妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

107 / 202
今回は初めてあのキャラとタッグになります。

あと、新作始めました。

この小説のスピンオフ作品的な奴で『フェアリーテイル♪音竜と楽しい仲間達!!』です。

こっちはゆっくり更新していきますので、よろしくお願いします。


VS 華院=ヒカル

「『音竜の咆哮』!!」

 

アミクが吐いたブレスをヒョイ、と躱すウルティア。

 

 

「『音竜の旋律』!!」

 

直後に、一気に距離を詰めて蹴りをお見舞いするが、それも軽々と躱されてしまった。

 

「『火竜の鉄拳』!!」

 

勿論ナツも攻撃を仕掛ける。だが、それはウルティアが放ってきた水晶玉で相殺された。

 

「うふふ」

 

ウルティアは妖しげな笑みを浮かべると、逃げるようにアミク達から離れていく。

 

「本気でやるって言ってた割には逃げてばかりじゃん!!」

 

「真面目に戦えー!!」

 

 

アミク達が文句を言うも、ウルティアは気にせずにヒットアンドウェイを繰り返していた。

 

「そこぉ!!」

 

ウルティアは後ろから聞こえてきた声に反応して横に避ける。しかし。

 

「!!」

 

「横っ!!」

 

アミクがすぐ横から迫って来ていた。

 

「同じ策に掛かったね!!」

 

アミクがウルティアに拳を振り抜こうとすると、ウルティアはフッと微笑すると。

 

「うあっ!!?」

 

アミクの頭上から水晶玉が急降下してきて、アミクを撃ち落とした。

 

「そっちこそ、私が同じ策に掛かると思ってたの?」

 

ウルティアはからかうようにアミクに言うと再び逃げていく。

 

「大丈夫か、アミク?」

 

「いったぁ…タンコブできたらどうすんの!」

 

アミクは涙目でウルティアを睨んだ。

 

 

「クッソー、舐めやがって!!」

 

ナツはウルティアに向かって駆け出す。ウルティアはそれを余裕そうな表情で待ち受けていた。

 

「逃げるんじゃねえ!!」

 

 

ナツがウルティアに殴りかかろうとすると――――上の方から白い物体が落下してきた。

 

 

「!?な、なにー!!?」

 

アミクはその白い物体を蹴り飛ばす。

 

「ブホッ!!?」

 

その白い物体は奇妙な声を上げてぶっ飛ぶ。

 

 

「しゃべった!!?いや、それより―――」

 

アミクは今しがた現れて地面に倒れている少女に目を付けた。

 

「ルーシィ!!?無事だったんだね!!」

 

「え、ええ…なんとかね…」

 

アミクがルーシィに駆けよって助け起こすと同時に、さっきの白い物体が起き上がる。

 

「あれに追いかけられていたの?」

 

「そうなの!!ちょー怖い!!」

 

ルーシィがアミクの後ろに隠れて白い物体を指差す。

 

「ウ、ウルティアさん。どもっス」

 

「あら、貴方だったの」

 

白いデブとウルティアが知り合いかのように話しあう。

 

 

「あれ…あの白いのも悪魔の心臓(グリモアハート)の1人?」

 

アミクの疑問が聞こえたのか、妙にデレデレした白いデブが自己紹介してきた。

 

「そ、そうっス。自分、悪魔の心臓(グリモアハート)、煉獄の七眷属の1人、華院=ヒカルと言うっス」

 

「マジですか!?」

 

意外と大物だった。随分個性的な見た目だが、実力はあるらしい。

 

「お相撲さんみたいな人…」

 

「ウーウェ、褒められたっス…」

 

褒めたつもりはなかったが、照れるヒカル。

 

「とにかく、敵って事でいいんだよね?」

 

アミクとナツとルーシィは並んで2人に対して身構える。

 

「あら、2人の煉獄の七眷属相手に勝てると思っているのかしら?」

 

ウルティアとヒカルも並んでこちらを見据える。

 

「そっちが2人ならこっちは3人居るぞ!!」

 

「オイラのこと、忘れられてる…」

 

ハッピーがショボーンとなった。

 

「…じゃあ、後は頼んだわよ。私はゼレフをマスターハデスの元に連れていくわ」

 

「ウッス」

 

「ちょっと!!」

 

アミクはウルティアの言葉に愕然となった。ついさっきまで戦う気満々の発言をしていたというのに。

 

「また逃げる気かー!!?」

 

ナツは憤慨するが、ウルティアは構わずにその場から去ろうとした。

 

「…!!ナツ、ルーシィ!!あの人を追いかけて!!」

 

「え、あんたは!?」

 

「…私は、この人を相手する!!」

 

 

 

アミクはヒカルを見据えて身構える。ヒカルは余裕そうな表情でアミクを見た。

 

「…分かった!!任せたぞ!!」

 

「髪の毛盗られないように気を付けて!!人を操れる変な人形を使うわよ!!」

 

ルーシィの忠告に頷くと、ナツとルーシィはウルティアを追いかけていってしまった。

 

「…ハッピー?」

 

「アミク1人だけ置いていけないよ」

 

ハッピーは残ってくれるようだ。まぁ、丁度二手に分かれてちょうどいいだろう。

 

 

「ウーウェ、ホントはあの金髪の方を操ろうと思ってたんスけど…やめるッス」

 

ヒカルは妙な人形を取り出すと、その人形の頭に付いていた金色の髪の毛を取り外して捨てた。どうやらあの人形がルーシィの言っていた「人を操る人形」だろう。

 

「それより、もっと操りがいのある人が出て来たッスからね…」

 

ヒカルは舐めるようにアミクを見た。思わず、身体を抱きしめる。

 

「アンタ、凄い美人ッスね。正直、今までで一番の好みッス」

 

「あ、そうすか…」

 

「アミク、口調が移ってるよ」

 

ヒカルはなぜか凄いドヤ顔をした。失礼だがちょっと頭が弱そうなタイプである。

 

 

「嬉しいっス…」

 

「はぁ?」

 

急にうっとりとした顔で言いだした。

 

 

 

「此処に残るってことは、自分のことが気になってるってことなんスよね?」

 

「…???」

 

なぜ、その思考に至ったのか理解できない。

 

ヒカルは「罪な男ッス~」と身体をくねらしていた。

 

「うわぁ…ルーシィ以上の自意識過剰だよ…」

 

「ルーシィに失礼でしょ…」

 

ハッピーもドン引きだ。

 

 

ヒカルは両腕をバッと広げると、トチ狂ったことを口走り始めた。

 

 

「さあ、遠慮することないッス!自分の胸に飛び込んでくるッス!!」

 

「怖い…」

 

アミクはズザザザーと後ろに下がった。

 

 

「これから自分と愛のハネムーンに行くっス〜!!」

 

「いやああああああああ!!!」

 

そのまま突っ込んできたので反射的に蹴り飛ばしてしまった。

 

 

「おふぅ!!?」

 

蹴り飛ばされたヒカルはノロノロと立ち上がった。見た感じ、そこまでダメージがあるわけではなさそうだ。

 

 

「な、なんてことをするんスか!!暴力を振るうなんて酷いッス!!」

 

「ごめん。生理的に受け付けなかった…」

 

「ガーン!!」

 

拒絶されたと分かったヒカルが滂沱の涙を流した。しくしくと悲しそうに泣く。

 

「さっきの自信、どこから来たんだろう…」

 

ハッピーが不思議そうな顔になる。

 

「…もう、いいッス」

 

突然、ヒカルは鬼のような形相で顔を上げた。

 

 

「自分の思い通りにならない女なんていらないッス!捻り潰してやるッス!!」

 

「…!!」

 

ヒカルがその巨体で突っ込んできた。それを跳んで躱す。

 

「速い!?」

 

「魔導士なのに素の身体能力も高めみたい…」

 

 

ヒカルはアミクの方を振り返ると手招きして挑発した。

 

「舐めてもらっては困るッス。自分、煉獄の七眷属ッスから強いッスよ?」

 

「アミク!変な奴だけど、魔力は高そうだよ!気をつけて!!」

 

ハッピーが注意すると同時にヒカルは先ほどの人形を取りだした。

 

「これはノーロさんと言って、付けた髪の毛の持ち主を操れる呪殺魔法ッス」

 

「呪殺魔法…それはまた…」

 

木を操る魔法に火の滅神魔法、時を操る魔法まで。

 

悪魔の心臓(グリモアハート)は凄い魔法の持ち主が集まっているみたいだ。

 

「これに自分の髪の毛を付けて、と…」

 

何を思ったか、ヒカルは自分の髪の毛をぶち抜き、ノーロさんの頭に付けた。

 

「ノーロさんはこんなこともできるんスよ」

 

なぜ、自分のを…とアミクとハッピーが訝しんでいると。

 

「自分強化!!『光源体』!!」

 

「眩しっ!!」

 

ヒカルの身体が発光したのだ。

 

「『シャイニングどどすこーい』!!」

 

「うあっ!!?」

 

その状態のまま突っ張りを放ってきた。それに直撃してぶっ飛ばされる。眩しさに目を瞑ってしまった隙を狙われてしまったのだ。

 

「アミク!」

 

ハッピーがアミクをキャッチして下ろしてくれる。

 

華院がノーロさんを発光させて自分の身体を光らせた。ノーロさんの材質を変え、連動して自分の体もその材質に変えたのだ。

 

ノーロさんにそんな使い方があるとは…意外と応用性が高いようだ。いや、そういうのも使いこなせてこその「煉獄の七眷属」であるのかもしれない。

 

 

「自分強化!!」

 

今度は身体を綿に変えてフワフワと上空に浮く。

 

「飛んでるー!!?」

 

「オイラに任せて!!」

 

ハッピーがアミクを掴み、ヒカルに向かって猛スピードで突っ込んで行った。飛べるハッピーなら高い所にいる相手も問題ない。

 

 

「『音竜の…』」

 

「ウ、ウーウェ!?自分強化!!」

 

飛んでくるアミクを見て焦ったのか、華院は自分の材質を鉄にしてアミクとハッピーに向かって落下してきた。

 

「『交声曲(カンタータ)』!!」

 

その華院に向かって音を纏った両手を繰り出す。

 

ガアアアアアン!!!と大きな音が鳴って華院とアミクがぶつかり合った。

 

「うぐ…!!打ち、勝つ…!!」

 

「ウーウェ!!?」

 

腕が痺れてジンジン痛むが、それを我慢して華院を両手でぶっ飛ばした。せめぎ合いに勝ったアミクは追い打ちしようと華院を追いかける。

 

「ハッピー!追って!」

 

「あいさー!!」

 

「ちょ、ちょっと待っーーーー」

 

空中を吹っ飛ぶ華院に追いつき、そのまま音を纏ってドロップキック。

 

「たぁー!!」

 

「ウェエエエエ!!!?」

 

地面に勢いよく落下して地面にめり込む華院。

 

「よし!!」

 

「やったー!!」

 

喜ぶハッピーに「まだだよ」と注意して地面に降り立つ。案の定、華院が地面から抜け出して立ち上がっている所だった。

 

「イタイッス…ここまで暴力的だとは思わなかったスよ」

 

「丈夫だね…」

 

アミクは意外と元気な華院を見て冷や汗を流した。

 

「もう終わりッスか?」

 

「そんなわけないでしょ!『音竜のーーー』」

 

今度はアミクから攻撃を仕掛けようとすると。

 

「ーーーあれ!?」

 

急に体が動かなくなったのだ。不恰好な格好のまま固まってしまう。

 

 

「アミク?どうしたの?」

 

「か、体が…何これ…!」

 

華院が何かしたとしか思えない。

彼の方を見ると、彼の手にはノーロさんが握られていた。しかも、ノーロさんの頭に緑色の髪の毛が刺さっている。

 

「さっき接触した時にゲットしたッス。これでアンタは自分の思いのまま…」

 

「ひぇえ…いやあ…!!」

 

ねっとりとした視線を向けてくる華院に涙目になって怯える。

 

 

「アミクを離せー!!」

 

ハッピーが華院に突っ込んでいくが。

 

 

「ウーウェ」

 

「あいいいい!!?」

 

 

華院の薙ぎ払いであっさりぶっ飛ばされてしまった。

 

「ハッピー!」

 

「さぁ、まずは…グラビアの恥ずかしいポーズ3連発」

 

「なんでーー!!?」

 

ノーロさんにポーズをさせると、アミクの体が連動してその通りにポーズをとってしまった。なぜか、扇情的なポーズで。

 

「さっきの金髪の子にやられた腹いせッス」

 

「八つ当たり!!」

 

「はい、さらにおねだりポーズ」

 

「キャーーーー!!?」

 

華院は涙目でポーズをとるアミクをニヤニヤ笑いながら見ていた。

 

「楽しんでるじゃないッスか?」

 

「何言ってんの!!?離してよ、ホワイトメタボリック!!」

 

「なんとでも言うがいいッス」

 

屈辱だ。敵の前でこんな恥ずかしいポーズをさせられてしまうなんて…。

 

「アミクー!遊んでる場合じゃないよ!!」

 

「遊んどらんわ!!!」

 

復活してきたハッピーがふざけたことを抜かしよる。

 

 

「今度はこっちに来るッス!」

 

「や、ヤダヤダ!!」

 

アミクの足が勝手に動いて華院の方に歩いていく。

 

「と、止まってー!」

 

ハッピーは今度はアミクの服を掴んで彼女を止めた。

 

 

が。

 

 

「ぐえ!!?」

 

「わー!!!ごめん、ハッピー!!?」

 

アミクがハッピーの頭を叩き落としたのだ。当然、ノーロさんを操られてされたものである。ハッピーは地面に頭をめり込ませて動かなくなった。

 

「もうこれで邪魔者は居ないッス。やっと2人きりッスね」

 

嬉しそうに言う華院に鳥肌がゾワゾワゾワァ!!と立った。

 

「動いて…!!動け!!」

 

アミクが必死に体を動かそうとしても、全然思い通りにならない。歩き続ける足を止めることもできない。着実に、華院の方へと近づいていった。

 

 

「ウーウェ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)は殲滅しろって言われてるんスけど…こんな可愛い娘を殺すのは忍びないッスね〜。自分のモノにしたらダメッスかねー」

 

勿体なさそうに言う華院に対して、アミクはフッと不敵な笑みを浮かべた。

 

「誰が貴方のモノになるもんですか。妖精の尻尾(フェアリーテイル)は貴方みたいな白豚さんには絶対に負けないんだから!!」

 

アミクが言い終えた途端、華院の目の前にまで辿り着いてしまった。華院の顔を見ると、憤怒の形相をしている。怒りが頂点に達したらしい。

 

 

「…ぁが!!」

 

動けないアミクの体をその巨体で踏み潰す。

 

「もう許せないッス!!自分を怒らせたことを後悔するが良いッス!!」

 

何度もストンプをするように踏みつける華院。重量も相まって圧力が半端ない。内臓が傷付いたのか口から血がゴフッと漏れた。

 

「あ…!」

 

「生意気な小娘には恐怖を抱かせて殺してやるッス!!」

 

華院はその大きな手でアミクの頭を鷲掴みにすると、空中に吊り上げた。

 

「アミクー!!」

 

ハッピーが涙目になって叫ぶ。自分じゃ何の助けにもならないことに絶望した。

 

華院が手に力を込めた。アミクの頭からギチギチと嫌な音が鳴る。このまま握り潰してしまうつもりらしい。

 

「…あ…が…ぐ…!!」

 

「止めろー!!」

 

ハッピーの声と共にアミクが苦しそうに呻き声を上げた。華院はそんな彼女を見て口の端を吊り上げた。散々舐めた口を訊いてくれたこの女の脳漿や脳味噌を飛び散らせてやるつもりで、さらに力を込めるとーーーー。

 

 

アミクの口が笑みの形に歪んだ。

 

「『音竜のーーー』」

 

「ウェ?」

 

急に笑ったアミクの顔を見て首を傾げる華院。次の瞬間。

 

 

「『ーーー咆哮』!!!」

 

「グウェエエエエ!!!?」

 

間近で放たれたブレスに直撃してぶっ飛ばされた。

 

 

「ブレスなら特に動かなくても撃てる!!」

 

ノーロさんに操られている状態でも、自由に喋ることはできた。よって、もしかしたら口の動きまでは操れないのでは、と推測したアミクは特に動作も必要なく、口から放出するブレスなら攻撃可能かもしれないと思ったのだ。

 

だから、華院を油断させたところでほぼゼロ距離でブレスをぶっ放した。ぶっ飛んだ華院はしばらく地面を転がると、ヨロヨロと起き上がった。大分効いたらしい。

 

「そ、そなザクみたまほはんく」(そ、そんなザンクロウさんみたいな魔法反則ッス!!)

 

「すっごい早口!!?」

 

動揺したのか早口になる華院。よく見ると、ノーロさんを持っていない。ぶっ飛ばされた時に落としてしまったらしい。

 

これはチャンス。

 

「ハッピー!動ける!?」

 

「も、もちろん!!」

 

アミクの呼びかけにハッピーが返事をしてアミクに向かって飛んできた。そのままアミクを掻っ攫うと華院に向かって直進。

 

アミクはタイミングを見計らって、ハッピーに告げる。

 

 

「ここで離して!!」

 

「あいさー!!」

 

ハッピーがアミクを離すと、スピードに乗っていたアミクは慣性により、その速度で華院に突っ込んでいく。物凄い速さで突っ込んで来るアミクを見て華院は目を見開く。

 

「マ、マジスか!!」

 

「マジです!!」

 

アミクはそう叫ぶと、全身に音を纏った。

 

 

「『音竜の譚詩曲(バラード)』!!!」

 

渾身の体当たりが、華院の顔面にめり込んだ。

 

「おごおおおおおおお!!!?」

 

華院は思いっきりぶっ飛ばされ、近くにあった岩の壁に直撃。壁にめり込み、岩がひび割れる。

 

「ウー…ウェ…」

 

華院はすでに白目を剥いていた。地面に落ちてぐったりして動かなくなる。気絶したらしい。

 

 

「…やっと、勝てた!!」

 

アミクはガッツポーズした。さっきから負けたり、逃げられたりしてたので明確な勝利を手にして嬉しくなる。

 

「オイラ達で倒したんだ!!」

 

「ハッピーと2人だけでっていうのも珍しい組み合わせだね」

 

今回はハッピーがマーチ代わりのようになってしまったが、ハッピーの助力もあって七眷属の1人を倒すことができた。

 

「ありがと、ハッピー」

 

「あい!」

 

アミクとハッピーはハイタッチをした。

 

 

「ナツ達は大丈夫かな…さっきの場所まで戻ってみよーーーー」

 

すてーん

 

 

思いっきり転けてしまった。

 

「あちゃあ…あれ?動かない?」

 

起き上がろうとしたアミクは体が動かないことに気付く。

 

「うぷぷぷ」

 

頭上からハッピーの笑い声がしたので見てみるとノーロさんを持ったハッピーが笑いを堪えている姿があった。

 

「さっき拾ったノーロさん」

 

「あ、拾っちゃったのね…」

 

アミクがそのままの姿勢で苦笑していると。

 

 

「おーい、アミクー!!どこだー!!」

 

「無事ー!!?」

 

ナツとルーシィの声が聞こえてきた。

 

「あ、2人共!!こっちこっちー!!…そろそろ離して?」

 

ハッピーにそう言うが、ハッピーは何か面白いことを思いついたかのようにニヤリ、と笑った。

 

 

「あ、あのー?ハッピーさん?」

 

嫌な予感がしたアミクが恐る恐る名を呼ぶと。

 

「あ、いたいたー!って何やってんだおめえ?」

 

「また転んだの?」

 

ナツ達に発見されてしまった。転んでいる姿のまま。

 

「ア、アミクー?パンツ丸見えよ…」

 

「嘘ー!!?」

 

そんな醜態になっていようとは。道理でお尻がスースーすると思った。

 

「相変わらず可愛いパンツ履いてんなー」

 

「何ガン見してんのよ!!?」

 

「サイテー!!見ないでー!!ハッピー!!もうやめ…」

 

いい加減ハッピーをやめさせようとすると…。

 

「えい」

 

「いだだだだ!!?」

 

エビ反りになったアミクが悲鳴を上げた。背骨が!背骨が軋む!!

 

「これならどう?ブレイクダンス」

 

「ふわあああああ!!?」

 

ノーロさんの頭を地面に付け、ヘッドスピンさせると、アミクもヘッドスピンする。頭皮が削れる!!ハゲちゃう!!あと逆さまになってるからスカート捲れてまたしてもパンツ丸見えー!!

 

「ハッピーそれおもしれぇな!オレにも貸してくれよ!」

 

「あい!」

 

「いい加減にしなさーい!!アミクを玩具にするなぁぁぁぁぁ!!!」

 

唯一の良心、ルーシィがハッピーの手からノーロさんを取り上げてくれた。

 

 

取り上げてくれた、のだが…。

 

 

ノーロさんを掴んだ時の、ノーロさんの格好が際どい、というか危ない、というか…しかもその体勢でノーロさんを引ったくったもんだから…。

 

ギュッ

 

「あだだだー!!いぎゃーーー!!?」

 

アミクの腕や足、背中があらぬ方向に折れ曲がり。

 

グイン!!

 

体が思いっきり横に吹っ飛び。

 

 

ボキン☆

 

聞こえちゃアカン音がした。

 

 

「「「あ」」」

 

3人の間抜けな声の直後に、アミクの絶叫が響いた。

 

 

後に彼女が語るに、しばらくの間、ブロッコリーの草原が見えていたという。

 

 




重ねて言いますが、新作もよろしくお願いします。

次も多分、バトルになるかと。
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