妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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零帝って厨二っぽいよなww
今回は短いです。


呪われた島

「・・・い!おい!しっかりしろ!」

 

「う、ううぅん・・・」

 

アミクはナツが呼ぶ声で目を覚ました。

 

「よかった、気がついたのね!」

 

ルーシィの声も聞こえる。

 

「あ、れ・・・?ここは?」

 

「ガルナ島だよ!」

 

「あーし達、海に落ちた後波でここまで運ばれて来たみたい、なの」

 

ハッピーとマーチが説明してくれた。

 

「グレイは?」

 

「先に様子見てくるってよ」

 

アミクはナツの返答を聞きながら身を起こす。

 

(それにしてもあのおじさんは・・・)

 

一体何者だろうか。

 

「おーい、お前らー!」

 

グレイが手を上げながら近づいてくる。

 

「あっちの方に門があったぜ。アミクも起きたのか。

だったら行けるな?」

 

「あれ?なんか乗り気だね」

 

さっきまでは連れ戻そうとしていたはずだが。

 

「お前らだけ先に二階に行くのも癪だし、破門になったらそれはそれでつまらねぇからな・・・だから付き合ってやるよ、その依頼」

 

グレイが不敵に笑った。

 

「グレイもくるの!?だったら心強いな」

 

「これでエルザも来れば最強チーム再来なんだけどね・・・」

 

ルーシィが本当にエルザが来ていないか周りをキョロキョロと確認した。

 

 

 

 

 

グレイに先導されて来てみると本当に門がある。アミクは中にいる人に呼びかけるようにして叫んだ。

 

「すみませーん!仕事できた者ですけどー!門を開けてくださーい!」

 

アミクの声が響くと、門の上から二人の男が現れた。

 

「仕事に?依頼された者か?」

 

「はい!『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』です!」

 

「依頼を受理されたとの報告は来ていないが・・・?」

 

「何かの手違いで遅れてんだろ」

 

門番の疑問にすぐにフォローするグレイ。

 

 

「・・・全員、紋章を見せろ!」

 

そう言われたのでアミク達は自分のギルドマークを見せた。

 

 

 

「おお、どうやら本物のようだ」

 

「うーむ」

 

しかし、1人の男が納得してなさそうに唸る。

 

「その女共の服を脱がせ」

 

「関係ないでしょ!」

 

「ぬ、脱げばいいんだね」

 

「脱ぐな!アンタ達も見てないで止めなさい!」

 

「すまない、調子に乗った」

 

アミクが恥ずかしそうにしながらも服を脱ごうとしていたので慌てて止める。

もう1人の男の方は呆れているようだ。

 

 

 

「よし、入りなさい!」

 

二人の男が頭を引っ込めると門である柵が上に上がり、中に入れるようになった。門をくぐるとそこには分厚いローブを着た人々がアミク達の前に現れる。

 

「よくぞ来てくださった、魔導士の方々・・・ワシはこの村の村長です・・・ほがっ」

 

「あ、はいどうも。早速ですが仕事の話をしようと思うのですが・・・?」

 

「ふむ、そうじゃな。それならば隠してもしょうがない、皆ローブを取るんじゃ」

 

「え・・・?」

 

なんでそんなことを言うのか分からず、首を傾げると全員ローブを脱いだ。

 

「わわっ!全員グレイみたいな感じ?」

 

「いや、そうじゃねぇ、見ろ!」

 

村人達の姿に息を呑む。その姿はあの船乗りの男と同じ、身体の一部が異形の物と化していた。

 

「驚かせてしまったかな? この島にいる者は皆このような呪いにかかってしまったのです」

 

「なぁ言葉を返すようだが何を根拠にそれを呪いって言ってんだ? 流行り病だと考えねぇのか?」

 

「医者にも見てもらいましたがこのような病気はないと言われました・・・こんな姿になってしまったのは月の魔力(・・・・)が関係しているのです」

 

「月の魔力?」 

 

 

アミクが疑問の声をあげると村長が説明を続けた。

 

 

「元々この島は月の光を蓄積し、島全体が月のように輝く美しい島でした。しかし、何年か前に突然月の光が紫色に変わってしまったのです・・・ほがっ」

 

「紫?」

 

「いつも通りの月だったと思うけど・・・」

 

この前牢屋で見たときもなんら変わったところはなかった。紫でもなかった。

 

 

「月の光が紫に変わると私達の身体はこのようになってしまったのです」

 

「あ、皆見て!」

 

空を見ると雲で隠れていた月が現れる。その色は自分達が知っている白の月ではなく、不気味な光を放つ紫色だった。

 

「本当に紫!」

 

「うわ・・・」

 

「これは月の魔力の呪いなのです・・・うっ!」

 

すると村長をはじめとする村の人々が突然呻き声を上げた。呻き声と共に村人達の身体が徐々に変わっていく。

 

 

「・・・!これは・・・」

 

アミク達の前には先ほどまで人間だった者達がいた。

 

肌が青くなったり、ツノが生えたり。全身が異形と化してした。村長も例外ではない。

 

その姿はまるでーーーーー悪魔。

 

「お見苦しい姿を見せて申し訳ない・・・これを呪いと言わずしてなんと言うのでしょう・・・?」

 

確かにこれは呪いとしか言えないだろう。

 

「おお!これすげぇな!本物か!?ツノとか本物かよ・・・いデェ!!」

 

「はいはいーちょっと黙ってようねー」

 

アミクがバコーンと騒ぐナツの頭を叩く。

 

 

「・・・朝になれば元の姿に戻りますが、中には元に戻らず心まで失ってしまう者も出て来たのです。

そこで私たちは、心を無くし魔物と化してしまった者は殺すことに決めました」

 

「・・・そんな・・・」

 

「放っておけば、皆がその魔物に襲われる。心を失った者は恐ろしく凶暴、幽閉しても牢を破壊してしまうのです」

 

「なるほど、だからこの村の柵をあんなに頑丈に作ってるのか」

 

グレイは村を囲むようにして作られた頑丈そうな柵を思い出す。

 

「私も息子を殺してしまった・・・心まで悪魔となってしまった息子を」

 

そう言って涙を流す村長は写真を取り出した。

 

そこにはアミク達をこの島に連れて来た船乗りの男が映っていた。

 

「嘘!?」

 

「このおっさん、さっきの・・・」

 

「おい、黙っとけ!」

 

グレイが静かに言う。

 

「あのおっさんが消えた理由がようやくわかったぜ。そりゃ、浮かばれねぇよな・・・」

 

ルーシィは恐怖で震え上がった。つまりあの男は幽霊だということか。

 

この島の呪いが心残りで成仏せずに残っていたというわけか。

 

「・・・」

 

しかし、アミクだけは疑うような視線を写真の中の男と空に浮かぶ紫色の月に向けるのだった。

 

「よーし、おっさん!俺達が必ず解決してやるからな!」

 

ナツが威勢良く言った。

 

「おお、本当ですか!かたじけない・・・ほがっ」

 

村長は涙を流して喜ぶ。

 

 

「ええ!あたし達がなんとかして見せます!」

 

「あい!」

 

「任せて、なの」

 

ルーシィ、ハッピーにマーチも続けて言う。

 

「ありがとうございます・・・私達の呪いを解く方法は一つ」

 

村長は指を天にある月に向け、一呼吸する。

 

「あの月を、壊してください」

 

 

 

 

 

 

「それにしても変な月、なの」

 

「なんで、紫なんだろうね〜」

 

マーチとハッピーが月を見上げながら語る。

 

アミク達は村長から自由に使っていい、と言われた小屋の中で寛いでいた。

 

「ちょっと、窓閉めなさいよ!呪われたらどうするのよ!」

 

「そう簡単に呪われないよ〜」

 

荷物の整理をしていたルーシィがハッピーとマーチに注意するがハッピーは呑気に言う。

 

「・・・もし魚が食べれなくなる呪いにかかったら知らないわよ〜」

 

「閉めます」

 

ハッピーがすぐに窓を閉めた。

 

「・・・あーしが呪われたらきっとグラマスでナイスバディな美女になる、の・・・」

 

「普通逆でしょ・・・」

 

人間が呪われてネコになるならともかく、猫が人間になるとは。

どこのシュレッ○だ。

 

 

「にしても参ったな・・・」

 

グレイは途方にくれた。やることのスケールが大きすぎたのだ。

 

「月を壊せって思い切ったこと言うねあの人」

 

アミクも呆れたように言った。

 

「でもやらなきゃ『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』の名折れだ」

 

ナツはそう言うができないものはできないのだ。

 

「第一どうやって月に行くかとか考えてあるのか?」

 

「ハッピーとマーチに連れていってもらう!」

 

「流石に無理だよ〜」

 

「途中で魔力がなくなって落下して地面のシミになるのがせいぜい、なの」

 

「恐ろしいこと言うわねこのネコちゃん・・・」

 

マーチが言う言葉に冷や汗をかくルーシィ。

 

そこで、アミクが言う。

 

「恐らくだけど月が紫に見えるのはこの島だけだと思う」

 

「そ、そうね・・・本当に月が紫だったら他の場所からもそう見えるはずよね」

 

「だったら、この島に何か秘密があるはず。きっと月を壊さなくても呪いを解く方法もあるはずだよ」

 

「だといいがな・・・」

 

しかし、月を壊すのは現実的ではないのでアミクの考えの方が説得力がある。

 

「よーし!だったら明日は探検だな!」

 

ナツが楽しそうに言った。

 

「そうだね。じゃあもう寝ようか。明日は早めに起きて探索を開始しない、と・・・」

 

そこまで言うとアミクはパタリ、と倒れて寝息を立て始めた。

 

「早ぇーなおい」

 

「きっとこの前の疲れが取れてないのよ・・・・」

 

「昨日も起こされたし、なの」

 

ルーシィはアミクの隣に寝転がるとアミクを抱き寄せる。マーチはアミクとルーシィの間に入った。

 

「おまえ、アミクの事好きすぎだろ・・・」

 

「とにかくいろいろ考えるのは明日よ」

 

「わかった!寝るぞハッピー!」

 

「あいさー!」

 

「ファァア、俺も眠ぃ・・・」

 

小屋の電気を消し、すぐに寝入るナツとハッピーとグレイ。

 

「ふぁあ〜おやすみ〜・・・ってこいつらの間で寝るの!?」

 

ルーシィがガバッと起きて叫んだ。ルーシィとアミクはナツとグレイに挟まれる形でいるのだ。

 

「アミクに何かあったら、あたしが守らないと・・・」

 

と言ったそばから

 

「フッへ〜これ柔らけぇなー・・・・」

 

ナツがアミクの胸に顔を埋めていた。

 

「・・・」

 

「おい、それは俺のパンツだ・・・」

 

グレイも急に手を伸ばしてルーシィの胸を掴む。

 

「・・・あ、ん、た、らぁ!!!!」

 

 

 

 

 

次の朝。

 

「さあ、出発よ!」

 

「おー!」

 

スッキリした様子のルーシィとアミクが元気よく言う。よく寝れたようだ。

 

それと対照的に気分が沈んでいるのはナツとグレイの男衆だ。顔面がたんこぶと痣だらけになっている。

 

 

「い、いてて、何があったんだ?」

 

「俺達、寝ながらケンカしてたのか?」

 

「ふ、ふん!知らないわよ!」

 

二人は痛みでよく寝れなかったようだ。

 

ルーシィは昨日のことを思い出して顔を赤くしてそっぽを向く。

 

「・・・?」

 

アミクはよく分からなかったのか首をかしげるだけだ。

 

 

 

「どうしたんだろうね〜?」

 

「さぁ?」

 

ハッピーとマーチはいつも通り、と。

 

 

 




ガジル出したいな〜。ギヒッてやりたい。
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