?」

 

「どうって?」

 

「その、何だ………悪魔ってのは姑息な生き物っていうか、全体的にクソだろ?お前らも騙されたり嫌に感じてたら、俺んとこ来て良いんだぜ。アザゼルも喜ぶだろうしな」

 

「優しいんだな、お前は」

 

 

その彼等(主にリアス・グレモリー)が聞くと顔を真っ赤にして憤慨しそうな発言に、ラインハルトはそう答えていた。その言葉の節々から心配と気遣いがあるのをよく分かったのだ。

 

 

「でも、何でゼノヴィアに軽いんだ?」

「ん、どういうことだ?俺はこれが普通だと思うが」

「いやぁ、だって…………悪魔とか嫌いなんだろ?」

「────悪魔になったのか。理由を聞いても良いか?」

 

不思議と敵意は感じられなかった。純粋な疑問に近い問いかけに、ゼノヴィアも苦笑いを浮かべながら答える。

 

 

 

「やぶれかぶれだな。神の不在を知ったことで教会から追放された頃だったし、もうどうでも良いと思っていたから」

「………そっか、悪いな。嫌な事を思い出させた」

 

申し訳無さそうに練はゼノヴィアに頭を下げた。ラインも正直驚いていた。転生悪魔とは言え、悪魔にあそこまでの敵意を向けていた青年の態度とは思えなかったのだ。

 

 

 

「勘違いしてもらっちゃあ困る。俺が嫌いなのは、純粋な悪魔と考えの浅い馬鹿だ。元人間の転生悪魔を嫌うつもりはない……………正直、何故悪魔になったのかという疑問しかないが」

 

 

腹立たしそうに吐き捨てる練にラインハルトとゼノヴィアの二人は互いに顔を見合わせる。

 

一誠やアーシアたち、オカルト研究部の悪魔たちと接してみたが、彼等は教会で伝えられたような悪魔には見えなかった。同じ人間のように感じは、教会で語られてきた悪魔の像とは全くといって違う。

 

しかし、練だけは何かが違う。教会の者のような嫌悪ではなく、憎悪に似た感情が彼から感じられたのだ。

 

 

「言っとくが、俺は奴等が嫌いなんじゃない、大嫌いなんだ。すぐ人間を見下しやがるし、そのくせ人間を利用しようとする奴等、下がアレなら上も同じだろうよ。俺たち人間を守ろうとしてるとか言ってるが所詮は建前だけ、じゃなかったら転生悪魔なんてふざけたシステムは作らねぇよ。

 

 

────何より、悪魔は()()()()()()だ。絶対に許すつもりはない」

 

そこまで言い、練は深く息を吐いた。自分の心境を語りすぎて申し訳ないと思っていたのか、すぐさま話を逸らす。

 

 

「あぁ、それと会談やるって話も聞いてたか?」

 

会談?と聞くと練は詳しく話してくれた。コカビエルの騒動が原因で、三勢力が平和的に話し合うらしい。

 

 

 

既に教会の人間じゃないしどうでも良いかとラインハルトは考えていた。だからこそ、あっさりとした様子で嘆息する。

 

 

「それは初耳だ。けど、皆も大変だよなぁ。皆で集まって会談とか」

「………お前ら、知らないのか?」

 

そこでようやく齟齬に気付けた。不審そうに見てくる練に、二人とも気にはなったのだ。

 

まるで自分達も無関係ではないと言うように。

 

 

 

「その会談、俺は勿論だが、お前ら二人も参加するんだぞ」

「「え」」

「…………ゼノヴィアはともかく、ラインハルト。お前は当然だぞ?コカビエルを追い込んでたんだからな」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「──それでぇ、コカビエルとかいう戦闘狂。やりすぎはやりすぎだったが、これでアイツらも理由を作れたって訳だ。悲しいよな、戦争したかった奴のお陰で平和の為の話し合いになったんだ。アイツ、コキュートス逝きは間違いないらしい、ホント可哀想だぜ。まぁ米粒ほど思ってねぇがな」

 

 

カツン、カツン、と。

装飾の出来た廊下を二人の人物が歩いていた。一人は、青年。色素の抜け落ちた白髪を逆立たせた青年、ポケットに手を突っ込みながら歩く彼は、コカビエルの名を出しその存在の末路をあっさりと推測する。

 

そしてもう一人、褐色の女性が考えを口にする。顔も見えない誰かたちを嘲るように。

 

 

「………そうでしょう、忌々しい偽りの魔王たちもそれが狙いと見えます。悪魔でありながら、天界や堕天使と組み為そうとするとは…………ここまで堕ちましたか」

 

「ハンッ、ちっせぇな。その魔王どもに数と実力で押し出されたのが、お前らなんだろうが。アホクサ、んなことも忘れてんのか?」

 

「…………それは私が誰だか知ってての言葉ですか?」

 

 

女性から殺気が膨れ上がる。空気が音を立て始め、近くの青年の身体を締め付けようとする。このままだと彼は死ぬかもしれない。

 

 

その状況で青年は、

 

 

「一々言わせんなよ、ホンモノの魔王サマの一人 カテレア・レヴィアタン様。人間程度の言葉に耳貸してたら、格が見え透くぞ?」

 

軽く手を振り、そう嘯く。それだけで充満した重圧が廊下から消失した。

 

 

「…………」

 

「やれやれ、アンタだって分かってんだろ?『俺たち』がここにいる理由。今の魔王は大分腑抜けてはいるが、人間たちにとっちゃあ昔も今も有害だ。だからアンタらの仲間になってんだ。どうだ、アンタは少し馬鹿にされた程度で有能な駒を潰す間抜けなのかよ?」

 

「…………いいでしょう、確かに貴方の言う通りです。これくらいは許します、価値のある者を殺してしまうのは愚行ですからね」

 

「はいはい、ありがとーございまぁーす─────このクソカスが」

 

ボソッと吐かれた悪態はカテレアには聞こえてはいない。自分の余裕に浸ってる彼女はその事すら気付かないだろう。それを見て、誰が格上かは、今の現状を見れば分かるだろう。

 

直に、くだらない話を聞き逃していた青年は彼女が叫んだのを近くで耳にした。

 

 

「今の魔王だろうと、堕天使だろうと、天使だろうと、私たちは負ける訳がない。『彼女』から取り出した『アレ』があるのだから!」

 

 

興奮したように哄笑しながら歩いていくカテレア。置いていくように奥へと進んだ彼女の背中を見ていた青年は嘆息し、壁を殴り飛ばした。

 

ガラガラ! と音を立てて崩れる壁を見ても、青年の顔は変わらない。装飾の壁を砕いた腕を引き戻し、暗闇の奥を睨む。

 

 

 

 

「……………ちいせぇヤツだな、やっぱ」

 

静寂の中で、そう吐き捨てる青年。彼は逆立った髪を掻きあげて、苛立たしそうに廊下の奥へと歩いていった。

 

 

「精々黒幕気取ってろ、クソ悪魔。俺達が利用してやるからな」

 

 

暗躍する者たちが、本格的に動き出す。




オリキャラの登場ですね、無論敵側です。
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