妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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Bチームに合流。ジェラールはどうしよっか…。マカロフの手引きで会場に侵入できたってことにしよっかな。


空中迷宮(スカイラビリンス)

「ごめんラクサス!!遅くなっちゃって!」

 

11時をとうに過ぎて、アミクは待ち合わせ場所である広場に着いた。あの後、ナツ達に「頑張って!武運を祈るよ」と声を掛けて別れてきたが、大幅に遅くなってしまった。

 

案の定、そこにはイライラしているラクサスの姿が。

 

「…遅ぇぞ、おい」

 

低い声で言われてアミクは震え上がった。慌てて頭を下げる。

 

「ご、ごめんなさい!待った、よね…?」

 

そっと上目遣いでラクサスを見遣ると、なぜか目を逸らされた。

 

「…何かあったのか?」

 

ただ、アミクの表情から何かを察したらしい。

 

「失礼な奴に絡まれてただけなの」

 

マーチが怒りを堪えた表情で答える。

 

「変な奴?」

 

「…まぁ、ちょっとね…」

 

アミクは浮かない表情でいると、ラクサスがじっとこっちを見下ろしてきた。

その視線に耐えきれず、アミクはつい零してしまう。

 

「…滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の皆が、ドラゴンが好きってわけじゃないのかな…」

 

スティングとローグがドラゴンを殺した、と聞いてからアミクの胸に浮かんだ思い。彼らが望んでドラゴンを殺したとは信じたくはない。しかし、彼らの実際の心などアミクに分かるはずもない。

 

彼らが本当に自分の親であるドラゴンをなんとも思ってないのも事実かもしれないのだ。

 

もしも、彼らの間に愛情がなかったのだとしたら…。

 

 

 

────本当に悲しいこと────

 

 

アミクが俯いていると、ラクサスはガシガシと頭を掻いた。いつも快活な少女が沈んでいるとこっちまで調子狂う。

…調子狂わされるのはいつものことか。

 

ただ、アミクが悲しんでいる所は見てられなかった。

 

 

「お前が好きならいいんじゃねぇのか?」

 

彼の素っ気なくも優しい言葉に、ハッと顔を上げた。ラクサスは珍しく笑みを浮かべてアミクの頭を乱暴に撫でる。

 

「詳しいことは知らねえけどよ。お前がお前のドラゴンを好きなのは変わんねーだろ」

 

「わぶっ!…そっか。それも、そうだよね」

 

割り切ったわけではないが…少し、心が軽くなった気がした。

 

「…ラクサスがアミクを励ます…!?明日は岩が降るかもしれないの」

 

「撃ち落とすぞマーチ」

 

アミクは軽口を叩くラクサスに微笑む。

 

「ありがと、ラクサス」

 

「…フン」

 

ラクサスは照れ臭そうに鼻で笑ったのだった。

 

 

 

「ギヒッ、やっと来たか。待ちくたびれたぜ」

 

「遅い!」

 

「心配したのよ?」

 

「ごめんなさい…」

 

宿に着くと、すでにガジルとミラ、ジュビアが待ち構えていたのですぐに謝った。

 

「…あ、そうだ。遅くなったけどガジルもラクサスも修行お疲れ様」

 

結局ギルドでは会わなかったのでチームとしては今が初めての顔合わせである。

 

「ガジルは大分強くなったぞ」

 

「リリー!久しぶり」

 

ガジルの相棒であるリリーも居たようだ。アミクはリリーを抱き上げるとモフモフの耳を触った。

 

「…アミク?」

 

「ちょっとこうさせて…ああ、モフモフ〜♪」

 

「おい!オレの相棒に気安く触んじゃねえ!」

 

ガジルが噛み付くが、リリーはアミクのされるがままになることにした。彼女が少し緊張していることに気付いたからだ。流石に、大魔闘演武が間近になってきたからだろう。

 

「…あーしも居るのに…」

 

「たまには、ね?」

 

マーチが少し拗ねてしまったようだ。あとでご機嫌を取っておかねば。

 

「…ん?これは?」

 

ベッドを見ると、お菓子が大量に詰まった籠があった。

 

 

「差し入れよ。雷神衆の」

 

「ああ…はい」

 

籠の中にはメッセージカードもあり、そこにはラクサスがいかに素晴らしいかがつらつら並べてあった。絶対フリードでしょ、これ書いたの。

 

 

「もうすぐ…だね」

 

12時まであと数分。

 

「あー!緊張してきたー!何が起こるんだろー!」

 

リリーを抱いたままベットを転がるアミク。

 

「このチームなら心配しなくても大丈夫じゃないかしら?」

 

いつも通りのほほーんとした笑顔のミラ。彼女の笑顔を見ると、理由もなく安心する。

 

「グレイ様…きっと今頃ジュビアのことを考えて緊張を紛らわせているに違いないわ…あぁ!ダメぇグレイ様〜!」

 

「こ、これも緊張…してるのかな?」

 

身をくねらせるジュビアを一歩引いて見守るアミク達。彼女も平常運転…のようだ。

 

「ガジルは緊張してない?」

 

「オレが?寝言にもならねぇ事言ってんじゃねぇよ。むしろ滾ってくるぜ…全員ぶっ潰してやんよ」

 

「うわ〜悪い顔」

 

いつ見ても変わらない悪どい顔。彼も大丈夫そうだ。

 

「ラクサスは…言うまでもないか」

 

「…」

 

腕を組んで立っている彼は妙な貫禄がある。流石は現妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強(かもしれない)の男。

 

緊張しているのはアミクだけらしい。だが、リリーを撫でていたら少し落ち着いてきた。

 

 

「…カウントダウンする?」

 

「年明けじゃないの」

 

多分、残り数十秒。

 

 

「…それにしても、なんで指定の宿に集まるんだろう…会場じゃなくて」

 

「すぐに分かることだろ」

 

残り、十数秒。

 

 

「ゆで卵食べる?」

 

「なぜ今…?」

 

残り、数秒。

 

「うん、ブロッコリーは至高。これは不変」

 

「少しは落ち着いたら?」

 

残り3…2…1…。

 

時計の長針と短針が合わさった。

 

 

同時にゴーン、と鐘の音が鳴る。街のあちこちから聞こえる鐘の音。それが大きくアミクの耳に響いてくる。

 

 

「明けましておめでとー!」

 

「違うだろ」

 

ガジルがアミクの頭にチョップした。結構痛いんですけど。

 

頭を押さえたアミクはなんとなく窓から外を覗く。

 

次の瞬間のことだった。

 

街に中央にカボチャの被り物を被った人物が大きく映し出されたのだ。どうやら映像らしい。

 

「ファッ!?ジャック・オー・ランタンみたいなの出てきた!!」

 

「ジャック…なんと言った?」

 

リリーが聞き返すが、それに答える前にカボチャの奴が話し出した。

 

『大魔闘演武にお集まりのギルドの皆さん♪ おはようございます♪ これより参加チーム113を8にしぼる為の『予選』を開始しま~す♪』

 

「おはようございますって時間でもないけど…ん?予選?」

 

皆して疑問符を浮かべた。予選なんてあったのか。

 

「113…多くない?」

 

「きっと他のギルドも妖精の尻尾(フェアリーテイル)みたいに2チーム出てるからだと思うわ」

 

「あ、そっか…」

 

フィオーレ中のギルドの数にしては多すぎると思ったが、そういえばそうだった。

 

「でも、なんでこんないきなり…予選があるとしたら事前に知らせてくれればいいのに…」

 

もしかしてジェラールの言っていた謎の魔力と関係が…?もう、全部が怪しく見えてしまう。

 

カボチャのヤツは軽快に続けた。

 

『毎年参加ギルドが増えて~内容が薄くなってるとの指摘をいただき~♪ 今年は本戦を8チームのみで行う事になりました~♪ 予選のルールは簡単!!』

 

「8チーム…倍率高いね」

 

アミクがそう呟くと。

 

急に地鳴りと共に宿が揺れ始めた。

 

「揺れてるの!」

 

「カボチャの次はなんやねん!!」

 

アミクが反射的に窓枠を掴んでいると、宿が伸びた。

 

「伸びたー!!?」

 

「他の宿も一緒みたいだぞ!」

 

「おそらく、他の参加者達の宿でしょう」

 

宿はグングン伸びていくと、一定の高さになって止まった。

 

「ちょ、ちょっと酔っちゃった…」

 

「始まる前からだらしねえな、ギヒッ」

 

『これから皆さんには競争をしてもらいます♪ ゴールは本戦会場ドムス・フラウ♪先着8チームの本戦出場となります♪』

 

窓から身を乗り出すアミクの目に、ベランダから階段が伸びていく光景が映った。それは空中にある巨大な丸い建造物へと繋がる。

 

「…この宿がスタート地点ってことなの」

 

「階段であそこに進むのね」

 

「随分大掛かりな予選を用意してくれたな」

 

ラクサスの言う通り、予選にしては規模が大きい。それも出場するチームが途轍もない数だからだろう。

 

『魔法の使用は自由、制限はありません♪早くゴールした上位8チームのみ予選突破となります♪但し、5人全員揃ってゴールしないと失格!それと、『迷宮』で命を落としても責任は取りませんので♪』

 

「命を落とすって…怖いこと言わないでよ…」

 

だが、実際に死ぬ可能性もあるという事だ。精々用心せねば。

 

(…ナツ達は大丈夫かな…)

 

ふと、Aチームの方が気になった。全員12時までに間に合ったのだろうか。

 

いや、今は自分達の心配だ。

 

「迷宮とはアレのことですね」

 

ジュビアが巨大な丸い建造物を指差す。あの中の構造が迷宮になっているらしい。

 

「あの中を通るのか」

 

「迷宮内でのレースが予選かぁ…」

 

「競争か、おもしれぇ…!」

 

ガジルが獰猛に笑った。なんでそんな人殺しそうな笑顔なんですかね。

 

『大魔闘演武予選!!空中迷宮(スカイラビリンス)──開始!!』

 

予選開始だ。

 

「始まった…!」

 

いよいよだ。

 

「皆!行こう!フィオーレ最強への第一歩だよ!」

 

7年前までは最高のギルドと言われていた妖精の尻尾(フェアリーテイル)。今ではその影もないが、アミクの大好きな妖精の尻尾(フェアリーテイル)であるのは間違いない。

 

だが、今こそ大きな声で伝えるべきなのだ。

 

 

 

妖精の尻尾(私達)は帰って来た、と。

 

 

 

再び、妖精の羽ばたきを見せ示す時だ。

 

 

アミクがベランダに出て高らかに言うと、ラクサス達も笑みで応えてくれた。

 

「グレイ様にジュビアの勇姿を見せつけて差し上げます!グレイ様見てますか〜!」

 

「早ぇよ」

 

火竜(サラマンダー)やエルザには負けねぇ」

 

「あらあら、うふふ」

 

…欲を言えば、ナツ達と共に行動したかったが、仕方ない。ラクサス達と共に頑張ろう。

 

 

それに、チームは違えど、心はナツ達とも一緒だ。

 

 

 

「マーチ、リリー!行ってくる!」

 

「お前達の力を信じてるぞ」

 

「アミク達なら予選通過は余裕なの!」

 

マーチとリリーも力強い視線でアミク達の背を押してくれた。

 

「それじゃあ…」

 

アミクは階段に足を掛けた。

 

「レッツゴー!!」

 

そして、皆と一緒に駆け上がって行った。

 

「ってかなんでお前が仕切ってんだよ」

 

「そういえば…なんでなんだろうね?」

 

 

とうとう、アミク達妖精の尻尾(フェアリーテイル)が大魔闘演武に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

中は立体的な構造になっていた。つまり、迷路も立体的。重力もメチャクチャなようで頭上に階段があったり、真横に道があったりして一筋縄ではいかないことを示している。

 

 

しかし。どんな迷路だろうとアミクが居れば問題ない。

 

 

「この予選、貰ったね!」

 

「策はあるのか?」

 

全員の視線が自信満々のアミクに集中する。

 

「私の魔法を使えば、こんな迷路なんてあっという間に攻略できるよ!」

 

「『反響マップ』のことかしら?」

 

『反響マップ』は超音波を発しその反響で周囲の状況を知るエコーロケーションで、周囲の地形を把握し、脳内で地図を描くものだ。

 

「というわけでちょっと無防備になるからその間よろ〜」

 

「なんて言うんでしょう…アミク的に言えば「フラグが立って」る気がします」

 

ジュビアの言葉は聞かなかったことにして超音波を迷宮全体に放った。迷宮自体広いので少し時間が掛かりそうだ。

 

(人がいっぱい居る…ここがこうで、あそこがこうで、ゴールが此処…)

 

「できたー!!」

 

脳内でこの迷宮内のマッピング終了。作成時間、約1分。

 

アミクが声を上げると、あんまり期待してなかったラクサス達が驚いたように見つめてきた。

 

「…成功したのか」

 

「意外ね」

 

「ジュビアは失敗するパターンかと思ってました」

 

音竜(うたひめ)が自信満々の時は大抵ダメだからな。珍しいこともあるもんだぜ」

 

チームメイトが酷いです。シクシク。もうちょっと信用してくれてもいいのに。

 

「あとはゴールに向かって進むだけ!私に付いて来て!」

 

ここからだとまずは中央に向かったほうが早い。アミクは脳内の地図を頼りに迷宮への中心へと進んで行った。

 

 

 

その途中。他のギルドと鉢合わせした。

 

「あ。黄昏の鬼(トワイライトオーガ)

 

「げぇっ!?オレ達のギルドを襲った女が居るぞ!!」

 

「あの時の屈辱、ここで晴らすべし!」

 

襲いかかって来たのでボコボコにしました。

 

「暴れ足りねぇ」

 

ガジルが転がった黄昏の鬼(トワイライトオーガ)のメンバーの1人に座って不満を零す。

 

「ケンカが主旨じゃないでしょ…おっと、何かはっけーん」

 

アミクは黄昏の鬼(トワイライトオーガ)が落とした紙切れを拾い上げた。

 

 

「これは…この人達がマッピングした地図みたいだね」

 

「なるほどな。本来ならマッピングしながら進んで、他のギルドの奴らに会ったらぶっ飛ばして地図を奪うんだな」

 

「そうして地図を補強していくのね」

 

だがこのチームはアミクがいれば他から地図を奪う必要はない。アミク1人で全てのマッピングができるからだ。

 

「便利だな、お前」

 

「これが人間カーナビ…って、何言わすねん!!」

 

褒められて気を良くしたのか、アミクがノリツッコミをしていた。

 

 

…実はアミク達は『反響マップ』のメモすらしてない。

ラクサスが「時間の無駄だから」と却下した為だ。アミクとしても脳内の地図を全て書き写すのは骨が折れるので是非もなかった。

 

ただ、一応奪った地図は回収しておく。

 

その時。

 

 

ゴゴゴゴッ

 

 

「今度は何ー!?」

 

突然響いて来た音にうんざりしたように言うと、床が…いや迷宮全体が動き始めた。

 

「回転してるわ!!」

 

「どこかに掴まれ!」

 

幸い、回転するスピードは速くはないが、油断すると迷宮に空いている穴に落ちてしまいそうになる。実際、倒れている黄昏の鬼(トワイライトオーガ)がその穴から落ちていった。

 

アレは文字通り脱落だろう。南無。

 

 

 

だが不幸なことに、ここでアミクのドジが発生した。

 

「あ」

 

「アミク!?」

 

足を滑らせて綺麗な街並みが見える穴に真っ逆さま────

 

 

ガシッ!!

 

 

咄嗟にアミクの足を掴んだラクサス。間一髪、アミクは落下を免れた。ナイス。

 

「あ、ありがとラクサス〜!めっちゃビビった〜!」

 

涙目でお礼を言うアミク。だが、ラクサスはそれに答えられなかった。

 

なぜなら、彼の目には────

 

 

星柄のパンツが広がっていたから!

 

 

 

今のアミクは逆さまになっている為、重力に従ってスカートが捲れてしまったのだ。

 

 

丸出しのパンツを凝視するラクサス、という異様な光景。

 

 

それを見てジュビアが「きゃっ、大胆!」と両手で赤くなった顔を隠し、ガジルがニヤニヤと笑い、ミラは。

 

「ラクサス…そろそろ引き上げてあげたら?」

 

ニコニコといつもの笑顔を張り付けていた。ラクサスはそのミラの様子に何かを感じとって、黙ってアミクを引き上げ、道に降ろす。

 

「危なかった〜…ここで残念なお知らせが1つ」

 

気まずそうなアミクに、ラクサスは顎を引いて先を促した。

 

「今の衝撃で脳内マップ忘れちゃった」

 

「…」

 

アミクはラクサスの冷たい視線に晒されながら、もう一度『反響マップ』を発動させるのだった。

 

 

 

 

それからは地図を簡単にメモしてから迷宮をサクサク進んで行った。他のチームと出会ったらとりあえずバトル。

 

「片付いたな」

 

「地図、貰うわね?」

 

「ごめんね…」

 

軽くボコった後に念のため地図を強奪。これが趣向なのはわかるが…やってることが盗賊っぽい。

 

 

アミクの地図も頼りにして迷路を簡単に攻略。途中で回転がきてもどこかに掴まってやり過ごす。(アミクは念入りにラクサスに掴まれた)

 

中央まで来てからは更に迷宮の様子が変わった。クロッカスではない街並みがあったり、海のようなものがあったり。

 

それらも軽くクリア。

 

 

そして────

 

 

「ラクサス・ドレアー!ミラジェーン・ストラウス!ガジル・レッドフォックス!ジュビア・ロクサー!そしてアミク・ミュージオン!おめでとうございます!予選通過決定です♪」

 

『GOAL』と文字の下でパチパチと拍手をするカボチャのヤツ。

 

「…マジで?」

 

「大マジです♪」

 

「ーーーー〜〜〜〜〜〜っやったああああああああああ!!!」

 

アミクはロケットのように飛び上がった。

 

 

「やった!!やったよ!!皆!!私達やったんだよ!!」

 

「うるせぇぞ」

 

「あらあら」

 

ガジルに文句を言われるが、アミクは聞こえないかのようにピョンピョン跳ね回った。ツインテールも喜びを表現するかのようにパタパタと揺れる。

 

「はい、タッチ!!」

 

「は、はぁ…」

 

アミクがジュビアに両手を突き出すと、彼女は困惑しながらも両手を合わせてくれた。

 

他のメンバーにもやると、ミラは快く、ガジルは迷惑そうながらもハイタッチしてくれる。

 

「ラクサスー!!」

 

「もうちょっと大人しく喜べねぇのか」

 

ラクサスは苦笑して手の平を合わせてくれた。

 

 

「ラクサスが戻って来てくれて本当に良かった!こうしてまたラクサスと一緒になれて嬉しいよ!うん!」

 

満面の笑みのアミクは本当に嬉しそうだった。その笑顔が眩しくてラクサスは「あ”あ”あ”あ”〜!」と妙な声を上げて掌で目を覆った。

 

ミラはニコニコ。ガジルはニヤニヤ。ジュビアはアワアワ。三者三様の反応でラクサスを見守った。

 

 

「ちなみに何位だったの?」

 

ちょっと気になってカボチャの人に聞いてみると、「2位です」と答えられた。

 

「2位!?実は惜しかった?」

 

「惜しかったですね。もう少し早ければ1位でした」

 

「あちゃー…」

 

タイムロスがなければ1位だったかもしれない。勿体無い。

 

「まぁ、大魔闘演武の成績には関係ありませんから…」

 

「そうよ。本戦でこそ私達の力の見せ時よ」

 

ミラの珍しく力の入った言葉に「それもそうか」と顔を上げる。

 

 

本戦こそが本番。フィオーレ中の様々な人々が見守る大魔闘演武。そこでアミク達の力を大いに発揮する。そして、会場を妖精の尻尾(フェアリーテイル)で彩り、魅了させてやるのだ。

 

 

「皆、頑張ろーね!絶対優勝するぞー!!」

 

アミクが拳を振り上げると、メンバー達も「おー」と軽く拳を上げたのだった。

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)Bチーム、予選突破。本戦出場決定。

 

 

同じく、Aチーム。ギリギリで予選通過。

 

 

 




パンツ丸出しアミク。挿絵にしたらヤバそう。

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