妖精の尻尾の音竜   作:ハーフィ

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保存してないのにサイトが読み込まれて、途中まで書いてたやつ消えた

つらたにえん

圧倒的オリジナルの下手さよ

やっぱ原作って偉大だわ


…あと、2話で収められませんでした

すみませんでした…ヤベェよ、最近投稿頻度ヤベェよ


王族は大変です 中

とりあえず、闇ギルドの男を拘束して床に転がせておいた。

 

向こう(ボスコ)から知らせが届いてから間もないのに、私たちの居場所を突き止めてあるとは…この行動の早さは想定外でした」

 

深刻な表情をするヒスイ。アミクもうーんと考え込む。

 

「情報が漏れたのかな?」

 

「この件を知っているのは、現段階では我々を含めて一部の者だ。こちらから漏れることはないだろう」

 

「ってことは、漏らしちゃったのはあっち(ボスコ)?」

 

ボスコにいる闇ギルドなので、ボスコ側で知られてしまった可能性が高いだろう。

 

ルーシィはそっと倒れている男を窺った。主にボスコで活動している闇ギルド。今回の敵。

 

「周囲に怪しい人はいなかったようです。一人で潜入してきたのでしょう」

 

男が見つかった後、すぐに部屋や宿の周辺を調べたが仲間がいるような形跡はなかったと言う。多数で動いて勘付かれるリスクを高めたくなかったのだろうか。

 

「…助かりました。敵にあなた方の存在を知られてしまうところでした」

 

ヒスイが深刻そうな表情でアミクに礼を言う。アミクは「いえいえ」と手を振って謙遜した。

もしアミクが気が付かなかったら、敵に手の内を知られて裏をかかれていたかもしれない。

 

その時、「う…」と男が目を覚ました。

 

「…こ、ここは!?」

 

「起きたか、無礼者め」

 

アルカディオスは鋭い視線で状況を理解したのか、男は顔を青ざめさせ冷や汗を流す。騎士団の団長なだけあって、思わず身構えてしまうような威圧感があった。

 

「お前の知っている情報をすべて吐け。そうすれば情状酌量くらいはしてやろう」

 

「絶対しないよね、あれ。あんなこと言って実際にやってる人、私ほとんど見たことないもん」

 

「余計なこと言わない!どこにだって建前ってものがあるのよ」

 

後ろで喋っているアミクたちのことは無視してジッと男を睨んでいると、男は「ケッ」と唾を吐く。

 

「やだね、教えるわけねーだろ」

 

強気に言うが、冷や汗が滲んでいるのを見ると虚勢だとわかる。

 

「アルカリさん、そんな怖い顔じゃダメだよ。もっと親しみやすい慈愛の心で…」

 

アミクが声を掛けるが、アルカディオスはますます怖い顔になった。何でだろー。

 

「うーんルーシィ、拷問用の星霊とかいない?」

 

「拷問されたい星霊ならいるけど」

 

「そっかー、じゃあしょうがない」

 

本人はジョークのつもりだがさらっと恐ろしい事を言うアミク。ルーシィも慣れたのかさらっと返す。

 

仕方なくアミクは一肌脱ぐことにした。あまり気は進まないが、これも情報を聞き出すためだ。

アミクはアルカディオスを押しのけて男の前に屈み込んだ。

 

「一番身近な近所迷惑って知ってる?」

 

「あ?」

 

キョトンとする男の頭を両手で抱える。男は何だか嫌な予感がした。少女のちょっと申し訳なさそうな顔が余計不安を煽った。

 

「直で体験スタート!!」

 

「あばばばばばばばば!!!?」

 

両手から爆音が放たれ、男の頭に直接流し込まれる。大音量が頭の中で反響し脳が揺さぶられ、五感がめちゃくちゃになった。

 

「あ、近所迷惑と言えば、昔私が泊まった宿の話なんだけどさ」

 

「ぶべべべべべべべべべっ!!!」

 

「そこの部屋の壁が薄くてね。隣の部屋の声が筒抜けなのよ。しかも私余計に耳がよかったからガッツリ聞こえちゃうのね」

 

「ぐがががががががががががが!!!」

 

「隣で騒ぎまくるもんだから中々寝付けない日もあってさ。宴会でもやってたのかな」

 

「おごごごごごごごごごごご」

 

「隣がカップルだった時は最悪。一晩中落ち着かなかったもん。もう、いかがわしい宿じゃあるまいし!」

 

「ブクブクブクブク…」

 

「いーやー!!思い出しちゃったー!!私にはまだはやーい!!」

 

「あ、あの…その人、すごく危険な状態のようですが…」

 

「あ」

 

 

 

男はペラペラと知っている情報を与えてくれた。目を見開いて必死な表情をする男は、恐怖から逃れようとするかのようだった。

一方で彼をそのようにしてしまった本人は、部屋の隅っこで膝を抱えて「そんなつもりじゃなかったのぉ…ちょっと脅すだけのはずだったのぉ」と凹んでいた。

うっかり苦しませ過ぎた事を気にしてるらしい。繊細である。

 

「とにかく、これで相手の目論見がわかりました」

 

ヒスイは男から聞いた情報を整理した。

 

襲撃の詳細についてはあまり情報を得られなかった。と言うのも、襲撃の段取りはこの男が情報を持ち帰ってそれを元に練るつもりだったらしいので仕方ない。

代わりに所属している闇ギルドの大まかな構成人数・所持している兵器・要注意人物など、彼の闇ギルドに関して有用な情報を聞き出すことができた。

 

そして、何よりこの襲撃の目的。それを知ることができたのは大きいだろう。

 

「フィオーレの王族を巻き込んでの大規模テロ…」

 

「嘘でしょ…そんな大事になっちゃうなんて…」

 

「でもまぁ、ドラゴンに襲われるのに比べたらねぇ」

 

「どっちもどっちよ!!」

 

ルーシィは「またとんでもないことに首を突っ込んでしまったのでは?」と頭を抱えた。いや、最初に「テロの可能性がある」と言われてる時点で案件だった。

 

「この国のトップとボスコの中枢の一部、共に損害を与えフィオーレとボスコの両方の国力低下を狙っているのでしょうね」

 

「『漁夫の利』ってやつね」

 

「『一石二鳥』だと思うが」

 

あわよくばどっちも乗っ取っちゃおう、と欲張っているわけか。

 

「予想の範疇です。だからこそ、アミクさん。貴方が必要なのです」

 

そうだ、そういえばそんな話だった。

 

「今回はルーシィさんがいるのも丁度良いかもしれません」

 

「と言うと?」

 

それは────と続けられた言葉に、アミク達は目を丸くしたのだった。

 

 

 

翌日。

 

アミク達は潮の匂いのする港の近くで待機していた。ヒスイ達は使節団が来るまで宿で待機だ。

 

「ルーシィとナツってここで会ったんだよね?」

 

「うん!昨日のことみたいに思い出せるよ。『チャーム』掛かってた所にナツが割り込んで助けてくれたのが始まりだったのよね。本人は助けたつもりはなかったみたいだけど」

 

綺麗な海が見えるこのハルジオンでの出会い。彼らが出会った時も、このような潮の匂いがしてたのだろうか。アミクは妙に気になった。

 

「その後色々あって『火竜(サラマンダー)』を騙ってた悪者と対峙したんだけど、ナツが思いっきりぶっ飛ばしたらハルジオンの港も壊しちゃって…一緒に逃げちゃった」

 

「想像できてウケる」

 

印象的な出会いだと聞いてはいたが、当人から改めて聞いてみると衝撃的過ぎて絶対に忘れられない思い出になりそうだ。

アミクとナツの出会いはギルドに声を掛けられるといういかにも普遍的なものなので、実はちょっと羨ましいと思っていたりする。

 

「私もあの時行けばよかったなー、ルーシィと一足早く会えたかもしれなかったのに」

 

「ナツがハルジオン壊すところも見ることになったと思うけど…」

 

「うわー!頭痛くなってきた!」

 

前に話を聞いた時だって「はぇーーー!!?」と変な声が出たものだ。直接見てたら多分、ショックで卒倒してたかもしれない。

 

「でも全部含めて良い思い出!ナツと出会ってなかったらアミク達とも出会えてなかったかもしれないし」

 

ルーシィはしみじみとそう口にした。どんな状況であれ、ナツとの出会いを大切な思い出にしているようだ。

 

「あ!アレかな?」

 

アミクが海の向こう、遠くに見える船影を指差す。

一見目立たない普通の船。

 

だが事前にボスコから知らされている通り、小さくカボチャのマークが描かれている帆が付いている…カボチャっていうかマトーくんの顔だ。

アレはボスコの使節団が闇ギルドの目を欺くためのものだ。明らかに豪奢な船が海に出ようとしていたら目に付く。だから、こちらにしか分からない「サイン」────マトーくんのマークを入れて普通の船でカモフラージュをしたというわけだ。

 

「よかった〜、途中で襲われたりはしなかったみたいね」

 

「…まだ安心はできないよ。昨日のあの人以外にここに仲間がいないとも限らないんだから」

 

あくまで宿に忍び込んで盗み聞きしていたのがあの男一人だけだったというわけで、ハルジオンに他の仲間が潜伏している可能性も否定できないのだ。

いるとしたら、仲間が帰ってことない事を怪しんで警戒している事だろう。つまり、余計に目を光らせているとも言える。

 

「それに…あの人の言った通りなら「気付いてたけどわざと泳がせた」って事もあり得ると思う」

 

フィオーレとボスコ、両方に大打撃を与えるという目的。

それが本当ならわざわざ途中で襲ったりはしないだろう、と推測する。

 

「確かに…とにかく油断はできないってことね」

 

「国家絡みだからねぇ…気を引き締めないと。でも、気楽にやろっか」

 

「どっち!?」

 

 

さて、とアミクは近づいてくる船を見据えた。

 

 

「ミッションスタートかな」

 

 

 

 

「これはこれは。お出迎え感謝いたします」

 

意外な事にボスコの中枢を担う人物は年若い青年だった。もう少し歳をとっている人物だと想像していたが、若くても実力のある人物らしい。

確かに、にこやかに微笑みながらも油断なくこちらを見定めるような目をしている。目の奥には力強い野心の火が灯っている気がした。

 

ヒスイは目の前の人物を観察して「上に立つ者の風格を持っている」と判断する。

 

「ようこそ、フィオーレへ。あなた方を歓迎します」

 

ヒスイはドレスを摘んでペコリ、と頭を下げた。青年も頭を下げると「ヒスイ姫のように美しい方に出会えて光栄です」と微笑む。

お世辞も嫌味を感じない。それに大国の王族を前にしても堂々とした立ち振る舞い。あのボスコで上層部に座していただけのことはある。

 

「改めて、エギス・トリオードと申します。お見知り置きを」

 

…とりあえず、何事もなく国同士の邂逅は終わった。

 

しかし、ここからが本番だ。

 

(やるぞ…!)

 

アミクはエギスの堂々とした立ち振る舞いを見て、これから始まるであろう騒乱に覚悟を決めるのだった。

 




うーむ、やっぱ無計画なオリジナル展開は危険ですね()
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